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BRICSの通貨政策に関する提案論文紹介 [田中宇]

田中宇の国際ニュース解説会員版「BRICS共通通貨への道」。

要約:《【2023年12月14日】BRICS共通通貨は、うまくいけば来年のBRICSサミットで決定され、再来年のサミットで通貨創設の最初の段階を発表できる。とりあえずデジタル人民元などBRICS加盟国の諸通貨をドル代替の非米側基軸通貨として使う。そのかたわらで共通通貨として、BRICS諸国の通貨を経済規模に応じて加重平均した新デジタル通貨「R5+」を作る。》

以下、ダイジェスト。

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BRICSは世界的な金地金保有諸国でもある。だから、共通通貨を金資源本位制にするのは理にかなう。だが、金や石油ガスの国際価格は、米英金融界が信用取引を使って相場を抑止・乱高下させつづけてきた。/米英の金融界(ドル)に資金力が残っている間は、BRICSが新通貨に金資源本位制を導入すると、金融界が金や石油などコモディティの相場を歪曲・乱高下させ、新通貨を潰しかねない。/だから、金資源本位制の導入は、米国側(ドル)が金融崩壊してからだ。それまでの間、とりあえずBRICS諸国の国債を新通貨の担保にする案が出ている。》
ドル(米経済覇権)は崩壊過程にあるが、完全崩壊するまで米連銀は(表向きQTで資金を吸収しているようにみせかけて)裏で造幣し続けて金融界に注入し、金融界がその資金を使って株高、低金利、金地金安など、ドルが強いかのように見せかける演出・詐欺をやり続ける。/強いドルが演出されている限り、中銀群や金融専門家、マスコミなどは「世界経済には米英覇権だけで十分だ。非米側が別の基軸通貨を作る必要などない」と言い続ける。非米的な通貨戦略は妨害され続ける。/だが、いったんドル(米覇権)が崩壊してしまうと、中銀群は理論的支柱を失い、非米側の通貨戦略に反対できなくなる。多極型世界では、中央銀行が独立(という名の米英傀儡性)を失い、政府やBRICSの傘下に入る。米国側の金融界は丸ごと失業する。マスコミは信用されなくなる(世界有数の軽信民族である日本でさえ)。/ドルが崩壊すると、米国債金利が高騰したままになり、金や石油ガスの相場に対する歪曲も資金切れでやれなくなる。金相場は今の2倍以上になり、どこかで安定する。資源類の価格が安定し、BRICSは共通通貨を金資源本位制にしていける。多極化が完成する。》
表向き米経済は良いことになっているが、実際は大不況になっている。だから最近、米国債の長期金利が下がり、米国から資金が逃げ出して円安が止まって円高に反転し、金相場が抑止を乗り越えて上昇している。不況なのに、連銀が資金を注入するので株価は下がらず、マスコミが好景気だと歪曲報道して人々が軽信している。/米銀行界は、シリコンバレー銀行やクレディスイスが破綻した今年3月からずっと危機で、預金が流出し続けている。だが米連銀が流出額を穴埋めする資金注入をしているので、銀行はゾンビ化したまま存続し、マスコミも報じないので銀行危機は終わったことになっている。//金融システムのすべてが連銀の裏資金で延命している。延命にかかる費用は増え続け、しだいに維持が困難になる。裏金で延命しているのが透けて見える、薄っぺらなかきわり状態になっている。かきわりがぐらぐら揺れて、倒れそうになっている。最近の地金や為替の相場はそんな感じだ。/この延命がいつまで続くか不透明だが、終わりが近い感じが強まっている。終わりが来ると、非米側の通貨体制の構築が加速する。》

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