染屋のおまつり(六夜様) [当家史]


『南陽市史 民俗編』にわが家と向かいにあった山崎染屋さんの記事が載っていた。
市史にもあるように、東の山から昇る26夜の月がちょうどお灯明のように見えるとのことで、夜起きだしてその月を拝んだと、たしか祖父にきいたことがある。何度か挑戦したがまだ見たことがない。
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『南陽市史 民俗編』
第2章 生業 第 四節 諸職 四 染屋(162p)
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染屋では愛染明王の信仰があつく、毎月二十六日には掛図をかけて神酒を供え、灯明を立てて、お詣りした。宮内で代々染め屋を営んでいる高岡家では廿六夜様と称して、仏像を工場に祀り、職人ともども礼拝したものであったという。
第5章 民間信仰 第2節 民間信仰の実態 四 講の実態
8 月待講 (409-410p)
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荻地区におけるお月参りの様子を見てみよう。
二十六夜参り
旧暦七月二十六日は「ロクヤサマの日」で、この日は近所の人たちと一緒に、お神酒と御馳走をもって裏山の十貫畑に登った。ここで会食をしながら月の出を待つのである。月の出はおそく、真夜中の午前二時ごろになる。東の方の蔵王山の稜線から上る月はみごとであった。御来迎の時は、ろうそくの火のようなものが三つぼうぼうと稜線から上り、そのあとで二十六夜の月が出てくる。「ロクサヤサマだなぁ」とみな驚嘆しながら、月に掌を合せて拝んだものである。その神々しさは今も忘れられないと古老たちは語っている。
二十六夜の本地仏は愛染明王である。「愛」が「藍染」に通じるからであろうか、この本地仏は染屋の守護神となり、染色業の家では、今も二十六夜の祭りをやっている。 宮内・粡町の山崎幸一家の場合を見てみよう。
二十六夜の本地仏は愛染明王である。「愛」が「藍染」に通じるからであろうか、この本地仏は染屋の守護神となり、染色業の家では、今も二十六夜の祭りをやっている。 宮内・粡町の山崎幸一家の場合を見てみよう。
山崎家の二十六夜祭
家業は染織業である。新暦十二月二十六日に、二十六夜さまのお祭を行なった。藍がめの前に茣蓙を敷き、そこにお厨子に入った愛染明王を安置する。お供物はお膳にのせた米・塩で、それにお神酒と灯明を供えておく。夕方、宮内宝積坊より来て御祈祷する。夕食には餅を搗くが、日頃お世話になっている人や親類に配る「配り餅」をさきに搗く。その後で家族が食べるが、家から出た人や職人たちも招かれて会食する。このあと、月の出を待って拝んだ。今は新暦十一月二十六日に行い、月の出を待たず、東を向いて拝むだけにしている。
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