石城山行② 山上へ

第98回山上修法。一堂に介しての修法は4年ぶり。令和2、3、4年の山上での修法は本部職員のみ、この間全国各地で道士による対応修法が行われてきた。われわれは名古屋、福島、宮城の道士とともに熊野大社神前において行った。今年は宮城のMさんの誘いに乗って11年ぶりに竹さんと参加した。いつものことだが、電車に乗って座席に腰を下ろすまで行くことの実感が湧かない。前回は新幹線の中で大失態をしでかして多くの方に迷惑をかけた。そのときお世話になった看護師のWさんに、今年の夏ご主人と一緒に山形旅行の途中ということで立ち寄っていただいたのはうれしかった（その時の写真を探したが見つからない）。11年前の記事があった。ついこの前のような気がする。きっと時間が途切れてはいないのだ。（→石城神山https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2012-11-15／熊野秀彦先生https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2012-11-17）

心配な天気予報だったのだが青空も広がり大丈夫。午前9時道場講義室に集合。司法者友清祐子宗主挨拶にはじまり修法の次第説明。友清宗主はピアノの名手。山口大学の准教授になっておられるのを今知った。ユーチューブで演奏が聴ける（→https://enc.piano.or.jp/persons/5291）。思いがけなく第一班長（総勢7名）と右旋行進委員の役を賜った。ずっと若手のつもりでいのに、もう高齢者の部類になっている。歩いて山に登った人の中で、竹さんが一番高齢だったかもしれない。38年前最初にお山に来た時高校2年生だったM君は、このたび家族5人で参加。長男は24歳になっている。山上修法は20年ぶりというSさん、当時子供だった娘さん、われわれを覚えていてくれた。

午後2時、準備を整えて道場前にて記念撮影後、拝殿前に集結。太鼓の合図で3時前発御。

標高362メートルの石城山、2キロちょっとの行程をゆっくりゆっくり登ってゆく。私語厳禁。道のりの半分ぐらいは両側竹林で日差しはない。これまでになく長く感じるのは歳のせいか。38年前は桜の季節だった。1週間の間に何度登ったろうか。1日に3往復したこともあった。そんな時神様の声を聞いたような気がした。「あわてるな、神への道はゆっくりと」、この言葉がずっと下支えになってきたような気がする。

沈黙の行列はすっかり自然に溶け込んでいる。「原点」「原風景」というときの「原（げん）」の言葉が頭をめぐる。生きてゆくことの基準点がここに在る、そんな感覚だ。迷ったらここに帰ればいい。もろもろの立脚点と言ってもいい。肉体的には少々きついが、精神的には至福の時である。1時間半ぐらい歩いて大和神社の鳥居が見えてきて「やっと着いた！」。

これまでは石城島神社で地元の人に手伝ってもらっての弁当だったが、今回は大和神社で。その分時間に余裕があるがちょっとさみしい感も。時間がある分、竹さんと石城神社から各社巡拝。石城神社では、ちょうど一緒になったM君家族と神咒奉唱。この日の巡拝は磐山神社まで。