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「冴えわたる田中宇氏の裏読み」と私には思えます [田中宇]

田中宇の国際ニュース解説「ナワリヌイ死去の裏読み 」https://tanakanews.com/240222russia.htm

要約:《【2024年2月22日】ロシアは、欧米が現実策に転換してロシアに和解を求めてくることを望んでいない。だから、ミュンヘン安保会議がユリア・ナワルナヤを呼んで演説させるタイミングに合わせて夫のナワリヌイを殺して発表し、ナワルナヤに情緒的なプーチン敵視の演説をさせ、会議の雰囲気をプーチン敵視で充満させ、会議で対露和解の話を出そうとしていた欧州の現実派を黙らせたのでないか。》

以下、ダイジェスト

プーチンとしては、国内的に反政府運動の強さを測るためにナワリヌイに反政府的な発言をさせ続けていたのでないか。/国際的には、米欧に露(中)敵視を強めさせ、露中やBRICS・非米側が結束を強めて米覇権を崩す動きを強化する流れを維持するため、米欧が支持するナワリヌイを投獄して、意見発信を許しつつ、いじめ続けた。その後のウクライナ開戦後の対応へと続く「偽悪戦略」の流れが見える。//ナワリヌイは米欧風の政治を好むリベラル派でなく、その逆の右派民族主義者で、クリミアは(地元民の民意に沿って)ロシア領であるべきだと言っており、反ウクライナだ。彼の政治思想は、欧米リベラル派が極右とかネオナチと呼んで誹謗する種類のものだ。彼は、プーチンの汚職だけを非難(喧嘩売り)し、外交政策には賛成していた。 /それなのに欧米リベラル派は、ナワリヌイがプーチンに喧嘩を売っていたのを好機として、ナワリヌイをリベラル派のように扱い、ロシアの反政府人士の代表として称賛し、支持してきた。/欧米の政府や権威筋は、何でも良いからロシアを敵視したい。その構図は、ロシアを敵視して強化する隠れ多極派の策略に乗せられており、プーチンも売られた喧嘩を喜んで買ってロシアを台頭させている。

ロシアで最初にナワリヌイの死を発表したのは西シベリアの監獄当局だったが、その数分後には露大統領府(クレムリン)が記者発表し、話はすぐにミュンヘンの安保会議に伝わった。露政府は、ミュンヘンの議場にユリアがいる時間を狙ってナワリヌイの死を刑務所に発表させ、ユリアが情緒的な演説をするように仕向け、米国側が露敵視とウクライナ戦争支援を強めるように画策したのでないか。》

露政府は、米諜報界の隠れ多極派と同様、ウクライナ戦争と露敵視の長期化を望んでいる。欧米は、ウクライナ戦争と露敵視を続けるほど、露中や非米側の台頭を誘発して覇権を失い、経済政治の両面で自滅していく。/ウクライナ開戦後、ロシアは米欧から強烈に経済制裁されているのに経済成長している。米欧が中露を敵視するほど、中露と非米側が経済結束して米欧抜きの世界経済を作って発展していく。/プーチンの露政府は、この状態をもっともっと続かせたい。その方が発展できる。習近平も似たような戦略だ。//ロシアは、欧米が現実策に転換してロシアに和解を求めてくることを望んでいない。だから、ミュンヘン安保会議がユリア・ナワルナヤを呼んで演説させるタイミングに合わせて夫のナワリヌイを殺して発表し、ナワルナヤに情緒的なプーチン敵視の演説をさせ、会議の雰囲気をプーチン敵視で充満させ、会議で対露和解の話を出そうとしていた欧州の現実派を黙らせたのでないか。

ナワリヌイを支持するのは、ロシアの事情を知らず、米国側の報道を鵜呑みにする軽信的な欧米日のリベラル派などだけだ。プーチンは、ナワリヌイのような敵を必要としなくなった。ナワリヌイは「最期のご奉公」として、殺されることによって米国側の怒りと露敵視を扇動し、多極型世界におけるプーチンのロシアの台頭と経済発展を加速させる役割を課されることになった。》

プーチンは最近、今秋の米大統領選でバイデンが勝つことを望んでいると表明した。「ウクライナが勝つまで支援し、永遠に露敵視する」と非現実的なことを言い続けるバイデンが今秋の米大統領選で勝つことをプーチンは望んでいる。対露和解や、ロシアとウクライナの対話を仲裁しそうなトランプに当選してほしくない。》

私はこれまで、NATO加盟国とロシアが開戦すると、すぐに5条が発動されて米露が核戦争になるので、NATOはロシアと開戦せず、戦場は今後もずっと非加盟国のウクライナだけに限定されるだろうと思ってきた。/だが、NATO加盟国とロシアが開戦しても、米国がすぐに5条を全面発動せずぐずぐずしていたら、NATOとロシアが開戦しても米露の全面戦争や核戦争にならないシナリオがあり得ると思い直した。//このシナリオは、NATOとロシアの交戦状態・有事体制を生むため、トランプが返り咲いてもロシアと和解するわけにいかなくなり、トランプはNATOを棄てることもできなくなる。ロシアは、米国側と非米側の対立を維持して多極型世界で発展できる。/NATOがロシアと開戦しても5条が全面発動されないのはNATOの信用失墜になる。米露間の対立の度合いをうまく調整しないと本当の核戦争になる。だが、それらの問題を回避できれば、トランプに露敵視とNATO関与の維持を強要できる。》

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田中宇氏、素顔をカミングアウト! [田中宇]

「印度は意外と居心地良い」https://tanakanews.com/240213india.htmで田中宇氏、素顔をカミングアウト。《私は昔から山歩き(登山)が好きで、雪山が嫌いなので冬場は関東や関西の低山を縦走する。田中宇 山行記録 初の匿名解除) 》

体験的裏付けによる現在日本の宗教批判→《公式な宗教がつまらない小役人体制になっている(新興宗教もいかがわしい)日本から南印度に行くと、宗教が生きている感じがして良いなと思う。》修行とは何かを考えてみると、煩悩、快楽、恐怖心、生死など、自分の人間としての特性と向き合って突き詰め、人間の領域から神の領域に少し入ってみる・覗き見する行為だと考えられる。》納得です。副島氏の『自分だけを信じて生きる』に通じます。→https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2024-02-02-1


要約:《【2024年2月13日】印度のヒンドゥ寺院を巡礼すると、私のような日本人にの宗教観に合っている感じ、居心地の良さが感じられた。それは何なのかを考えていくと、日本の宗教の歴史や現状についての考察が必要になった。日本の仏教や今の神道は宗教性が低く、宗教というより役人の管理機構だ。管理機構になる前の日本の宗教はどういうものだったのか。その考察・試論が必要だ。》

ダイジェスト:日帰りでなく山の中で野宿しつつ一人で歩き続けると、自分が自然の一部になった感じを持てる。山中で2-3泊すると嗅覚が鋭くなり、すれ違う人の体臭が感じとれる。北海道では近くの熊の体臭も。
複数人で行ったり、山小屋やテント指定地に泊まると、他の人と接してしまって感じが失われる。野宿(意図的ビバーク)は国立公園法違反だと言う人がおり、調べたが無根拠だ。/歩行以外やってないが、自然との一体化は、人知を少しだけ超える経験で、修行に近い感じがする。誰もいない山中での日没や日の出もすごい。私の宗教観は、こういう感じで得られている。》

役行者からの伝統信仰は途中で切れている。古神道は、修験道以外にいろいろあったと思うが、私自身が片鱗を感じとれるのはこれだけだ。そしてそれも歴史的にいったん失われており、後世の者たちは想像・洞察するしかない。》

四国の歩き遍路も宗教的な歩行だ。徳島県の1番から19番まで100キロを3日かけて歩いてみたが、道のほとんどがアスファルトの舗装道なので苦行というか無意味な拷問で、良くなかった。/土の上を歩くから気持ちが良く、大地(大日如来、胎蔵界)を感じとり、神性と交われるのであって、土と遮断されている舗装道はダメだ。逆に生命を縮める。舗装は、ヒトの足のためでなく、車のゴムタイヤのためのものだ。 /国家建設者でもあった弘法大師の末裔である国土交通省は、四国の1200kmの歩き遍路道の舗装を30センチぐらいの幅で削り取って土を出すのが良い。》

私は歩行以外の修行をしたことはない(怖いの嫌だから今後もしない)。だが、修行とは何かを考えてみると、煩悩、快楽、恐怖心、生死など、自分の人間としての特性と向き合って突き詰め、人間の領域から神の領域に少し入ってみる・覗き見する行為だと考えられる。》

日本の仏教や今の神道は、よく見ると宗教性が低く、宗教というより役人的な管理機構だ。管理機構になる前の日本の宗教はどういうものだったのか。その考察・試論が必要だったので、今回の記事になった。》

BJPが台頭する前の印度政界は、英国独立時からの多数派である国民会議派など左翼世俗派が与党であり、政治エリートだった。世俗派は宗教に寛容で、印度国内の宗教対立は今より少なかった(イスラム主義のパキスタンやカシミール分離独立派との対立はずっとあったが)。 /しかし、左翼リベラル世俗派のエリートが支配していた時代、印度はずっと低成長で長期停滞だった。英国は印度を独立させる際、左翼エリートに支配構造を作らせ、長期停滞を誘発した。モディらヒンドゥナショナリストがそのくびきを破壊し、BRICSの一員として国際台頭する今の印度を作った。》

長州政府による国家神道は、日本人を天皇原理主義で扇動し、日本を強化して大日本帝国にした。だが敗戦で、それらの構造はすべて破壊され、小役人と反日リベラル左翼が跋扈する戦後になっている。/「小役人管理体制だって、平和なら良いじゃないか」。それは肯定する。戦後の日本権力(長州と官僚機構)が、意図的に日本を弱い国にする策を続け、米国に加圧されても好戦性を出せない「弱いふり」戦略で成功してきたのも事実だ。近年のドイツは何重にも自滅させられているが、日本はあまり傷んでいない。それは、弱いふり戦略のおかげだ。 //それらの点を踏まえつつも、公式な宗教がつまらない小役人体制になっている(新興宗教もいかがわしい)日本から南印度に行くと、宗教が生きている感じがして良いなと思う。》

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「インチキな理由に基づく実質的な全体主義策」としての新型コロナ(田中宇) [田中宇]

田中宇氏、新型コロナは《「インチキな理由に基づく実質的な全体主義策」の骨頂》だったという。その策によって、騙される人の割合がどのくらいかが測られたのではないかという。2類相当から5類になってもまだ変わらず、一旦外しかけたかに思えたマスクがまた増えている。(「「だまされる者は何度でもだまされる」…歪んだ社会の常識とマインドコントロールが作り出す寿命50歳社会」https://indeep.jp/be-fooled-again-and-again/)日本の全体主義順応度の高さは世界一かもしれない。手ひどい敗戦の体験が全く生かされていないのではないか。

以前書いた記事を思い出した。→「目を覚ませ!全共闘世代」https://oshosina3.blog.ss-blog.jp/2021-06-13-1 なんの反応らしい反応もないまま2年半が過ぎて、もはや「後期高齢者」の仲間入りだ。それでも自分なりにできることを自分の持ち場で果たしたい。3月選挙だ。今期限りのつもりだったが、もう一期がんばる。やりたい選挙をやる。

田中宇の国際ニュース解説「エスタブ自滅策全体主義の実験場NZ」要約:《【2024年1月19日】インチキ全体主義は、ダボス会議を主催するWEFなど米欧エスタブ権威筋を統率する米覇権運営体(米諜報界、DS)が考案し、NZが実験場としてちょうど良いのでアーダンをたらし込んでやらせた。いまや米覇権の運営自体が、インチキ全体主義を信奉するリベラル権威筋のエスタブに委ねられている。NZアーダンはその象徴だが、この構図そのものが米覇権の自滅を加速している。》

ダイジェスト:アーダンは2021年のダボス会議で、NZ社会を、接種者と非接種者の「2段階社会」にすることを宣言し、非接種者の人権を剥奪する策を用意した。より良い社会を自称するリベラルが、反対派を弾圧するため、北朝鮮や江戸幕府と変わらぬ被差別階級や村八分の制度を作ることにした。(もともとリベラルは、ウソが上手になった改訂版共産主義者=全体主義者、もしくは洗脳されてやってることの本質を理解してない軽信者だが)/NZ政府は、コロナワクチンが心筋症などの副作用を引き起こすことを知りながら、強権的な接種強要を公然と全力で展開した。しかしこれらの策は、国民からの反対が強くて限定的にしか行われず、都市閉鎖やマスク義務など他の超愚策も含め、2年後に撤回されていった。・・・アーダン政権は、国民の間からどのくらいの反対が出るのか反応を見るために、意図的に人々の人権や自由言論を制限する全体主義的で露骨・強烈な統制策を連発してきた観がある。

新型コロナは、無意味な外出禁止とか、ワクチン強要で人々の身体を壊そうとする策、マスク義務で子供の発育を破壊する策など、トンデモ策で全員の生活を抑圧し、気づいた人が激怒するとすかさず弾圧・人権剥奪される「インチキな理由に基づく実質的な全体主義策」の骨頂だった。》《コロナや温暖化の対策が、科学的・合理的かどうかなどどうでも良く、がむしゃらに全体主義を目指さないと、欧米エスタブは自分たちの支配を維持できないので、その尖兵となる実験をアーダンのNZがやっている、というわけだ。》

テロ戦争も、イラク侵攻も、リーマン危機も、新型コロナも、温暖化問題も、ウクライナ戦争も、欧米の世界支配を自滅させる方向に働いている。アーダンのNZ政府の諸策は、この自滅方向を加速する実験を重ねた。・・・インチキ全体主義は、ダボス会議を主催するWEF(世界経済フォーラム)など、米欧エスタブ権威筋を統率する米覇権運営体(米諜報界、DS)が考案し、NZが実験場としてちょうど良いのでアーダンをたらし込んでやらせたのだろう。》《日本の左翼も、温暖化やコロナなどの超愚策にどっぷりはまり込む大馬鹿をやっている。中露台頭の確定後に中露敵視に転じる愚策も。左翼に政権とらせたら日本もインチキ全体主義になるが、日本では「幸い」なことに左翼が不人気で政権をとれないので、彼ら自身の自滅加速にとどまっている。》

インチキ全体主義は全盛期を迎えた。いまや米覇権の運営は、インチキ全体主義を強く信奉するリベラル権威筋のエスタブに委ねられている。NZアーダンはこの構図の象徴だが、この構図そのものが米覇権の自滅を加速している。米諜報界=DSが隠れ多極派に乗っ取られ、この構図を推進している。プーチンや習近平に漁夫の利を与えている。/先日開かれた今年のダボス会議でも、欧米各国のエリートたちが、各種のインチキ全体主義策をとうとうと語っている。しかしこの構図自体が、エリートたちを米覇権ごと自滅させていく。》

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「イスラエルの虐殺戦略 」 [田中宇]

要約:《【2024年1月11日】ガザ戦争の強烈な人道犯罪は、イスラエルでなく、米英覇権の一部だった人道犯罪の断罪システムを崩壊させる。イスラエルが人道犯罪をおかしたのに、米国はイスラエル傀儡だからそれを指摘できない。イスラエルはガザで大っぴらに虐殺と民族浄化をやることで、自国への拘束だったパレスチナ問題を抹消すると同時に、米覇権の衰退に拍車をかけ、世界の多極化を推進している。イスラエルはすでに米覇権を見捨てている。

以下、ダイジェスト。

《パレスチナ抹消の民族浄化を続けるイスラエルは、ICJで有罪になる。ジャーナリズムもイスラエル敵視を強める。米民主党内では、イスラエルを放任するバイデン政権への批判がすでに強まっている。米欧やイスラム諸国で、イスラエルを経済制裁すべきだという声が強まる。米欧日の左翼リベラルはすでに、イスラエルと付き合う企業へのボイコット運動を始めている。
だがイスラエルは、米欧日の企業と取引できなくなったら、中露印度など非米側の企業と取引すれば良いだけだ。イスラエルとの経済的な縁を切る制裁をやることで困窮するのは米欧日の企業や経済の方だ。
こういう機会がなければ、これから米欧が覇権崩壊・経済衰退しても、もともと親米欧なイスラエルは、付き合う相手を米欧側から非米側の企業に変えられなかった。だが米欧から経済制裁されるほど、イスラエルはタイミング良く付き合う相手を替え、経済を非米化していける。むしろ好都合だ。》

世界の主導役になる中露BRICSなど非米側は、敵に人道犯罪のレッテルを貼って潰す策をとらない。非米側はこれまで、米英による人道犯罪レッテル貼り策の被害者だった。/BRICSの中で、イスラエル制裁を強硬に言っているのは南アフリカとイランぐらいだ。南アは、米英の人道犯罪策の構図を利用して黒人が白人政権を転覆し、現政体になった。イランは昔からイスラエルの仇敵だが、中東から米覇権がなくなったらイランはイスラエルと和解する用意がある。ペルシャ人はユダヤ人と同様に賢く、アラブ人を馬鹿にする傾向まで同じだ。イラン訪問記隠然と現れた新ペルシャ帝国)//イスラエルを合法的に軍事攻撃できるのは国連安保理だけだが、常任理事国は英米も中露もイスラエルを敵視したがらない。イスラエルは、ICJで人道犯罪の有罪判決を受けても、実質的に困ることがない。 /ガザ戦争の強烈な人道犯罪は、イスラエルでなく、米英覇権の一部だった人道犯罪の断罪システムを崩壊させていく。イスラエルが人道犯罪をおかしたのに、米国はイスラエル傀儡だからそれを指摘できない。これは米国の覇権低下に拍車をかける。//このような新事態から逆に考察すると、イスラエルはすでに米覇権を見捨てていることになる。イスラエルはガザで大っぴらに虐殺と民族浄化をやることで、自国への拘束・くびきだったパレスチナ問題を抹消するだけでなく、米覇権の衰退に拍車をかけ、世界の多極化を推進している。》

田中氏的深読みの真骨頂→人道犯罪に関しては、ロシア軍がブチャやクラマトルスクで、ウクライナ当局による虐殺でっち上げの被害にあっている。だがロシア政府はその後、根強く反論してでっち上げを潰すことをやっておらず、通りいっぺんの反論をしているだけだ。でっち上げられたのに放置している。/なぜだろう、と私はいぶかっていたが、今回「もしかすると」と思う構図を見つけた。もしかするとプーチンは、イスラエルがいずれガザ戦争を起こし、米英覇権の道具である人道犯罪の断罪システム自体を破壊することを事前に知っていたので、濡れ衣晴らしをせずに放置してきたのかもしれない。》

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「共産主義トラウマ」からの脱出→野党共闘 [田中宇]

田中宇の国際ニュース解説「北朝鮮とロシア」要約:《【2023年12月27日】ロシアが北朝鮮との交流を突然復活した今夏は、ちょうど露主導の非米世界システムの構築が軌道に乗りだした時期だった。ロシアは、ウクライナ戦争での武器弾薬不足や、経済成長で人手不足が深刻化したので、武器弾薬や出稼ぎ労働力を北朝鮮から買っただけ、と考えるのは多分近視眼的だ。ロシアは、もっと巨視的・長期的に、北朝鮮を非米的な世界システムに招き入れるために、武器弾薬や労働力の購入を皮切りに北朝鮮に接近したと考えられる。》

ダイジェスト:米国が北朝鮮やイラン、シリア、キューバなどを極悪視して制裁・転覆画策し続けるのは誇張歪曲だらけで理不尽だが、世界最強の覇権国だから黙認するしかないと考えている国は多い。ソ連崩壊からウクライナ開戦まで、ロシアもそうだった。ロシアは、米主導の国連の北制裁に賛成し、北への協力も最小限にしていた。
だが米国は、覇権が衰退しつつある中で、ウクライナ政府を傀儡化して国内ロシア系住民を殺し続ける策を2014年からやり続け、ロシアを正当防衛的なウクライナ侵攻(特殊作戦)に誘導し、猛烈な対露制裁を開始した。》

ウクライナ開戦から1年以上が経ち、政治経済の両面で非米的な世界システムの構築が進んでいる。政治面BRICSを拡大し、米国側と非米側が衝突して機能不全の傾向である国連安保理の機能を代替しそうな勢いだ。経済面は、BRICS諸通貨での貿易決済やユーラシア内陸部の貿易路建設など、米国側と断絶した状態で非米諸国が経済活動できる態勢が、簡素だが形成されている。》

北を孤立させ、日韓を対米従属させるためのものだ。北制裁は極東を安定させない。米覇権は、これから崩壊が進んで日韓から撤退していくのだから、北制裁でない戦略が必要だ。ロシアはそのため(日韓のため??)に北に接近したともいえる。》

北が安定したら、南北和解が近づく。ロシアが北を非米システムに誘ったのは東アジアの安定策である。》

今年ロシアは、中国と協議しながら北との関係を強化している。これは中露合同で北を非米側の仲間に入れる策だ。かつて中国は「市場主義」を北に勧めたが、今ロシアが北(やアフリカなど非米諸国)に勧めているのは「国家主義」「国家主導」の経済戦略だ。北朝鮮の金家は、自分たち(=国家)が中心でなければならず、国家主義は大好きだが、金家より市場(もしかすると米諜報界の「見えざる手」)が偉い市場主義は嫌いだ。北朝鮮には、トウ小平式よりプーチン式が似合う。》

今のロシアの前身であるソ連も、英米の覇権体制とは別の世界システムを、国際共産主義体制として百年前に作ろうとした。今のロシアの非米世界システムの構築提案は、百年前からのロシアのお家芸を継いだものだ。ロシアが世界システム構築の才能を持っているというよりも、内陸側のロシアが、海洋側の英米と地政学的に対立する存在なので、非英米的な世界システムの提案をロシアが担当している感じだ。/この見立てに沿って、ロシア革命から現在までの世界史の裏の流れを再構築してみようとしたのだが、途中で頓挫しているのと、今回の北朝鮮の話からかけ離れていくので、それは改めて考えて書くことにする。》

《今のロシアの非米世界システムの構築提案は、百年前からのロシアのお家芸を継いだもの》に、ソ連発信の国際共産主義運動を思った。日本共産党はこの流れを汲む。このトラウマが、野党統一行動を妨げている。(「岸田内閣崩壊の好機に野党共闘を拒否する連合・芳野友子会長“共産党嫌い”の原点 」https://jisin.jp/domestic/2278036/)このトラウマから脱け出すことができるかどうかは、日本に新しい政治の流れをつくることができるかどうかのカギになると思う。できる!と思う。田中氏の次稿に期待。

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「オーウェル1984よりさらにすごい現実」(田中宇) [田中宇]

田中宇の国際ニュース解説会員版★パレスチナを人権外交ごと潰すイスラエル
要約:《【2023年12月24日】イスラエルは、パレスチナ人を大量虐殺しつつガザと西岸から追い出してパレスチナの存在そのものを潰そうとしている。それだけでなくイスラエルは、いくら大量虐殺しても米国から制裁されないことを世界に示すことで、米英覇権の基盤の一つだった「人権外交体制」(敵性国に人権侵害の濡れ衣をかけて潰す策)を破壊しつつ、それを「持参金」として米国側から非米側に転向しようとしているように見える。》

以下ダイジェスト

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★2022年9-10月に書いた7本を無料化(国際ニュース解説) [田中宇]

田中宇の国際ニュース解説 無料版 2023年12月22日 https://tanakanews.com/
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★2022年9-10月に書いた7本を無料化
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重要そうな順番に、無料化した記事を並べました。
このころから始まった世界的な金融危機が、今まだ続いている感じだ。米連銀(FRB)による銀行救済の資金注入が、史上最大を更新しつつずっと続いている。連銀による資金注入で金融危機の表面化をずっと防いで糊塗してきた。
現在まで1年以上続いてきた、この巨大で潜在的な金融危機は、いつまで表面化せずに延命し続けるのだろうか。来年見ていくべき要点の一つはそこだ。
https://www.zerohedge.com/markets/banks-usage-feds-bailout-facility-soars-new-record-high
Banks' Usage Of The Fed's Bailout Facility Soars To New Record High

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BRICSの通貨政策に関する提案論文紹介 [田中宇]

田中宇の国際ニュース解説会員版「BRICS共通通貨への道」。

要約:《【2023年12月14日】BRICS共通通貨は、うまくいけば来年のBRICSサミットで決定され、再来年のサミットで通貨創設の最初の段階を発表できる。とりあえずデジタル人民元などBRICS加盟国の諸通貨をドル代替の非米側基軸通貨として使う。そのかたわらで共通通貨として、BRICS諸国の通貨を経済規模に応じて加重平均した新デジタル通貨「R5+」を作る。》

以下、ダイジェスト。

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田中宇 ロシア報告(承前) [田中宇]

要約:《【2023年12月8日】この四半世紀、米国は敵視や制裁や戦争を多発し、世界を不安定化するばかり。それはまずいので、露中など米傀儡でない諸大国が集まり、別の安保システムを作ることにした。それが多極型世界だ。極の策は政治支配でなく、経済と安定化だ。「安保」が持つ意味も、米覇権下での「脅威誇張・戦争・敵視・制裁・不安定化」から、「現実直視・交渉・和解・相互繁栄・安定化」へと大転換する。》

ダイジェスト:日本は、早めに動き出せば極になれる。今のように多極化を無視して対米従属のみに固執し続け、極になる準備開始が遅れると、確定した体制下に入っていくのが難しく、日本は中国極の傘下(中国の属国)になる。/日本では、中国を嫌う人ほど多極化を無視して対米従属に固執する傾向だ。中国を嫌う人ほど、日本を中国の属国へと引きずり込んでいる。対中和解派を売国奴呼ばわるする人こそ、日本を中国の属国にする売国奴。無自覚は最大の失策だ。》

日本が極になるなら、それは東アジアの海洋地域としての極だ。日本から米領グアム、フィリピン、東南アジア、インドネシア、豪州、NZへと続く西太平洋。それから、ロシア、北朝鮮、韓国、中国の環日本海圏。日本は、これらの地域と特に親しくして、経済や地域安定の策をいろいろ考えるようになると、極になる。/極の策は政治支配でなく、経済と安定化だ。「安保」が持つ意味も、今の米覇権下での「脅威誇張・戦争・敵視・制裁・不安定化」から、「現実直視・交渉・和解・相互繁栄・安定化」へと大転換していく。それが多極化の良いところだ。》

強国が弱い国に対して一方的に影響力を持つのが覇権(隠然)や支配(顕然)だが、多極型世界の極の国の行動は、他の国々との合意に基づく相互のものなので覇権でない(傀儡政権を作って合意させることがあり得るので覇権の要素は残る)。支配でなく、他国に対して経済や安保での貢献をする国が極だ。/この定義で考えると、極になる国は世界に30ぐらいありそうだ。日本に国際貢献してもらったと思っている国はけっこうあり、この点で日本は極だ。》

戦後の米覇権体制は当初、米国が世界の紛争を仲裁して安定化する役目だった。だが、この四半世紀、米国は敵視や制裁や戦争を多発し、世界を不安定化するばかりだ。米国側のマスコミは善悪歪曲の意図的な誤報を流布し、米国側の人々に「米国は良いことをしている」という大間違いな妄想を軽信させている。//この事態は、放置すると永久に続く。それはまずいので、露中など米国に傀儡化されていない国々が集まって、別の国際安保システムを作ることにした。それが多極型世界だ。》

私自身の見立てで言うと、(英国系に牛耳られているのを嫌がる)米国自身が単独覇権を壊して多極化したいので、わざと敵視制裁戦争を多発して露中に多極型世界を作らせた、という話だ。どちらにしても多極化は、世界の安全確保のための「世直し」である。》

日本との関係についても、北東アジアについての 7.8. に少し書いてある。それは「残念ながら、日本のナショナリズムは、日本の対米従属を終わらせる試みにつながっていない」という一文だけだ。/ロシアは、欧州各国の反EUナショナリズム・いわゆる極右が、欧州を米傀儡から離脱させて非米側に入れてくれると期待している( 3.3. )。だが日本のナショナリズムは反米でなく、逆に米傀儡の中露敵視屋なので期待できない。この一文はそういう意味だ。(日本には真のナショナリストがほとんどいない。反米親露派も不必要に反中国) /日欧とも、世界を不安定化するばかりの米国に従属する傀儡である限り、世界を安全にするための非米側の動きに参加できない。》

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田中宇氏、世界デビュー! [田中宇]

驚きました。

世界の分析や露政府の戦略の提案を行ってきた大学の一つに「HSE大学」(国立研究大学経済高等学院)がある。HSEはウクライナ開戦後、何度も分析書・提案書をまとめて政府に提出・公開してきた。/HSEは、さる11月30日と12月1日に、世界の多極化や非米側のあり方に関する5回目の国際会議を開いた。議題は「新たな現実下での世界多数派: 地域研究の視点から」。/私流に言い換えると「多極型世界における非米側の各地域の状況」。・・・私はこの会議に呼ばれて出席し、米国の隠れ多極主義の傾向について英語で7分間話した。・・・ロシア人を中心に、非米諸国の研究者や外交官が参加した。米国側諸国からの発表者は、日本からの私と及川幸久さんの2人だけだった。・・・米国側から日本人が2人参加したのは、HSE大学のガリーナ・タキガワ教授の尽力によるものだ。タキガワ教授とご主人の瀧川敬司・東京貿易ロシア法人代表が日本からの会議参加者を探したが、日本の学術界やマスコミなど権威筋の人々は世界やロシアに対する見方が頓珍漢でダメで、私のような肩書なしの市井人に声がかかった。》

2005年ごろから多極化を論じてきた私は、ずっと妄想屋扱いされてきた(今も?)。/だが日本など米国側が無視しているうちに、すでに世界は多極化し、ロシアでは権威筋が国を挙げて多極型世界について考察・立案している。米国側がいつまで無視するのかわからないが、多極型世界はどんどん確定していく。私でなく米国側全体が妄想屋になっている。私は至福を感じている。》

配布されたHSE大学の冊子の論文について紹介されます。以下のダイジェストは今回紹介部分の結論ともいえる箇所。私の前回アップ記事との通底を思いました。→「石城山行④ 天行居とユダヤ」https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2023-12-03

《2.6.1 ・世界には多様な文化や文明がある。世界は本来一枚岩でなく多様なものだ。多様性を反映した方針をとる非米側(世界多数派)は、人類の自然なあり方に沿っている。対照的に米国側は、一枚岩の体制や、他者を拒否するブロック政策をとり続けている。/2.6.4 ・イデオロギーという概念そのものが、欧米文明の産物だ。欧米は20世紀から、イデオロギーやその他の分野で世界を席巻支配してきたが、これは世界のあり方を歪曲してきた。・・・2.10 ・世界多数派(非米側)は反欧米の考え方でない。あらゆる覇権やグローバル化の概念・モデルから人々を解放する考え方である。米国だけでなく、中国の覇権もダメだと。・・・★米国が言っていた「文明の衝突」と正反対の「文明の協調」をめざす非米側。

まだ続きます。楽しみです。

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