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mespesadoさん講義(82)「ビジネス感覚」の相対化 [mespesado理論]

長い議論の紹介ですが、おもしろかった。いい頭の体操です。

《白鳥さんは典型的な「一般に知られてない概念を持ち出して煙に巻く」論者の一人です。》そして、《財務官僚も同じ手口を使います。》激しく納得です。みんなそれで欺されてきた。《国会答弁のような直接対話ならいざしらず、ツイッターのやりとりという、知らない単語が出てきたらググれば済む世界で、ムツカシイ単語を出して煙に巻く戦術に何の意味があるのでしょうw》時代は変わったのです。みんな自分の頭で納得する時代に、確実になりつつあります。

《「国債のニーズ」と言われたとき、すまん寝さんは、当然に国民経済の立場から、「貨幣の不足分を補うニーズ」のことだと考えているのに対して、白鳥さんは「市場参加者のビジネスにとってのニーズ」のことだと考えている。その違いで議論がかみ合わなくなっているだけですね。白鳥さんにその自覚が無いのが悲しいところです。これも投資家の一種の職業病でしょうか。》「ビジネス感覚」の相対化、これが基本の押さえどころです。コロナ危機によって気付かされつつあるいちばん大事なところのような気がします。私にとって、ハイジアについて考える基本でもあります。

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440:mespesado :2020/06/21 (Sun) 08:17:53
https://www.postalmuseum.jp/publication/research/docs/research_06_04.pdf
日本における国債問題の展開 ―郵貯資金との関連で―  伊藤 真利子

↑消費税導入の歴史や国債発行と消化の歴史を纏めた論文。なかなか面白いので、まずは前半の消費税導入までの歴史の部分を要約してみました↓

 大平首相が「一般消費税」を導入しようとした背景には大平さんが大蔵大臣の時、高度成長が終わって、「なぜか」税収が不足したので、それまでの「財政の憲法」だった「財政均衡主義(PB論)」を諦めざるを得ず、「苦渋の選択」で「赤字国債」の発行に踏み切ったことへの「贖罪意識」があった。その赤字国債が償還を迎えるのが1985年であることから、1984年度に赤字国債からの脱却を目標とするための新たな財源として、1979年に総理の時に「一般消費税」の導入議論を展開した。しかし野党がこの税の「逆進性」を盾に猛反対し、世論も追随したためあわてて断念したが、時すでに遅く、世論の猛反発を受けて選挙で過半数割れの大敗を喫した。
 この結果、その後「消費税」導入は一種のタブーとなった。その結果、財政は「支出を削る」方向に転じ、1980年代の「行政改革路線」へと繋がり、次の鈴木善幸首相の時、「聖域なき財政再建」のスローガンで歳出削減が行われるのだが、「増税」が「タブー」だったため、「税収」の「大幅減少」により一般会計にしめる国債依存割合は約30%に達し、「国債依存脱却」方針は断念されるとともに、1985年の国債大量償還にあわせて、その前年に「国債の特例発行」が解禁されたが、大量に発行された国債を消化するため、その国債流通市場を外国の金融機関に開放するために「金融自由化」が推進された。
 ところが1986年以降、バブル時代に突入して「税収」が増大したため、赤字国債依存からの脱却が推進できるようになり、大蔵省は再び「赤字国債ゼロ」を目標に「財政健全化」を目指すようになった。
 時の中曽根首相が間接税にシフトする税制改革を目指すも世論の反対を受けて退陣。これに続く総理が大平内閣で大蔵大臣だった竹下登。バブルに浮かれた国民の批判も緩んだ隙を突いて「売上税」が「消費税」と名を変えて国会を通過。1989年4月、ついに3%の消費税が導入される。
 ところがバブルの崩壊で「財政は一挙に悪化」し、1992年から再び国債依存度は上昇。宮沢首相の時、不良債券問題なども絡み、選挙に敗れ、細川内閣へ政権交代が起こる。---

↑この論文の著者の思想によるバイアスもかかっていると思いますが、高度成長期の終焉からバブルの崩壊期まで、総理も国民も「財政均衡」つまり、いわゆる「プライマリーバランス論」は当たり前の前提として誰もそれ自体の正当性を疑うことなく、財政赤字を国家の危機のように考え、悩んだ結果消費税が導入されるに至ってしまった、という歴史が述べられています。
 もちろん、当時から「闇の勢力」がこっそり「財政均衡」を維持しようと世界中の政府に圧力をかけていた、ということはあるかもしれませんが、そんなことをせずとも政治家の方が勝手に「財政均衡教」の信者になっていて消費税の導入に突き進んでいったのではないか、そして国民は増税に徹底抗戦して時の政権を選挙で倒したりしていますが、これとて別に国民の方が賢くて財政均衡の無意味さに目覚めていたわけでも何でもなく、ただ単に、増税はいやだ、というポピュリズムが選挙結果に反映していただけなんでしょうね。                           (続く)


441:mespesado :2020/06/21 (Sun) 10:06:30
>>440
 後半の「国債流通市場の形成」の要約↓

 もともと高度成長期までは国債の発行自体が少なかったこともあり、当初は国債の民間消化は「シンジケート団」という民間金融機関で組成した団体が一定のシェアに基づいて引き受けるという形を取っており、1970年代は、この「シ団」が国債発行額の約80%を占めていた。
 その後、1978年に「公募入札」が始まり、1990年度には国債発行額の40%を占めるようになり、大蔵省の資金運用部も1980~87年度には30%を占めるようになった。また1987年には国債の郵便局での窓口販売が開始された。
 シ団が主な国債の引き受け手だった頃は、日銀はこれらの国債を「買いオペ」で間接的にほぼ全額引き受けていた。もともとシ団引受けの金利はは市場金利より低めに設定されていたが、最後は日銀が引き取るので問題が無かったが、1975年以降の国債の大量発行で日銀の買いオペ規模を上回るようになり、シ団は市場金利との差による売却損・評価損を被るようになり、そのことによる国債発行条件の悪化を懸念した大蔵省は、国債流通市場の規制を次々に緩和していき、市場原理が機能するようになり、新規発行債の金利は市場金利とほぼ等しくなってきた。また、国債の発行量も市場原理に晒され、市場のニーズ動向に規定されるようになった。
 これらの「財政の証券化」の流れに伴い、当初、国債は10年償還という長期の債券であるため市場への影響は小さかったが、償還直前の国債は短期証券として市場で取引されるため、市場の短期証券とも競合するようになり、国債の発行政策は金融市場に大きな影響を与えるようになってきた。一方、国債発行に依存した財政政策により、日本の国債残高は累積し、財政赤字が「泥沼状態」になっていった---。

↑後半部を要約すると、大体こんな感じになります。なお、最後の「泥沼状態」という部分は、筆者の思想的バイアスを知るため敢えてそのままの表現を採用しています。そして、この後半部の主張の最後の方に書かれた論評は、
後でツッコミを入れる際に重要になるので、そのまま引用しておきます↓

> 2000年代に入ると、企業の財務リストラが加速し、民間金融機関はさら
> に国債頼みの経営となっていっていった。これにともない、銀行の預金
> と貸出金とのギャップがさらに広がり、預金が本業の貸出金に回った割
> 合をみる預貸率は70%にまで落ち込んだ。換言すれば、戦後の歴史の中で
> 形成された1,500兆円を超える日本の家計貯蓄の高さによって、膨大な日
> 本国債が国内で消化・保有され続けることになったと言える。皮肉なこ
> とではあるが、「空白の20年」こそが、巨大な財政赤字と国債価格の維
> 持が保たれるという「奇妙な安定」を生み出したのであり、その嚆矢と
> なったのが、経営意図とは異なるものの民営化過程にあった郵便貯金だ
> ったのである。
                              (続く)

442:mespesado :2020/06/21 (Sun) 10:50:57
>>440
 実は、この論文を突然話題にしたのは、ネット上で「白鳥」という緊縮派の論客と「すまん寝」という積極財政派の論争があって興味深かったからです。実は、この白鳥さんの主張こそが、以前取り上げた麻生大臣の「市場で国債を大量に売り浴びせられる」という趣旨の発言と関係あると思っています。それに先立って、この白鳥さんの立ち位置がどんなものなのかを知るためのツイートをまず紹介します↓

しんいち(・・)@amr_shin
>【定期】税は財源ではありません。
> 税金が支出に使われるというのは誤りです。お金は政府が人工的に作る
> ことができるのです。税金を取ることは、お金をシュレッダーにかけて
> いるのと同じことです。お金は政府が支出することで増加し、税金とし
> て回収されることで世の中から消えていくのです。
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> 税は財源の一つであり、お金の増減を司るのは政府ではなく日銀です

 まず白鳥さんは、税を財源だ、とこの期に及んでなお誤認識していますw
 そして、なぜ誤認識しているのかを示しているのが、その後半部の「お金の増減を司るのは政府ではなく日銀です」という発言です。白鳥さんは、財源の中に国債を含めて考えていない。日銀は、確かに「日本銀行券」の増減を司ってはいますが、日銀も「企業」である以上、発行すれば発行するだけ負債勘定になってしまう日本銀行券を「タダで」発行できるわけがない。当然見返りとなる資産を貰うからこそ、それと同価格の日本銀行券を発行できるのです。その「見返りの資産」とは、言うまでもなく「国債」です。だから、国債も「お金」と見做さないと、日銀の行動は理解できないことになります。従って、正しく国債もお金と見做せば、日銀はお金の増減には何ら関与していない。「お金」を増減させているのは、紛れもなく「徴税権」を持ち、「国債発行権」を持つ「政府」です。
 ちなみに白鳥さんはそれは百も承知で、いわゆる「買いオペ」「売りオペ」によって国債を市場で売買することにより、日銀は国債と日本銀行券を「両替」することにより「日本銀行券」の増減を司っている、という事実のことを言っているのかもしれませんが、その場合増減がコントロールできているのはマネーストック(MS)ではなくマネタリーベース(MB)の方です。黒田バズーカでいくらMBを増やしてもMSは全然増えず、ただ銀行に「ブタ積み」されるMB(あるいは白鳥さんの本業である投資/投機に回るのがこの銀行にブタ積みされていくMBですから、単なるポジショントークなのかもしれませんけどね)などは、発言の前半にある「財源」に関与するMSの増減には全然関係なく、日銀はやはり「お金」の増減には関与できていないことになります。
 あと、「お金」の増減を司っている機関として「民間銀行」があります。いわゆる「信用創造」を通じてです。白鳥さんは、これを無視していますが、敢えて好意的に解釈すれば、日銀が金利政策を含む金融政策によって民間銀行の信用創造の規模をコントロールしているのだ、と主張しているのかもしれませんが、高度成長期ならいざ知らず、現在の信用創造は企業の資金ニーズに支配され、いくら金利を下げても国債買い入れで金融緩和しても、一向に信用創造は増えていません。つまり日銀の力で信用創造の規模をコントロールするのは今日では不可能になっています。だからいずれにせよ白鳥さんの主張は間違っているとしか言えないわけです。
 以上の「予備知識」を念頭に、これから紹介する論争を読んでいただければ幸いです。
                             (続く)


443:mespesado :2020/06/21 (Sun) 11:46:25
>>442
 ご紹介する論争は、東京都という「貨幣発行権を持たない公的組織」による債券の発行とその日銀引き受けという、今熱いテーマになっている話題の中から出てきたPD(プライマリーディーラー)制度に関する議論です
 このPDについては財務省による説明サイトがありますので、まずそちらにリンクを貼っておきます↓
https://www.mof.go.jp/jgbs/issuance_plan/pd/index.html

 要するに「欧米主要国において、国債の安定消化促進、国債市場の流動性維持・向上などを図る仕組み」で、財務省はこれを参考に類似の制度として平成16年10月以降、「国債市場特別参加者制度」を導入しているわけです。>>441 の国債発行史でも書いたように、「財政赤字」が拡大する中、国債の消化に対する不安を解消するために各国政府が導入した「安心できる国債入札者確保のための資格」みたいなもの、とでも考えたらいいのではないでしょうか。これを真似て、遅まきながら日本の財務省も同じような制度を導入した、というわけですね。

白鳥@big_short_inc
> PDすら無い都債で、どうやってプライマリーを通過するのだろう
 ↓ ↓ ↓
蝙蝠 †伊達文右衛門(本名)†@koumori_2011
> 本当にこの人は事あるごとにプライマリーディーラーを振り回すよね。
> よく制度を理解していないんだろうな。
 ↓ ↓ ↓
かっちゃん@財務省廃止こそ最大の景気対策@oct1984shell
> 2004年以前は国債市場特別参加制度じたいなかったんですが、国債の消
> 化になにか不具合とかありましたっけ?w
 ↓ ↓ ↓
蝙蝠 †伊達文右衛門(本名)†@koumori_2011
> アメリカを真似て作った制度ですからね。
> 債券市場にPDが元々ビルトインされていたのではなく、問題なく機能し
> ていた債券市場に後からビルトインした訳です。
> 全く何も判ってないですよね。┐(´∀`)┌
 ↓ ↓ ↓
かっちゃん@財務省廃止こそ最大の景気対策@oct1984shell
> さういえば、その鳥さんは以前PDが国債買わなくなったらどうするうだ
> ぁあああとか言っていたけ、制度上ありえませんよねw それじゃPD
> から外されちゃうしw
 ↓ ↓ ↓
蝙蝠 †伊達文右衛門(本名)†@koumori_2011
> PDわかってないですよね。
> 三菱UFJの件を持ち出して振り回してましたが、当の三菱のステートメ
> ント見ると何時でもPDに復帰する用意はあると言ってたりと、興味ある
> 割には碌に記事も追ってないんだなとw
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> PDわかっているなら是非解説して欲しいものですね
> 既にPDは海外勢に半数を頼る状況の中、格付けによる大きな制約を持つ
> 海外金融機関が、日本の国債評価がどうあろうとPDに留まり続ける事が
> どつやってできるのでしょう?

> 三菱は何時でもPDに復帰する用意があると言ってませんが
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> ちなみに、既に海外勢のPD離脱は既に起きている中、ついに国内勢にま
> で初の離脱が出たのが三菱の案件
> 公式IRの発表文に何処にもまた復帰する云々の記載はなく、必須消化額
> の減額と、セカンダリーの妙味を取ったのは明らかです

> 離脱を容易に行う海外勢がいつまでも留まると思っている方がおかしい
> かと

 麻生大臣がちょっと前に「消費税を廃止すると国債を売り浴びせられる」という趣旨の発言がありましたが、このことだったのかもしれませんね。

 財務省が国債消化に不安を感じて欧米のマネをして作った日本版PD制度。ところが白鳥さんの言うように、参加者の過半数が海外勢という状態で、海外勢にとっては、彼らにとって「外債」である日本国債を買うか買わないか、売るか売らないかは、格付け機関の格付けに依存する。しかも、遂に、国内の金融機関からもPD離脱者が出た!そんな「危うい」状態で、日本の「格付け」を下げるかもしれない「財政赤字放任」など怖くてできない、という趣旨なんじゃないでしょうかね。
 こういうPDみたいな話題は一般に知られておらず、狡猾な財務官僚は、こういう「不意打ち」のような話をして恐怖を煽り、麻生大臣を丸め込んだんじゃないでしょうか。
                              (続く)

444 名前:mespesado 2020/06/21 (Sun) 14:36:14
>>443
 とりあえず、二人の論争を時系列的に並べてみました。ときどき切って感想を述べたいと思います。

すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> 「PDがー!」がまだ暴れてんのかよ。w
> 今回の補正予算で何か問題が生じたのかね。w
> それが答えだバカ野郎。
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> 周りが見えないのだな
> 既にOutlookは引き下げられている
> 今回の補正予算も発行前に必須で会合で上限確認も行われている

> 融資を多分に入れたり、借換債の減少を建付として
> そもそも、この後の増税等がセットである前提なので、今回分の返済用
> の仕組みを作れば問題はない

https://reut.rs/3cMFNXG

> 正にこれがそう言う事
> コロナ・デフレ脱却後は財政健全化進めたい=安倍首相
> 安倍晋三首相は15日の参院決算委員会で、新型コロナウイルスに伴う
> 事態が打開され、デフレを脱却した後は「歳出・歳入両面から財政健全
> 化を進めたい」と強調した。もっとも今は「経済を再生し雇用を守ることに
> 全力を尽くす」と述べた。浜口誠委員(立憲・国民、新緑風会・社民)
> への答弁。

https://jp.reuters.com/article/abe-budjet-balance-idJPKBN23M0FR

【感想】この最後に張り付けてあるロイターの記事の見出しがフェイクですね。これじゃまるで安倍総理が財政健全化を主目的にしてるみたいに読めますが、実際の発言は、
> 「経済を正常な軌道に戻さなければ、財政健全化も果たすことはできな
> い。事態が終息した後、デフレ脱却と経済再生の道を確かにするととも
> に、歳出歳入の改革等、財政再建を進める」と強調した。今は「経済を
> 再生し雇用を守ることに全力を尽くす」と述べた。

 この発言の趣旨は「(既に決まってしまっている)財政再建を実現する」には「経済を正常な軌道に戻さなければ」ならない、ってことでしょ?つまり「財政再建」を人質にして、今は「経済を再生し雇用を守ることに全力を尽くす」必要があるんだぞ、つまり財政再建をするためには今は(一見逆の財政出動で)雇用を守ることを優先しないと実行できないんだよ、というのが言いたいことなんだから、記事の見出しは明らかに逆の印象操作を行ってますね。

白鳥@big_short_inc
> 以前心底がっかりさせられた

> 当然知っていると思っていた基本的なソブリン格付けの国内企業連動性
> すら資料を出さなければわからない
> そんな基本は知ってる前提でMoody'sのジャパンサポートシステムに連動
> 性は乏しいくらいの切り返しができる人であって欲しかった

> このレベルなら勘違いしても仕方ない

【感想】白鳥さんは典型的な「一般に知られてない概念を持ち出して煙に巻く」論者の一人です。例えば先ほどのPDがそうですし、ここでもまた「ソブリン格付けの国内企業連動性」とか大層に見える言葉で煙に撒こうとしていますが、「ソブリン債」とは各国政府が発行又は保証している債券のこと。国債ももちろん含まれます。それが国内企業の業績に連動するということで、国債の格付けが下がれば、発行国の社債や株価の暴落に結び付くから「財政赤字問題」はバカにできないよ、という趣旨なんでしょう。財務官僚も同じ手口を使いますから、財務官僚の狡猾さに丸め込まれていく麻生大臣(だけでなく歴代財務大臣)姿が目に浮かびます。 
 しかし、あいにく日本企業の株が「財政赤字の増大」のせいで下落したなどと言われたことは、過去に一度もありませんw。

すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> 鳥頭なので未だに国債発行に四苦八苦している平行世界の話をしている
> バカがいるw
> この数字を示してもまぁ視界には入れないだろうw
https://pbs.twimg.com/media/ETD4uktUcAELgeI?format=png&name=360x360
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> これも典型的勘違いだ
> 格下げによる融資残RWやレポ担保の増加に加えて、格付けによる投資規
> 制に厳しい海外勢は簡単に離脱する
> そもそも三菱は日本勢で初めて離脱して話題になっただけで、海外勢は
> 既に離脱した事がある

> つまり、平時の努力で作られている余剰は簡単に消える

【感想】またまた「融資残RW」とか「レポ担保」とかw結局海外勢が離脱するゾ~と言ってるだけ。離脱したけりゃ離脱させればよい。困るのは金融市場で投資(というより投機)で生業している白鳥さんみたいな人だけ。しかもPDから離脱したからと言って市場に何の影響があるというのでしょう。

白鳥@big_short_inc
> 次いでこれに対しての回答に、例えば60兆の余剰は、一度その余剰分発
> 行額を増やせば、次もその60兆分の発行ができるものではない事を述べ
> ている

> しかし、恰もいつまでも増額が可能であると言う勘違いが続いている
> 現実を理解できていないのだろう

【感想】今は「貨幣不足」によるデフレの最中。政府紙幣がタブーとなっている現状では「国債の発行」=「貨幣の追加発行」なのだから、貨幣の追加不足を心配すべきで、発行過剰を心配すべきモードにはなっていません。そういう「現状」を無視している白鳥さんの方が「現実を理解」していません。

すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> まぁ、そこからが議論は本番ですわ。
> 異端派的に言えば明示的財政ファイナンス、主流派的に言えば財政ファ
> イナンスの議論になるから。
> 要はそもそも財政やるのに国債の市中消化て必要なんですかという話に
> なる。
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> これについても同様で、典型的勘違いだ

> その消化に四苦八苦した上で欧米を真似て作られたのがPDであり、その
> 努力の結果の今である
> 海外勢にPDの半数を依存している中で、格付けによる投資規制の厳しい
> 彼らはベーシスプレミアムしかメリットがなく、永続的に居る事はない

【感想】欧米では国債の消化に四苦八苦してるかもしれませんが、日本の国債は消化に苦慮どころか足りなくてもっと発行しろという状態になっていることは利回りが証明しています。財務省が欧米のマネをして作ったPDは、ですから本来なら不必要だった。供給過多の日本を欧米(特に世界一の貿易赤字大国アメリカ)と一緒にするな、です。

白鳥@big_short_inc
> 国債の日銀直受けも同様に、大幅な格下げに遭うだろう
> 金融機関の融資残RWの増加とレポ担保積増しにより、簡単にクレジット
> クランチは発生する

すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> ぶっちゃけ主流派のレベルで潰せる話しかしてこんなあの鳥頭は。

> 会計的には政府支出が事後的に発行される国債の買い入れ資金なので、
> 財政赤字の穴埋めとして国債が発行される現状の仕組みでは枯渇するな
> どありえないわけです。

> 高橋洋一のバカオペを極めればどうなるか知らんけど。
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> こうした勘違いは心底可哀想だ
> 枯渇する事があり得ないと、枯渇した事があるマーケットを指して言う
> のだから

> 基本制度を知らない時点で、レベル感は察する所だが、可哀想な程だ
 ↓ ↓ ↓
すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> 先日のやり取りでも確認したけど、この怪鳥が騒いでる10年前の事例
> にしても、毎月の入札で散発的に応札額が少なかっただけで、国債消化
> が滞っていたわけじゃない。
> それを事後的に「国債発行に苦労した」と言い換えてる。
> twitter.com/big_short_inc/…
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> これも前回言及した話だが、発行に苦慮した結果シ団の崩壊がある
> この方の言う様に何ら問題がなければシ団を継続する事で問題はない

> 加えて毎月発行があるのは、余力を見つつ発行量を調整できるという側
> 面があり、それを履行していたに過ぎない
 ↓ ↓ ↓
すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> 公募発行の方が増えてきた結果を「発行に苦慮」と呼ぶなら仕方ねぇ
> わw
> 勝手に苦慮してろとしか言いようがない。
> twitter.com/big_short_inc/…
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> この様に経緯を勘違い
> 公募発行が増えた事が発行に苦慮など一度も言っていない

> その結果未達が起きなければ何の問題もないからだ
> つまり、シ団で消化できず、公募を増やしても未達を出す程苦慮したと
> いう話すら、知らない

> それで物を言うのだから勘違いも仕方ない
 ↓ ↓ ↓
すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> この人シンジケートOBなんじゃねぇのかな。何か恨みでもあるのだろう。
> 昭和50年来の経緯をそんな説明するなど、緊縮派でも見たことねぇわ。
> twitter.com/big_short_inc/…
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> 只の事実に過ぎないのだが、何故か不思議な解釈をする
> 残念ながら、こんなTwitter内はいざ知らず、現実の実務家はこの事実を
> 当然に知っている

> Twitterの狭い世界で「見た事ない」とする可哀想な方だ

【感想】いつのまにか、国債のニーズが枯渇したことの有無の話がシ団の崩壊の話にすり替わってるw。もちろん話をすり替えたのは、答えに窮した白鳥さんの方です。

すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> 何度も言うように、本格的に苦労するならその時こそ(明示的)財政ファ
> イナンスの出動機会となる。
> 我が国でPDを名乗る団体が「離脱するぞ!」と威嚇してきたところで
> 「勝手にしろ」という話。
> まぁそんな威嚇はプロはしないと思いますけど。
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> この後半部分はその通りで、一々威嚇などされない
> 離脱する時は突然だ
> MUFGの様に

> 日銀直受けなどが何ら問題ないかの様に言っているが、弊害の知識が
> 無いだけ
> 融資残RWやレポ担保増などの結果、クレジットクランチは簡単に発生
> する
 ↓ ↓ ↓
すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> 財政ファイナンスをやると信用収縮が起こるそうである。
> もしそうなら人類史上初の知見であろう。
> twitter.com/big_short_inc/…
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> あら、英国やアルゼンチン、日本の97年の推移も知らないのか

【感想】いずれも「財政ファイナンス」が原因ではないですね。因果関係が逆でしょう?信用収縮が起きて貨幣が不足したから(普段は禁止している)財政ファイナンスで急場を凌ぐことはあるでしょうけど。

すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> 単にシ団が占める割合が10%程度になってきてだんだん存在感なくなって
> たんですけど、シンジケート内部には「俺達こそ国債消化に責任を持つ」
> などのある種のプライドでもあったのかもしれん。
> まぁそれは否定しませんよ。
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> これも何故話を途中から始めて、何故10%程度まで落ちたのかの話をしな
> いのだろう

> クレジットクランチの流れでシ団の余力が減退し、結果として存在感がな
> くなって行った流れをすっぽり抜くのは意図的かな?

【感想】高度成長が終わり、企業の資金ニーズが無くなれば信用収縮となり、余剰資金が国債に向くようになったら、国債の消化を保証するために作られたシ団の存在意義が無くなるのは当たり前です。だから何?という話ですね。
 長くなったので一旦切ります。                           

(続く)


446:mespesado :2020/06/21 (Sun) 15:19:29
>>444
すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
https://postalmuseum.jp/publication/research/docs/research_06_04.pdf

> シ団が占める割合が減ってきたことを「国債発行に苦慮した」と解釈する
> 人は怪鳥以外知らないw
> 概ねこの論説のように、国債消化主体を多様化して安定消化に寄与したと
> している。緊縮派の論客ですら同じように言っていたのを知ってますw
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> 大丈夫かこの方
> 自分の出した資料読んでないのか
> P64に「国債発行額 が日本銀行の買いオペの規模を大幅に上回るようにな
> り、従来の国債発行・消化の枠組みの継続が不可能となった(以下略)」が
> 読めないのか…

> そこに書いてある物すら読まずに出すとは…
 ↓ ↓ ↓
すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> 言っても無駄だろうが続きくらい見ろやボケ。
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> こんなネットに転がってるレベルの資料なら元々読んだ事のある物なので
> ご心配なく

> 続きとは「大蔵省は発行条件の不利化を恐れ、戦後長らく抑圧してきた国
> 債流通市場の開設を余儀なくされた。」
> これの事ですか?
 ↓ ↓ ↓
すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> 資料中に書いてあるように、シ団方式はそもそも市場実勢よりも良い条件
> で大蔵省が国債発行条件を統制しようとした結果起きた齟齬。
> 実際その直後に国債市場を開放しつつ、公募方式に徐々に転換。
> それを「苦慮」と呼ぶなら勝手にしろという話。
> twitter.com/big_short_inc/…
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> 「大蔵省は発行条件の不利化を恐れ、戦後長らく抑圧してきた国債流通
> 市場の開設を余儀なくされた」
> 余儀なくされたという言葉が苦慮せず行った事と捉えるとは最早日本語
> 力の問題か
 ↓ ↓ ↓
すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> つまりこの人は市場実勢よりも好条件で大蔵省が国債を発行できるよう
> 市場を統制できないことを苦慮と呼ぶそうである。
> twitter.com/big_short_inc/…
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> いえいえ全然違います
> 貴方の資料にもある通り、「1975年度以降には、国債発行額 が日本銀行
> の買いオペの規模を大幅に上回るようになり、従来の国債発行・消化の
> 枠組みの継続が不可能となった」のですから、発行が多すぎるだけです

【感想】やりとりはまだ続きますが、ここで一旦切って感想。白鳥さんの最後の「発行が多すぎるだけです」に、この人のイデオロギーのすべてが集約されている感じです。白鳥さんにとって、国債の発行は「国の借金」という「本来なら無くすべきもの」なんですね。だから、国債の発行は極力抑えるべきだから、「発行が多すぎる」という感想になるのです。これに対し、すまん寝さんのように、「国債の発行は通貨の発行である」という人から見たら、国債の発行が多いか少ないかは市中の貨幣が多すぎるか少なすぎるかで判断すべきことであり、日本は高度成長の終焉以来、バブルの一時期を除いてずっと企業の資金需要の激減で信用収縮により貨幣不足が続いているのですから、国債の「発行が多すぎる」などという発想は出て来ないはずなんです。逆に従来の日銀の買いオペで国債を消化するというスキームが、意味のない時代遅れの習慣になった、と評価すべきものだったのです。
 やりとりのコピペを続けます。

 ↓ ↓ ↓
すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> つまり、この怪鳥は国債市場を否定しており、発行された国債はただち
> に全額日銀に買い入れられるのが正常であると言っているようです。
> ある意味においては私の理解と同じですが方向性が完全に狂ってるんだ
> よなぁ。
> twitter.com/big_short_inc/…
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白鳥@big_short_inc
> いえいえそれも全然違います
> 貴方の資料にある通り「買いオペで吸収される割合が低下し、市場金利
> よりも低利の国債を引き受けることにより、 シ団側に多額の売却損・評
> 価損が発生した」と、日銀のオペが無ければ損が出る程発行するべきで
> はないというだけです

【感想】白鳥さんの意見は、あくまで「シ団の存在ありき」ですね。目的と手段が逆転してしまっています。あるスキームが時代遅れになったら、改正すべきはスキームの方であって、時代の流れをスキームに合わせるべきではありません。

白鳥@big_short_inc
> 当初の話に戻れば、こうした流れで市場開放を「余儀なくされ」、シ団
> の割合縮小に繋がったのであり、明確に苦慮しているのが分かる歴史を
> この方自身が資料を持って改めて示しているのである
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すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> つまり君はシ団縮小の歴史が気に入らないわけね。
> 私も敗戦が気に入らないから気持ちはよく分かります。
> twitter.com/big_short_inc/…
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白鳥@big_short_inc
> いえいえ全く違います
> シ団崩壊の話は単にシ団の力で未達を防ぐ事が難しくなった流れを説明
> したに過ぎませんので

> 今も同じで、プライマリーでPDが消化できなくなる事態は常に頭に入れ
> る必要がある

> 今回も事前にPD会合で出た余力通りの補正予算額が出ている
> 建付も添えて
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すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> この発想だから、いろんな人から国債金利を見ろと言われても全く意に
> 介さない。
> 国債発行を金利で見るという発想自体が存在しないからだろうw
> 全部大蔵とシ団の話し合いで決まる世界観で国債発行を見ているw
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> この発想はどこから出たのだろう
> 通常債券で金利動向を見るのは当然だが、無制限YCCのあるセカンダリー
> 金利が何の意味があるのか説明できるのだろうか?

> 通常の社債などの債券と現在の日本国債を同列に見ているとは可哀想に

> 可哀想なのは、自身の言っている話が多数派正しい話だと過信している
> ところ

> 実際には超が付く異端論であり、少数派意見に過ぎない
> 世界を見渡しても彼の言う主張通りに動いている国は無い

> それにしても、可哀想
> Twitterの狭い世界で立ち位置を勘違いしてしまったのか

【感想】出ました!「無制限YCC」!YYC=イールド・カーブ・コントロールですが、中央銀行による長期金利のコントロールのことですね。そもそも市場に敏感に反応する短期金利に比べると、長期金利はそうではなく、日銀にコントロールできそうに見えますが、そもそもそんなものをなぜコントロールする必要があるのか?んなもん、短期金利がゼロになってうまみがなくなった投資家(投機家?)が食いっぱぐれないために決まってるじゃないですかw。まあ、冗談はともかく、白鳥さんは金利よりPBが大事といわんばかりですが、もちろんPBなんか意味が無く、しかし金利だって限りなくゼロに近づいている現状で、最早そのいずれも国債の発行額を見極める指標になんかなりません。国債発行額を決める条件、それは「貨幣の不足分を発行すべし」-それだけです。それと、白鳥さんは、とにかく「あまりポピュラーでない術語で煙に巻いてマウントを取る」ことの方が大事なようですw。国会答弁のような直接対話ならいざしらず、ツイッターのやりとりという、知らない単語が出てきたらググれば済む世界で、ムツカシイ単語を出して煙に巻く戦術に何の意味があるのでしょうw

> すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> これ、当時の国債発行のやり方が、市場を反映した国債金利の設定では
> なく、大蔵とシ団の談合で国債発行する仕組みだからこうなってただけ
> でしょ。
> twitter.com/big_short_inc/…
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> 大蔵とシ団の談合と言うより、国政が市場を無視して発行を要求したと
> 言う事
> 日銀の行動は本来独立しているのが当然で、世界の中銀も同じだが、日
> 銀の買い入れを前提とした行動が当たり前の時代でもない

すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> いや、違いますね。
> 市場実勢とは関係なく、大蔵省とシ団の合議で国債発行が決まっていた
> 頃を懐かしんでいるようです。
 ↓ ↓ ↓
白鳥@big_short_inc
> 何を言ってるのだか
> 市場実勢に沿って適切な額を出すのであれば当然問題ないでしょう

> 今の日本国債の場合、セカンダリー金利が無制限YCCによって体温計の
> 役割を成していない為、判断すべきはそこではないということ

【感想】「国債のニーズ」と言われたとき、すまん寝さんは、当然に国民経済の立場から、「貨幣の不足分を補うニーズ」のことだと考えているのに対して、白鳥さんは「市場参加者のビジネスにとってのニーズ」のことだと考えている。その違いで議論がかみ合わなくなっているだけですね。白鳥さんにその自覚が無いのが悲しいところです。これも投資家の一種の職業病でしょうか。
                              (続く)

447:mespesado :2020/06/21 (Sun) 15:53:57
>>446
 今回で終了です。最後に >>441 で紹介した論文の後半部に対する感想です。

> 一方、国債発行に依存した財政政策により、日本の国債残高は累積し、
> 財政赤字が「泥沼状態」になっていった

 明らかに財務省寄りの評価ですね。こういう書き方をしなければ論文の審査が通らないのでしょうかw
 さて、最後にツッコミを入れると予告しておいた引用部分へのコメントに進みます:

> 2000年代に入ると、企業の財務リストラが加速し、民間金融機関はさら
> に国債頼みの経営となっていっていった。

 企業の「財務リストラ」とは変な表現ですね。生活必需品が行き渡り、設備拡張が要らなくなった上に、将来の不安で内部留保を貯め込んだ企業に資金を借りるニーズが無くなるのはアタリマエです。「無借金経営化」とでも呼んだ方が実態に即してるのではないでしょうか。

> これにともない、銀行の預金と貸出金とのギャップがさらに広がり、預
> 金が本業の貸出金に回った割合をみる預貸率は70%にまで落ち込んだ。

 既に三橋さん他、多くの論者が指摘しているように、銀行は預金を貸し付けているわけではありません(万年筆マネー)。なので、預金を分母に貸付金の規模を考えることに既に意味は無くなってきているわけです。むしろ銀行預金はキャッシュレス決済の担保としての意味合いの方が強く、その残高と貸付金とを比較するのは、人の裕福度をポケットに入っている小銭の量で判断するくらい無意味な比較だと思います。

> 戦後の歴史の中で形成された1,500兆円を超える日本の家計貯蓄の高さに
> よって、膨大な日本国債が国内で消化・保有され続けることになった

 いや、逆でしょう。発行された国債によって1,500兆円を超える日本の家計貯蓄が可能になった、というべきですね。これは「貯蓄されたオカネはどこから来たのですか」とトボけて質問してみればよい。財務省に忖度した本論文の筆者は返答に困るでしょうねw

> 皮肉なことではあるが、「空白の20年」こそが、巨大な財政赤字と国債
> 価格の維持が保たれるという「奇妙な安定」を生み出したのであり、

 思わず「わかってるくせにィ」とニヤニヤしてツッコミたくなりますw

> その嚆矢となったのが、経営意図とは異なるものの民営化過程にあった
> 郵便貯金だったのである。

 これは、論文冒頭の↓を受けたものです:

> 筆者は、これまで戦後郵便貯金の発展過程について考察を進め、その増
> 加のメカニズムの一端(郵貯増強メカニズム)を明らかにしてきた。戦
> 後高度成長の終焉と経済大国化、グローバリゼーションの進行という、
> マクロ経済環境、対外環境の激変の中、この郵貯増強メカニズムは政策
> 意図を凌駕する威力を発揮し、郵便貯金の肥大とともにリスクの増大を
> 生み出すこととなり、政治的要請とも絡みつつ、郵政民営化に帰結して
> いくことになった。

 「郵便貯金の肥大とともにリスクの増大を生み出すこととなり」って、思いっきり小泉みたいな「国営金融が市場をゆがめている」という論と同じで、民営化と言う名の「国民資産簒奪者の論理」じゃないですか。この論文全体を流れる「緊縮財政は当然」のトーンと相まって、国際金融資本の手羽先のニオイがしますね。そして、この論文を「肯定的」に参照した、白鳥さんも。
                             (おしまい)


【追記 2.6.25】「すまん寝」さんについて

451 名前:mespesado 2020/06/24 (Wed) 08:56:41
 件の「すまん寝」さんは研究者らしいのだが、あの白鳥さんとの論争では非常に真っ当な考え方をしている人だが、コロナの原因については次のような「陰謀論嘲笑派」のようです↓

すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> 新型コロナ
> ・北京政府共産党軍の生物兵器
> ・5G技術による攻撃
> ・トランプのでっち上げ
> ・米軍の生物兵器
> ・存在しない ←New!
> (当社比)

> 次は何ですかね。

すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> なお米国では「新型コロナを利用して米国民にマイクロチップを埋め込
> む」という陰謀論が信じられているそうである。

purple17@「月読アイの猫でも分かる経済の話」inニコニコ動画&YouTube@aiai_yukkuri_KZ
> 人口削減とか、高齢者減らして社会保険料負担軽減とか言うのはどっか
> で見ました

すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> それは私は陰謀論とは区別してます。
> 我が国ではかなりの数になる財政的安楽死クラスタの主張ですよ。陰謀
> ではなく財政再建手法です。

purple17@「月読アイの猫でも分かる経済の話」inニコニコ動画&YouTube@aiai_yukkuri_KZ
> 陰謀論などを遥かに凌駕するおぞましいクラスタですね…

> どちらかというと「コロナで倒産するのは自己責任」とかと同系統のも
> のでしょうか

需要が消滅して結果的に貧困化が進むだけというのが分からん愚か者ど
> もですよね

すまん寝@秩序回復・財務省廃止・反財政再建@sumannne
> コロナて前倒し倒産系も陰謀じゃないですね。
> 明解にそういう主張を展開するシバキ層で、我が国の平成経済論壇では
> 古典に属する者達です。

> 殺処分クラスタはコロナ以前にも相模原事件でクローズアップされまし
> た。植松は遍在する。

 ちょっと残念な気がしました。だって、最初に挙げた5つの「陰謀論」は、肯定する証拠もないかわりに否定する証拠もない。そういうモノについては中立を守った方がいいと思うのだけれど、「科学的でない」として切り捨てる傾向は、こういう「まじめな研究者」にありがちな態度だと思います。もっと柔軟な思考をした方がいいと思うんですけどね。

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