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mespesadoさん講義(72)5題 [mespesado理論]

①一昨日の一般質問で、南陽市の10万円給付は98.5%支払済とのこと。5月21日の90%段階で「不要」という人は4人。まだ申請のない1.5%(500人弱)は「不要」に近い人かもしれないが、「4人」の数の少なさに驚いた。4月21日の臨時会で、不要な人には市の用意した口座に振り込まれるようしてもらってはどうか、と提案したのだった。残った分は国に返還というのだったらその方がいい。mespesadoさんが問題にした久喜市は、頭から「寄附のお願い」だったこと。10万円は使われることによってモノが動く。10万円が100人巡れば、100人が10万円分のモノをタダで手に入れたことになる。「寄附のお願い」は、そのおカネの本来意義についての理解がない。おカネ自体に価値を置く。《経済オンチは市という大きな組織まで侵食していて、本当に困ったものだ》

②シンガポールの大学改革の目指すところも、結局は「グローバリズム」「ビジネス優先」で、「国家の金儲けにいかに益するか」ということだった。私の通った50年前の大学は「学問の自由」がいちばんのタテマエだった。その空気の中で「反権力的サヨク感覚」が元気よく息づいていた。後で思えばWGIPにどっぷり侵されてもいたわけだが、大学紛争が「原点回帰」に導いてくれた。おかげで2年オマケすることになったが、いい時代の大学を体験させてもらったと今は思える。あの「自由の謳歌」のおかげで、その後50年の基盤を得た。日本の大学を善くするには外国のマネをする必要はない。ただ、下らんPB黒字化に基づいた予算の出し渋りを止め、また学問の内容については外からの批評に自由に晒される、風通しの善さだけを目指していけばよいのではないでしょうか。》

③要するに、《反グローバリズム》=《「人間性の復活」という「真の覚醒」》

④安倍総理をどう評価するか→《反グローバリズム派》《「日本の真の独立を願う」保守政治家》《調整型の総理大臣》《「現実派」プラグマチスト》いかにグローバリズムを脱皮できるかが今後の日本の命運を決めるカギ》

投資銀行・投資会社:貨幣は希少価値があった方がいい→「財政赤字」を嫌う→椅子取りゲームの世界が理想→ あまり信用できない

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346 名前:mespesado 2020/06/08 (Mon) 22:52:56
10万円給付金通知書に「寄附のお願い」同封…市民「どういうこと」、
市「配慮足りなかった」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20200606-OYT1T50144/

> 埼玉県久喜市が、新型コロナウイルス対策として政府が国民に一律給付
> する10万円の特別定額給付金を金融機関の口座に振り込んだことを市
> 民に知らせる「決定通知書」に、梅田修一市長名で「寄附きふのお願い」
> という文書を同封したことで、市民から「寄付しなければならないのか」
> といった問い合わせが寄せられていることがわかった。

 ったくもう。地方自治体がカネの亡者になってどうする!
 で、非難を受けた市は記者にどう答えたかというと…↓

> 中村貴子・市総務部長は取材に「寄付は強制ではないことを示すため、
> 文章には『趣旨に賛同』の言葉を入れたが、混乱があった以上、配慮が
> 足りなかった」と釈明した。市は今後、可能ならば文書の表現も変える
> としている。

 寄付を募ること自体は諦めてないという…。
 全く腹が立ちますね。
 だってですよ。国から10万円が個々の市民にタダで給付されたわけです。これを、もしそのまま市に寄付してしまったら、市に寄付されるまでの間に何の経済活動も生まないから、誰にも経済的メリットを齎しません。
 ところが、10万円給付された人がA店で買い物をすると、勝った商品はその人が手に入れ、10万円はそのA店の人に渡ります。そしてそのA店の人が、その10万円で別のB店から買い物をすれば、A店の人は買った商品が手に入り、10万円はB店の人に移ります。これを例えば100回繰り返した後、その100人目の人が市に10万円を寄付したとします。すると、この場合、10万円が渡り歩いた100人の人は、タダで貰った10万円を使って別の人に渡したんだから、オカネの入りと出は、100人ともプラス・マイナス・ゼロで、損も得もしていません。なのに、100人とも10万円分のモノを、要するに「タダで」手に入れているわけです。これに対して、国から10万円を貰った人が、市の言われるままにそのまま市に寄付してしまった場合、誰もオカネの損得がプラス・マイナス・ゼロである点は全く変わりがありませんが、モノは誰も手に入れられていません。そして市の方は、というと、どちらの場合も10万円が寄付される、という点は全く同じ。
 つまり、10万円を国から給付された人は、そのまま市に寄付するよりも、自分の買いたいものを買った方が、結局は経済の活性化、という抽象的な言い方をするより、(この場合は100人ですが)要するに大勢の人がタダで10万円相当分のモノが手に入る、という大きなご利益を市民に齎すわけです。
 だから、この久喜市は、市民の経済的メリットを考えるなら、寄付を募るべきではなかった。仮に寄付を募るにしたって、「直ちに」寄付を募るんじゃなくて、国から給付された10万円を市民が十分使い回した後で、寄付を呼びかけるべきだった。それなら、多くの市民にタダでモノが手に入るというメリットを享受させたうえで、最後にちゃっかり市にも10万円が手に入って市民も市もどちらもウィン・ウィンになったはずなのです。
 それなのに、市は、多分「オカネは使うと無くなってしまうもの」だという錯覚(これは個々の家計にとってはそのとおりですが、市全体というマクロ経済では、誰かの消費は誰かの収入になるので、明確に間違い)に囚われてしまったが故の愚かな施策だったわけですね。そして、散々市民のブーイングがあっても、この寄付を募るという愚策を止めない。本当に経済オンチは市という大きな組織まで侵食していて、本当に困ったものだ。全くウンザリします(怒

349 名前:mespesado 2020/06/09 (Tue) 00:01:01
安藤裕議員がツイッターで
https://twitter.com/andouhiroshi/status/1269749016964685824

> 日本の大学改革もこれを見習うべきだ。

としてリンクしている記事↓

https://globe.asahi.com/article/13423102
シンガポール国立大はなぜアジアトップクラスの大学になれたか
改革の主導者に聞いた

 安藤さんが、この記事で感心した部分は、記事中の次の部分らしい↓

> 『シンガポールは人こそが資源だとみて教育に力を入れてきた。政府歳
>  出の2割近くは教育予算である。』
> 『大学ランキングに基づいて思考し戦略を立てることはありません」』
『ランキングを上げようと思うと「大学は似通ってくる」』

 まあ、日本の政府が兎に角PB黒字化至上主義で、ありとあらゆる予算を削りに削り、(文科省の力が弱いこともあるけれど)文教予算を減らしていることに対するいら立ちで、シンガポールの教育重視が羨ましいのはわかるのだけれど、本当にシンガポールの教育環境って恵まれてるの?と疑問に思ったから、参照されている記事を読んでみた。

> あれは2007年だった。日本の1人当たりGDP(国内総生産)がシンガポー
> ルに抜かれ、アジア2位になったのは。2018年で調べてみたら、シンガ
> ポールは日本の1・6倍まで伸びている。国の面積は東京都23区ほどで、
> 人口も日本の5%以下。都市国家であり、両国の単純な比較はできない。

> ただ、一つ共通点がある。天然資源に恵まれないことだ。

> シンガポールは、人こそが資源だとみて、教育に力を入れてきた。政府
> 歳出の2割近くは教育予算である。首相になるには教育大臣を務めるのが
> 必須ともいわれる。

 これだけ読むと、日本の教育軽視の正反対で、安藤さんが羨む気持ちもわかる。しかし、

> 2005年にシンガポール政府はNUSを法人化し、【中略】法人化により大学
> 運営は柔軟にでき、外部からも資金を集めやすくなったことがメリット
> だが、シンガポール政府からは学校運営にかかる費用の大半を助成され
> ており、シンガポール国民のニーズに特段の注意を払うなどアカウンタ
> ビリティー(説明責任)は伴うと話した。

 政府が学校運営の費用の大半を助成しているという点は日本と異なるが、これは日本の場合は財務省がドケチだからで、シンガポールのメリットというよりは、日本政府(というか、財務省)が異常なだけとも言える。で、それよりも、冒頭にNUS(シンガポール国立大学)を法人化した、というのが日本と似ていて、日本の国立大学の独立行政法人化を彷彿とさせる。で、その「効果」だ、と前学長のタン・チョーチュアン教授が語った内容がこれ↓

> どんな戦略をたてるかについては、時間をかけて考えたという。どうや
> ればシンガポールという、貿易に依存する小国に拠点を置くNUSがユニー
> クな存在となれるか、何を大事にすべきかを考えた結果、「アジアにお
> けるグローバルな大学」を目指すことに決めたという。

 な~んだ、結局は「グローバリズム」なんですね。で、今度は現在の副学長であるホー氏の言↓

> 起業家を育成するために、海外留学のプログラムが創設されたのは2001
> 年。6ヶ月から1年のプログラムがあり、海外に留学したNUSの学生は合計
> で3000人にのぼる。すでに600ものベンチャー企業が生まれたという。

 結局はビジネス優先なんですね。大学+グローバリズムという組み合わせは結局はビジネスのための大学教育、つまり「国家規模での金儲け」の観点からは必然的にそうなる。
 もちろん、予算を絞りまくる日本の高等教育政策からは収縮していく将来しか見えませんが、かといって見かけが華やかな海外の大学も、よく見てみればグローバリズムに巻き込まれた金儲けのためのビジネス優先の高等教育に過ぎない。本来の「学問」という観点から見たら、本筋ではないように見えます。もちろん、産学共同で、技術開発に勤しむのは大切ですが、大学そのものがビジネスに支配されてしまったのでは、「学問の府」である大学の名が泣こうというものです。
 日本の問題は、財務省が教育予算をケチることと、学者の世界が閉鎖的なことでしょう。この閉鎖的な環境を打破するのには、別にグローバリズムは必要なくて、単に「権威」じゃなくて「内容」で評価されるように、成果がオープンな目に晒されることが一番のクスリであり、それはグローバリズムというよりは、公開の場での自由な議論に晒されることが大事だと思うのです。そういう意味では、日本の大学を善くするには外国のマネをする必要はない。ただ、下らんPB黒字化に基づいた予算の出し渋りを止め、また学問の内容については外からの批評に自由に晒される、風通しの善さだけを目指していけばよいのではないでしょうか。もう外国出羽守からは卒業すべきだと思います。

352 名前:mespesado 2020/06/09 (Tue) 06:09:43
>>345

> フェイスブックにログインしないと見えないかもしれませんが、下のFB
> 動画は私のまわりでもゴンゴンLikeをもらってます。
https://www.facebook.com/RyanAFournier/videos/943471082784781/

>>351

> 「俺は今でもトランプを支持しているぜ」と語る黒人の兄ちゃんの↑動
> 画↑、観ました!!

> こうした動画を観ていると、トランプの「アメリカ・ファースト」を本
> 当に分かっている、有色アメリカ人が今でもいるんだなと分かり、嬉し
> くなります。有難うございました。

 私もこの動画を見せてもらいました。
 「トランプは誰と闘っているのか?」
 これですね!私が日本のマスコミやしたり顔の知識人がトランプを嫌っているのに「ええ~??何で」と思った違和感に対する答が、まさにここに凝縮されているのだと思いました。
 彼らは、この黒人青年が最初に否定しているような、トランプがマイノリティーを差別している、というのが当然で自明の事実であるかのように見做して、しかも「みんなもこれは当然の共通認識だよね」と言わんばかりの態度でトランプを見下して論評している。そして、そういったマスコミやいわゆる「反日野党」の共通点が、まさに、この黒人青年が「トランプが戦っている本当の敵」である「グローバリスト達」かその一味なわけだ。
 で、日本では悲しいことに、未だにグローバリストが「善いこと」であるかのようにマスコミに喧伝されて多くの識者が国民の洗脳に加担し、それを多くの国民が信じ込まされている。
 私が >>349 で違和感を感じたシンガポールの大学マンセーの記事も、結局のところグローバリズム讃歌であり、どれだけの人達がこの黒人青年のようにグローバリストの真の思惑に気付き、そこから目覚めるか、ですね。
 4年前、ヒラリーが勝つという大方の予測を裏切ってトランプを選んだ米国。このとき既に米国は反グローバリストの大きなうねりの最中であり、それが大統領戦の結果に反映した。これに対して日本の安倍政権支持は、そういう観点ではなく、民主党政権時の緊縮財政へのアンチテーゼや反WGIP保守の力で政権奪取したのが、惰性で今日まで続いている「だけ」のようにも見えます(少なくともコロナ直前までは)。
 これから、日本人と米国人、どちらが先に、反グローバリズムというか、「人間性の復活」という「真の覚醒」に数の力で主導権を握ることができるか。本当はどちらが先とかいう競争ではなく、どちらも覚醒するのが望ましいが、もしもそれが成就したら、こんな楽しいことはありませんね。そして中共の暴走のもとにいる一般の中国国民の「覚醒」も含めて。

353 名前:mespesado 2020/06/09 (Tue) 06:31:39
亀さんの新エントリーの【コメント22】曰く、

> 結論として、昨今の国際情勢を俯瞰するに、グローバリズム派vs.反グロ
> ーバリズム派という、巨大な対立が根底にあると小生は確信しておりま
> す。無論、習近平=中共、朝日、東京、枝野らはグローバリズム派、そ
> れに対して、「アメリカ・ファースト」のトランプ、そして安倍総理は
> 反グローバリズム派と云えそうです。

 >>352 はこれを読む前に書いたものですが、期せずして同じことを主張しておられますね!
 しかし、最後の安倍総理も反グローバリズム派「と言えそうです」という言い回しが実に鋭い!
 安倍さんは、もともとバリバリのグローバリスト(というより実はグロー場リストの手羽先に過ぎなかった、実際は何も考えてない)小泉元首相から「禅譲」を受けて初めて総理になったので、安倍さん自身は、実は主体的な「アンチグローバリスト」ではなく、「日本の真の独立を願う」保守政治家だ、というのが本来の姿でしょう。そして「気骨のある筋を通すタイプ」の政治家ではなく、調整型の総理大臣であり、例えばグローバリズムの象徴であったTPPについてもそうであったように、当時米国がグローバリストに支配されていた頃、米国の政策に楯突くのは必ず失脚の憂き目を見ることを十分わかっていたために、こうしたグローバリズムの押しつけに「反発」するのではなく、表面的には受け入れて、逆に内容で一発逆転で日本に有利な内容にひっくり返す、という手法で乗り切った。自衛隊の「集団的自衛権」の法制化のときもそうです。このときは、グローバリズムの実態が日本の国力を奪う方向に働くことが明らかだから、安倍政権も必死だった。
 このような、グローバズムに対しては面従腹背で、実際は、打っちゃりをかまして、とにかく日本の国益を守るためなら、グローバリズムに賛成とか反対とか言うイデオロギーはどっちでもいい、という「現実派」プラグマチストの安倍総理も、任期は余すところあと一年。次の総理は、誰が成ってもそんな高度な戦術を取れる能力があるとは思えません。となると、現実の政治は、やはり総理大臣の後押しをする国民の「哲学」あっての結果です。あとは一般の日本人がイデオロギーの観点で、いかにグローバリズムを脱皮できるかが今後の日本の命運を決めるカギとなるでしょう。せっかくのコロナ騒ぎによる「地殻変動」があったのですから、日本人の覚醒を強く期待したいと思います。

354 名前:mespesado 2020/06/09 (Tue) 22:04:33
 亀さんの最新エントリーで、JBpressの山崎養世氏の記事の紹介がありました↓
http://toneri2672.blog.fc2.com/blog-entry-1771.html
情報革命

 この著者は例の投資会社の親玉ともいえるゴールドマン・サックス投信株式会社(日本支社)の元代表取締役社長ということだそうですが、こういう人の意見って、要するに投資銀行目線ですよね。
 つまり、彼らは「投資家が投資して儲かるような会社」に注目し、コンサルタント業としては、「いかに儲けを出し、株価の上がる会社にするか」という観点でアドバイスをする、という特徴があります。まあ、酷な言い方をすれば、従業員や消費者の幸せなんて二の次、知ったこっちゃぁない、ということです。
 なので、当然グローバル化を勧めるし、例えば貨幣について言えば、投資すると儲かるためには貨幣については希少価値であった方が都合がよいので、政府による「財政赤字」を嫌います。また、やたら米国を持ち上げるのも、米国流の資本主義を極限まで進めた方が、より儲かるからです。
 かつて日本でもトヨタのかんばん方式とかが流行った時代にこの手のコンサル業が引っ張りだこでしたが、彼らがすべてこうしたコンサルを受けて儲かるようになったかというと、大半は失敗している。それはアタリマエで、貨幣の希少価値を維持するためには財政赤字を拡大しないことが必要で、財政赤字を拡大しないと、高度成長を終了した社会では信用創造が減って、社会の利益はゼロサムの椅子取りゲームとなるので、すべての企業が利益を得ることはできないからです。それでも、投資会社にとってはすべての会社が儲かる必要は無く、自分が目を付けた会社だけが儲かればそれでよい(それどころか、大半の企業が不振で一部の企業が利益を上げている方が、企業にとっては自分の会社が「勝ち組」になりたくてコンサルに依存しようとするので、コンサル会社は益々商売繁盛となる)ので、彼らにとっては、このような椅子取りゲームの世界は理想なのです。
 だから、彼らの意見というか将来予測はこういう観点から見たバイアスがかかりまくっているので、現役の財務官僚や御用学者の経済理論ほどひどくはないだろうけれど、あまり信用しない方がよさそうです。


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