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mespesadoさん講義(136)若い世代への期待 [mespesado理論]

実は、『電光石火』の基調となっているのが、若い世代への期待です。まず、2014年の沖縄再訪の際、那覇空港から辺野古に向かうヘリコプターでの小山内官房長官と大田秘書官の会話、《「この国をあるべき姿に戻したいんだよな」小山内が大田に向かってポツリと言った。「官房長官がお考えになるあるべき姿というのはどのような形なのでしょうか」「若者が逞しく育っていくエネルギーを持つような国にしなければならない」「非常に抽象的な感じがしますが‥‥」大田は正直に言った。これに対して小山内が厳しい顔つきになって語り始めた。「現在の日本はとてつもない国難にあると言っていいと思う。東日本大震災からの復興は最優先課題であるにもかかわらず、決して順調とはいえない。さらに竹島、尖閣諸島など、わが国の領土が脅かされている。これに加え、長引くデフレ・円高によって経済は低迷し、若い人たちは未来に夢や希望を見いだせないでいる」大田は黙って聞いていた。「危機にある日本を立て直し、子供からお年寄りまで安心して暮らせる、強い日本、豊かな日本をつくっていかなければならない」》(258-259p)さらにエピローグでは、先に引用した「今でも、党の長老や派閥や有力議員を向こうに回しても、勇気を持って主張し、必ず実現させる行動力は素晴らしいと思います。」》(290p)につづくのが次の会話。《大田の言葉に小山内は照れくさそうな顔をして言った。「そうは言っても、一政治家の意思に基づいて、国の形を変えることなどはできないだろう」「しかし、誰かが声を上げることは大事なことではないかと思います。そして、言葉だけでなく行動に移すことが大事だと思います。」「明治維新の原動力となったのは、二十代、三十代の若者だったことを、日本人は今一度思い起こす必要があると思っている」「明治維新ですか‥‥」「あらゆる分野で若い力が台頭してこなければならない。草食系だなんだと言っている場合じゃあない。学を積むものは積極的に海外に出て見聞を広め、日本のあり方を海外から見てこなければならない」》(291p)

mespesadoさんは、菅さんのマキャベリズム性の底から本音を読み解いていきます。そして結論、最後は今の既得権受益者の守護者になるだろう、というのは、大変残念だけどそのとおりだろうと思います。若い世代の台頭、つまり安藤さんみたいな政治家が要職を務めるようになれば、冒頭に書かれているように「国民世論は緊縮財政の間違い、消費税増税の弊害に気付」き始めているのだから、状況は反転する、ということなんでしょう。これも、国民が若手の先入観を持たない政治家の背中をもっと積極的に押さなければいけない、という意味で有権者の覚醒が今ほど重要になっている時代も無い、ということだと思います。》菅さんの根っこの思いに通じてゆくような気がしました。持ち場持ち場で声をあげつづけてゆかねばならないのだと思います。私には、菅さんも同じ方向を向いているように思えます。

*   *   *   *   *

851:mespesado :2020/09/12 (Sat) 14:50:39
>>850
> それから、お互いに次の投稿は、本来の国際政治や経済に戻しませう
> → mespesadoさん

 御意。それでは早速菅政権(予定)と消費税について

菅官房長官 “消費税率 将来的には引き上げざるをえない”
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200911/k10012612091000.html

↑この記事が出たとき、件のリフレ女子さん曰く↓

リフレ女子@antitaxhike
> 誰ですか、「菅氏が消費減税を言えないのは解散総選挙の大義に使いたい
> からだ」との希望観測を打ち上げていた人は?
> 万に一つ減税があったとしても、これでは国民が将来の増税を予期してし
> まうので、デフレマインドは払拭できない。
> 消費減税は議論自体が下火になるだろう。

リフレ女子@antitaxhike
> そもそも安倍首相が、昨年消費税を10%に引き上げた際に「向こう10年は
> 上げる必要がない」と言っていたのだから、菅氏は「安倍政権の継承」
> を掲げるのなら、せめて「上げるにしても10年は必要ない」くらいのこ
> とは言わなければ整合性が取れているとは言えない。増税を是とする時
> 点でもはや矛盾。

 ところがその舌の根も乾かない同じ11日に、次のニュース↓
菅氏「今後10年上げる必要ない」 消費税増税で
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO63720480R10C20A9EAF000/

↑この記事に対し、リフレ女子さん曰く↓

リフレ女子@antitaxhike
> 消費税は「上げたら下げられない」税制ではないし、そもそもその逆進
> 性からして、税として欠陥しかないのだから、方向性としては「上げな
> い」ではなく「下げる」にしなければならない。行財政改革(?)の前
> に、消費税を聖域扱いする状況に対する「構造改革」が必要だ。

 そしてやはり同日のニュースがコレ↓
「望ましい次期首相は菅氏が過半数、求める政策は財政再建」日本企業アンケート
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/09/post-94406.php

 そして、リフレ女子さん、今度は↓
リフレ女子@antitaxhike
> 「ポスト安倍政権に望む政策としては「財政再建」が3分の1を占め、最
> も多かった」

> すごいなぁ。日本経済が縮小することを望んでいる、これが今の日本の
> 企業経営者の姿なのか。そりゃあ欧米はおろか中国企業にも劣後するわ
> けだ。

 リフレ女子さん、反応が真正直すぎるwwwwww はぐらめいさんが、やはり11日のエントリー↓
https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2020-09-11

で、次のように書かれています↓
> そこで三橋氏「菅・アトキンソン内閣を早期に終わらせよう!」。三橋
> さん、「反安倍」から「反菅」へ。私は、二人に共通する「したたかな
> マキャベリズム性」を勘定に入れなければ、二人のほんとうのところは
> 見えてこないと思っています。三橋さんには同調しかねます。

 さすが、めいさん、マキャベリズムをよく理解していらっしゃいます。
 で、問題は、安倍さんと菅さんがマキャベリズムを理解して「本音」と実際の「発言」を使い分けているのは確かだと思いますが、それでは菅さんの場合、「本音」はどこにあるのでしょうか
 これについて、三橋さんのその後のエントリーに次の記事があります↓
自己陶酔型マゾヒズム政治は、もうやめよう
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12624311653.html

 記事本体ありきたりな内容で、特に論評することも無いんですが、注目すべきはこの記事に付いた2つのコメントです。まずは次のコメント↓
--------------------------------------------------------------------
まず初めに、私自身は財政拡大派であり、今最も必要な
政策は消費税をなくすことだと考えています。
そのうえで、もし私が菅さんなら、あの場で同じようなことを
言っていただろうと思います。
その理由は二つ。
一つは、財務官僚を油断させる。
二つ目は、菅さんは国民に選ばれて総理大臣に
なるのではないという事です。
選ぶのは、自民党の議員です。議員の中には、安藤裕議員や
西田昌司議員のような財政拡大派もいますが、三橋さんも
ご存じのように、ほとんどが緊縮財政派です。
彼らの票がないと菅さんは総理になれない。
だったら、あの場所では、ああ答えるしかない。
もし彼が総理になり、その後、解散総選挙で国民に対しても
同じような事を言うのであれば小泉純一郎のような、
「自己陶酔型の国民しばき総理」と思ってもいいでしょう。
彼が、大石内蔵助タイプの政治家なのか、
国民シバキ政治家なのか、総理になってみないと
まだわかりません。
--------------------------------------------------------------------
 実によくマキャベリズムを解した意見です。ネットでは大変珍しい。特に二つ目の視点は私も気が付きませんでした。ただ、最後の「総選挙で国民に対しても同じようなことを言うのであれば」「自己陶酔型の国民しばき総理」と思ってもよい、というのには???です。彼は小泉純一郎よりはるかに頭がいいので、それこそ総選挙のときですらホンネを言わない可能性がある。なぜなら有権者にも経団連の論理に首根っこ押さえられた国民が大勢いる以上、選挙の結果が出る前にホンネを言うのは非常に危険ですから。でも、その肝心の「本音」は何なのか。反緊縮財政?いやいや、そう単純なものではないでしょう。それを指摘するのが次のコメント↓
--------------------------------------------------------------------
国民世論は緊縮財政の間違い、消費税増税の弊害に気付いてます

菅さんが消費税増税のコメントを一晩で訂正したのは、その反発が大きかっ
たからじゃないかと思います。自民党内では、消費税減税や廃止を言い出せ
ない空気があるとの事でしたが、同時に消費税増税を言うと世論からの猛烈
な反発を浴びるので言いたくても言えない状況が有ると推測します。
稲田朋美がPB黒字化目標にこだわり、結果として緊縮派と認定される事にな
ったのを嫌った事からも、その事は伺えるでしょう。
自民党内部、霞ヶ関など、権力闘争の綱引きが行われていることは間違い無
いでしょう。
菅さんが小泉、竹中、安倍路線を踏襲する既定路線なのか、脱緊縮財政へと
舵を切るのかも含めて政権が始まってみないと分かりません。ただ今までの
発言や政策を見ると、竹中、安倍路線をより進めるとしか思えませんけどね。
現在の既得権益者の正統な守護者と考えるのが自然だと思いますよ。
問題は、今の既得権益者の権力を崩す存在がいない事です、若い世代の台頭
が少しでも早く行われる事を切に願います。
--------------------------------------------------------------------
 最後は今の既得権受益者の守護者になるだろう、というのは、大変残念だけどそのとおりだろうと思います。若い世代の台頭、つまり安藤さんみたいな政治家が要職を務めるようになれば、冒頭に書かれているように「国民世論は緊縮財政の間違い、消費税増税の弊害に気付」き始めているのだから、状況は反転する、ということなんでしょう。これも、国民が若手の先入観を持たない政治家の背中をもっと積極的に押さなければいけない、という意味で有権者の覚醒が今ほど重要になっている時代も無い、ということだと思います。


853 名前:mespesado 2020/09/12 (Sat) 23:36:45
 3人の総裁選候補がTV番組「ワールドビジネスサテライト」で「消費税は将来的に10%より引き上げる必要がある」かという質問を受けたときのショットがこれ↓
https://txbiz.tv-tokyo.co.jp/wbs/feature/post_210011/

 実は、この前後の動画も見たのだけれど(アドレスが今検索しても出て来なくて残念)少しニヤけた感じでその理由を語っていました。反緊縮界隈では、それこそ鬼の首を取ったように、「それみたことか。菅も石破や岸田以上に緊縮派じゃないか」ということの動かぬ証拠のように論じていたけれど、>>851 の三橋さんの記事の最初に引用したコメントにあったように
> 菅さんは国民に選ばれて総理大臣になるのではないという事です。
> 選ぶのは、自民党の議員です。【中略】ほとんどが緊縮財政派です。
彼らの票がないと菅さんは総理になれない。
> だったら、あの場所では、ああ答えるしかない。

というのはまさに図星で、三橋さんの記事本文にもあるように、実際
> 自民党の有力議員が、
> 「将来、消費税について議論しなければならないというのは、責任ある
> 政治を目指している証左だ」
> と、コメントしており、

とあるとおりです。つまり、菅さんの、自民党議員中心の総裁選対策として今回の発言がきちんと有効に働いていることが、この証言で明らかになったわけです。この辺のマキャベリズムについては、おそらく菅さんの方が安倍さんより数枚上手だと思います。安倍さんだったらここまではっきり発言しないか、あまりに本心とかけ離れた発言をしようとすると顔に出ます(w)。でも菅さんはそこは抜かりが無いように見える。私が菅さんを「反緊縮ではない」と推測したけれども、かといって「緊縮派だ」とまでは推測しなかったのは、まさにそこです。この人は安倍さんみたいについホンネを田原某氏に語ったりするようなことも恐らくしないはずで、ホンネを探るのがすごく難しい人です。なので、菅さんが内閣人事について

贅沢保湿@ien0RS0ZuuIQLOW
> 橋下が入閣しようがしまいが菅官房長官が維新とズブズブなのは事実。
> 維新支持者の皆さんは良かったですね。これで実質的に維新政権の誕生
> です。対して自民党支持者の皆さんは本当にこれで良いのか考える必要
> があると思います。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020091200434&g=pol
> 橋下氏入閣、否定せず 菅官房長官

シェイブテイル@shavetail
> もし本人が2人を選択したのなら、前管時代同様、後管時代もダメダメ
> だろうな…。

> 菅氏の経済指南役は2人「菅政権」閣僚ポストに誰が就くのか
> (日刊ゲンダイDIGITAL)

https://news.yahoo.co.jp/articles/96d546d10807b3e433c05329736bb0e32afec085
> 菅氏の経済指南役は2人「菅政権」閣僚ポストに誰が就くのか

のような対応によってこういう記事が出回ったのも、十分計算しつくした上での発言のはずで、恐らく >>841 で堺のおっさんが喝破したような意図、すなわち、維新や竹中氏を筆頭とする新自由主義者を味方に付けて(=利用して)自分のホンネを実現するための「計略」であろうことは間違いありません。


856 名前:mespesado 2020/09/13 (Sun) 10:21:13
 今の野党は正直言って政治に何の影響もないからほっといていいけれど、ニュースとして報じるマスコミのニュアンスの違いは参考になるという例です。まずは時事通信の記事↓
消費税、争点化を否定 立憲・枝野代表
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020091200295&g=pol

 これに対して反緊縮界隈が例によって脊髄反射↓
太郎冠者@48eJWFgoF59Karq
> 消費税、争点化を否定 立憲・枝野代表
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020091200295&g=pol
 ↓ ↓ ↓
フリオ・クルス@ケケ中平蔵から国民を守る会@juliocruz_noVAT
> 立憲民主党に期待してたみんな、息してる?
 ↓ ↓ ↓
須藤 拓真@sudo_taku
> 自分は減税発言も全然信用してなかったので、やはり期待してなくて良
> かったですw

> センスなさ過ぎですね、もう自民党の手先にしか見えません…
> もはや国民の敵です。
 ↓ ↓ ↓
フリオ・クルス@ケケ中平蔵から国民を守る会@juliocruz_noVAT
> ほんとに、何でこんなしょうもない奴が野党第一党の党首なのか。
 ↓ ↓ ↓
須藤 拓真@sudo_taku
> プライドが高そうですよね、山本太郎の誘いに乗るのを露骨に嫌がって
> る感じがします。

> 一応世間からは彼が野党の顔なのでこれじゃ全然期待出来ないと思われ
> て自民の圧勝ですよ…

 まさに、保守系論客のリフレ女子さんが与党党首(予定)である菅さんの消費税上げ必要発言に対して脊髄反射したのと同じパターンの、リベラル論客による筆頭野党党首の発言に対する脊髄反射です。
 しかし、多くのマスコミが時事通信と同じ論調で報道する中、産経新聞は同じことを次のように報道↓
立民・枝野氏、消費税増税「論外」 衆院選の争点化には消極姿勢
https://www.sankei.com/politics/news/200912/plt2009120007-n1.html

 見出しがまるで正反対の印象を与えている。で、本文を読むと、直接話法部分は以下のとおり。まず冒頭の時事通信の記事では、前半で
> 「消費税を選挙の道具に使ってはいけない」

 後半で
> 「消費税を下げていくことができるかをしっかり議論すべきで、上げて
> いくのは論外だ」

とのこと。
 一方の産経新聞の記事では、前半で
> 「消費税を下げていくことができるかどうかについて議論すべきで、上
> げていくなんて論外だ」

 後半で
> 「消費税を選挙の道具に使ってはいけない」

とのこと。どっちの記事も本文は同じなのに、見出しの違いで全然違うように見えてしまう。見出しだけ見て脊髄反射するのは情弱の第一歩w。これじゃネット世代と言えども、TVばかり見て洗脳されてる高齢者を笑えない。
 で、両方の記事の残りの部分を見ればわかるけれど、「消費税を選挙の道具に使ってはいけない」という発言は、要は枝野氏としては選挙のために野党が連合することを第一に考えて消費税に対する見解が各野党で異なることによる分裂を恐れての発言に過ぎないということがわかります。
 面白いのは保守系かつ財界イデオロギーのはずの産経新聞が「野党も消費税減税を主張している」ことを主軸に報道していること。同じ財界イデオロギーでも経団連と報道機関では微妙なズレが出て来ているのは面白い。

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