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プーチンが挑む「金融的果たし合い」 [ロシア]

田中宇氏「権威筋や米国覇権のゾンビ化」(会員版)。 
《ゾンビの中で最もわかりやすいのはQEによる金融覇権のゾンビ化だ。米連銀(FRB)など中央銀行群による買い支え策(QE)がないと相場が暴落する、今の米欧日の株や債券など金融市場・金融システムは丸ごとゾンビである。米国中心の先進諸国の金融システムは、2008年のリーマン危機でいったん大きく崩壊(凍結)した後、しだいに反騰して史上最高値を更新しており、蘇生したように見えるが、それは中銀群がQE策で資金を注入し続けたからであり、QEが米欧日の金融をゾンビ化・植物人間化した。二度と自力で蘇生できない植物人間と同様、先進諸国の金融システムがQEなしの自力で蘇生することは二度とない。英加などの中銀は昨年末からQEをやめてQTに入っているが、本当にやめているのか疑問だ(QTでなく債権の隠密償却をやっているのでないか)。米連銀は資産がいまだに微増しており、QEを辞めたと言いつつやめてない。ゾンビが重層化している。この事態の中でプーチンが非米諸国を金資源本位制にいざなって、米国側に金融的な果たし合いを挑んでいる。》
そもそも経済面の米国覇権は、1971年のニクソンショック(金ドル交換停止)で金本位制が崩壊していったん崩れた後、1985年の金融自由化以降、債券金融システムが拡大し続けることで再生した。(この拡大・再生をバブル膨張と考えるなら、これ自体もゾンビ化だが、それを言ってしまうと金本位制以外すべてゾンビだ。実際そうなのだが)。リーマン危機は、その債券金融システムのバブル崩壊であり、冷戦後に金融主導になった米国覇権の崩壊だった。そして、リーマン危機で崩壊した米金融覇権は、QEというゾンビ化によって見かけだけ蘇生している。今の米国覇権は金融面でゾンビである。》
要するに「金本位制以外すべてゾンビ」。プーチンが目指すのは、金資源本位制化によって、債権金融ゾンビシステムを崩壊させること。田中氏は、プーチンは「米国側に金融的な果たし合いを挑んでいる」という。私は、「持ってナンボの経済」から「使ってナンボの経済」へ、と言ってきた。
「へっぴりごし」さん紹介の記事を端緒に、この件に関するロシアの動きを遡ってみた。
ロシア銀行がルーブルを金にリンクさせ、商品決済をルーブルにリンクさせるという動きは、西側メディアがまだよく把握していないパラダイムシフトである。ドミノ倒しのように、これらの出来事は様々な形で反響を呼ぶ可能性があります。現物の金に対する需要の増加ペーパーゴールド市場の暴落金価格の再上昇米ドル離れが進む米ドル以外の通貨による非欧米諸国間の商品二国間貿易の増加。》
"ロシア制裁 "の意図しない結果として、世界的なエネルギーや食料価格の記録的な高インフレ、アフリカでの食料不足と飢饉、返済不能な膨大な債務、通貨の堕落や切り下げ(ローマのデナリウス(銀貨)の銀含有量を盗む)、大量検閲、適正手続きの放棄、法の支配、そして、「良くても世界経済の後退、最悪は経済恐慌」などを指摘した。"ロシア制裁は、"世界経済の後退、最悪の場合は、経済恐慌を引き起こす"。》

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