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『虎雄とともに』を読む [本]

虎雄とともに.jpg松下隆一著『徳田秀子が支えた医療革命 虎雄とともに』(PHP 2023.9)。徳洲会グループ創立50周年記念式典でいろいろいただいた中の一冊だ。

「おわりに」に《やはりひとかどの人の人生というものは、あげつらうものではなく、真摯に辿るべきだと実感する。昨今のSNSにはびこるような、否定や批判をして溜飲を下げるという惨めな人間ではなく、勇気や思いやりを持って前進する人間として描き、語り伝えることが大事なのだと、今回の仕事では考えさせられた。》(208p)と書いた著者は、秀子夫人に真摯に虚心に向き合うことで、夫人を通しての徳田虎雄像を描き出した。「繊細さと機転と機微」の節に《総じて考えてみると、虎雄は繊細ゆえに機微というものがよくわかっていたのではないか。》(176p)一見豪胆さの裏にある繊細さをだれよりも体験、実感していたのが秀子夫人だった。

ちょうど昨日届いた徳洲新聞1417号は記念式典特集で東上震一理事長の「直言」を読んでうれしかった。実はこの式典は、前日の午後3時頃に、当初の立食形式から着座形式へと大幅な変更を行いました。式の運行がどうにも気になっていた私が、事前に会場を見ておこうと、武蔵野徳洲会病院の巡回指導後に、ホテルを訪問して急遽、変更命令を下したのです。ご高齢の方が多い参加者に、2時間にわたる立食スタイルを強いることが、本当に皆様をもてなし、感謝を伝えることが本意の式になり得るのか、気になったからでした。ホテル側は突然の変更にもかかわらず、60脚の円卓と約800人分の椅子を用意してくれました。》実は私自身、立食パーティを予想して行ったら指定のテーブルに案内されて驚いたのだった。東上理事長はさらに言う、何事も段取り8分、仕事2分」と、徳田虎雄・名誉理事長がいつも口にしていた言葉が、苦く胸をよぎりました。「徳田先生は数人の会合でも、誰がどこに座るかまで指示する非常に細かい気配りの人で、あらゆることに目を通し、全てのことに了解を求める人でした」と、安富祖久明・最高顧問は、私が今回の運営上の不満を口にした時に、そう返してくれました。》気持ちの入ったいいお祝いと強く感じてきたのだが、そうした配慮があったのだ。あらためて「繊細さと機転と機微」徳田精神の復権、浸透を思う。

私にとっての徳田虎雄という人は、いつもスサノヲの神様がオーバーラップしていた。「荒ぶる神」でもあるが、その背景には「一心清明」がある。◎天行居信条(及心得)第二十七条:神典の天照大御神様と須佐之男神様とのウケヒの章に明記してありますところの「一心清明」は私どもの修養の極致でありまして、そこには一切の名義あることなく善悪もなく正邪もなく清明も亦た無き清明でありまするが、併し此の清明心(アカキココロ)を不断相続することは容易なことではありませぬ、ですから只ただ敬神利生を第一と致すのでありまする、これ平凡なる方便の如くにして実は宇宙の神秘、断じて此外に出でない真理の躬行でありまする》はいつも頭にあるところだが、徳田さんはその「修養の極致」に達して「神」になった。いみじくも『神になりたかった男 徳田虎雄:医療革命の軌跡を追う 』という本もある。「医療に於ける徳田理念は貫徹を見た」と題してアマゾンにレビューしていた。トラオ―徳田虎雄 不随の病院王という本には、闘病下の徳田さんへのインタビューがある。《・・・いまはいちばんいいびょうきにかかっているかもしれません これからがじんせいのしょうぶ」(やはり、これからが勝負ですか。)「ひとのためにつくさずに なにがじんせいか せかいじゅうにびょういんをつくる それに じんせいはいつまでもすりるがなくちゃ」(直後に徳田は、歯茎をニッと剥き出しにした。)》それを読んでこう書いていた。昭和56年の3月に出会って以来なかば神様を見るように見てきた存在だった。いよいよ本当に神様に見えてくる。》https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2012-02-29

そう書いたその翌年の徳洲会騒動。(https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2013-02-07)以来徳田カラーは徳洲会から抹消されたかに見えた。その時組織内部に何があったかは知らない。禊の時だったのだと思う。7年を経て2020年7月、安富祖理事長の就任とともに、徳洲新聞に「徳田虎雄」の名が堂々復活した。(「祝復権!徳田虎雄元理事長」https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2020-08-16-1)それから3年、『徳田秀子が支えた医療革命 虎雄とともに』の刊行は、徳田虎雄という存在がいよいよ輝き出すその前兆に思える。それにつけても、新型コロナワクチン接種による健康被害という未曾有の事態に正面から対処し得ない医療界にあって、徳洲会の果たすべき使命は実に重大である、と認識する。





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