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「時間はゆったり流れていた」昔の食生活 [わが家史]

この頃何につけ「昔は豊かだった」と思うことが多い。とりわけ思う食生活。

8人家族だった。決して豊かな家ではなかったが、ずっと引き継がれてきた伝統が生きていた。いつの頃からか台所で食べるようになってしまったが、祖父母のいる時代は、一つの部屋に食膳を用意し、それぞれ決まった席に食器、箸を並べるのが子供の役割だった。料理は祖母の役割だった。食材は主に近くの店(まるみやさん)から求めたが、野菜を積んだリアカーを引いてくるおばちゃん(島貫さん)がいた。御用聞きにまわる魚屋のおにいちゃん(さぶちゃん)がいた。一週間に一度くらい、仙台で仕入れた海産物を運んでくるおじちゃん(扇やさん)もいた。板垣退助の百円札とジャラジャラ金の入った祖母の財布が目に浮かぶ。みな長生きの叔母たちは口を揃えて「ばばちゃのおかげ」と言う。どこでどう変わってしまったのだろう。どんどん「餌」に近づいているような気がしてならない。せめて朝飯だけでも、と祖母の作った味噌汁を思いうかべて作っている。

鈴木宣弘氏の衝撃的題名に惹かれて読んだのが昨年の11月だった。(『世界で最初に飢えるのは日本』(鈴木宣弘)を読む(付・一般質問通告書)https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2022-11-22-1)鈴木著の趣旨に沿った日経記事が出た。もう過去の「豊かな食生活」など望むべくもないのだろうか。時間はゆったり流れていた・・・そう思うのは、年のせいだけだろうか。

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