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QE(造幣による債券買い支え)再開での危機回避 [mespesado理論]

田中宇の国際ニュース解説会員版◆銀行救済を口実にQEが再開される?」《SVBの破綻が米金融界全体に連鎖し、大規模な金融危機になりそうな懸念が急増した。 /だが米金融界では逆に、この危機を利用して米連銀(FRB)が銀行救済の名目でQE(造幣による債券買い支え)を再開し、その資金で銀行界の預金流出を穴埋めするだけでなく、利上げ停止とQE再開で債券価格を反騰させ、下がっている株価もテコ入れしてほしいという期待がふくらんでいる。そもそも今回の金融危機は、米連銀がインフレ対策の名目でQEをやめてQT(債券放出による資金回収)を進め、金融システムから資金を吸い上げていることから発生している。連銀が金融危機を止める名目で利上げを停止し、進めてきたQTもやめてQE再開に転換すれば、銀行の危機は去り、債券や株の価格も反騰する。金融界は、何でもいいから理由をつけてQEを再開してもらいたい。・・・金融界のQE再開への期待は絵空事でなく、すでに実現し始めている。・・・対象外の預金も含めた全体をFDICが払い戻し、FDICの資金が足りなくなった場合は米連銀が資金を供給することを決めた。》まさにmespesadoさん言われる通り、ーマンショックで学習した金融界は、最早滅多なことで「原理的に」破綻が生じるようなことは無くなっている》のです。たしかに田中氏も世界中がドルを基軸通貨と認めて頼っている限り》という条件をつけて、《どんなにドルを過剰発行しても信用低下は起きない、と考えることもできる》と言います。その条件をめぐるせめぎ合いが、「ロシアvsウクライナ戦」として現象化していると考えられます。

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314 名前:mespesado 2023/03/15 (Wed) 10:33:03
>>313
 このSVB危機シリーズも、ここで終わるつもりにしていたんですが、堺のおっさん(本スレ #569)とはぐらめいさん(ブログ「移ろうままに」最新エントリー)で、今後の危機に対する楽観論と悲観論という観点で見たとき、ある種正反対のコメントをされていたのを見て、特にこれらの論評を読んだ第三者の間に、もしかして混乱が生じるのではないかと思い、より突っ込んだ考察を続けることにしました。
 今回のような「金融危機」「(病気の深刻さという観点での)新型コロナ危機」についてそれらの危機の程度を比較するとき、この両者がもっとも異なる点は、後者が人々の思いといった「心理的影響」はほとんど存在せず、ただ科学的というか、事実と科学的原理原則だけで、その影響がすべて決定するのに対し、前者の場合は科学的な事実だけでなく、大衆が心理的影響を受けて行動すると、その行動自体が事実の方にフィードバックして現実の破滅が「作られて」しまうことがある、という違いがあります。その他の事例で言えば、「ワ○チ○を打ったことによる身体への影響」は後者の例であり、同じようでも「ワ○チ○の接種率」の方は前者の例であり、「マスクが身体に与える影響」は後者、「マスク社会が継続するか否か」は前者の例、「ウクライナ危機そのもの」は後者であるのに対し、「これが第三次世界大戦に繋がるか」は前者の例、などなど。
 さて、はぐらめいさんが参照しておられる In Deep の記事↓
「崩壊は一瞬で起こり得る」:迫るメルトダウンのメカニズムがようやく理
解できました。そこには驚くべき事実が存在します 
https://indeep.jp/meltdown-just-ahead/

なんですが、これは In Deep の中の人であるオカさんが、

> 金融に疎いですから。

と告白しておられ、ご自身の意見と言うよりは、ソブリン社という企業のウェブサイトから

「シリコンバレー銀行が破綻したのなら、他も同じだ」
If SVB is insolvent, so is everyone else
https://www.sovereignman.com/trends/if-svb-is-insolvent-so-is-everyone-else-146244/

という記事を日本語に翻訳して紹介されたものです。
 しかし、これを読んでも特別なことは特に書かれていない。しかし問題となる箇所はあります。それは次の部分です↓
> 米国の国債は、世界で最も安全で「リスクのない」資産であると考えら
> れている。しかし、国債でさえ価値を失う可能性があるため、それはま
> ったく真実ではない。そして、それがまさに起こった。

> シリコンバレー銀行のポートフォリオのほとんどは、10年物国債などの
長期国債だった。そして、これらは非常に不安定だ。

> 債券市場にあまり詳しくないのなら、理解しておくべき最も重要なこと
> の 1つは、金利が上昇すると債券は価値を失うということだ。そして、
> これがシリコンバレー銀行に起こったことだ。

 確かに債券の「価格」は、金利が上昇すると「下落」します。しかし、これをもって当該債券の「価値が失われる」と考えるのは、債券の「価値」を「時価評価」という人為的なルールで「評価」するからです。
 ところがこう言うと、「何言ってんだ!実際預金を解約しようとしたら、銀行はその現金を支払うために債券を実際に売却しなければならず、実際に売却せざるを得ないんだから、損失は現実化するではないか」と言われるかもしれません。でも「実際にオカネが要るから解約するんだ」という預金者に対しては、既に私が解説したようなカラクリで「預金を解約しなくても問題は生じない」ことがわかっています。ところがこれに対し、「当面オカネが要るわけではないが、せっかく金利が上昇したんだから、金利の高い運用先に投資するために自分の預金を充てたい」という預金者、つまり、いわゆる「預け替え」のニーズがある預金者のことは別に考える必要があります。まあ、これだって、銀行側としては、開き直って「そんな客に対しては預金封鎖をして引き出させてやんないよ」と宣言すれば、まあ預金は自由に引き出してよいという預金の基本的な契約に対する「契約違反」には問われるかもしれませんが、誰も「致命的な損失」は被らずに済みます。ただ預金者の「儲ける機会」が失われるだけだからです。
 しかしです。実はこういった「今の低い利率の預金を高い金利の投資に乗り換えたい」という預金者のニーズにも、銀行は原理的には応えることができるんですね。それには次のようにします。
 まず金利が上昇して高い利率の債券に預け替えをしたい預金者が銀行の窓口に現れたとします。このとき銀行は次のように提案します: 「貴方が預金を引き出す代わりに、当行が貴方にその預金と同額の融資をします。そして貴方には、その融資した額で、当行の提供する高利回りの債券を購入していただきます。そして、その高利回りの債券が償還を迎えた暁には、その満期償還額をあなたに全て差し上げます。ただし、そのかわり、貴方に融資していた金額は、貴方が解約せずに温存していた預金を貴方に返還せずに、この融資と相殺してチャラにします。これなら、貴方は高利回りの債券の償還額を手に入れることができ、当行の方も新たに融資した金額は貴方の預金を当行が頂戴することによってプラマイ・ゼロとなるので損失は被らないで済みます。どうです?この取引に乗りませんか?」と。もし預金者がこのディールを断れば、今度こそ、銀行は高飛車に出て、「預金を封鎖するぞ」と脅せば、預金者は大損を被るだけですから、預金者はこの提案に乗るハズです。
 一見すると、銀行側は、その預金者に買わせた債券を自分で購入すれば、その高利回りの利息を得られたものを、預金者に丸々献上してしまうのだから、今度は銀行側が利益獲得の機会損失を被ったように見えますが、そもそもこの提案をしなければ、取り付け騒ぎが生じて銀行は倒産の憂き目を見るわけで、このディールを預金者が承諾することによって倒産が防げるわけですから、高利回りの利益の機会損失なんて、それに比べたらはるかに安いもんだ、と考えるべきですよね?
 ここで話を元に戻します。リーマンショックのような、ジャンク債への投資と違って、満期償還が保証されている債券への投資が引き起こした今回のような金融危機は、銀行と預金者の「お互いの合理的なディール」を通すことによって、本題であれば原理的には防ぐことができるわけです。ところが現実の世界では、それこそ新型コロナの「ウイルスコワイコワイ心理」の影響で、本当は大した感染症でもないのに、一般大衆の行動が元で、社会的に大きな打撃を誘発してしまうわけです。
 こういった観点から見ると、この In Deep で紹介された記事は、事実としてウソが書かれているわけではないけれど、その理解が非常に「表層的」であると言うことができると思います。そして、更に穿った見方をするならば、この記事自体が読者の不安を煽って金融危機をわざと煽っているようにも解釈できるわけです。リーマンショックで学習した金融界は、最早滅多なことで「原理的に」破綻が生じるようなことは無くなっていると思います。ただし、一部の「オカネの根本的な原理に対する無理解から乗じる煽り」や、金融危機をわざと引き起こそうとする者たちの意図的な扇動によって危機が引き起こされる可能性はしっかり残されている、という気がしています。そういう意味で、これからの世界では、まず①正しい貨幣論を理解して、原理的に危険があるのか無いのかを正しく判断し、それだけでなく、②意図的もしくは一般大衆の無理解から来る煽りの影響にはどのようなものがあるのか無いのか、という2つの観点からものごとを考察する必要があるのではないか、ということを強く訴えたいと思います。


315 名前:mespesado 2023/03/15 (Wed) 19:41:52
>>313
> (もちろんNWOで庶民のカネの流れをすべて管理して支配するという
> 闇の話はまた別です)

と書いて、取り敢えずこの段階では考察から除外していたのが、>>314 で
②意図的もしくは一般大衆の無理解から来る煽りの影響にはどのような
> ものがあるのか無いのか

と書いた内容と密接に関係していることを主張しているのが、次の南雲さんのツイートです↓
https://twitter.com/nagunagumomo/status/1635917498699726849?cxt=HHwWgoC-_YWT-bMtAAAA
南雲 香織 - Kaori Nagumo@nagunagumomo
> シリコンバレー銀行が破綻したことにより連鎖倒産が予測される中、バ
> イデン政権は「銀行システムは安全」であると主張した。

> しかし同政権は「ワクチンは安全」だと主張していたように全く信用が
> できない。金融システム破壊はグレートリセットの一部であり、意図的
> に行われています。
https://pbs.twimg.com/media/FrPTVU5aIAAa1EG?format=png&name=small

 具体的には政府が預金者を救った見返りにデジタル通貨制度を推進してオカネの流れを政府が全て管理する方向に持っていくつもりなのだ、というのが、以下の及川さんの動画で解説されているわけですね↓
https://www.youtube.com/watch?v=JYYjS9dxXO0
2023.3.15【米国】タッカー・カールソンの警告ーシリコンバレー銀行破綻
とデジタル通貨【及川幸久-BREAKING-】



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