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エンタケさん「お別れの会」 [日記、雑感]

遠藤武彦お別れ会.jpg「遠藤武彦お別れの会」に行ってきた。今日の午後は予定が入ってしまってエンタケさんには行けないな、と思っていたら、昨日になってその予定が先方の都合で延期の連絡。これは行って来いということかと判断して出かけてきた。私が座ったのは前から7列目。私の前の方は空席があったが、後ろはぎっしりだったようで参列者は700名とのこと。https://www.yamagata-np.jp/news/202002/11/kj_2020021100214.php

中川米沢市長の開会の辞、その後黙祷して弔詞(弔辞)。大島理森衆院議長、エンタケさんを「農魂の志をもった侍」と評価、平成11年の国会活性化法成立に向けてパートナーを組んだ時のことを語る。「あの法律の趣旨が今十分機能しているとは言い難いが、あの時二人で語り合った精神は今もしっかり国会で生きている」と。

つづいて武部勤元農水相/幹事長(小泉政権)。昭和61年7月7日初当選で石破氏とともに同期。同じ山崎派であり、エンタケさんとは一番近かったようだ。「エンタケさんは自由自在の世界に旅立たれたのではないか」と。エンタケさんにとっての「政治」の世界がどんなものであったかを知る人ならではの思いが伝わる。いい話を聞いたと思ったのが、当選後まもなくエンタケさんの発案で、虎島和夫議員と共に3人が呼びかけ人となって「地方交付税傾斜配分促進議員連盟」を結成したこと。エンタケさんの「志」の在り処を思った。「地方が良くならなければ国が良くなるはずがない」のスローガンは、文字通り「初志」だった。二人の絆をさらに堅くしたのが、平成13年9月のBSE(牛海綿状脳症)への対応。当時武部農水相、農水副大臣のエンタケさんをBSE対策本部長に指名しての二人三脚、農水省の大改革に取り組んでピンチを乗り切ったという。「農水省内の人望厚く、最も待望されて大臣になり、最も惜しまれて大臣の椅子を去った人」「同志、親友の関係を超えた義兄弟」。最後は「エンちゃんありがとう。また会おう」としめくくった。
そして石破茂議員、「7月7日当選にちなむ同期の”七夕会”、自分は最年少で隅の方で小さくなっていたが、遠藤先生は最初から異彩を放つ存在だった。リクルート事件に端を発する政治改革の激動期、竹下、宇野、海部の時代、われわれ一回生が嵐の渦に巻き込まれ翻弄される中で、今思えば先生は、熱に浮かされるような改革運動からは距離をおかれていた。『人間はそう簡単なものではない。制度を変えたからといって急に政治がよくなるはずではない』と透徹した眼で見ておられた。細川、羽田、村山を経て橋本となり、ようやく政治が安定を取り戻した時、先生は押しも押されぬ農林関係の中核となっておられた。小泉、安倍第一次、福田内閣の時代は、農水省受難の時代でした。「その中で先生は武部先生とタッグを組んで、とりわけBSE問題への対処に際しては、地に足のつかない机上の空論に対して、時にはエリート官僚を怒鳴りつけ、クリスタルの灰皿を机に投げつけてまで、徹底的に叱咤されたと聞いております。当時剃髪状態になりわれわれ同僚議員目を疑ったものでしたが、円形脱毛症になるほどに心を砕かれておられたお姿に、政治家とはここまで公に尽くすものなのかと深く感動したことでありました。BSE問題については、”隠蔽はダメだ”との強い意志を持って、国民の食の安全を守るために、徹底した情報公開に踏み切られました。強い信念無くしては成し得ない決断でした。その後の農政改革の先鞭をつけたものです。・・・」そしてエンタケさんの著書から引用を交えて格調高く語られた後、「多くの人が”エンちゃん”とか”エンタケさん”と言われる中で、年がはるかに年少ということもありましたが、私は”遠藤先生”としか言えなかった。それは、私が先生に対して抱き続けた畏敬と畏怖の念のゆえと今思われます。」エンタケさんと石破さんとは18歳の差。改めて聴いてみると、二人が国会議員になった1986年以降の日本の政治史をたどることもできる気持の入った見事な弔辞だった。
隣り合わせたのが高校同級の内藤文徳君、20代からエンタケさんを識るという彼曰く、「政治家より文学者みたいだった。」なるほど、そういえば、私がエンタケさんをはじめて見かけたのは、米沢のビルの一階にあった遠藤書店で、書棚の前に立つ遠藤県議の姿だ。オーラを発しつつ、いかにもしっくり溶け込んでいる印象で思い浮かぶ。それに比べて政治家としてのエンタケさんは、どっか爪先立っていた。私にとってのエンタケさんも思いあわせつつ、高校同級生同士という奥様共々、人知れぬ心労を思う。武部さんの「エンタケさんは自由自在の世界に旅立たれたのではないか」の言葉に心揺れたゆえんである。(オススメ→遠藤武彦自伝「思うがまゝに言うがまゝに」http://www.yonezawa-np.jp/html/autobiography_E/01Endo.html
エンタケ挨拶状.jpgエンタケ「則天去私」.jpg

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