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9月定例会を振り返る(1)決算委員会質疑 [議会]

9月定例会が9月18日終了しました。15日に開催された決算委員会での質疑を振り返っておきます。
◎財政について発想を転換する必要がある
令和元年度決算は、一般会計歳入16,056百万円、歳出15,093百万円で、繰越分を引いた一般会計実質収支は940百万円の黒字。「緊縮」感覚では「黒字額が大きくてよかった」かもしれないが、「反緊縮」感覚では必ずしもそうではない。使うべき金を使わなかった、ということでむしろ、行政の怠慢を責めねばならない。発想の転換が必要と考えて質問した。
〈質問〉1990年代の南陽市は、ハイジアパーク、結城豊太郎記念館、夕鶴の里など建設途上でバブルがはじけ議会の関心はいかに財政を切り詰めるかにあった。日本全体が節約志向で、その結果、日本のその後の成長率は世界最低クラス。このままでは日本はどんどん落ち込む。必要なところにはカネをつぎ込む積極財政に頭を切り替えねばならないと思うがどうか。
〈市長〉何でもかんでも切り詰める緊縮財政はよろしくない。地方においては国債や通貨の発行はできないが、工夫して、様々なメニューを活用し、さらには国に創設をお願いして財源を確保してやらねばならないことはやっていくという姿勢でありたい。
1978年から2001年まであった「地域総合整備債」、返済費用の90〜75%が交付税措置される。1986年、新山昌孝市長をやぶって就任した大竹俊博市長はこの地方債をフルに活用した。しかし1990年代になってバブル崩壊。私が最初に議員になったのが1992年(平成4年)、もうその頃は「ハコもの行政」批判が一般化していた。以来「健全財政」こそが第一義となる。現在の白岩市長の「身の丈にあった市政」もその流れだ。その発想の転換を迫ったのだが、先の一般質問に対する理解もあってか、市長にはかなりわかってもらえたとの手応えを得た。
◎ふるさと納税、前年比155%増!
ふるさと納税が前年の3.1億円から7.9億円に大幅に増加したのがすごい。ふるさと納税事業費としての支出286百万円のうち180百万円が報償費で、その分は市内業者に入る。404百万円は地域振興基金積立金となる。この使い途を思って、平成19年(2007)に「宮内の菊まつりをもっと賑やかに」と、当時の時価5,000万円分の証券を市に寄付された皆川健次菊まつり振興基金のことを思い出した。平成18年のわれわれのがんばりを認めてもらえたことがうれしかった。→https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2007-06-08 翌年さらに5,000万円が加えられるはずだったのだが、まもなく皆川氏は亡くなられたため、その分は立ち消えになった。ガンに冒されていたのだった。数年後、その運用益がどうなっているかを市に尋ねたところ、菊まつりの補助金の一部になっていると聞いて、それでは「宮内の賑わい再生」を思う皆川氏の遺志が生かされていないのではないかと落胆した。昨年度決算での運用益577,236円は菊まつり関連事業補助金17百万円の一部になっている。(2007年当時の日経平均株価17,000円台、リーマンショックの一時7000円台を経て、現在は23,000円台。時価35%アップ)本来なら宮内地区民の意思も入れながら目に見える形で使われるべきなのではないか。ふるさと納税もしかり。これも目に見える形で利用されることで納税者にとっての納めた意義が再確認される。ふるさと納税もクラウドファンディング的に使用目的を明確にして募ればさらに弾みがつくはずだ。→Readyfor ふるさと納税
〈質問〉皆川健次振興基金の運用益の用途は。
〈観光主幹〉菊祭り関連事業補助金に入れて使わせていただいている。
〈質問〉ふるさと納税が昨年の3億円から7.9億円になった要因は。
〈商工観光課長〉いくつかあるが、寄付受付サイトを増やしたこと、主要サイトのプランを定額から寄付額の5%に変えたこと、電子決済にしたこと、その他返礼品の数を増やしたりコースに工夫を加えたこと、あとは継続的南陽ファンと事業所の協力も大きい。
 ふるさと納税は工夫次第でこれからもまだまだ増える可能性がある。「足らなくなったところの穴埋めにではなく、南陽市を売り出す目玉のようなところへの前向きな使い方を考えてほしい」と言ったら、市長「高岡議員もぜひ考えて欲しい。」一般質問でとりあげた「南陽市民文化センター」構想がまさにそれなのです。
◎「ゴールドマウンテンプロジェクト」について
一昨年、金山地区に農水省から3年間にわたって毎年1,000万円ずつ計3,000万円が交付されるという話を聞いて驚いた。金山地区には私なりの思い入れがある。「よもやま歴史絵巻 金山編」(1)色部氏「よもやま歴史絵巻 金山編」(2)勝景の地 金山郷)過去の歴史についてもそうなのだが、存続の危機にあった龍の口の明神様(龍口神社)が熊野大社末社の厳島神社に合祀され、飛騨高山の「六次元会」によって宥明上人長南年恵刀自を顕彰する神社が建立されつつあるが、私も宥明上人顕彰会としてこのことに関わってきた。その話がちょうど緒に就いた時だったので、農水省からの注目に、「宥明上人のお働きか」と思ったものだった。
顕彰社中央.jpg顕彰社東2.jpg顕彰社西北.jpg写真は顕彰社の現在の様子。飛騨高山の石工と宮大工の采配で地元業者の手も借りながら進められている。今年完成予定だったが、コロナ禍の影響で、来年の雪解けとともに本殿の建設が始まる。これまであった石祠等はそっくり保存されて東側と西北側に残る。本殿土台には飛騨の石、そのほか乗鞍岳と飛騨位山の石が運び込まれた。5年前に行って見た飛騨高山の「天孫宮」がそっくり再現されそうな感じです。(「飛騨行」https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2015-10-17羽黒神社棟札.jpg飛騨の匠といえば、池黒皇大神社所蔵の応徳三年(1086)棟札記載の「韓志和」が飛騨の匠であることを清野春樹氏がつきとめられたばかり(『山形歴史探訪4 平清水・宮内・赤湯・上郷・長井の秘密』)。1000年前にもこの地と飛騨の匠との関わりがあったことが今年になって明らかになったことも奇霊(くしび)なことだ。この棟札は、残存する日本最古の可能性もある。(日本最古の棟札(池黒皇大神社)https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2020-01-04
〈質問〉一昨年から1千万円ずつ3年間交付されているゴールドマウンテンプロジェクトの進捗状況は。
〈農林課長〉金山活性化推進協議会に国から直接交付される。市としての予算は一時借入に対する利子補給。金山地区産品の活用を図ることを主眼としたプロジェクトであり、昨年度は、六次化食品6点ほどの試作品を作って東京での展示会で好評を得ている。市としての関与は事務的な部分でのお手伝い。
 金山地区は「神山郷」に由来するとも言われいろんな可能性を秘めた土地なので、商品開発をバネに地区自体に光が当てる方向性が必要と思うがどうか。
〈市長〉国のメニューを活用して地域の産品を新しい形で売り出すこのプロジェクトが成功し、他の地区にも波及することを大いに期待している。

ただ地元から「何をやっているのか全然見えない」という声も聞いている。「せっかくの3,000万円、金山振興にしっかり結びつく事業になる様に」と訴えた。

山形観光アルカディア観光局

決算書に「地域連携DMO事業」というのが出てきてなんのことだかわからなかった。「DMO」とはDestination Management/Marketing Organizationの略で「観光地域づくり法人」のことで、「観光交流センター 道の駅 川のみなと」に事務所を置く一般社団法人山形観光アルカディア観光局」を言う。長井市、南陽市、飯豊町、白鷹町の行政が主体となって設立。南陽市からは昨年度499万円の支援事業補助金。昨年市報とともに全戸配布なった機関誌で紹介されていた熊野大社と東の麓は新鮮な取り上げ方だった。長井出身でUターンのカメラマンだったというのもうれしくたのもしい(船山裕紀写真事務所)。観光局の中心になっているのが奥飛騨出身(!)で長井へIターン、「はぎ苑」社長の鷲見(すみ)孝氏。コロナ禍で観光も厳しいが、新たな視点で見直すチャンスなのかもしれない。

〈質問〉地域連携DMO事業のこれまでの経過と進展の状況は。
〈観光振興主幹〉一般社団法人山形観光アルカディア観光局が令和元年6月に設立。南陽市としては、ポータルサイトの構築等全般的にわたるものについての参画。熊野大社を中心とした南陽市を巡るツアーの造成によって観光客を運んでいただいている。また、インナープロモーションということで地域の方々に地元の良さを知っていただくために、二市二町の機関誌を発行して啓発を行なっている。
〈みらい戦略課長〉個別の計画についてでなく、観光DMOを使うことでの関係で観光客を誘致していく。


今日(21日 敬老の日)の熊野大社のすごい賑わいに驚いた。鳥居の場も公民館も駐車場満杯。宮町通りを歩く人がゾロゾロ、それなのに立ち寄る店が一軒もない。もったいない。神参り来る人たちはみんないい人ばかり。今の若い人たち、われわれ世代には考えられないほど神様に対して礼儀正しい。この賑わい、決して一時的な現象ではない。宮内の人たちよ、なんとか考えよう!「儲けよう」ということではなく、どうしたらもっと喜んでもらえるか。せっかくのアルカディア観光局からも知恵を借りながら。


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