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台湾の選挙結果をどう読むか(田中宇) [現状把握]

田中宇の国際ニュース解説会員版「米中逆転の現実化と台湾」要約:《【2024年1月14日】「ウクライナとガザの次は、台湾での米中戦争だ。だから台湾の選挙が大事だ」と、マスコミが喧伝するが、それは意図的な歪曲話だ。米国は台湾支持の第一歩である「一つの中国」の否定すらやらない。米中がこっそり結託して進める東アジアの転換まで、まだしばらく時間がかかる。台湾民衆党の柯文哲は、ゆっくり政権をとっていけばよい。》

以下、ダイジェスト。田中氏の「多極化論」、あらためてストンと肚におさまりました。

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《中共との関係で見ると、民進党は中共と敵対傾向が強い半面、国民党と民衆党は中共と親しくする傾向が強いので、この点だけ見ると、国民党と民衆党との候補一本化があり得た。だが民衆党の柯は、その点でなく、今後時間が経つほど国民党は支持者の高齢化や政策の非現実性によってすたれていくと考え、国民党との共闘を断ったのだろう。大衆党は、国民党と共闘しない方が、国民党側からの流入を期待できる。 /中共の台頭は今後も続く。台湾を支援してきた米国は衰退が加速する。国民党だけでなく、中共との対立を解けない民進党も時代遅れになる。4年後の次期大統領選で民衆党の柯が三つどもえの選挙に勝つ可能性が増す。》


中国は、すでに覇権国である。隠れ多極派が戦後ずっと推進してきた米国から中国への覇権交代が、すでに達成の領域に入っている。だが、中国周辺の東アジアでは、まだ覇権交代が具現化していない。欧州は、ウクライナ戦争で衰退が確定した。中東も、ガザ戦争で米英覇権の終焉が決まった。 /印度も、米日と一緒に中国敵視するはずがBRICSで非米側の人気者になっている。アフリカも、中露と親しくなって米欧を追い出した。中南米も、アルゼンチン政権交代やベネズエラのガイアナ(英国系)侵攻準備、フジモリの釈放など、非米的な感じの動きが続発している。//だが東アジアでは、日韓の米軍駐留の態勢が変化なく続いている。米英が豪州を傘下に入れて中国敵視を強化する軍事同盟AUKUSも作られた。フィリピンも米国の要請で中国敵視的な安保体制に戻った。ロシアは中国を誘って北朝鮮をテコ入れしている。中露と米国側との対立が強まっている。


習近平が中共上層部のトウ小平派を完全に潰すまで、米国の中国敵視策や、日韓の米軍駐留が続く。日韓など同盟国にあるのは米軍駐留の人数や床面積などの「枠」であり、実際に米軍がほとんど駐留していなくてもかまわない。
いつになるか、どのような形になるか不透明だが、中共中央の権力闘争が完全に決着し、「枠」でなく実質的な米中間の政治経済の力関係において、中国(非米側)の優勢と米国側の劣勢が不可逆的に確立した後、日韓豪などにおける米国覇権が撤退していく。現状が長引くほど、米国の撤退は劇的になる。//それまでの間、台湾も、誰が政権をとるかに関係なく、現状維持が続く。おそらく、米覇権衰退が顕在化して日韓が変化した後に、台湾も、独立でなく親中国の方向に変化する。/米諜報界を追い出した中共と異なり、日韓も台湾も、米諜報界に入り込まれているので、地元の政治権力(日本の自民党など)が自国の国益に沿って勝手に対米自立することは許されない。それを模索すると、安倍晋三のように米諜報界に殺されてしまう。 /米中がこっそり結託して進める東アジアの転換まで、まだしばらく時間がかかる。台湾民衆党の柯文哲は、ゆっくり政権をとっていけばよい。

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