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何故に明治維新は失敗だったのか [雲井龍雄]

11月6日予定の吟行「雄飛せよ!龍雄の詩魂」の準備をしながら、雲井龍雄をどう掬い上げるかをずっと思っています。そんな折出会った亀さんの過去ブログです。当時読んでるはずだけれども、私にとって、今読んでタイムリーです。

《何故に明治維新は失敗だったのかという理由は、前稿で紹介した「真説・日本近現代精神史vol.1」にも書かれているのだが、要するに明治維新以降の我が国の失敗は、和魂洋才で謂うところの「和魂の喪失」に尽きるとのことであり、小生もその通りだと思う。つまり、前稿で紹介した宮沢賢治についての行で、「明治維新による近代化によって和魂を失う前の日本人の精神は、「雨ニモマケズ」に出てくるこのような精神だった」とあるように、和魂を失った我々は再び和魂を取り戻すべきなのだ。》

《明治維新前の日本は〝納豆型〟の社会だったが、和魂を捨てて洋才を取り入れた以降の日本は、〝甘納豆型〟の社会に変貌を遂げてしまった》

《政府を当てにすることなく、「ずーっと働き続けること」といったことを念頭に、これからの世の中を生き抜いていくべきなのだ。》

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前稿「日本精神と宮沢賢治」で上掲の動画について書いたが、同動画を観ながら思い出したのが、十年ほど前、世界戦略情報誌『みち』のまほろば会で林(廣)さんが、「明治維新は失敗だったな」と呟いた時、隣に座っていた山浦嘉久さんが、「そうだ!」と応じていた光景で、今でも脳裏に焼き付いている。

何故に明治維新は失敗だったのかという理由は、前稿で紹介した「真説・日本近現代精神史vol.1」にも書かれているのだが、要するに明治維新以降の我が国の失敗は、和魂洋才で謂うところの「和魂の喪失」に尽きるとのことであり、小生もその通りだと思う。つまり、前稿で紹介した宮沢賢治についての行で、「明治維新による近代化によって和魂を失う前の日本人の精神は、「雨ニモマケズ」に出てくるこのような精神だった」とあるように、和魂を失った我々は再び和魂を取り戻すべきなのだ。そして、表現こそ違え、〝和魂〟については拙ブログで度々取り上げてきたテーマでもある。たとえば、拙ブログでは渡辺京二氏の著した、『逝きし世の面影』(平凡社ライブラリー)を、時々だが取り上げており、「蘇るのか、逝きし世の面影」という拙稿もそうした一例だ。

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なを、上掲の動画は「日本近現代精神史vol.1」という講座への誘いになっており、講師は文芸批評家の浜崎洋介氏が務めている。動画から浜崎氏は実に優れた仕事をしていると小生は思ったし、文芸批評家を名乗るだけあって、明治の文豪に視座を置いた和魂洋才の話、実に迫力があった。

「明治維新の闇と芥川龍之介の自殺」なぜ天才作家は“ぼんやりとした不安”という理由で死を選んだのか?(浜崎洋介)
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その浜崎氏、他にも優れた動画をYouTubeで数多く公開しているので、この機会に同氏の動画を幾本か観てみるといいだろう。
浜崎洋介チャンネル

浜崎氏の文学に関する動画以外で、個人的に小生が注目したのは同氏の安倍晋三論だ。

今だからこそ振り返ろう安倍政権の大罪と長期政権のカラクリ 【前編】(三橋貴明×浜崎洋介)
今だからこそ振り返ろう安倍政権の大罪と長期政権のカラクリ【後編】(三橋貴明×浜崎洋介)

【後編】で浜崎氏は共同体について発言(24:48~)しているのだが、これは武田邦彦氏が時々自身の動画で語っている、「人は決して独りで生きてはいけない。実に多くの人たちに生かされている」という言葉と相通じるものがある。要するに、明治維新前の日本は〝納豆型〟の社会だったが、和魂を捨てて洋才を取り入れた以降の日本は、〝甘納豆型〟の社会に変貌を遂げてしまったということであり、そのあたりは拙稿「納豆型社会の情景」でも述べた。

このように、共同体の大切さを説く浜崎氏だが、同時に上掲の動画で現在の日本は、お上(政府)に頼ることはできないことから、自力で生きていかなければならないとも語っている。つまり、拙稿「老後の資金がありません!」でも書いたように、高橋洋一氏の言葉を借りれば、政府を当てにすることなく、「ずーっと働き続けること」といったことを念頭に、これからの世の中を生き抜いていくべきなのだ。

ところで、三橋氏と浜崎氏はアベノミクス三本の矢を巡って、かなり辛辣に安倍晋三元総理を叩いている。そうしたお二人が交わす言葉に耳を傾けながら、以下の二点について言及していないこと、実に残念に思った次第である。

■草刈り場の管理人
最初に、林千勝氏が自身で作成した以下の構図、すなわち日本の総理大臣が置かれている立場というものを、三橋氏と浜崎氏の両氏が全く触れていないのが気になった。
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小生は拙稿「再々登板?」でも書いたが、安倍晋三元総理と雖も林氏の云う「草刈り場の管理人」に過ぎず、そうした己の置かれた立場を無視してNWOに逆らうことは出来ない、というのが安倍氏が置かれていた立場だったということを忘れるべきではないと思う。

■政治家

なぜ安倍政権の国家破壊は止まらないのか!?[三橋TV第204回]三橋貴明・高家望愛

上掲の動画で三橋氏と浜崎氏の両氏は、〝政治家〟である安倍晋三氏と麻生太郎氏を批判しているが、己のモノサシで政治家というものを判断すると間違うことが多く、この辺りは、飯山一郎さんが健在なりし頃、放知技で熱論が交わされたテーマの一つでもあった。そして、「放知技で熱論が交わされた」スレッドを締め括るにあたり、飯山さんが以下の投稿をしていたのを、覚えている放知技の読者も多いことだろう。

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次回は、「日本精神とGHQ焚書」について筆を進める予定である。
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[2021/12/20 08:51]

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