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mespesadoさん講義(100)「相模原障害者施設殺傷事件」考察 [mespesado理論]

「財政規律という勘違いが殺人動機だった」という「相模原障害者施設殺傷事件」についての考察です。

植松被告が日本の財政赤字に対して重大な危機意識を抱いており、それが殺人に至らしめた理由であったとされることについて、mespesadoさんのリンク先に次のようにありました。植松被告の言い分として、日本は借金だらけ。(障がい者を殺せば)借金を減らすことは出来ると思います」などと主張。国が障がい者に支給する手当が、国の財政を圧迫しているという趣旨の持論を展開》日刊スポーツ「日本の借金だってこれ以上もう無理ですよ。これで大地震でも起きたら無茶苦茶になりますよ」「そもそも借金で何かをするということ自体、考えられないですよ」(植松被告の言葉)雨宮処凛)。植松被告は平成2年(1990)生れ。ロスジェネ世代以来の感覚を受け継いでいます。たとえばロスジェネ世代で『マンガ嫌韓流』の山野車輪(1971生)《「高齢者は自分たちの世代が働かずに豊かな生活を営むために...若者や将来世代から莫大な額の富を搾取しているのです!」「そして1億2171万円という数字は...政府の将来純債務を将来世代一人当たりが背負わされる金額です」「高齢者はこれまでに積み上げた大量の請求書を現在の若者や未来の子供たちに回し支払わせようともくろんでいますがそのような愚劣な考えは到底許されません」『「若者奴隷」時代』)雨宮処凛

mespesadoさんはそこに《「自分は社会から理不尽な不利益を被っている」という被害妄想から来るルサンチマン》を見てとります。常に「本質はすべて内面にある」んですよ。財務省の誤れる緊縮財政が殺人の真の原因だ、というのは実は本質を外している。植松被告にとって、「緊縮財政」は自らのルサンチマンを自分自身ではぐらかすためのダシとして使われているだけ》なのです。植松被告は決してその内面に意識を向けようとはしません。そこを突かれると「激昂」します。しかしそれはそれとして、財務省の「虚構」プロパガンダに自己のルサンチマンを仮託して、19人もの大量殺人事件を引き起こしてしまった。財務省を忖度して「虚構」を垂れ流すマスコミも同罪です。さらに言えば、そもそもロスジェネ世代の「ルサンチマン」を生み出したのが「緊縮財政」であったことを思えば、「緊縮財政」は二重の意味で罪なのだ。》というのが結論です。

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611 名前:mespesado 2020/07/26 (Sun) 09:00:26
 今回の京都の嘱託殺人事件で誰しもが思い出すのが、2016年に起きた「相模原障害者施設殺傷事件」↓だろう。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9B%B8%E6%A8%A1%E5%8E%9F%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E8%80%85%E6%96%BD%E8%A8%AD%E6%AE%BA%E5%82%B7%E4%BA%8B%E4%BB%B6

 この事件について、ツイートでちょっとした話題に↓
すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
植松と財政再建主義の関係を知らない方います?
> それ知らないのはちょっとマズイ。
 ↓ ↓ ↓
鯛介@日本末代&カネ不足協会会員@skn2525taisuke
> 植松は散々「動機は財政再建」と言っている。
> 周りがドウキガナゾ!アーアーキコエナイーでは
> 怒り狂うのも仕方ないかもしれない。
> で、財務省は更地、族滅しなければならない。
 ↓ ↓ ↓
ほしのたけみひよこ@3emon
> NHKでも完全に切り取られてましたね

> 植松はハッキリと国の借金を減らすためにも意思の疎通ができない障害
> 者をなくさねばならないと証言したのに
 ↓ ↓ ↓
串焼き@dr_kusiyaki
> 「国からのお金や家族の時間を使う限り守ってはならない」

> 財政再建プロパガンダの被害者

> 植松被告「私には責任能力ある」法廷で再び持論展開
https://ndjust.in/Kp6i3q_H

 この最後のリンク、何と切れてる!
 この事件それ自体が「財政規律という勘違いが殺人動機だった」という点で衝撃的なのは事実だけど、マスコミがこの殺人の「動機」を報道することに躊躇していることは、ある意味もっとおぞましい。財務省は徴税権を持ち、「緊縮財政を非難するきっかけ」となる世論が沸き上がるのをいかに恐れているか、また、マスコミもそういう財務省が「今まで、いかにこの手の財務省の意に逆らうと逆上して税務調査に入って来たか」を骨身にしみているのでいかに必死で財務省に忖度しているかがよくわかる。
      ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

 ちなみに、この相模原事件での被告の裁判での発言を紹介する記事の一つがこれ↓
植松被告「障がい者殺せば国借金減る」身勝手主張
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202001240000212.html?utm_source=twitter&utm_medium=social&utm_campaign=nikkansports_ogp

 この本人の供述による限り、確かに「国家財政問題」が動機であることは明白であるように見えます。しかし、ある雑誌の編集長が裁判とは別に面会して本人に話を聞いた内容を伝える次の記事によると…↓
植松被告がキレた理由 「日本の借金」を、なぜあれほど憂えるのか
https://www.huffingtonpost.jp/karin-amamiya/uematsu-sagamihara-japan_a_23567717/?ncid=other_twitter_cooo9wqtham&utm_campaign=share_twitter

 この記事を書いた雨宮処凛氏は、その肩書に「作家・活動家」とあることからもわかるように、サヨク系の言論人である。そして立憲民主の幹部みたいに、「財政規律論が誤りであることを認識していない残念な人」の一人であることは、記事における本人の感想の部分を読めばよくわかる。しかし、後半で紹介している立岩真也氏の論の中に本当の理由を示唆するヒントがあった↓

> 立岩氏は、相模原事件などについて、少子高齢化が叫ばれる時代、「命
> を選別しなければ国民の生活が立ち行かなくなるとする不安」が背景に
> あると指摘している。

 これだけだと「正義感から発出した行為」のように思えてしまうが、核心を突くのは、そのあとの、以下の部分だ↓

> しかし、彼の主張の背景には、40代ロスジェネの私にも共通するよう
> な「剥奪感」が垣間見えるのだ。

> 「自分たちの世代はものすごい貧乏くじをひかされた」という気分は、
> おそらくロスジェネ以降の世代の多くに共有されている

 結局は、「自分は社会から理不尽な不利益を被っている」という被害妄想から来るルサンチマンが原因だ、ということがよくわかる。筆者の雨宮さんも、実はサヨク系の思想を持っているから、結論はそこへ持っていかずに

> そうしてこの原稿を書いている最中、安倍首相が来年10月から消費税
> を10%に引き上げることを表明した。社会保障制度拡充のためである。
> この一報を、植松被告はどう受け止めるのであろうか。

と結んでしまっているが、そうじゃないんですね。常に「本質はすべて内面にある」んですよ。財務省の誤れる緊縮財政が殺人の真の原因だ、というのは実は本質を外している。植松被告にとって、「緊縮財政」は自らのルサンチマンを自分自身ではぐらかすためのダシとして使われているだけであり、原因を自分の「内側」に求めることは自分の「ego」にとっては辛いので無意識に拒否し、原因を自分の「外側」に求めた、というだけの話である。だからこそ、「実は緊縮財政論そのものが誤りだった」という方向に繋がるような問いかけには、その原因を押しつけようとした「外的理由」を失って、避けていた「自己の内面」に意識を向けざるを得なくなってしまうから、本能的に激しく拒絶反応を起こして「激昂する」ことになったわけです。
 この事件は、被害に遭った方々に対しては大変不謹慎な言い方になることは承知の上であえて言いますけれど、①財務省による虚構プロパガンダが殺人事件まで引き起こすほど、いかに社会に害を与える「巨悪」であるか、そして、②マスコミの報道姿勢には常にこの財務省に対する忖度による「ねじまげ報道」が潜んでいることを忘れてはいけないこと、の2点を示しているとともに、それとは別の次元で、③人間というものは、自分で欠点だと思っている自己の「内面」に意識を向けることをいかに恐れる生き物か、という3つの大きなテーマについて改めて考える貴重な機会になったと思う。

612 名前:mespesado 2020/07/26 (Sun) 22:45:54
>>611
 もうひと捻りすると…。
 この植松被告がルサンチマンを持つに至った原因はもちろん個人の資質の問題ではあるが、そもそもこのルサンチマンを持つに至った直接の理由は、「ロスジェネ世代」を作った緊縮財政が原因なのだから、このおぞましい大量殺人事件は間接的には緊縮財政が引き起こしたことになる。つまり「誤った緊縮財政を信じた人間による屈折した正義感による殺人事件」だから問題なのではなく、「誤った緊縮財政によって生じたロスジェネの中でルサンチマンを消化できず、内面を直視できない人間が引き起こした殺人事件」ということだろう。後者の見方の場合、前者の視点は間違いというよりは、「緊縮財政」は自己正当化のための格好の大義名分にも使われてしまったという意味ではやはり問題なのだから、「緊縮財政」は二重の意味で罪なのだ。

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