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基軸通貨であるドルの「リセットの道」がすでに開いている(In Deep) [現状把握]

昨日の「「相争う世界観の対立」を読み解く」を補強する記事を「In Deep」で読みました。↓ 

金融と覇者交代の大地震が近い…のかも
投稿日:2022年3月23日
https://indeep.jp/monetary-reset-is-imminent-maybe/

アメリカ人作家のダグ・ケイシーによる、基軸通貨であるドルの「リセットの道」がすでに開いていることについての記事です。

《金は米ドルの真の金銭的代替物であり、ロシアにはそれがたくさんあることになる。ロシアはその金を使って国際貿易に従事し、おそらくルーブルを支援することができる。ロシアの金は、中国の金とともに、米国の支配の及ばない新しい通貨制度の基盤を形成する可能性がある。米国と同盟国は、ロシアがこの分野で動きを見せようとしていると感じているようだ。ロシアはすでに西側の金融システムから切り離されており、数千億の資金が凍結されているため、これはロシアにとって論理的な次のステップとなるだろう。》米ドルの無敵の支配の時代はすぐに終わりに近づいていることは明らかだ。FRB議長でさえ公然と認めていることだ。/つまり、私たち(アメリカ人)は歴史的な金融大地震の危機に瀕している可能性が高い……。/米国の方向性を永遠に変え、私たちの生涯で最大の経済的事象を示すことができるような大地震。/ロシアの金準備をターゲットにする動き、そして金価格の高騰は、それが差し迫っていることを示唆している。》

In Deep氏曰く、《ダグさんは、金の重要性を説いていますが、そのうち、金より小麦や大豆のほうが貴重になる時が来るような気もします。》

*   *   *   *   *

ロシアの金準備に対する米国の脅威は、通貨のリセットが差し迫っていることを意味する理由がここにある

Here’s Why US Threats Against Russian Gold Reserves Mean a Monetary Reset Is Imminent
internationalman.com

「複数の準備通貨があることは可能だ」

これは誰の言葉かというと、米連邦準備制度理事会のジェローム・パウエル議長の最近の言葉だ。これは、現在の世界の準備通貨である米ドルを最も支配している一人からの驚くべき発言ともいえる。

マイク・タイソンが「複数のヘビー級チャンピオンがいてもいい」と言うのと同じほど馬鹿げている発言でもある。

つまり、万事休すだ。

連邦準備制度理事会の議長でさえ、もはやドルの覇権を維持するという茶番劇に賛成することができなくなっている。…そしてあなたがたもそうすべきではない。(これは貯蓄に深刻な結果をもたらすが、いずれ記す)

パウエル氏のこのコメントは、歴史上最も近視眼的で自己破壊的な行為の 1つであることが証明される可能性のある米国政府のロシアに対する経済戦争の流れの中で発生する。

ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、米国政府はこれまでで最も積極的な制裁キャンペーンを開始した。

イランや北朝鮮をも超えて、ロシアは今や世界で最も制裁された国となった。

元アメリカ財務省当局者のピーター・ピアテツキー氏は「これは金融核戦争であり、歴史上最大の制裁事象です」と述べている。

彼は続けて、「ロシアは 2週間足らずで、世界的な制裁により世界経済の一部と金融からの排除の最大の目標となりました」と述べた。

 

そして、米国と欧州の政府は、ロシアの米ドルとユーロの準備金、つまり国の累積貯蓄を凍結した。それは約 3,000億ドル (36兆円)の価値がある。

ロシアの銀行は、国際電信送金システムである SWIFT から追い出された。欧米の多くの企業がロシアを去り、ロシア市民が彼らのプラットフォームを使用することを禁止した。

人気のある暗号通貨取引所 Coinbase は、ロシアにリンクされた 25,000を超えるアカウントをブロックした。 Visa、MasterCard、American Expressは、ロシアをネットワークから切り離した。

以前は中立だったスイスでさえ、制裁に加わった。

これらは、ロシアが米国が支配する世界的な金融システムからどのように切り離されているかのほんの一例だ。

もちろん、これはすべてロシア人にとって驚くことではない。彼らは、中国とともに長年にわたってこのような制裁に備えてきた。中国共産党は、米国がプーチンを倒すことができれば、次は米国の標的は中国になることを理解している。そのため、中国がロシアとの戦略的パートナーシップを放棄する可能性は低い。

したがって、ロシアは米国の圧力に屈服する代わりに、米ドルと米国が管理する金融機関を迂回するための代替案を「即座に」実施した。ロシアと中国には、国際金融取引を促進するための SWIFT の代替手段がある。米国のクレジットカード会社がシステムからロシアとの関係をブラックリストに載せた後、ロシアの銀行は支払い処理の多くを中国銀聯にシームレスに切り替えた。

銀聯は、中国の国際決済処理ネットワークだ。

Visa、MasterCard、American Expressと同じように機能するが、米国政府の優遇措置に依存しない点が異なる。米国の金融システムとは独立して運営できる。

中国銀聯は世界中で急速に成長している。140カ国以上の加盟店と ATM がそれを受け入れている、現在、世界最大の支払い処理業者の 1つとなっている。

さらに、中国、インド、イラン、トルコは、とりわけ、米ドルではなく現地通貨でロシアと取引を行うことを発表したか、すでに行っている。これらの国々の人口は 30億人を超える人々の市場であり、相互に取引するために米ドルを使用する必要がなくなった。

米ドルは世界有数の準備通貨であるため、莫大な権力を獲得している米国政府にとって、これはすべて大きな問題だ。ドルという準備通貨があるからこそ、米国は偽のお金を無から印刷し、実際の商品やサービスのために世界中に輸出することができてきた。これは他の国にはない特権だ。

 

ドルはまた、人々と企業に同様に圧力をかけるための途方もない力を与えてきた…しかしそれは、代替案の開発あるいは使用がされない場合に限る。

しかし、まさにそれが起こっている。

ロシアとその貿易相手国を孤立させることにより、米国政府は結果的に人類のほぼ半分が、ドルに代わるものを見つけるように動機付けているのだ。言い換えれば、米国は自身のシステムを弱体化させ、前例のない規模での脱ドル化を促進しているということをしてしまっている。

これは、北朝鮮、シリア、イランのような比較的小さな国がドルから切り離されるのとはまるで意味が異なる。ロシア、中国、およびその「友好国」に代表される何十億人もの人々がドルの使用をやめると、それは非常にダイナミックなことになる。

これらの歴史的な出来事は現在、急速に展開しており、すぐに転換点に達する可能性がある。

金(ゴールド)市場の最近の動向は、何か大きなものが差し迫っていることを示す巨大な点滅する赤いサインだ。

米国の制裁から身を守るための戦略の一環として、ロシアは世界最大の隠し場所の 1つに 2,300トン以上の金を蓄積してきた。

その金のすべて(執筆時点で 1400億ドル以上の価値がある)はロシア国内で保有されている。つまり、米国は軍事的侵略がなければそれに触れることはできない。

さらに、ロシアの金鉱業は世界の生産量の約 10%、つまり年間約 200億ドルを占めている。その金のほとんどは、ロシア政府の財務省に流れ込んでいる。

ロシアの金は、カウンターパーティリスクのない非政治的な中立的な形のお金へのアクセスを提供するため、大きな問題だ。

金は、価値の保存と交換に適した独自の特性があるため、2,500年間以上にわたって人類の最も永続的な貨幣の形だった。金は耐久性があり、分割可能で、一貫性があり、便利で、希少であり、最も重要なのは、すべての商品の中で「最も生産が難しい」ことだ。

言い換えれば、金は(既存の備蓄と比較して)「生産が最も困難」であり、したがってインフレに対して最も耐性のある商品の1つだ。

だからこそ、金は米ドルの真の金銭的代替物であり、ロシアにはそれがたくさんあることになる。ロシアはその金を使って国際貿易に従事し、おそらくルーブルを支援することができる。ロシアの金は、中国の金とともに、米国の支配の及ばない新しい通貨制度の基盤を形成する可能性がある。

そのような動きはドル支配の棺桶の最後の釘であり、最近の出来事はそれらが差し迫っている可能性があることを示唆している。

米国と同盟国は、ロシアがこの分野で動きを見せようとしていると感じているようだ。ロシアはすでに西側の金融システムから切り離されており、数千億の資金が凍結されているため、これはロシアにとって論理的な次のステップとなるだろう。

言い換えれば、ロシアはゴールドカードをプレイすることで失うものは何もなく、得るだけだ。

そして、米国とその同盟国はこれを知っているように思われる。

それが彼らがロシアの金準備を標的にしようとする前例のない措置をとった理由だろう。

最近、米国とその同盟国は、ロシアをロンドン金塊市場協会から追い出した。また、米国の上院議員のグループは、ロシアの金を売買する人を制裁することを目的とした法案を提出した。

これらの措置は、米国の一方的な制裁に従う可能性が低い巨大なアジアおよび中東市場と相互作用するロシアの能力にほとんど影響を与えない。

いずれにせよ、米ドルの無敵の支配の時代はすぐに終わりに近づいていることは明らかだ。FRB議長でさえ公然と認めていることだ。

つまり、私たち(アメリカ人)は歴史的な金融大地震の危機に瀕している可能性が高い……。

米国の方向性を永遠に変え、私たちの生涯で最大の経済的事象を示すことができるような大地震。

ロシアの金準備をターゲットにする動き、そして金価格の高騰は、それが差し迫っていることを示唆している。


 


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めい

3月23日 21:23 3月23日 21:32更新
プーチン、非友好的な国にはルーブルでしかガスを供給しないよう指示
大統領は、ロシアが契約量と価格を守ってガスを供給し続けることに言及した。
© Mikhail Klimentiev/Press Service of the Russian President/TASS
https://tass.ru/ekonomika/14158033?utm_source=t.co&utm_medium=referral&utm_campaign=t.co&utm_referrer=t.co

3月23日、NOVO OGAREVO。/ロシアは、ドルやユーロなどの危険通貨による天然ガス供給の支払いを拒否し、ルーブルでの決済に切り替える予定。ロシアのプーチン大統領は2日、政府との会合でこのように述べた。

欧州の取引所でのガス価格が4,000ドルというのは、ノバク氏にとっては限界と考えていないようだ
FT:ガスプロムの英国離脱は、多くの企業を破産の瀬戸際に追い込むだろう
モルドバ、ロシアのガス供給停止の可能性に備えていると発表
ポルトガルはEUにガス料金の上限を設定するよう要請した

「私は、いわゆる非友好的な国々に供給されたわが国の天然ガスの代金をロシア・ルーブルで移転する一連の措置を最短時間で実施することを決定した」と指摘した。つまり、このような支払いでは、危険な通貨はすべて拒否する予定だとプーチンは説明した。

国家元首は、ロシアが「以前に締結された契約で定められた価格原則に従って、量と価格に従って」天然ガスを供給し続けることを強調した。プーチンは、「一部の同僚とは異なり、我々は信頼できるパートナーでありサプライヤーであるというビジネス上の評判を大切にしている」と指摘した。

彼は、この変更は支払通貨にのみ影響し、それはロシア・ルーブルに変更されることを再度明らかにした。大統領は、「ガスプロム」に対し、既存の契約を変更するよう対応する指示を出すよう閣僚に指示した。

同時に、すべての外国人消費者が必要な取引を行う機会を持つべきであり、国内通貨市場でのロシア・ルーブルの購入を含め、明確で透明性のある支払い手続きを作るべきである」と述べた。プーチンは、「ロシア銀行に対し、政府とともに、1週間以内にそのような取引の手続きを定めるよう求めている」と注文をつけた。

大統領によれば、西側諸国は、ユーロやドルでの債務が履行されない可能性があることを皆に示したという。

by めい (2022-03-24 06:04) 

めい

In Deep氏のメルマガより

   * * * * *

普通に考えれば、私なども含めた世界情勢に詳しくない人たちが、
「戦争が起きてどっちが正しい、正しくない」
などわかるわけがない。
しかし、みんな「わかったように」ロシアを非難しています。

それでも、この経済戦争としての行方はもうある程度決着はついているようで、
つまり「ロシアが困る部分がいまだに見当たらない」のです。

先日、ロシアの報道は、「外国の航空機をロシア国内の登録簿に移行した」
と報じていました。

 (報道) 航空会社は約800機の航空機をロシアの登録簿に移した (2022/03/22)
 https://nofia.net/?p=4423

航空機一機がどれほどの価格かは知らないですが、「ただで手に入っている」。

あるいは、ロシア制裁で没落させようとしたロシア市場と金融も、
ロシアが、
「天然ガス代金をルーブルで支払う必要がある」
と述べたと共に、ルーブルは上昇し、ロシアの株式市場も上昇し、
侵攻前の価格に近づいています。

 (報道) ロシアが「敵対国」にガス代金をルーブルで支払うことを要求する
 (2022/03/23)
 https://nofia.net/?p=4399
 (報道) ロシアルーブルが続伸、取引再開のロシア株式市場は大半が上昇
 (2022/03/24)
 https://nofia.net/?p=4415

確かに、先ほどのエスキモーの女性の言ったように、
「ロシアは共産主義に戻ります」という道は辿っていなくはないです。
食料品と日常品の価格高騰に対して、
「固定価格を導入」
という提案が出されています。

 (報道) ロシアは、固定価格で国の小売チェーンを作ることを提案している
 (2022/03/24)
 https://nofia.net/?p=4407

ロシアが「ソ連に戻りつつある」ということは確かなのかもしれません。
しかし、それは、旧ソ連時代とは比較にならない経済的優位性と、
資源、食糧、エネルギーの優位性を持つ新ソ連です。

今日の報道を見ていましたら、
 「ロシアの金準備も標的 「制裁逃れ」阻止へ - 日米欧」
 https://bit.ly/3Nlh7ZZ
というのがありました。

 > 先進7カ国(G7)と欧州連合(EU)は24日、
 > ウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁として、
 > ロシア中央銀行が保有する金準備に関連した取引を禁止すると表明した。
 > ロシアが通貨ルーブルを買い支えるために金を売却する「抜け道」を封じる。

この「効果」に関しては、先日の以下のブログ記事に書いた
ダグ・ケイシーさんのサイトの記事から、少し抜粋するだけでわかります。

 [記事] 金融と覇者交代の大地震が近い…のかも (2022/03/23)
 https://bit.ly/3ur0MdM

 > 米国の制裁から身を守るための戦略の一環として、
 > ロシアは 2,300トン以上の金を蓄積してきた。
 >
 > その金のすべてはロシア国内で保有されている。
 > つまり、米国は軍事的侵略がなければそれに触れることはできない。

あるいは、
 > 中国、インド、イラン、トルコは、米ドルではなく
 > 現地通貨でロシアと取引を行うことを発表したか、すでに行っている。
 > これらの国々の人口は 30億人を超える人々の市場であり……

ということがあり、
つまり「金」も西側で取り引きする必要なんてまったくないのです。

ロシアは微塵もダメージを受けていないと思われます。

そして、西側には「ブーメランだけ」が返ってきています。

こんなことを書いているのは、
別にロシアがどうとか、ウクライナがどうとかいう話ではありません。

私は政治的には、ロシアも中国も好きではないですし、
(どっちも学問と料理は好きですが)
それにロシアとウクライナの関係なんて歴史がありすぎて、
私のような素人にはまるでわかりません。

そうではなく、こういうことを書いているのは、
「私たちの日本は、正式にロシアの敵対国になっている」
ということからです。

戦争だ、侵略だ云々以前に、
「ロシアからの食糧が入らない」
「ロシアからのエネルギーが入らない」
「ロシアからの肥料が入らない」

わけで、そして、前回のメルマガでも書きましたけれど、
今後どうやっても回避できない「食糧危機」がやってきます。

今日、以下の記事で、大豆の生産量が世界第6位の南米パラグアイが、
過去にない大豆の不作に陥っていることを書かせていただきました。

 [記事] 大豆生産量世界第6位の南米パラグアイが、記録的な大豆の不作により
 「同国史上初の輸入」をせざるを得ないという異常な状況に (2022/03/25)
  https://bit.ly/3tCe5IW

そこでブラジル日報の特報記事をご紹介していますが、
以下のようにありました。

 > 今年半ばまでは、大豆業界は加工用の原材料のストックを有しているが、
 > それ以降、パラグアイはアルゼンチンなどの地域から
 > 史上初めて大豆を輸入しなければならならず…

とあり、「今年半ばまでは」というようにありますが、
この期間は国によって異なるでしょうけれど、
日本などでも、大豆のストックが「切れる日」がいつかは来ます。

世界第1位の大豆生産国であるアルゼンチンが大豆の輸出を停止している中で、
https://bit.ly/380ELLg
仮に海外からの大豆の輸入がほぼなくなった場合、
国内生産でまかなうしかないわけですが、日本の大豆の自給率は22%です。

単純に「価格が5倍にならないと見合わない」ことになり、
それに加えて、農業には「肥料」と「エネルギー」が必要です。

肥料価格と燃料価格の状況が厳しい中では、5倍の価格では農家の方がもたない。

もっと上昇しても不思議ではないということかもしれません。

それが10倍か20倍かはわからないですが、
小麦も含めて、自給率の低い作物に関しては絶望的な状況になると見られます。

先ほどの、
> 今年半ばまでは
という記述によるならば、夏以降に穀物価格がカオス化する可能性があります。

そういう意味では、
今はロシアだウクライナだとヒステリックになっている暇はないと思われます。

……最近はいろいろな具体的な面から見て、
これほど「終末」を感じる日々はありません。

戦争程度で済むのならともかく、
「人類史上最大規模の餓死」
が地球単位で起きる可能性が出ているとさえ思います。

先日、米国の大統領でさえ「食糧危機は現実となるだろう」と、
また失言なのか認知症戦なのかしらないですが、述べていました。

 (報道) 米バイデン大統領が「食糧不足は現実となるだろう」と発言
 https://nofia.net/?p=4420

私も含めまして、個人にできることは少ないですが、
今後「何もしない」という状況で立ち向かえるかどうかはわかりません。

順番として、どれが先かはわからないですが、
・株式市場の崩壊
・商品市場の崩壊
・食糧危機

がセットになってやって来るようにも思います。

by めい (2022-03-26 05:51) 

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