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これからの世界の構図(田中宇) [現状把握]

田中宇氏の国際ニュース解説会員版「ウクライナ戦争体制の恒久化」https://tanakanews.com/index.html。田中氏の深読みがひときわ冴える。これからの世界の構図が見えてくる。日本はそれに甘んじてしまうのだろうか。
要約:《【2023年6月19日】ウクライナ戦争の長期化は、覇権の多極化と、米覇権の終焉もしくは大幅縮小を引き起こすために画策されている。この転換によって米国は中露にとって脅威でなくなり、中露は安泰になる。だから最近プーチンと習近平が非米側の体制づくりなど多極化を熱心に進めている。この転換によって、これまで米英に阻止されてきた非米側の経済発展が軌道に乗る。世界経済が均衡ある発展を始める。米上層部の資本家が2度の大戦以来やりたかったことが実現する。》
以下、ダイジェスト。
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米国は、米国が直接ウクライナと安全保障の協定を結ぶことを検討している。これは「イスラエル方式」と呼ばれ、米国がイスラエルと結んでいる10年ごと更新の安保協定をお手本に、ウクライナに兵器弾薬と資金を供給し続ける体制だ。 /米軍をウクライナに派兵すると米露核戦争の世界大戦になってしまうので派兵せず、兵器弾薬資金を供給する協定を結んで安保体制にする。・・・ これまで協定を結ばずにウクライナ軍事支援してきたものを、協定の形にすることには、米国側とロシア(非米側)の対立を恒久化する意味がある。》
ウクライナ戦争の長期化は、この転換(覇権の多極化と、米覇権の終焉もしくは大縮小)を引き起こすために画策されている。この転換によって米国は中露にとって脅威でなくなり、中露は安泰になる。だから最近プーチンと習近平が非米側の体制づくりなど多極化を熱心に進めている。/この転換によって、これまで米英に阻止されてきた非米側の経済発展が軌道に乗る。世界の(金融バブル膨張でない)実体経済が、均衡ある発展を始める。米上層部の資本家(国連を作ったロックフェラーなど隠れ多極派)が2度の大戦以来やりたかったことが実現する。 /だから米上層部はウクライナ戦争の構図をできるだけ長期化し、非米側に多極化を進めてもらいたい。/戦争構造が長期化するほど欧州経済が自滅するが、米国はそれを無視している。成熟して成長しない欧州なんてどうでも良い。資本家が望むのは、多極化による非米側の貧困諸国の経済発展だ。/ウクライナのNATO加盟や「イスラエル方式」の安保協定によって米国が今回の戦争構造を恒久化したがる背景には、多極主義的な利害設定がある。》
先週ロシアのサンクトペテルブルグで開かれた経済フォーラムでは「ロシアは米国を潰したいのでなく、米国がロシアを潰そうとするのをやめさせたい。世界が多極化すれば、米覇権体制(米国側)は世界の極の一つへと縮小する。米覇権体制の上位に多極型の世界体制が作られる。BRICSや国連が多極型の世界を運営する。ロシア(EAEU)は、米国側と対等な関係にある世界の極の一つになり、米国がロシアを潰すことはできなくなる」といった趣旨のことが話された。 Russia's New Roadmap For Multipolar Worldロシアも中国も、米国を敵視していない。米国が中露を敵視し続けるので、中露は世界を非米化・多極化する道を歩んでいる。この動きは米国によって長期化されている。/世界が多極型になると、中国は極の一つだが、日本は極の一つである米国の傘下にいる国になり、日本は中国より明らかに格が下の国になる。日本の権威筋はこれを理解せず、早く対米自立すれば良いのに何もやらず、考えてもいない。》

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