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「世界の中心が米国から非米国側に移ったとき、人類は幸福になる」(田中宇) [イハトビラキ]

今朝アップした「田中宇氏、世界デビュー!」https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2023-12-05の記事中に紹介あったモスクワHSE大学シンポジウムでの田中氏発言をDeepleで翻訳しました。田中氏の基本となる考え方がよくわかります。「世界の中心が米国から非米国側に移ったとき、人類は幸福になる」という締めの言葉にイハトビラキを思いました。

日本からのもうひとりの招待者及川幸久氏のモスクワ報告も楽しみです。→「及川幸久【X NEWS】Youtube永久バンにつき今後はXで発信!」https://twitter.com/oikawa_yukihisa/media

【追記 12.7】【緊急配信2】及川幸久×石田和靖緊急対談 ”ロシア帰国報告” 日本も孤立化?! 日露関係修復は不可能なのか?!https://www.youtube.com/watch?v=G3TuOSqj2L4


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アメリカ中心の世界秩序から多極化へ

https://tanakanews.com/231201multipol.htm

 私は1997年頃から、主に英語で、世界の主要メディア、オルタナティブ・メディア、ブログなどから国際政治・経済に関する情報を読み、世界がどのように動いているかを分析し、毎週日本語で書いている。私の推定読者数は20万人。

 この25年間で、欧米諸国の主流メディアの情報はますます歪曲され、信頼できなくなり、歪曲の方向性や意図を洞察し、深く読み解く必要性が高まっている。これが私の分析の独自性である。

   過去25年間の最も重要な世界的潮流は、米国の覇権が自滅的に衰退し、ロシアや中国といった米国以外の国々が、政治的にも経済的にも米国に依存しない多極化した世界システムを構築していることである。

   世界の中心は米国から非米国へと移りつつある。非米国側とは、グローバル・サウスあるいは世界の多数派を指す。

   米国は過去25年間、失敗が予測される過激な策を拙速に進め、予測通りに失敗し、覇権を自滅させるという新保守主義の動きを繰り返してきた。同じ過ちを繰り返すのは意図的なものだろう。

   ロシアと中国を敵視し、愚かな戦争に関与することで、アメリカは国際的信用を低下させ、ロシアと中国、BRICS、そしてグローバル・サウス間の結束を強めた。

   米国は、ロシアと中国が結びつきを強め、上海機構やBRICSを形成するのを意図的に無視し、非米国側を強くした。米国は密かに世界を多極化させようとしてきたと言える。

   経済分野では、新興市場国の金融拡大を阻止し、アメリカの覇権を守るために、1997年にアジア通貨危機を引き起こした。

  その結果、巨額の資金がアメリカに還流したが、同時にアメリカの金融バブルは大きく膨張し、バブル崩壊を引き起こし、2008年にリーマンショックを引き起こした。

  リーマンショックは、ドル高と米国覇権の原動力であった債券金融システムを不可逆的に破壊した。

 その後、米金融当局はドルを刷って債券を買う量的緩和政策を急速に拡大し、あたかも債券金融システムが復活したかのように装った。実際には、米国の金融システムはすでに機能停止している。

   ウクライナ紛争勃発後、世界経済は米国側と非米国側に決定的に分断され、非米国側はドルや米国の金融システムの利用を停止し、米国債を売り、金塊を買っている。この状況は今後も続き、米国の覇権は崩壊するだろう。

   なぜ米国は覇権を自滅させるのか?それは、1945年に米国が本来好んでいた覇権体制が多極型であり、米国がソ連と中国を招き、国連安保理常任理事国5カ国による多極体制を作り上げたからである。

   しかしその後、2度の世界大戦を経てアメリカに覇権を譲渡したはずのイギリスが、逆にアメリカを掌握し、冷戦の火種となり、多極体制を破壊した。アメリカの上層部もまた、イギリスの傀儡軍産複合体に支配されている。

   イギリスがアメリカに対して築いた戦後の米英覇権体制は、本質的には戦前の植民地体制と同じであり、人類の大多数を占める発展途上国は、アメリカ、イギリス、ヨーロッパに搾取され続けている。世界経済は歪んだままであり、発展は妨げられている。

   戦後世界を多極化しようとしたアメリカ上層部の「多極派」は、ニューヨークの土地を国連に寄付して国連本部を作ったロックフェラー財閥が中心だった。

   彼らは、世界経済の歪みを維持するイギリス型一極体制が気に入らず、世界を多極体制に戻そうとし続けた。

   他者と争うのは簡単だが、他者とうまくやっていくのは難しい。多極主義者が権力を握り、米国をソ連や中国と和解させようとしても、軍産英複合体に邪魔され、冷戦思考の敵対戦略に戻ってしまう。      


   だから、多極主義者たちは逆の方向をとった。彼らは極端な敵対戦略をとり、ベトナムやイラクのような愚かな戦争で、意図的に大きな間違いを犯し、根本的に失敗した。アメリカの覇権を自滅させ、敵陣営を強化した。敵陣営に多極化世界を作らせたのだ。

   この計画で最も成功したのは、911テロ後にアメリカ上層部を席巻した新保守主義者で、彼らはロックフェラー出身である。

   今後どうなるのか?ウクライナ戦争は世界経済を米国側と非米国側に大きく分けた。

   多くの油田やガス田は非アメリカ諸国にあるが、その石油やガスの利益のほとんどは、従来はヨーロッパやアメリカで取られていた。地球温暖化対策もこの移転を加速させている。

   ウクライナ紛争勃発後の世界の分断により、世界のエネルギー権益の大半は非米国側に帰属し、米国側はわずかであることが明らかになった。

   非米国側はエネルギーだけでなく、将来の消費市場も持っている。人類の80%は非米国にいる。彼らは貧困から抜け出し、中産階級になり、消費を増やすだろう。

   非米国側のリーダーの一人である中国は、製造技術も持っている。非米国はドルを使わずに決済できるようになり、米国側から切り離されながら発展することができる。

   米国側に残るのは、いずれ崩壊する巨大な金融バブルだけだ。2~5年で崩壊しそうだ。世界経済の中心は、米国側から非米国側に移るだろう。

   国際政治を動かす主役も、米国から非米国へと移っていく。パレスチナ問題を解決する役割が、米国からロシア、アラブ、イランを含むBRICSに移ったという点で、ガザ戦争は象徴的だ。

 米国によって破壊されたアフガニスタン、イラク、シリア、リビアは、ロシアをはじめとする非米国によって再建され始めている。BRICSは、アメリカとヨーロッパに支配され、貧困に追い込まれたアフリカを再建するだろう。

   世界の中心が米国から非米国側に移ったとき、人類は幸福になるだろう。



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