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「不況入りしたのに、株価が続伸する」という謎を解く(田中宇) [現状把握]

田中宇国際ニュース解説会員版 金融システムの詐欺激化
要約:《【2024年2月18日】権威筋はすでに米覇権を守る気がないのだから、ドルや米連銀の信用失墜につながる巨額の裏帳簿を使った金融延命策が行われても不思議でない。米覇権自体、すでに不可逆的に潰れていく道をたどっており、いまさら米覇権を守る気を持っても意味がない。権威筋や米連銀が、以前のように信用を大事にして裏資金に頼っていなかったら、昨年9月からの金利上昇や株安が10-11月に悪化してリーマン級の金融危機に発展していた。危機を先送りするために裏資金の注入が始まった。》

以下、ダイジェスト。

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《日本のGDPが2四半期連続でマイナス成長になり、日本経済の不況入りが確認された。だが、日本の株価は上昇して最高値を更新しそうな勢いだ。不況は経済活動の減退だから株安が当然だし、教科書的にもそうなっている。/この不況は、コロナ対策の資金供給が終わったことによるもので、ずっと続く世界的な物価高もあり、景気は今後さらに悪化する。不況入りしたのに、株価が続伸するのは明らかに不合理だ。》

民間の金融界は最近、新たなカネ集めの構図を作れていない。これまで(詐欺的な)カネ集めの構図だったESGなど温暖化対策への投資話は、昨年後半からすたれている。太陽光や風力など自然エネルギーが不安定だし費用効率が超悪く、ろくな発電システムでないことが露呈し、電気自動車もコスパがとても悪いと(今ごろ)わかったからだ。》《新たな表向きの資金源やカネ集めの構図、成長要因がないのに、10月から状況が変化した。これは、表向きでなく、隠れた巨額の資金源が作られたからとしか考えられない。/そのような巨額資金を作れるのは民間金融界でなく公的機関、とくにドルの発行を担当する米連銀しかない。米連銀が、表向きの勘定(B/S)にあらわれない裏資金を巨額に作ってそれを金融システムに注入し、金利上昇の抑止や株高を演出し、金融バブルを延命させているのだろう。》

米覇権はすでに不可逆的に崩壊し、世界の実体経済の中心が非米側に移っているのに、権威筋はそれもわざと無視し、あたかも米覇権が隆々として中露が今にも破綻しそうな図柄が喧伝されている。》《権威筋はすでに米覇権を守る気がないのだから、最終的にドルや米連銀の信用失墜につながる巨額の裏帳簿を使った近視眼的なバブル延命策が行われても不思議でない。米覇権自体、すでに不可逆的に潰れていく(世界多極化への)道をたどっており、いまさら米覇権を守る気を持っても意味がない。 /権威筋や米連銀が、以前のように信用を大事にして裏資金に頼っていなかったら、昨年9月からの金利上昇や株安が10-11月に悪化してリーマン級の金融危機に発展していただろう。危機を先送りするために、裏資金の注入が始まった。》《ウクライナ開戦直前に米議会が連銀に加圧し、インフレ対策としてQE終了とQT開始に転換させられた。QTは昨秋の金融危機につながりかけたが、新たな裏資金注入策が始まり、不況なのに株価の最高値更新というインチキになっている。 /米金融システムの詐欺は激化したが、相変わらずほとんど誰も気づかないままになっている。》

金融の状況は、実体経済や需給と無関係な政治謀略の分野に入っている。オルトメディアが言うように、金融はいつ大崩壊してもおかしくない半面、裏資金注入で何年も延命する可能性もある。》
実体経済の悪さと、表向きだけの金融市場の好転との対照性がしだいにひどくなっていく。いつまで人々が軽信して騙され続けるのか、騙されなくなった時にどうなるのか。株や債券が上がれば、裏の構図はどうでも良いのか。》

 

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