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新庄市議会、一票足りなくて請願不採択 [議会]

昨日新庄市議会最終日。インターネット中継で見守っていました。産業厚生常任委員会では不採択だった「二類相当から五類への引き下げ」請願、本会議で委員長報告の後、共産党の佐藤悦子議員が請願に反対する立場から、市民・公明クラブの佐藤卓也議員が賛成の立場から討論の後採決となり、請願賛成8、反対7、棄権1で賛成が多かったのですが、17名(定数18名で1名欠員)の過半数に達しないことから惜しくも不採択の結果となりました。紹介議員の山科春美議員(幸福実現党)の所属する会派「起新の会」4名と、高橋冨美子議長(公明党)を除く「市民・公明クラブ」の自民党系議員4名が賛成してくれたのですが、1票足りなかったのです。かりに高橋議長が賛成を表明すれば過半数になったのですが、公明党の立場がそれを許さなかったのだと思われます。また、委員長報告、佐藤悦子議員の反対討論から推して、共産党がこの問題に対して強硬な姿勢であることもわかりました。川西町、飯豊町は継続審査。

新庄市議会の佐藤文一産業厚生常任委員長の委員会報告から、委員会の質疑の様子がよくわかりました。その報告と佐藤卓也議員の賛成討論を文字起こししておきます。

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◎常任委員会報告:《この請願については、紹介議員と健康課の職員の出席を求め、紹介議員から趣旨説明の後、審査を行いました。委員からはワクチン接種率を高めることによって、体質などの問題はあるが、マスクをすることなどである程度は防げると思う。二類から五類感染症に引き下げることについて国でも検討しているとすれば、早期に治療して重症化を防ぐためにも大事なことだと思うといった意見が出されました。他の委員からは、現在は発熱外来を設置している一部の医療機関のみで対応している。保健所だけでなく医療従事者全体の負担を考えると、この請願は適切かと思うといった意見が出されました。また他の委員からは、在宅もしくはホテル等で医師の専門的な医療を受けられず非常に不安を抱えておられる方が多い。無症状や軽症のうちに医師の判断が受けられるという体制が望まれているのではないかといった意見が出されました。また他の委員からは、世界的なパンデミックであり、いまだ収束していない状況である。ワクチン接種3回目という話もされている中、ウイルスも進化して変化しているので、今の段階では時期尚早ではないかといった意見が出されました。また他の委員からは、インフルエンザ並みの特効薬がでるとか、病原体の変異をきっちり調査できるような医療的な約束が得られるというのが一つの条件となっていると思う。やはりそれまでは我慢というところではないかといった意見が出されました。また他の委員からは、二類相当から五類相当感染症に引き下げるとどうなるかについては、①外出自粛要請が出きなくなる ②入院勧告措置ができなくなる ③就業制限がなくなる ④陽性であっても無症状の方は治療されない ⑤診断の結果陽性と判断された方の保健所への提出について、直ちに提出されなければならないのが7日以内となる ⑥入院できる医療機関が指定病院以外の一般の病院も可能となる ⑦医療費の自己負担が発生する、ということを含めて二類相当から五類相当に引き下げることは大変危険な行為であると考えるといった意見が出されました。その他議員間で討議をしたのち採決した結果、賛成少数で不採択すべきものと決しました。》

◎佐藤悦子議員(共産党)の請願に対する反対討論:上記委員長報告の中の①〜⑦

◎佐藤卓也議員(自民党系)の請願に対する賛成討論:《この請願について常任委員会では不採択ということでしたが、私は採択すべきといった観点から討論を行います。現在国をはじめ各都道府県と市町村は連携を取りながら新型コロナ感染症、とくに感染力が強いとされる変異株による感染を止める対策がとられていることは十分承知しており、市民のみなさんも万全の対応をしているところであります。この度の請願書を拝見いたしますと、納得のいく部分が多々あります。新型コロナウイルス感染症は、二類相当に位置付けられているため、その背景にあるのは感染拡大にともなう医療提供体制の逼迫ではないでしょうか。指定感染症二類相当は、無症状者も含めた入院勧告や外出自粛の要請、都道府県による経過報告、感染結果の調査などの措置が講じられているため、医療現場や保健所にとって大きな負担が背景にあります。またメディアでは、病床が足りずに  と診断されても入院できない人を目にいたします。兵庫県のあるクリニック院長は現状の体制では、コロナの感染判明から入院先が見つかるまで合計1週間もかかり、その間にハイリスクの患者は亡くなり、重症化の可能性も高くなる、大切なのは治療までの時間との戦いだが、今は診断された患者の多くが入院先が見つかるまで治療が受けられない状態、とおっしゃっておられます。コロナ患者を受け入れられる五類に引き下げれば、それぞれの地域で開業医の方が保健所を介さずに診察が行われるため、在宅で待っている患者に診断と同時に医療や治療をほどこし、重症化や死を防ぐことが考えられるのではないでしょうか。新庄市においては、感染防止の切り札ともなる希望者へのワクチン接種は10月末をめどに完了するとの報告をすでに受けており、国においても11月上旬に完了する予定であると聞いております。また、テレビニュースおよび新聞等報道では、治療薬については抗体カクテル療法など、国の認証を得て軽症の段階でどうすれば重症化防止に一定の効果が認められるとされております。前段で申し上げましたが、現在感染拡大防止に全力をあげていることは、承知しております。第五類に引き下げられれば、自粛の要請や特措法の適用もできず、保健所による入院勧告や感染者追跡もできません。水面下では感染者が増え、中等症や重症者が増えるかもしれません。しかし現行のままでは、減圧(?)措置や完全消毒などの医療への過剰な負担が避けられず、五類に引き下げることで多くの医療サービスを提供し、みなさんの健康と命を守ることができます。同僚の議員の皆様には、私の意見に賛同してくれることを切に願い、賛成討論といたします。》


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