BRICS首脳会議に注目! [田中宇]
そもそも中国の台頭がもたらす世界の多極化、非米化は、人類を豊かにするし、平和にする。米国は戦争ばかりしているが、中国はトウ小平以降、戦争していない。途上諸国を借金漬けにして搾取した頻度は中国より米欧の方がはるかに高い。米国側がやっている歪曲に基づく中国敵視は、中国を非米側の雄にして強化してしまう隠れ多極主義的な策略になっている。》
米国側は、もう非米側に勝てないのに、まだ「地政学的競争」とか言って、勝ち目があるかのように書いている。だが、どうやって勝つかは書かれていない。どんな競争になっているかすら明確にされていない。非米側が金資源本位制を形成しつつあることも無視されている。負け組確定。》
中国もロシアも、米同盟諸国にとって脅威といえるほどの存在でないのだが、脅威の分析からして米同盟諸国の専門家たちは米国から洗脳歪曲させられ、まっとうな判断ができなくなっている。脅威でないものを脅威だと言って敵視する大間違いの連続をやらされ、細かく管理されて自滅させられていく。米国の隠れ多極主義が巧妙に機能している。》《この流れがどんどん進む前に、米国金融が破綻してくれたら対米従属できなくなって良いのにと、4.2%から4.3%に上がった10年もの米国債金利を見ながら祈っている。 》
習近平は今や「世界皇帝」 [田中宇]
学校閉鎖やマスク義務を強要された欧米や日本の子供たちは、意味もなく発育や知能の発達を阻害され、一つの世代が丸ごと劣った状態に陥れられた。コロナは、今後の先進諸国の発展を長期的に抑止する策になっている。》《習近平も強烈な都市閉鎖やゼロコロナ策を延々と続け、中国経済を自滅させた。中国の子供たちも、意味もなく発育を阻害された。だがその一方で、中国における習近平の権力は大幅に増強された。中国の覇権拡大による利得は、1世代破滅による損失より大きい。/トウ小平からコロナまでの中共は、中国経済を高度成長させることが政治正統性だった。だから2020年初めのコロナの開始時、習近平が経済を全面停止するのもかまわず中国の大半を都市閉鎖したのを見て、私は「これは大変な病気なのだ」と思った。だが私は騙されていた。/実のところ習近平は、コロナの開始とともに、中国経済の高度成長を中共の最優先事項にするのをやめていた。習近平はその後、自分の独裁を強化してトウ小平以来の経済重視路線を踏襲したがる他の党幹部たちの権力を削ぎつつ、経済成長の実態や目標に関する経済指標の発表をどんどん縮小した。》
進む多極化→ぶざまなままの日本「あと百年ぐらいかな」 [田中宇]
プリゴジンの反乱開始で目的が達成された後、プーチンは自分の「勝ってないことにする」戦略がプリゴジンの知るところとなるようにして叛旗を降ろさせたのかもしれない。》
世界の運営を米国でなく中露に任せる [田中宇]
世界の運営を米国でなく中露に任せる
要約:《【2023年6月7日】コーカサスやバルカンで、これまで覇権国だった米国は事態を不安定にするばかりだった。米覇権が低下してロシアとトルコが担当するようになると、事態は安定に向かう。ロシアと中国は密接に連絡しあっている。米国よりも、中露の方がはるかにうまく世界を安定させている。世界の運営は米国でなく中露など非米側に任せるべきだ。べきだというよりも、すでにそれが現実になっている。米国はいじわるを試みて失敗するだけだ。世界はすでに多極型になっている。》
《すでに米国覇権がほぼ撤退した中東では、中国がサウジとイランの和解を仲裁し、ペルシャ湾岸地域を安定させた。中国は、米国が誘発したイエメン戦争も終わらせた。/イランとサウジは、UAEやイラクなど地域のアラブ諸国も入れた海軍どうしの協力体制を新設し、ペルシャ湾岸地域を共同で防衛しようとしている。米国が入れる余地が急速になくなっている。/米国は70年以上中東にいたが、事態はずっと不安定だった。米国が中東を不安定にしていた。 /ところが中国が入ってきたら事態が急に安定した。世界の運営は米国でなく中国に任せるべきだろう。/
イスラエルにとっても、米国より中露が中東の覇権国になった方が状況が改善する。》《コーカサスやバルカンでも、米国は事態を不安定にするばかりだった。だが、米覇権が低下してロシアとトルコが担当するようになると、事態は安定に向かう。 /ロシアと中国は密接に連絡しあっている。米国よりも、中露の方がはるかにうまく世界を安定させている。「それは違う」と思った人はマスコミ歪曲報道の軽信者である。 /世界の運営は米国でなく中露に任せるべきだ。べきだというよりも、すでにそれが現実になっている。世界の運営は、米国でなく中露(やその他の非米諸国)が手がけるようになった。 /米国はいじわるを試みて失敗するだけだ。世界はすでに多極型になっている。》《欧州や日本は米国傀儡から足抜けを許されない。しかし、東京にNATO事務所を作ってNATOと日本に中国敵視を強めさせようとする米国の案は、フランスのマクロン大統領が反対したので潰れた。NATOの決定は全会一致が必要なので、仏大統領の表明は拒否権の発動を意味する。 /日本政府は内心ほっとしているだろう。そういう機微がわからない、わかっていても伝えないマスコミは日本を自滅させる。早く潰れた方が良い。》
昨日Kindle 版で、「NHK 100分 de 名著 ナオミ・クライン『ショック・ドクトリン』」を読んだ。『ショック・ドクトリン』が見事に肚に納まった。《ロシアを悪者に仕立て上げることの最大の問題は、歯止めのない自由市場経済を目指す改革運動という、過去三〇年で最強の政治的潮流の正体について、ロシアでの一連の出来事から何が学べるのかを真剣に議論するチャンスを封じてしまうことだ。》
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決着ついたが終わらないウクライナ戦争 [田中宇]
米中戦争は起きない [田中宇]
要旨:《【2023年5月14日】国連安保理P5どうしが戦争しないので米中の直接戦争はない。米国は待っていれば覇権崩壊していくので、中国の方から米国を攻撃する理由もない。台湾は、中国に戦争を仕掛けたら自滅なので、米国にけしかられられても戦争しない。中国は、米国覇権が崩壊して台湾が政治交渉に乗ってきて譲歩するまで待ちたいので、台湾を攻撃して破壊したくない。直接的にも間接的にも、米中戦争は起きない。》