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染屋のおまつり(六夜様) [当家史]

2023.12.10 六夜様 2.jpg一昨日、六夜様のおまつり無事斎行。毎年旧暦10月26日を目安に行うが、今年は10月28日にあたる10日(日)にできた。毎月旧暦の26日に掛軸と神様を床の間に飾って拝んでいるが、1年に一度、熊野大社からおいでいただいてのご祈祷、それがこの日。50年以上前だが、祖父が亡くなって数ヶ月経って、母が祖父(母にとっては舅)の夢を見た。何か言いたそうな祖父の様子で、目が覚めてから毎月の六夜様のおまつりを忘れていたことに気づかされたという。毎月ぴったり26日にならないことも多いが、なんとか継続してきた。1年に一度の大祭には、餅をついてあちこちにふるまう。昔は家でついていたが、いつの頃からか餅屋さんに頼むようになって、数年前からは餅搗き器で搗いている。2023.12.10 六夜様 3.jpg直会での料理も昔から決まっていて、今もそれを守っている。精進料理でネギ、ニンニクもご法度。この日は朝からお精進。

『南陽市史 民俗編』にわが家と向かいにあった山崎染屋さんの記事が載っていた。

市史にもあるように、東の山から昇る26夜の月がちょうどお灯明のように見えるとのことで、夜起きだしてその月を拝んだと、たしか祖父にきいたことがある。何度か挑戦したがまだ見たことがない。

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南陽市史 染屋.jpg
『南陽市史 民俗編』
第2章 生業 第 四節 諸職 四 染屋(162p
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 染屋では愛染明王の信仰があつく、毎月二十六日には掛図をかけて神酒を供え、灯明を立てて、お詣りした。宮内で代々染め屋を営んでいる高岡家では廿六夜様と称して、仏像を工場に祀り、職人ともども礼拝したものであったという。

第5章 民間信仰 第2節 民間信仰の実態 四 講の実態 

 月待講 (409-410p)

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 荻地区におけるお月参りの様子を見てみよう。

二十六夜参り

 旧暦七月二十六日は「ロクヤサマの日」で、この日は近所の人たちと一緒に、お神酒と御馳走をもって裏山の十貫畑に登った。ここで会食をしながら月の出を待つのである。月の出はおそく、真夜中の午前二時ごろになる。東の方の蔵王山の稜線から上る月はみごとであった。御来迎の時は、ろうそくの火のようなものが三つぼうぼうと稜線から上り、そのあとで二十六夜の月が出てくる。「ロクサヤサマだなぁ」とみな驚嘆しながら、月に掌を合せて拝んだものである。その神々しさは今も忘れられないと古老たちは語っている。
 二十六夜の本地仏は愛染明王である。「愛」が「藍染」に通じるからであろうか、この本地仏は染屋の守護神となり、染色業の家では、今も二十六夜の祭りをやっている。 宮内・粡町の山崎幸一家の場合を見てみよう。

山崎家の二十六夜祭

 家業は染織業である。新暦十二月二十六日に、二十六夜さまのお祭を行なった。藍がめの前に茣蓙を敷き、そこにお厨子に入った愛染明王を安置する。お供物はお膳にのせた米・塩で、それにお神酒と灯明を供えておく。夕方、宮内宝積坊より来て御祈祷する。夕食には餅を搗くが、日頃お世話になっている人や親類に配る「配り餅」をさきに搗く。その後で家族が食べるが、家から出た人や職人たちも招かれて会食する。このあと、月の出を待って拝んだ。今は新暦十一月二十六日に行い、月の出を待たず、東を向いて拝むだけにしている。



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