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決着ついたが終わらないウクライナ戦争 [田中宇]

米政府内でも「バフムトが陥落したらウクライナの勝利が遠のき、米欧による支援継続が難しくなる」と考える傾向が強かった。バフムトは、戦争の勝敗を決める天王山だった。 ウクライナ政府は、バフムトで盛り返す反攻作戦をやるやると言いながら結局やらずに陥落に至った。これでウクライナ戦争は軍事的な決着がついた観がある。》《露政府は開戦直後から、わりと楽に勝っているのに苦戦しているふりをしたり、有能なのに無能なふりをする「偽悪戦略」をやってきた。》

米国側は、この戦争によって兵器の保有量が減って「非武装化」されていく。いずれ米国側は覇権低下でウクライナを支援できなくなり、ウクライナも非武装化される。この戦争は長期的に、ウクライナだけでなく米国側全体を非武装化する。》

軍事的な戦争が下火になっても、政治的な大騒動としてのウクライナ戦争は続く。米政府が和平に賛成しない限り、ゼレンスキーは和平をやれず、政治的な戦争状態の長期化に乗るしかない。 欧日も米傀儡なので和平しない。米国側がいう和平は、ロシアの敗北を前提とした偽善・妄想であり続ける。ゼレンスキーは「ドンバスとクリミアがウクライナに戻るなら和平する」と言い続け、露政府は邦人保護の観点からそれを拒否し続ける。/ ウクライナ戦争が続く限り、非米側の結束が進行し、世界の資源類の多くが非米側に帰属するようになる。米国側はドルのバブルがあるだけになり、いずれ金融崩壊して米覇権が消失する。多極型世界が形成され、固定化していく。 EUは分解する。日本は中露と仲良くせざるを得なくなる。マスコミ権威筋は最後までこの流れを認めない。マスコミを軽信しない人から順番に現実を理解していく。》

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米中戦争は起きない [田中宇]

米中戦争は起きない
要旨:《【2023年5月14日】国連安保理P5どうしが戦争しないので米中の直接戦争はない。米国は待っていれば覇権崩壊していくので、中国の方から米国を攻撃する理由もない。台湾は、中国に戦争を仕掛けたら自滅なので、米国にけしかられられても戦争しない。中国は、米国覇権が崩壊して台湾が政治交渉に乗ってきて譲歩するまで待ちたいので、台湾を攻撃して破壊したくない。直接的にも間接的にも、米中戦争は起きない。

以下全文。納得です。

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アポロ月面着陸の事実性(田中宇) [田中宇]

2年前、アポロ11号の月面着陸はウソであったことを確信して記事を書いた。→「アポロ月面着陸」が全くのデタラメだったこと」https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2021-05-31 ところが、田中宇氏の今回記事、アポロ着陸は、調べていくと公式説明に事実性が感じられるとともに、国家機密によって事実性の補強が阻止されていることも見えてくる。》という。《衛星通信やGPSなど、人類に多大な利便性を与え、商業的に成功した地球周回(人工衛星)の技術に比べ、月の開発や月面の利用は利得や儲けがない。 利得があるなら、アポロやルナの成功をもとに月の開発が進み、月への飛行が頻繁に行われていたはずだ。米国の資本家がいろいろ考えても月の開発は意味がなかったから、月面着陸は国威発揚で止まっている。 ロゴジンはアポロ着陸の事実性を疑う根拠としして「月面着陸が1960年代の技術でやれたのなら、その後着陸が行われていないのはおかしい」と言っているが、月面着陸は儲からないからもうやらないのだ。》たしかにそう言われるとそうだ。田中氏によると、あえて月面着陸の事実性を補強しようとしないのは、「隠れ多極主義」の策略の可能性もあるという。すごい深読み、果たしてどうなのだろうか。

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対米自立への模索(田中宇) [田中宇]

《日本は、そういった(欧州のような)市井からの民主的な政治転換が望めない。政権交代もない。左翼系の野党は、コロナや温暖化や中露敵視などに関して超愚策を軽信する大間抜けで、彼らが政権に就くと日本はもっと潰れるが、幸いなことに国民に支持されていない。 日本ではその代わり自民党内で、何とかうまく対米従属から抜けようとする動きが続く。米諜報界に殺された安倍晋三が作った道だ(安倍殺害は、諜報界が大統領の許可なく勝手にやった点でノルド・ストリーム爆破と同じ構図だ)。 とりあえず、G7の決定事項や米国からの要請を、表向き了承しつつ、実際は遵守しないことが重要だ。》

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欧州を多極型世界の極の一つにする [田中宇]

《マクロンが訪中し、欧州を対米自立させて多極型世界における極の一つにするんだと言い出した。欧州エリートの多くがマクロンの動きを歓迎している。訪中後のマクロンは、欧州各国のエリートたちと目立たないように話し合い、欧州をどうやって対米自立させて世界の極の一つにしていくか考えているのだろう。欧州は先日11回目の対露制裁を発動しており、まだロシア敵視を続けている。だが、今のマクロンの動きが成功すると、欧州は米国主導のロシア敵視に乗らなくなり、中国の和平仲裁に賛成するようになる。》

国連IMFは最近、国際的なデジタル通貨(世界通貨ユニット。ユニコイン、Ü)の発行計画を発表した。世界の諸政府と中銀群と民間金融機関の集合体であるDCMAが発行し、既存の諸通貨との交換性を持つという。この手の話は浮かんでは消えてきた観もあるが、実際にドル基軸が崩壊したらこういうものが必要になるともいえる。新世界秩序は、非米側が主導する多極型世界として具現化していく。フランスもEUも、日独も、最後は米英も、そこに入っていかざるを得なくなる。》

中露とイランとパキスタンの外相がウズベクに集まって、アフガニスタンの復興について話し合っている。米国側が無茶苦茶にした世界を、非米側が立て直し始めている。中国やロシアは全く悪くない。むしろ素晴らしい。悪いのは米英とその傀儡の方である。そうした現実を全く報じず、歪曲したウソばかり報じている米国側のマスコミや権威筋も極悪である。》

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「何十年分もの転換が数週間で起きる」それが今 [田中宇]

《(OPEC+が、日産115万バレルの石油減産を5月から実施)この減産によって、米欧は不況になっているのにインフレがぶり返し、金融救済のために利上げをやめたい米連銀(FRB)は、インフレ対策への再注力が必要になって利上げをやめられず、利上げ傾向が米欧の金融危機を再燃させ、ドルや米覇権の崩壊が早まる。サウジが米国側から非米側に転じてすっかり非米側の組織になったOPEC+は、米国側と非米側の対立激化の中、米国側の覇権やドルを潰すために今回の減産を決めた。》

台湾からは国民党の馬英九・元総裁が上海を訪問した。民進党の蔡英文・現総裁が訪米するのに時期を合わせて対抗した。来年の選挙を見据えている。台湾で米中戦争かと思ったら、そうじゃない、国共合作だという。戦争より合作の方が良いよね。国民党はまだ終わってなかった。いま国際政治経済はとても面白い。

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「昔は良かった(爺)。」(田中宇) ほんとにそう思う昨今です [田中宇]

《マスコミとSNSなどネット大手は、人々に巨大なウソを信じ込ませる。新種の風邪だった新型コロナの危険性を誇張して人々に恐怖を植え付け、その結果、都会の電車内でマスクを外しても大丈夫ですが自己判断でと日本政府が言っても、ほとんどの人々が電車内でマスクをし続けている。「もう誰もコロナなんか信じてないよ。マスク着用の理由は社会的圧力だけだ」と偉そうに言う人がいるが、私の観察ではそうでない。社会圧力半分、マスコミ軽信の結果の恐怖心が半分だ。人々の多くは、自分の言動の源泉が何なのか考えてない。多くの人がコロナの誇張を軽信したままだ(ワクチンの危険に気づいて2回とか打った後に怒り出す人はやや増えたが)。人々は簡単に延々と騙される。温暖化してないのに温暖化対策とか。ウクライナは勝たねばならないんだとか。銀行危機が悪化するのにもう危機は去ったとか。大規模な情報詐欺は、25年ぐらい前から幾何級数的に強まっている。今の人は皆すごく騙されている。昔は良かった(爺)。》

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大きく時代は動いています [田中宇]

田中宇氏の「国際ニュース解説」、1日に2本というのははじめてです。大きく時代は動いています。

570堺のおっさん :2023/03/16 (Thu) 14:31:28  はいはい、次はクレディ・スイスです。/アラブ筋が前面に出てます。》とありましたが、田中宇氏:クレディスイスの最大手の株主は9.9%を保有するサウジアラビアのナショナル銀行だ。同銀行は、クレディスイスから追加の金融支援を頼まれたが断った。この断りは、クレディスイスにとって最期の一撃になったかもしれないと言われている。本当にそうなのかどうか、1-2週間以内にわかる。》田中氏の判断は、サウジやイランなど産油国や、インドやブラジルなど大市場の国が次々と中露主導の非米側に入っている。米国側と非米側は断絶しているので、米国側の金融危機が非米側にあまり波及しない。サウジの銀行はクレディスイスの大株主として大損するが、サウジ全体はこれからの非米化と多極化で安定と繁栄を得る。そちらの利益の方がはるかに大きい。》

会員版なので、一部ピックアップ ↓

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「中露が世界を動かし始めている」(田中宇) [田中宇]

《中国共産党の上層部は習近平になるまで、トウ小平以来の親米派(経済面の対米従属派)が握っていたので、習近平はまず自分の独裁を強化して党内の親米派を無力化する必要があった。そうしないと、習近平が世界を非米化しようとしても党内の親米派に邪魔される。それで習近平は、まず昨年秋の党大会で自分の独裁体制を確立した。その直後にサウジを訪問し、サウジが希望するイランとの和解を中国が仲裁することを決め、サウジとその傘下のアラブ産油諸国が産出する石油ガスをすべて中国側(中国と一帯一路の諸国)が買い占め、欧米側に売らなくて良いようにする話もした。サウジ側から中国側への石油ガス販売はドルでなく人民元などで行い、米覇権の根幹に位置していた石油のドル決済体制(ペトロダラー体制)を破壊する策も決めた。》

自立の要諦:サウジを安保的に対米自立させる早道は、サウジと周辺諸国との対立や緊張関係を全部解決してしまうことだ。周辺との対立がなくなれば、サウジは米国の兵器を配備する必要がなくなり、米国の諜報に頼る必要も低下する。そして、イエメン戦争やカタールとの対立、国内シーア派の反政府運動など、サウジと周辺との対立のほとんどは、イランと和解することにより解消できる。ISISやアルカイダなどイスラム主義のテロ勢力もサウジの内部的な脅威者たちだが、これらは米諜報界の支援がないとしぼんでいく。サウジとその子分であるアラブ諸国が対米従属をやめると、米諜報界や米軍がアラブ諸国に駐留してISカイダを支援する構図も消失し、ISカイダはしぼむ。イスラエルも以前はサウジにとって脅威だったが、トランプがイスラエルとサウジの仲を仲裁して以来、イスラエルはサウジの敵でなくなっている。イランと和解すれば、サウジは対米自立しても自国の安全を維持できる。》→平和

中露に視点をおけば、世界はダイナミックに「まとも」に向かっている。《中国は、ロシアと連携してこの戦略を進めている。中国はイランとサウジの和解を担当し、ロシアはシリアと周辺諸国の和解を担当している。3月14日、シリアのアサド大統領がモスクワを訪問し、今後のことをプーチンと話し合った。シリアには最近、エジプトなどアラブ各国から外相らが次々と訪れている。サウジが盟主のアラブ諸国で構成するアラブ連盟は一昨年あたりからアサド政権のシリア政府を連盟に再招待したいと考えてきたが、アラブは対米従属なので、米国の反対を受けて延期してきた。それが今回のサウジとイランの和解、サウジの対米自立により、アラブ諸国の全体が対米従属から解放される流れになり、いよいよアラブ連盟がアサドのシリアを再招待できる状態になっている。》

米国が英国やイスラエルに入り込まれずに米国好みの覇権運営をやれていたら、中東はもっと安定していたはずだ。米中枢の暗闘のせいで、中東の人々は1970年代から50年以上、ひどい目にあい続けてきた。無数の人々が無駄に死んだ。米国の隠れ多極派と中露とが推進する今の多極化でその惨事が終わりそうだが、本当にそうなっていくのかどうか。これからの展開が興味深い。》

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世界史デッサン:「悪の根源が英国に在る理由」(田中宇) [田中宇]

2月26日以来の田中宇氏「国際ニュース解説」、近代世界から現在まで、世界史の流れが納得できます。次回「中国への覇権移動をどう考えるか」の本題にはいるようですが、その前に「悪の根源が英国に在る理由」が論じられます。

米国が世界を細かく管理して強圧的に支配したがるのは、米国の覇権が英国から譲渡されたものであり、譲渡後に英諜報界が米国の諜報力をつけてやると言って入り込んで米諜報界になって冷戦などを起こし、米国覇権の本質が英国覇権であるからだ。産業革命後、2度の大戦まで世界の覇権を握っていた英国は、欧州(オーストリア・ハンガリー帝国)、中東(オスマン帝国)、アフリカ、中南米などを細かい中小の国々に分割して相互に対立させ、世界に英国をはるかに超える大国がない状態を作ろうとし続けた。英国自身が中規模の国なので、大国に経済発展されると敗けてしまい、覇権を奪われかねない。世界中を、英国より弱い中小諸国の集まりにして、その上に英国好みの規則を設けた国際社会をかぶせ、英国が裏からそれを動かすのが19世紀以降の英国覇権体制だった。 (多極化の目的は世界の安定化と経済成長) /いま世界に存在している諸大国はいずれも英国の世界分割戦略が失敗したので存在している。中国は英国に分割されかけたが、米国が分割を阻止した。インドは英国の直轄植民地だったので大きくて良かった。英国は出ていく時にインド植民地をヒンドゥ教徒のインドとイスラム教徒のパキスタンに分割して独立させて恒久対立させた。ブラジルは、ポルトガルの一部だったので分割できなかった(中南米のスペイン領は、ナポレオンがスペインを制服している間に、英国に扇動されて独立国になったが、そのさい英諜報界は地域ごとに別々の独立運動を支援し、中南米のスペイン領が無数の国々わかれて独立するように仕向けた。ポルトガルもナポレオンに征服されたが、その間ポルトガルの王政はブラジルで延命しており、英国が手を出せなかった)。 (覇権の起源:ユダヤ・ネットワーク) (世界のデザインをめぐる200年の暗闘)》

その一方でのロシアの動きと日本。ロシアは、英国が海から東アジアに進出して植民地化するより少し先にシベリア鉄道を極東まで敷き終わって国土を急いで広げた。それ以上のロシアの拡大・南下を防ぐため、時間切れの英国は日本を植民地化せず、むしろ長州藩を支援して明治維新を起こさせて日本を親英反露の近代国家に仕立てたが、第一次大戦で大英帝国が英米資本家に自滅させられた後に日本は独自覇権を希求し始め、英米は太平洋戦争が必要になった。などなど。》昨日どこでだったか「日本の満州支配はシベリア支配までを企図していた」という文章を目にしたが、その背景に英国の意思があったのかと納得。

本来米国は、戦争体質の英国型でなく、戦争のない多極型世界を目指していた。《このように大英帝国=英国覇権は、全世界の状況を細かく把握し、中小の諸国に分割したり、相互に対立させたり、内政干渉して政権をすげ替えたりして覇権を維持した。第二次大戦での敗北回避のために、英国は米国に覇権を譲渡する条件で参戦してもらって戦勝した。当時、世界の戦争のほとんどはユーラシア大陸で、英国の分割支配の世界戦略の結果として起きていた。米州大陸にある米国はユーラシアの戦争が他人事で、戦争体質をやめさせるため英国から覇権を取り上げ、米国が新設する国際連合に覇権を移す「覇権の機関化」をやって、世界の戦争体質を終わらせようとした。米国が作った国際連合は、相互に拒否権を持つ5大国(米英仏ソ中。P5)で構成する安保理常任理事会が機関として覇権(戦争と平和に関する最高意思決定権)を持つ多極型の世界体制だった。米国は多極型の覇権を好んでいた。田中宇史観:世界帝国から多極化へ)》しかし、それに対して英国は、だが英国は、米国や国連に覇権を譲渡する一方で、お得意の諜報力を駆使し、米国にも諜報機関が必要だから作ってやると言って、戦時中に新設された米諜報界(のちのCIAなど)を英国系の勢力が牛耳り、戦争報道の管理を通じて英国傘下の米諜報界がマスコミや世論操作を管理する構造が出来上がった。米諜報界はマスコミや軍事産業や政財界(これらの総称が軍産複合体)を動かし、米国がソ連や中国を敵視する冷戦構造を作り上げ、国連のP5を内部分裂させて機能不全に陥れた。米国自身が国連を中ソに味方する悪い組織として退ける世論も扇動され、代わりに米国が英国と組んで独仏日など同盟諸国を傘下に入れつつソ連中国と恒久対立する冷戦型・NATO軍産の体制が組まれた。国連でなく、英国が操る軍産に牛耳られた米国が覇権を握り、英国流の強圧的で細かい世界支配を続ける状態になった。》これが現状。しかしそれが大きく変わろうとしている。最後は、この新世界秩序について考察する前に、すでに今回たくさん書いているので、ここでいったん打ち切って配信する。執筆がなかなか進まず、何日もかかってしまったし。続きは次回に書く。》

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