論理的思考の危うさ→「世界を認識するのは習熟による」(吉本隆明) [mespesado理論]
《純粋に論理的に演繹される形式科学には強くても、基礎情報それ自体の真贋についても正しい知識を自力で探そうとする態度を持たないと、経験科学の世界ではまんまと騙され、真実からかけ離れてしまう、という恐ろしさ》
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ふと浮かんだのが吉本隆明『初期ノート』の言葉、《人間が他人を認識するのは習熟によってであり、その習熟が如何なる種類のものであっても、この原則は正しく適用されて誤らない。》(『初期ノート』試行出版部p.139)「他人」を「世界」に代えてみた。
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この言葉で検索して見つけたサイト→「『初期ノート』解説」https://syoki-note.hatenadiary.org/entry/20090520/1242826089 。mespesadoさんの文章の後ろに転載しておきます。
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「国家が貨幣を増産すれば好景気の時代は再び到来する」 [mespesado理論]
相変わらずmespesadoさん、冴えてます。
《国家が貨幣を増産すれば好景気の時代は再び到来する》のだろうけれども、いまみんながほんとうに求めているのはなになんだろうか、というところで立ち止まってウロウロしています。
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「デジタル通貨でカネの流れを金融勢力にしっかり管理される未来」? [mespesado理論]
mespesadoさん:《悲しいかな、強欲資本とその傘下のマスコミという巨大勢力に洗脳されて、銀行の破綻による預金の消失とか、破綻は防げてもデジタル通貨でカネの流れをすべて政府、というよりは、政府を操る金融勢力にしっかり管理される未来になる》
世界経済フォーラムの狙い:《システミックな銀行危機の際には、銀行預金からCBDC(中央銀行デジタル通貨)への移動は、現金引き出しに関連するもの(ATMに行く、列に並ぶなど)よりも低い取引コストであるため、中央銀行という形でセーフヘイブンの目的地を提供することになります。/現金に比べCBDCに移行するコストが低いということは、システム全体の銀行ソルベンシー(支払い能力)危機が発生する確率が低ければ、より多くの預金者がすぐに引き出すことを意味します。/彼らは、仮想のCBDCは従来の銀行預金よりも安全で、現金よりも入手しやすいので、人々は銀行が暴走したときにそれを使うことを選ぶだろうし、したがって銀行暴走はより起こりやすく、より一般的になるだろうと主張します。・・・CBDCが世に出回れば(もちろん最初は任意ですが)、中央銀行は人為的に金融不安を作り出し、地方銀行を破綻させることで、理論的には利用を増やすことができます。》
2023.3.15【米国】タッカー・カールソンの警告ーシリコンバレー銀行破綻とデジタル通貨【及川幸久−BREAKING−】https://www.youtube.com/watch?v=JYYjS9dxXO0
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QE(造幣による債券買い支え)再開での危機回避 [mespesado理論]
田中宇の国際ニュース解説会員版「◆銀行救済を口実にQEが再開される?」:《SVBの破綻が米金融界全体に連鎖し、大規模な金融危機になりそうな懸念が急増した。 /だが米金融界では逆に、この危機を利用して米連銀(FRB)が銀行救済の名目でQE(造幣による債券買い支え)を再開し、その資金で銀行界の預金流出を穴埋めするだけでなく、利上げ停止とQE再開で債券価格を反騰させ、下がっている株価もテコ入れしてほしいという期待がふくらんでいる。そもそも今回の金融危機は、米連銀がインフレ対策の名目でQEをやめてQT(債券放出による資金回収)を進め、金融システムから資金を吸い上げていることから発生している。連銀が金融危機を止める名目で利上げを停止し、進めてきたQTもやめてQE再開に転換すれば、銀行の危機は去り、債券や株の価格も反騰する。金融界は、何でもいいから理由をつけてQEを再開してもらいたい。・・・金融界のQE再開への期待は絵空事でなく、すでに実現し始めている。・・・対象外の預金も含めた全体をFDICが払い戻し、FDICの資金が足りなくなった場合は米連銀が資金を供給することを決めた。》まさにmespesadoさん言われる通り、《リーマンショックで学習した金融界は、最早滅多なことで「原理的に」破綻が生じるようなことは無くなっている》のです。たしかに田中氏も《世界中がドルを基軸通貨と認めて頼っている限り》という条件をつけて、《どんなにドルを過剰発行しても信用低下は起きない、と考えることもできる》と言います。その条件をめぐるせめぎ合いが、「ロシアvsウクライナ戦」として現象化していると考えられます。
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根底からの激変が待っている(リーマンショックより根は深い) [mespesado理論]
mespesado さんは、《SVBのケースはリーマンショックとはタイプが違います。》と言う。リーマンショックの時は、《満期時にちゃんと償還額が返って来ない可能性が高い証券》への投資であったから問題が生じたが、今回の場合は、満期まで待てば満額償還の「国債」だから。→《569:堺のおっさん :2023/03/14 (Tue) 23:12:57 メッさんがしとりごとスレでSVBの事態をどう考えるのか解説してくれています。相変わらず、見事です/これを持ってグローバル金融が崩壊に向かうことは無い。/取り付け騒ぎというから、警察が出張るくらいの騒ぎかと思えば50人くらいが本店前で行儀よく並んでるだけ。/大阪の木津信用組合の取り付け騒ぎは怒号が響く中。日銀特融の中から1億円が消えるというおまけまで付いたがそれでも、金融体制は壊れなかった。/今回も壊れません。/ただ、弱点をついたなという思いはある。C国である。》
ところがIn Deep氏紹介記事「シリコンバレー銀行が破綻したのなら、他も同じだ」、《米国の国債は、世界で最も安全で「リスクのない」資産であると考えられている。しかし、国債でさえ価値を失う可能性があるため、それはまったく真実ではない。そして、それがまさに起こった。》《金利が上昇すると債券は価値を失うということだ。そして、これがシリコンバレー銀行に起こったことだ。》
国債は満期まで待ってはじめて金利が上乗せされて元に戻る。金利4%の長期国債には4%の金利がついて満期に戻る。ところが満期前の売り買いでは、4%もの金利がつかないと誰も買ってはくれないということ。金利が高いほど値打ちは下がる。米国債に今起こっているのがこの事態。満期まで待ってはじめて金になる国債を、今金に変えようとしても、どんどん値打ちの下がる国債は不良債権でしかない。金に変えようとした途端、安全であるはずの国債も「不良債権」と化す。SVCに起こったのがこれ。それゆえサブプライムローンが原因だったリーマンショックも、「未実現損失」でしかない米国債が原因の今回も、元をたどれば同じこと。その元が「国債」であるだけに、今回の方がずっと根が深い。→「「崩壊は一瞬で起こり得る」:迫るメルトダウンのメカニズムがようやく理解できました。そこには驚くべき事実が存在します」https://indeep.jp/meltdown-just-ahead/
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この時代どう対処するか [mespesado理論]
[3528]ついに、世界大恐慌への道筋が見えた。
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投稿者:副島隆彦
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投稿日:2023-03-13 21:13:23 | ||
副島隆彦です。今日は、2023年3月13日(月) で 今、午後9時 です。
私は、自分の肚(はら)を決めて、今こそ、はっきりと書かなければいけない。遂(つい)に始まった米国の金融崩れ のことである。 私は、アメリカで現地 3月10日(金)の午前に起きた、シリコン・ヴァレー・バンクSVBの破綻( demise デマイズ)を知ってから、情勢をずっと凝視し分析していた。 今回の事態が、世界大恐慌 に突入するのは、もう少し先だ。4か月余 ぐらい先だ。だから、7月、あるいは8月になるだろう。 今の危機は、なんとかアメリカ政府が押さえ込むだろう。だが、そのあとに、本当のNYの金融大暴落が来る。そして世界大恐慌への突入となる。そのために、私たち日本人は、今から真剣に準備しなければいけない。 アメリカ合衆国は、これで国家財政(ファイナンス)も破綻し、NY(ニューヨーク)の金融市場での恐慌 が起きて、国民経済全体が景気後退(リセッション)となる。このことは確実だ。もう避けられない。そしてそれが、世界中に波及する。これは、人類史の歴史的な動きである。 アメリカの「 ドル覇権の崩壊 」 the Collapse of US Dollar Hegemony 「ザ・コラプス・オブ・ダラー・ヘジェモニー」である。それが、来年、2024年に迫っている。 私、副島隆彦が、これまで 執拗に、自分の近年の本たちに書いてきた通りだ。 以下の画像のとおり、明らかに、銀行取り付け騒ぎ bank running バンク・ラニング、すなわち、自分の預金を引き下ろそうとする人たちの列(run ラン)が銀行の前に起きている。 First Republic Bank customers in Los Angeles spending their Saturday lined up to withdraw money following the collapse of Silicon Valley Bank シリコンバレー銀行破綻後、ロサンゼルスのファーストリパブリック銀行の顧客は、土曜日はお金を引き出すために並んで過ごしている There had been fears following SVB's demise for First Republic's future when analysts pointed out the similarities between the estimated value of their assets versus the actual value SVBの破綻後、アナリストがFirst Republicの資産価値と実際の価値との類似性を指摘し、First Republicの将来が心配されていた。 副島隆彦です。今回の 3月10日からのSVB破綻 で、これが他のカリフォルニア州の地方銀行たちへの波及で、連鎖破綻するのは10行ぐらいだろう。それで、一旦は、止まる。SVBと同時に破綻したシグネチャー・バンク(NY州) の他に、ファースト・リパブリック・バンクと、パックウエスト・バンコープなどだ。 今回の金融危機は、3月12日(日)の政府の緊急会合で、SVBの預金のすべてを、連邦政府(米財務省とFRBとFDIC 連邦預金保険機構 の3者で)が、緊急の融資( 米国債を担保にして資金を市場から調達する)を行うことで、救済する、と、発表した。 それまでは、イエレン財務長官は、「SVBの 株主と 債権者は救済しない。公的資金の投入はしない」と明言した。 小口の預金者たちは、ペイオフ( 預金者ひとり 25万ドル。3000万円。日本は、これが1千万円だ ) だけが救済される。イエレン財務長官は、自分の甘い判断を、血相を変えて、撤回した。 それ以外の、SVB銀行の、残りの 総額1500億ドル(18兆円)のテック企業や、スタートアップ企業が、SVBからの融資の見返りに積んでいた、拘束性の預金は、救済されない。 これらの企業預金は、 いわゆる 「分(ぶ)積み、両建て」であって、企業の経営者たちは、SVBのステイク・ホルダー(利害関係人)だから、アメリカ政府は救済しない、と決めた。ところが、それではとても事態は収まらないと分かった。現状はますます深刻さを増している。 中小の テック企業たちは、通常の銀行融資(ローン)のほかに、ハイリスク・ハイリターンの、年率12%とかの、高い危険な ボロくず債券、即ち、ジャンク・ボンド(債)を発行して、それを、このSVBや、VC(ベンチャー・キャピタル)に、引き受け(買い取り)してもらっている。 この 高危険債の、極めて低(てい)信用の ボログズ債である、ジャンク債(ボンド)全体が、今、NYの債券市場で、恐ろしく危険な事態になっている。 もう年率20%のハイイールド(高利回りの約束)債券を発行しても、もう、誰も引き受ける者はいない。これが、金融核(かく)爆弾の破裂 となる。 そして、中国と日本とサウジアラビアが持っている、巨額の米国債である。これに飛び火したら、もう、アメリカの金融は、ひとたまりもない。まさしくアメリカ帝国の終わりだ。 それでも、アメリカ国民は、1ドル=10円とかに大暴落したドルと共に、生きて行く。 もう、インチキの 「グレート・リセット」を囃(はや)した、コロナ・パンデミック、ワクチンでの人殺しも、ウクライナ戦争の仕掛けによる、大きな人類騙(だま)しも、通用しなくなった。 |
議論のあり方 [mespesado理論]
22年ぶりに議員に復帰して3年が過ぎようとしています。12回の定例会があって、11回一般質問に立ってきました(令和3年9月議会は「2類相当から5類へ」意見書提出請願に全力集中で、一般質問はお休み)。本市の一般質問は、50分の持ち時間があって、最初に登壇して質問、降壇して議席中央の質問席で市長・教育長答弁を聴き、その後、当局(市長・教育長・担当課長・主幹)との一問一答という形です。昔は再質問、再々質問してあとは打ち止め、という形だったような気がするけれども、今は時間のある限り一問一答を繰り返す。なかなかこれになじむことができないまま3年間が過ぎた、それがなぜなのかが、mespesadoさんの説明でよくわかったような気がします。《ディベートの文化というのは民族がぶつかり合う中で、それ自体は誰もが認めざるを得ないロジックを使って相手をいかにして遣り込めるか》そのための形式だったのです。「やりこめる」ための議論には適していても「わかってもらう」ための議論には適していない。思い返せば私の一般質問はほとんど「わかってもらいたい」ための質問でした。だからつい壇上での発言が長くなってしまっていたのです。これからの議会のあり方を考える上でも貴重なmespesadoさんの発言です。
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「現在の企業は、広義のファシズムの 定義にあてはまる」 [mespesado理論]
久しぶりのmespesadoさんで、かつての日常が戻ったようで穏やかな気持ちです。今日の起きがけには、亀さんの「日本とトルコ」http://toneri2672.blog.fc2.com/blog-entry-1961.htmlを読んで、ユーラシアに心を馳せることができました。まだ完全に終わったわけではないけど、ずっと追い立てられてきた「宮内小創立150周年記念誌」編集と「がんばろう!商店街事業」の後始末は、私にはかなりの重石としてこたえていたことを今更ながら実感しています。あと一息でそこから解放される!
mespesadoさん曰く、《そう!これって、西洋の(=弱肉強食をベースに持つ文明の)企業のことに他ならない。高度成長期の日本式経営の企業とは根本が異なる。》そういえば、「宮内小創立150周年記念誌」の同窓生出版物紹介の「星岳雄東大経済学部教授」の項に、《時代の変化の中で抜本的変革が迫られるとき、それをなしうるかどうか、企業経営の管理能力( コーポレート・ガバナンス)の重要性を説いたのでした。2013年の著書『何が日本の経済成長を止めたのか 再生への処方箋』でこう訴えています。《日本経済は長期にわたって停滞してきた。しかし、まだ再生は可能である。必要なのは改革への政治的意志である。本書が、成長を取り戻すための政策議論を活発化し、今度こそ日本を再生させる一助になれば幸いである。再生が不可能になるまで日本経済が衰弱してしまう前に。》》https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2023-02-11 と書いたのを思い出しました。要するに「企業におけるファシズムの徹底」ということかと。高度成長の時は、みんな必要に迫られて突っ走っていた。今はSDGsやら気候温暖化やらの得体の知れないものを鼻の先にぶらさげてもらわないと前に進むことができない。もう無理に前に進まなくてもいいんだよ。→「1990年の生活レベルで日本人が満足した」https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2023-01-31-1
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「1990年の生活レベルで日本人が満足した」 [mespesado理論]
はじめてこのグラフを見た時は驚いて一般質問でも取り上げた。コピーして議場で配ったほどだった。→https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2020-09-05 プライマリーバランスにこだわらざるを得なかった経済政策のゆえということなのだろうが、なんかそれを容認する国民感覚もあったのではないかと思うようにもなっていた。そんなところで一週間ほど前上原さんが書いたのを読んで、同じように思っている人がいることを知って、《《1990年の時点で日本人は「これでいい」と。》同感です!ずっと私も思っていたことでした。》とコメントした。
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上原聰三
【「責任ある」積極財政へ】
物事を明るく捉え、積極的にやっていこう そのつづき
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前回、《長いデフレの停滞で投資意欲が失わされた民間》と云う事を書いたが、其れは日本人の《美徳》とも云われている「足るを知る」から出たことで、“何も悪いことばかりではなかった”のではと、其れを考えて克服しない事には不十分であると云う方がいました。
1990年の時点で日本人は「これでいい」と。つまり、
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勿論、将来を見れば違うかも知れないけど、家は小さいし、通勤は大変だけど、まぁね家族で楽しくやって行けるだけの素敵な生活は出来るようになった、テレビ冷蔵庫洗濯機皆あると、家も一応整ってると、其れからその頃は車とかクーラーなんかも手を伸ばせば買えたんです。子供を高校大学に行かそうと思ったら行かせられるし、一応毎日白いご飯は食べられるし、これ以上頑張ってもいいけど頑張る必要もないかな
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と、「足る」を知って、これでいいと、全体としては1990年の生活レベルで日本人が満足したからではないのかというのです。
そう云われると当事者ごととして“心に深く強く感じる”ものがあり、責任の一端らしきものもある気になる。
「失われた30年」に終止符を打つ!と意気込んでも、此の事も克服することを考えないと“空文句”に終わる恐れがあると云う事であろう。
“冥土までの暇潰し”人生の年寄の役目としてそうしなければと思う此の頃である。
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猿都瑠さんとmespesadoさんのやりとりから感じた思いに通ずるような気がする。
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