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『ソーシャルメディアと経済戦争』(深田萌絵)を読む [本]

ソーシャルメディアと経済戦争.jpg深田萌絵さんの著作は私にとって4冊目、『ソーシャルメディアと経済戦争』を読んだ。深田さんについてはyoutubeもフォローしてきた。ビジネスの現場で鍛え抜かれた正真正銘の愛国者と思う。《今の日本の政府を見ると、中国、北朝鮮、韓国、米国、台湾など、外国政府や企業の利益を代弁する政治家や官僚はいても、日本人の利益を代弁する人はかなり少ない。/筆者は、ファーウェイと連携する背乗り中国人、台湾系企業、朝鮮系企業に技術を盗まれ、さらに印鑑通帳を持ち逃げされるなどの嫌がらせで会社を清算することになった。/その後、彼らはネット上で「倒産詐欺」と誹謗中傷してまわって自分たちの悪行を隠そうとしている。あまりにもひどい仕打ちに失意で泣いて過ごす日が続いたが、シャープ買収にファーウェイの製造を支えるフォックスコンが名乗りを上げた時に、燃え尽きたはずの心に火が付いた。》(236p)国家の危機についての確かな認識とそれに立ち向かう覚悟がある。著者自身、会社清算に追い込まれ、再出発した会社のエンジニアが殺されかけ、縁者の工場が火災に遭い、こんどは共謀罪で起訴の事態。めげることなく、さらに強靭さを増しているかにも見える。《日本人は安易な方向に流されやすく、中国から横やりが入り、外部からクレームが来ると「ごめんなさい」と土下座して逃げ出す。グローバル市場において「丸く収める」癖、「一歩引く癖」は、負け癖の始まりで、こういった部分から私たちは変えなければならない。/私たちは日本の体質改善を行い、この状態を打破しなければならない。》(261p)然り。本文最後は《人類を幸せにするのに、決まった道は存在しない。》(263p)の言葉で締めくくられる。渦中にあって敵にも直面しつつ、これから起こるどんな事態にも立ち向かう決意を見る。しかし「敵に勝つ」ことが目的なのではない。「おわりに」にはこう記す。《本書では中国や台湾を批判したが、国際政治がどちらに転んでも利益を上げられる仕組みを作り続ける彼らの頭脳、好機をつかむ力、そして行動力から私たちは学ばなければならない。》(266p)結局はこういうことなのだ。著者が真っ当な愛国者たるゆえんである。さらに深田氏に注目していきたい。

ここで、自分の体験も思い起こしつつ、深田氏の「直面する敵」について書いておかねばならない。

「第8章 日本に残された道」の「外国人ロビイとの戦い」を《これからの戦いは「外国人利益代弁者」との戦いである。》(236p)で書き出す。著者はシャープがみすみすファーウェイ(華為)につながるフォックスコン(鴻海精密工業)に買収されたことに、日本の危機を見て立ち上がる。東芝メモリ売却にも同様の事態を見る。さらにパナソニック半導体PSCSも台湾企業へ。日本のレーダー防衛技術の中国筒抜けという危機的事態なのに、日本政府にその認識がない中での著者の動きだった。《筆者は、自分で政治家と省庁を回った。そして、2020年4月に始まった国家安全保障局の経済班まで話は上がったはずだった。ところが、PSCSの売却は誰も止めることなく新唐科技(ヌヴォトン)の手に渡った。この5年間、日本企業と雇用を守るための戦いを何度となく潰されてきたが、遂に、どういった人々が背後で動いてきたのかを突き止めた。》(238p)その象徴的人物について、本書では《1969年に岸信介が秘密裏に訪台し「台湾共和国として独立宣言しないか」と持ち掛けた時の通訳》である《美しい台湾女性》とだけ記すが、誰あろう金美齢さんであった。

今から20年前、米沢市で金美齢さんの講演会を開催したことがあった。金美齢さん選定の経緯についての記憶は定かでないが、新しい歴史教科書をつくる会山形県支部から派生したたしか山形県教育会議と米沢日報社とのタイアップだった。私が事務局の役割だったので、金さんとも親しく交流した。ちょうどさくらんぼの季節で南陽のさくらんぼ園にもご案内した。当時金さん65歳ぐらい、思っていたよりずっと小柄だったので、出迎えた米沢駅の改札口で見逃してしまったほどだった。どんな講演内容だったか覚えていない。ただ当時の台湾情勢が緊迫していたのだったろうか、言い知れぬ緊張感が漂っていて、別れ際にそんな話をしたのを覚えている。消費税5%の時代で555,555円を講演代として支払った。私が関わった講演会としては破格の講演料だ。当時景気が良かった米沢のS氏がスポンサーになってくれたはずだ。ビジネスライクだったという印象が残る。

その金美齢氏に対して「日本の半導体の未来、日本の誇りである半導体のため、お願いがあります」ということで深田氏が「金美齢先生へ TSMCのこと」https://www.youtube.com/watch?v=UeapB_TPMKwを語ったのが4月20日、そして「金美齢先生のご回答に感謝。今こそ台湾は独立を!!」https://www.youtube.com/watch?v=6j5VWUDU28s があったと思ったら、その後4月25日「金美齢先生より、深田から「名誉棄損だ」と感じたと・・・?」https://www.youtube.com/watch?v=tUDibd4yOBkという展開、さらに最近になって「深田萌絵の罪状は共謀罪(テロ等準備罪)。その入知恵は金美齢がしている?」https://www.youtube.com/watch?v=ygWxwxU7Z9Uとなる。見えないものが見えてきつつあるのかもしれない。金美齢氏との別れ際に言った言葉が「くれぐれもご自愛を」だったが、今はその言葉を深田さんに送りたい。「その上でのさらなる奮闘を」と付け加えて。

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