「邪悪が善意を飲み込もうとしているのではないか」(三都住) [ロシア思想]
三都住さんは、ロシア人、ルーマニアをはじめ東欧の女性たちに、《日本女性では滅多にお目にかかれないほどの人格的魅力》を感じ取った。「古風」とも言えるもので、《長い歴史と深い文化に根ざしたもの》であり、《キリスト教世界の良心とも言えるようなエッセンスを感じたのだ。》《この感じ、西欧やアメリカの女性にはほとんどない。質が違う。》と言う。そしてこう締めている。《今回の紛争と無理やりこじつけるのはどうかとも思うが、イエズス会のバチカンと、東方教会の歴史的な確執は、今なお続いているのではないか。そして邪悪が善意を飲み込もうとしているのではないかと、いささかの恐れをもって見ている。》
日本に、三都住さんが東欧女性に感じ取った「人格的魅力」に対応するものがあるのだろうか。敗戦、そしてその後のアングロサクソンによる精神的侵食にまかせて80年近く、もうズタズタにされきってしまった今の日本を思う。その結果としての、同じくアングロサクソンに侵食されきったウクライナへの一辺倒。きっと日本もウクライナも同類なのだ。
かつては間違いなくあった日本人の人格性、精神性。それを呼び覚ますことができるかどうか。これから始まろうとしていること、いや、もうすでに始まっていることは、そのことが根底から問われる闘いであることを、がっちり自覚させてくれた三都住さんの文章です。
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