シンポジウム「伝統的建造物群と南陽市の古い町並み」 [熊野大社]

北野禰宜は、熊野大社の歴史と現状、そしてこれからの方向性について若者らしく整理して語ってくれました。「昭和期は1月から3月の団体参宮が中心だったのが、現在は個人参拝者、特に30代女性を中心に年間通しての参拝に変ってきていること。参拝者はゆるやかながら増加傾向にあり、神社本来の役割にとどまらず、観光拠点としての存在価値が高まっていると思う。今後は文化財を活用していく取り組みに加えて、若い人がチャレンジできる熊野参道になればと思う。歴史文化遺産を活用しながらの維持保存を考えてゆきたい。」というまとめでした。

石岡御殿守会長は、赤湯温泉の歴史について詳細に語ってくれました。湯治場から団体客による歓楽的観光温泉地へ、そしてそれが衰退して癒しや食、温泉そのものを求める個人客中心へ。これからの傾向として、①質を求める個人旅行者の増加 ②地方志向のお客様の増加(「地産地活」「今ここでしか」「ローカルガストロミー」がキーワード) ③「第二のふるさとづくり」(「行く」でなく「帰る」観光地)④外国人富裕層の地方志向、この4点を挙げられました。そのために求められるものとして、①ヒストリー ②サイトシーイング(奇勝絶景・美景) ③フィクション(物語) ④リズム&テイスト(音楽や味覚) ⑤ショッピング ⑥ナイトライフ&ギャンブル ⑦フェス&イベント、このうち最低3つは必要とのこと。赤湯温泉には何があるだろうか、と考え込んでしまします。最後は「赤湯温泉の町並みの将来像は温故知新と不易流行」として、「伝統文化は残しつつも、時代の変化にも対応していく温泉地づくりが必要」とまとめられました。