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「ドル崩壊しそうでしない」(田中宇) [イハトビラキ]

田中宇の国際ニュース解説会員版。ドル崩壊しそうでしないのはなぜ?

副島氏は「ドル崩壊は近い」。それに対して田中氏は「時間がかかるかもしれない」。なぜなら、「こんどはそう簡単に英国に欺されない」とマトモ陣営(多極化勢力)が考えているから。田中氏の深読みが腑におちた。闘いは根源的。イハトビラキたるゆえん。

要約:【2023年7月13日】米中枢の多極化勢力がヘッジファンドなどを動かせば、すぐにドル崩壊を誘発できる。習近平でも誘発できる。しかし米国も習近平も動かない。これは意図的っぽい。もし今ドル崩壊が始まって米国の金融システムが全崩壊したらどうなるか。英国などが「米覇権根幹の金融システムが壊れたのだから仕方がない」と言い訳しつつ米国から離れ、中露への敵視をやめてすり寄り、多極型の新世界秩序の一員として協力すると言いつつ内側から壊しにかかる・・・ 》

以下、ダイジェスト。

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もし今ドル崩壊が始まって米国の金融システムが全崩壊したらどうなるか。米覇権が崩壊しつつあることを前から察知していた欧州や日本などの米同盟諸国が、米覇権の根幹にある金融システムが壊れてしまったのだから仕方がない、と言い訳しつつ、中露など非米側に対する敵視をやめてすり寄り、多極型の新世界秩序の一員になろうと転換するだろう。

この転換の何が問題か??。今はまだ、非米・多極型の新世界体制の構築が終わっておらず、途中の段階だ。この状態で米金融覇権が崩壊し、英国やフランスや豪州カナダなどが大挙して非米側に転入してきたらどうなるか。
彼らは「中露と一緒に非米型の新世界秩序の構築に協力する」と言いつつ、協力するふりをして新世界秩序がいずれ破綻・内部対立していくような仕掛けをこっそり追加するだろう。英国系の諸国は巧妙でとても汚い。
英国は、第2次大戦後に米国が作った多極型覇権体制(P5)である国際連合に協力するふりをしつつ、米英仏とソ連中国が鋭く対立していく冷戦構造を作り上げ、米国が作りたかった多極型覇権体制を破壊し、英国が米国の覇権運営を牛耳り続ける構図を作った。
英国は第1次大戦後にも、米国が作った国際連盟に協力するふりをしつつ、大国間の仲違いを誘発して国際連盟を機能不全に陥れた。国際政治の運営が未熟だった米国は、老獪な英国にしてやられ、ふくれっ面をして孤立主義の看板を掲げて閉じこもった(その裏でNY資本家たちがドイツにテコ入れして世界大戦を再発させた)。 
だから、米中枢も中共も、ドルを崩壊させずに延命させている。ドルと債券金融システムが上っ面だけ延命し、米金融覇権が表側だけで維持されている限り、米覇権の強さが維持されているというプロパガンダが席巻し、英国もフランスもそれを乗り越えて米国から離れることができない。マクロンは乗り越えようとして春に訪中したが、米国に抑止されて口だけで終わった。
トランプ前大統領は覇権放棄屋でNATOやG7を軽視したが、バイデン現政権は逆に、NATOやG7でウクライナ戦争や温暖化対策など米国側を自滅させる策を出し、同盟諸国にもその策の推進を強要し、自滅していく米国覇権の監獄に英欧日を閉じ込めている
監獄に閉じ込められている限り、英国など同盟諸国は非米側に転向できない。中国やロシアは、英国系に邪魔されずに強い多極型体制を作っていける

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