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馬野周二『世界最終戦争論』 [本]

世界最終戦争論のコピー.jpg30年以上前の本、馬野周二著『世界最終戦争論』(1988 東興書院)を引っ張り出してきた。石原莞爾が陸軍大学校時代に構想したといわれ、その後昭和15年(1940)に上梓された『世界最終戦論』を高く評価し、それを現在的視点から敷衍したものだ。

「第4章 人類の前史終る 5 石原莞爾の洞見」にこうある。《われわれ人類は平和な狩猟採取の時代から、戦争が社会の中に嵌め込まれた農業の時代に入り、随分と血を流した揚句、戦争の止揚された平和なユートピアであるべき、第二次工業時代に入りつつある。原子爆弾は、地獄の入口なのではなく極楽の入口であったことを、後世の人達は悟るであろう。》とし、こう言う。科学は神である。熱力学というこの神の託宣によれば、われわれが無心にエネルギーを使って低いエントロピーを生産し続けるかぎり、人類はユートピアに向って進む。/逆さ眼鏡というものがある。これを掛けると上下が逆に見えるのだ。恐ろしいのは、これを掛けっ放しにして二、三日すると頭の中の天地が逆になって、この眼鏡を掛けていても外界が正立するようになる。どうも世の中にはこの手の逆さ眼鏡の人達が多いようで、工業化の進行は、公害、資源不足、人口増大、食糧不足、その他あらゆる悪の根源であると考え、現代工業化文明から離脱しなければ人類は亡びると信じている向きがある。》著者によると「逆さ眼鏡」の典型がローマクラブだ。「成長の限界」の登場は1972年だった。ローマクラブというのがあったが、何だか外国の偉い人が首唱して、日本でもこれに同調して熱を上げた人が多くいた。このクラブは一種の世直しを宣伝した。これは典型的な逆さ眼鏡発想で、こんなものは自然の流れに取り残さざるをえないのだ。このクラブは竜頭蛇尾であったが、自然の理法に反する考えが続くはずがない。》(158-159p)という。ところがどっこい、その逆さ眼鏡発想は「世界経済フォーラム」なる一大組織にしっかり引き継がれ、今や世界の「グレート・リセット」に向けて先陣を切る。コロナパンデミック、ロシアvsウクライナ、いずれもその関わりは深い。この先いったいどうなるのか。

石原莞爾にとっての最終戦争は、東洋的「王道」対西洋的「覇道」の対決であり、日本を主体とする日満支「東亜連盟」と最終的には米国との決戦として構想されていた。馬野はいう、《石原莞爾は偉かった。今から40年以上前に、すでに戦争史の研究から、人類は世界最終戦争をターニングポイントにして、前半の歴史を終り、後半に入る。それは絶対平和のユートピアであるとした。私は文明はすでに戦闘なき最終戦争を終り、現実は確実にユートピアへ向っていると考えている。》そしてさらに、《将軍石原がさらに偉大であったのは、この精神的基底は日本の伝統的精神、文化であるとしたところにある。》(159p)

「ロシア対ウクライナ」の対立の根底に、「金・実物本位対ドル」(=「露中印対英米」)を見て「最終戦争」を思い、この本を引っ張り出すことになった。そしてあらためて思う、今後日本の立場はどうなるのか? このまま非米の様子をうかがいながら米側のふりを貫くのか、それともしっかり未来を見据えて明確な姿勢を打ち出すことができるのか? まもなくの参院選、争点になるべきだが、西側報道に踊らされ、ゼレンスキーの国会演説にスタンディング・オベーションで応える現状政党には、到底期待のしようもない。


【追記 2022.4.25】

加藤完二.jpg


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めい

【追記 2022.4.25】
山形再発見「加藤完治」
5段目《命運が尽きる》以下に石原莞爾、板垣征四郎について。

by めい (2022-04-25 02:50) 

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