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アメリカ、希望の芽生え(ロバート・F・ケネディJr.) [RFK Jr.]

このロバート・ケネディJr.が、今になって、2024年の米大統領選挙というこの決定的タイミングで、表(おもて)に大きく出てきたことが、世界の歴史が動いていることの証明です。》

「ロバート・ケネディJr出馬表明の衝撃性」https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2023-05-16

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[3558] ロバート・ケネディJr(ジュニア)の 2024年 大統領選 出馬表明の 演説動画を紹介します。【後編】
投稿者:一会員(一弟子)
投稿日:2023-06-01 04:34:05
 

http://www.snsi.jp/bbs/page/1/
(後編ここから)

一会員(一弟子)です。今日は、2023年6月1日(木)です。【前編】からの続きです。

前置きが長くなりました。それでは、以下に、ロバート・ケネディJr.の2024年大統領選立候補の表明演説の動画のサイトのアドレスを転載します。
英語が分からない方でも、ロバート・ケネディJrの、さわやかで活力にあふれる演説の姿と、この出馬表明の演説に盛り上がる、アメリカン・リベラルのメッカ、米国内でも最もリベラルと言われるボストンの支持者たちの雰囲気を、ぜひ感じ取ってください。

出馬表明演説の様子


(和訳をつけて転載始め)

【ロバート・ケネディJr. 2024年大統領選 立候補の表明演説の動画】

● ”Robert Kennedy Jr. Announces 2024 Presidential Campaign”
(ロバート・ケネディJrが、2024年の大統領選挙への出馬を表明した)

C-SPAN(シー・スパン、アメリカの政治報道専用の放送局) APRIL 19, 2023(2023年4月19日)

( ↓ クリックしてご覧ください)
https://www.c-span.org/video/?527511-1/robert-kennedy-jr-announces-2024-presidential-campaign


Robert F. Kennedy, Jr., the son of former attorney general and 1968 presidential candidate Robert F. Kennedy, announced his 2024 Democratic presidential campaign at a rally in Boston. Mr. Kennedy said he was running for president because he wanted to challenge the connection between government and corporate power, press for greater economic equality, and heal the nation’s political divides. He also talked extensively about his vaccine skepticism and criticisms of handling of the COVID-19 pandemic.
(引用者訳:元司法長官で、1968年の大統領候補ロバート・F・ケネディの息子であるロバート・F・ケネディJr(ジュニア)は、ボストンでの集会で、2024年の民主党大統領選挙への出馬を表明した。ケネディ氏は、大統領選に出馬する理由として、企業の政府に対する巨大な影響力に異議をとなえ、経済レベルをより格差のない状態にもどす努力と、米国内の政治的な分裂を治療したいと訴えた。また、ワクチンに対する懐疑的な考えや、コロナ(COVID-19)のパンデミックに対する、米政府の対応などについても、幅広く批判を展開した)

(和訳をつけて転載終わり)


動画を見て頂ければ分かるとおり、まるで、大統領の就任演説のように立派で、重厚な、大統領立候補の演説です。
1776年のアメリカ独立戦争(American Revolution)の時代に始まる、ケネディ家の歴史から語り始めます。まさに、殺された叔父(おじ)と父親の、ケネディ一族のゴースト(怨霊、スピリット)が、そのまま、このまだ生きているこのロバート・ケネディJr.に、乗り移って激しく訴えています。

演説開始から【14分】くらいから、殺された自分の父親(ロバート・ケネディ)と叔父(ジョン・F・ケネディ)のことを語り始めます。そして、「政府もメディアも、国民にウソをつく。いまや政府を信用している米国民は、今では22パーセントしかいなくなった」と語ります。

ロバート・F・ケネディの家族(左端がロバート・ケネディJr.)

伯父ジョン・F・ケネディとロバート・ケネディJr.

父親のボビー(ロバート)・ケネディが、暗殺された1968年当時は、「ベトナム戦争」に反対して大統領選に立候補しました。このときに、ロバート・ケネディJr(ジュニア)は、そばで一緒に動いていた。だから、自身が目撃した、当時のエピソードを、細かに語っています。ロバート・ケネディJrは、当時14歳で、父親のそばにずっと付いて回っていた。その時の様子を、時代の目撃者として、じっくりと話しています。感動的な演説です。

演説動画の【1時間14分】あたりから、「ウクライナ戦争」について語り始めます。
父親のロバート・ケネディが、「ベトナム戦争」に反対して、当時、同じ民主党の現役の大統領、リンドン・ジョンソンへの対抗馬として立候補しています。だから、自分の境遇を父親に重ねています。
現役のおなじ民主党の大統領であるジョー・バイデンに対抗し、いまアメリカが、ロシアとの「代理戦争」として戦っている「ウクライナ戦争」に、真っ向から反対しています。これが、この度の大統領選への出馬する理由であると、はっきり表明しています。

だから、父親のロバート・ケネディ(シニア)が、1968年に大統領に立候補したときに応援していた世代のアメリカ人たちは、「デジャヴ」(既視感)を感じるようです。それくらい、ロバート・ケネディJr(ジュニア)のこのたびの立候補は、感慨深い感情があるということです。

この演説のなかで、「これ(ウクライナ戦争)が、アメリカの国益になるのか」と問いかけています。そして、「そうではない」と、キッシンジャーの名前も挙げて、強烈に批判しています。
戦争を長期化させてロシアを疲弊させることが、アメリカがウクライナ戦争に参加している「最大の目標」(chief objective)だと言うのは、人道的な(ヒューマニタリアン)目的としても間違いである。少しでも早く流血を減らして、戦争を終結させることが、いまやるべきことだ。アメリカとロシアという2つの核保有大国の衝突が、ウクライナという第三国で行われている、と訴えます。

演説動画の【1時間20分】あたりから、副島先生が書かれた、米軍人が、リタイア後にホームレスになっていると言う事実も語られます。アメリカ国民の困窮・貧困の実態を、具体的な数字を上げながら訴えています。

動画の【1時間23分】から、バイデン政権は、あわせて4500万人ものアメリカ国民に社会保障を一気に減らすと、告知した。低所得者層の米国民への「フードスタンプ」(政府の食料支援の配給券)や社会保障の支給額を減らすと、一斉に告知した。
そのいっぽうで、破綻したシリコンバレー・バンクを救済するために、300億円ドル(約4兆円)もの米ドル紙幣を増刷した。経営がまずくて破綻した、中小銀行への支援金の支払いに当てている。さらには、ウクライナに「軍資金」も、すでに合計で300憶ドル(約4兆円)も送り続けている、と言ってバイデンを批判しています。

このあと続けて、【1時間24分】あたりから、「だから我々(の政府)には、戦争と銀行支援に使うための金はある」と訴えます。この資金は、「中国と日本から、巨大な金利を払いながら借りている借金」である。そう言い切っています。
そして、バイデン政権は、「コロナの支援金とロックダウン政策のために、さらに激しく米ドル紙幣を増刷(プリンティング)した。このために、私たちはインフレーションに直面している。インフレが、貧困層に対する最も過酷な課税(タクゼイション、Taxation )である。飢えているアメリカ人が、今、米国内にはあふれている」と語ります。

そして、【1時間27分】ちょうどから、副島先生が先に引用した記事で取り上げられた、「私たちは、世界に800米軍基地を保有している・・・」と言う話が始まります。そのなかで、

“You cannot be imperial state at overseas and democracy state at home“
(海外で帝国をやりながら、自国内で民主国家でいることなどできない)
(1:28:25から)

と言って、聴衆の喝采(かっさい)を浴(あ)びています。

このあとに、「アメリカ建国国の父」の一人であるジョン・アダムズの話と、アイゼンハワー大統領の「軍産複合体」(ミリタリー・インダストリアル・コンプレックス)という言葉で政府と軍部と大企業の癒着を批判した話、それから、叔父(おじ)のジョン・F・ケネディの話が続きます。

そして、「中流階級を再建することで民主政治が復活できる」と主張します。

さらに続けて、ジョージ・W・ブッシュが2004年から始めた「イラク戦争」への批判、オバマ政権がISIS(イスラム国)を創り上げ、アメリカ政府の戦費をさらにかさ増ししたこと。結局、大量破壊兵器も何も出てこなかった、という批判を展開しています。

演説の動画の【1時間35分20秒】あたりから、「ブラジルやサウジアラビアが、米ドルから人民元に国際決済での利用する通貨をシフト(スィッチ)させ始めている」と語り出します。しかし、この話を始めてすぐのタイミングで、なぜか、演説している会場のビルで緊急ベル鳴り始め、熱がこもっていた演説が中断されます。
それでも、ボビー・ケネディJrは、落ち着きながら、話をまとめようとします。しかし、さらに緊急放送は続いて、「避難をする準備をしてください・・」というアナウンスまで流れ始めます。おかしい。ボビーJr.は、「私たちを止めようとしたな。ナイストライだ」と、ジョークも交えて冷静に対応します。聴衆も、「ボビー頑張れ!愛してるよ!」と声援を送ります。
それで、その場をおさめて、そのあとさらに話を続けます。そして、サウジアラビアとイランが平和協定を結んだことも取り上げます。

そしてこの最後に、動画の【1時間39分】あたりから、「すべての米軍基地を閉鎖」する、という主張を語り始めます。
「早く何かをしなければ、アメリカ経済が崩壊する。米兵をすべて引き戻して、米軍基地をすべて閉鎖して、その資金で新しい公共投資を始める」という言葉で、この演説のもっとも重要な主張を終えています。

そのあと、「大企業と戦争に、私の国が盗まれているのを、見ていられない。これがケネディ家の政治だ!」と言ってまとめています。

最後の、この演説の締めの言葉は、以下でした。

“I’m not safe. To the vested interests, I’m not safe. But my job is to keep you safe.”
(私は、既得権者たちにとっては危険人物である。しかし、私の仕事は、既得権者ではなくあなたたちの安全を守ることだ)
(1:45:42から)

なお、「ウクライナ戦争」の話が始まるこの動画の【1時間14分】より前の1時間くらいは、まさに、ロバート・ケネディJrの本領である、米国民が、アメリカの巨大食品企業と医療産業によって、戦後ずっと、おかしな食品や薬漬けにされている事実や、その結果、今ではアメリカ国民の54パーセントが、何らかの「成人病(chronic disease)」(生活習慣病、慢性疾患、肥満や糖尿病、ガンのこと)にかかっているという実態と、その政治的な原因について語っています。その他、アメリカ国内のさまざまな環境問題と、それへの取り組みについても、ジョークを交えながら、生き生きと語り続けます。
コロナ危機がはじまるより何年も前から、ケネディJrが批判を唱え訴訟を闘ってきた「ワクチン被害」のこと。そして、コロナ危機のおかしさと米政府によるコロナ対策への批判も展開しています。

3年前(2021年初め)から、ロバート・ケネディJrは、反コロナワクチン派(anti-Vaxxer、アンチ・ヴァクサー)としての活動をしています。もともと、環境弁護士として、大手製薬会社のワクチンのために、アメリカ国内で子どもを中心に起きている膨大な「ワクチン被害」に対する、反ワクチン活動に取り組んで来ました。

今回の、ロバート・ケネディJrの「反コロナ活動」で、ディープ・ステイト側から、ものすごく嫌われたようです。自分の妹や弟、それから、アメリカの駐日大使も務めていた、ジョン・F・ケネディの長女キャロライン・ケネディ(1957年~、65歳)や、ロバート・ケネディ(シニア)の長男(兄貴にあたる)や、その息子で甥っ子になる「JFK3世」と呼ばれるジョセフ・ケネディ3世(1980年~、42歳、米下院議員)などの親族たちから、激しく嫌われています。
彼らのような、今のケネディ・ファミリーの大半は、すでにディープ・ステイト勢に取り込まれた「体制派」で、ディープ・ステイト側です。

最後に、ロバート・ケネディJr出馬の記事は、日本国内のメディアの、日本語の記事には、内容があるものが見つかりませんでした。
副島先生が、先に取り上げた堀田佳男氏の記事と、高濱讃というワシントン在中のジャーナリストによる、ロバート・ケネディJrに対して批判的な悪意のある記事しか、詳しく解説した日本語記事はありませんでした。

それで、以下の「アジアタイムズ(Asia Times)」という、香港を拠点とする調査報道ジャーナリストたちが、親中国、親ロシア、親新興諸国の立場から、それでも西側に寄り添うようにできるだけ公平に書いているニューズサイトがあります。
このなかの、よくまとまった英文記事を自動翻訳して、私が手直しした記事を、以下に転載します。

欧米の大手メディアによる英語記事のなかでは、ほとんど見られない、ロバート・ケネディJrの出馬表明とその演説内容を、「世界の平和に貢献するだろう」と、高く評価しています。貴重な海外メディアの記事です。じっくり読んでみてください。


(和訳して転載始め)

●「RFK Jr.(ロバート・ケネディJr.)は、強力な反戦、反帝国主義の立場を表明した  ケネディの米大統領選への出馬は、平和にとっては無視することができない」
By ジョン・ウォルシュ

アジアタイムズ 2023年4月25日号
https://asiatimes.com/2023/04/rfk-jr-takes-strong-anti-war-anti-empire-stance/

ロバート・フランシス・ケネディ・ジュニアは、4月19日に民主党から米大統領選に出馬することを表明した。演説の冒頭のすぐあと、こんな言葉を口にした:

「55年前の先月、私は14歳の少年として、父(ロバート・ケネディ)がワシントンD.C.の上院議員会館で、アメリカ大統領選への出馬を表明した、その後ろに座っていた。当時の父は、いろいろな意味で、今の私と同じような立場にありました」

「(わたくし)ロバート・ケネディは、自党の大統領を相手に立候補したのです。戦争に反対していました。この国がかつてないほど分極化されているときに、彼は立候補しました」

このようにしてロバート・ケネディの息子は、自分が「戦争に反対して出馬した」ということを、真っ先に教えてくれている。ジョー・バイデンによる、ウクライナ人を大砲の餌食(えじき)にした、ロシアに対するアメリカの残酷な代理戦争に反対して、出馬したのである。

彼は、父親が、勝つ見込みがほとんどない、負ける可能性が高いと思われていたことを、私たちに思い出させる。しかし、RFK(ロバート・ケネディ)シニアは、暗殺された1968年6月6日には、カリフォルニア州の都市部と、サウスダコタ州の農村部の予備選挙で勝利していたのだ。

つまり、ロバート・ケネディの息子も、自分の立候補を軽んじてはいけないと、訴えているのだ。

RFK Jr.(ロバート・ケネディJr.)は、出馬の発表前から、バイデン支持者の間で14%の支持を受けていた。また、民主党の44%近くが、バイデン以外の候補者を望んでおり、2024年にバイデンが出馬することを望むのは25%に過ぎない。

全2時間の演説は、多くの意味で印象的であった。演説のビデオはここで見られる。トランスクリプト(演説の文字起こし)はここで読める。

ケネディは、用意されたテキストを読んではいなかった。しかしながら、演説の内容は、注意深く要点がまとめられていた。その演説は、新鮮で、肩ひじを張らない雰囲気であった。そして、じっくりと耳を傾けるに値するものであった。

この演説のポイントの多くは、RFK Jr. の選挙サイト「Kennedy 2024.com」の「Peace(ピース、平和)」のセクションに、次のようにまとめられている:

「(アメリカの)国防関連の支出は、年間1兆ドル近くある。我々は世界中に800もの軍事基地を維持している。ベルリンの壁が崩壊した後にもたらされるはずだった平和の配当は、償還されることはなかった。今、私たちにはもう一度チャンスがある」

「大統領として、私、ロバート・F・ケネディ・ジュニアは、帝国を解散させるプロセスを開始します。私たちは、軍隊を帰還させます。次から次へと起こる戦争のために、返済不可能な負債を積み重ねることを終わらせます」

軍隊は、国を守るという本来の役割に戻ります。代理戦争、空爆作戦、秘密工作、クーデター、非合法の軍事組織など、あまりにも普通になってしまった、ほとんどの人が気づいていないような、あらゆることを終わらせます。これらは、いまでも続けられています。私たちの力を絶えず消耗させています。今こそ故郷に帰り、この国を取り戻す時です

戦争好きな帝国が、自らの意志で武装解除するとき、それは世界中の平和のひな形(見本)となる。私たちが自発的に帝国を手放し、代わりに強く健康な国として平和に奉仕するのは、今からでも遅くはない」

そして、ウクライナについて:

「ウクライナでは、最も重要な優先事項は、ロシアの残忍な侵略の犠牲者であるウクライナ人の苦しみを終わらせることだ。ウクライナ人は、少なくとも2014年までさかのぼる、アメリカによる地政学的な策謀(machinations、マキネイションズ)の犠牲者でもあるのだ」

「私たちは、私たちの使命を明確にしなければならない。勇敢なウクライナ人が、自分たちの主権を守るのを助けることなのか。それとも、ウクライナを、ロシアを弱体化させるための駒(ポーン)として利用することなのか。
ロバート・F・ケネディは、前者を選ぶだろう。彼は、ウクライナに平和をもたらし、我々の資源を本来あるべき場所に戻すための、外交的な解決策を見出すだろう」

「私たちは、ロシアの国境から、我々の軍隊と核搭載ミサイルを撤退させることを提案する。そうすれば、ロシアはウクライナから軍隊を撤退させ、ウクライナの自由と独立を保証するだろう。国連平和維持軍は、ロシア語を話す東部地域の平和を保証するのである」

「私たちは、この戦争に終止符を打つ。私たちは、ウクライナの人々の苦しみに終止符を打つ。それは、すべての国を非武装化するという、より広大な計画の始まりとなる」

私たちは世界を、敵・味方という観点から見ることを止めなければならない。ジョン・クインシー・アダムズが書いたように、『アメリカ人は(わざわざ)外国まで行って、退治するべき怪物を探したりはしない』」

これらは、強い言葉であり現実の問題である。「帝国」「代理戦争」「クーデター」「2014年に遡る地政学的な(アメリカの)策謀」といった課題は、主流メディアでは婉曲(えんきょく)に表現されるか、あるいは、全く触れられない。醜(みにく)い帝国の事実ばかりである。

だから、このロバート・ケネディJr. の立候補は、主流メディアがやったように、意図的に無視したり、mRNAワクチンが良いか悪いかという議論や、立候補をめぐるケネディ家の内輪もめの話だけに矮小化(わいしょうか)させることはできない。

例えば、帝国主義体制の代表格であるニューヨーク・タイムズ紙は、その短い裏面記事の中にさえも、いまのアメリカ人に頭をもたげている(ロシアという)核保有国との戦争について、全く触れようとはしない。

RFK Jr.(ロバート・ケネディJr.)の言葉を、すべて額面通りに受け止めるべきだとは言わない。しかし、民主党の政治支配層(エスタブリッシュメント)やその支持者が皆そろって、ウクライナ戦争に熱中している現状を考えると、彼の立候補を、機会を狙った「日和見(ひよりみ)」と見ることは難しい。

ロバート・ケネディJr.は、中国の「一帯一路構想」を賞賛することまでしている。いっぽうの、アメリカによる終わりのない戦争への支出と、対比させているのだ。これは、控えめに言っても、アメリカの政治権力者・支配階級(エスタブリッシュメント)にとっては「タブー」である。

RFK Jr.(ロバート・ケネディJr.)の立候補は、他の候補者たちと同様に懐疑的に扱われるべきではある。しかし、冷遇や冷笑されるべきものではない。彼の演説は、敬意をもって聴かれるべきものである。


【原文】

●”RFK Jr takes strong anti-war, anti-empire stance Kennedy’s candidacy for US president is not to be ignored when it comes to peace”
By JOHN WALSH

ASIA TIMES APRIL 25, 2023
https://asiatimes.com/2023/04/rfk-jr-takes-strong-anti-war-anti-empire-stance/


(和訳して転載終わり)


一会員(一弟子)拝
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[3557]ロバート・ケネディJr(ジュニア)の 2024年 大統領選 出馬表明の 演説動画を紹介します。【前編】
投稿者:一会員(一弟子)
投稿日:2023-06-01 04:15:29  

一会員(一弟子)です。今日は、2023年6月1日(木)です。

副島先生が、ひとつ前の書き込みで取り上げたとおり、ロバート・ケネディJr.(ジュニア)が、大統領へ立候補する表明演説をボストンで行いました。今年2023年4月19日でした。

演説会場でのロバート・F・ケネディ・ジュニア

私は、このときの演説の様子を、そのまま放映する動画サイトを見つけました。以下は、このおよそ1時間50分の演説の動画を見て、私がその中で、重要だと思うポイントをまとめました。走り書きのメモです。
とくに、副島先生が衝撃を受けた、「世界に800ある米軍基地をすべて閉鎖する」という公約の演説を、ロバート・ケネディJr本人が、直(じか)に語りかける姿を見たいと思いました。だから、その部分の演説を中心に書き出しました。

ロバート・ケネディJrは、日本のメディアでは露出を抑(おさ)えられてきました。今でも日本では、ほとんど報道されません。
しかし、ロバート・ケネディJr(ジュニア)こそが、アメリカの真の「反体制派のリベラル」の中心人物です。反体制派(はんたいせいは)というのは、「アンチ(アンタイ)・エスタブリッシュメント(anti-establishment)」と言って、日本語にもなっています。

ロバート・ケネディJrは、「環境問題」と「消費者保護」が専門の弁護士として、ずっと仕事をしてきました。政治家ではありません。アメリカでは、「グリーン(Green)」と呼ばれます。「緑の党=グリーン・パーティ」というアメリカの第三政党と活動してきたからです。しかし、このときの「グリーン・パーティ(緑の党)」は、いまの欧米のネオナチ系の緑の党とは別物です。この元祖の「緑の党」から乗っ取られ、分離しています。

ロバート・ケネディJrは、古くからの環境(公害)弁護士の重鎮(じゅうちん)である「ラフル・ネーダー派」の、消費者保護運動の活動家たちと、一緒に動いてきました。

ラルフ・ネイダー(1934年~、89歳)とロバート・ケネディJr(1954年~、69歳)たちは、大企業との裁判をずっと闘ってきた。
ラルフ・ネイダーは、アメリカの消費者保護運動、環境活動家たちの「精神的指導者」であり、「アメリカ消費者運動のヒーロー」であると、副島先生『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』(講談社α文庫、1999年間刊、原書は1995年に筑摩書房から刊行)の392ページでも、すでに取り上げられていました。

ラルフ・ネーダー

例えば、ロバート・ケネディJrが若い頃つとめていた、カリフォルニアの環境問題専門の弁護士事務所は、モンサント社などの巨大農業企業に対する農薬被害の訴訟で、賠償金3億ドル(約400億円)を企業側に払わせています。あの悪名高い「ラウンドアップ」という除草剤です。

アメリカのリベラル活動家や弁護士たちには、これだけの活力と、高い能力があります。大企業を相手取って闘うという、こうした左派(リベラル、レフテスト)の環境活動家たちは、アメリカで1960年代に誕生しています。
消費者保護、環境保護、一般国民のために、巨大企業を告訴する活動や、大企業と癒着して、利権をむさぼり、国民の消費者被害をかえりみない政府や政治家たちを、次々に告発してきました。

このアメリカ発祥の環境・消費者保護活動の「創業者」が、ラルフ・ネイダーです。そして、その20歳年下の弟子が、ロバート・ケネディJr.です。

日本国内にも、環境評論家や環境・消費者保護派のジャーナリスト、環境・消費者活動家は、たくさんいます。彼らの活動の「原型」「プロトタイプ」が、このアメリカの「元祖」反政府・反大企業の環境活動家、消費者運動、環境保護活動家の、ラルフ・ネイダーであり、ロバート・ケネディJrということです。だから、この二人の名前や業績に触れずに、日本で環境活動家や消費者保護、反ワクチン派、反政府ジャーナリストを名乗ることは、本当はできない。アメリカ「本家」が築き上げた、この闘いの歴史を学ばずには済まない。彼らがこの戦後60年間に成し遂げてきた軌跡と、その実績を知る必要があります。

このロバート・ケネディJr.が、今になって、2024年の米大統領選挙というこの決定的タイミングで、表(おもて)に大きく出てきたことが、世界の歴史が動いていることの証明です。

民主党(デモクラッツ)最大の「反体制派」が、このロバート・ケネディJr.(1954年~、69歳)です。いっぽう、共和党(リパブリカン)の中での最大の「反体制派」が、ドナルド・トランプ元大統領(1946年~、76歳)です。だから、この二人は同格です。そして、どちらも、政治家の出身ではない。

2017年にトランプタワーでトランプと会談した直後のケネディJr.

アメリカ二大政党のそれぞれのなかで、まさにいま現在、「反体制派(アンチ・エスタブリッシュメント)」「民衆派(ポピュリスト)」の大御所として、構えている。共和党内と民主党内の、それぞれの「草の根」の、一般国民の支持者たちから、強力な支持を集めています。

ロバート・ケネディJr.は、JFK(ジョン・F・ケネディ)の実弟であり、ケネディ政権で司法長官をつとめたロバート・ケネディの次男(6人兄弟)です。良く知られるとおり、ケネディ兄弟は、いずれもアメリカの支配層によって殺されています。まさに今、「ディープ・ステイト」世界中に知られるようになった欧米世界の支配権力者たちです。不可解で、謎の多い暗殺事件ということで、いまだに真相が明かされていません。

JFK当選直後の家族写真。JFKの右隣がロバート、椅子に座っているのがテッド

ロバート・ケネディJr.は、現在も精力的に、国民の生活や健康に被害を与える「大企業犯罪」、アメリカ政府による「戦争経済」「軍産複合体」(ミリタリー・インダストリアル・コンプレックス)と「金融資本」による、米政治・経済への組織的な支配に、真正面から、対決し続けています。

アメリカの左派(左翼)=リベラル勢力のなかでも、最も良心的で「戦争反対」をどこまでも突き抜けて貫く、精神的な過激派です。政治思想の全体構図の中では、環境保護派「動物の権利」までも主張する「アニマルライツ派」という最左翼に位置づけられます。(『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』、226ページの図から)

だから、大企業をスポンサーとする大手メディアや、体制派の政治家や知識人たちからは、「陰謀論者」とか「過激主義者(extremist、過激派)」とレッテルを貼られてきました。

しかし、ロバート・ケネディJrは、どこまでも、徹底した庶民派です。自分は、いい家柄のサラブレッドなのに。だから偉い。尊敬を集める。父親のロバートケネディも叔父(おじ)のJ.F.ケネディも、そうだった。
「アメリカの一般国民、中流階級(ミドル・クラス)の繁栄によってこそ、健全な民主政治(デモクラシー)が実現できる」という政治信条が、ケネディの環境・消費者保護活動の骨格にあります。

つまり、リベラル派の、左翼活動家・知識人のなかにいる、強力な「庶民派=ポピュリスト」です。これが、「伝統的リベラル派」(トラディショナル・リベラル、クラシカル・リベラルとも呼ばれる)です。ロバート・ケネディJrが、いまアメリカのリベラルのなかで、ただ一人、これを代表して引っ張っています。

「トラディショナル(伝統的な、元来の、復古的な)・リベラル」というのは、さんざん批判を受けてきた「ネオ・リベラル」に対して、意識的に使われる言葉です。彼ら、伝統的な本流のリベラル政治家たちは、「外国への介入主義・干渉政策」(インターヴェンショニズム)とアメリカの「世界支配主義」(グローバリズム)という、「帝国主義」の覇権政策に強く反対します。

トランプ大統領に代表される、保守派(右派)の「アイソレイショニズム」(国内問題優先主義)とまったく同じことを主張しています。だから、お互い、通じるところがある。

これは、彼らの思想のおおもと、源流が、同じところにあるからです。これが、「アメリカ建国の思想」です。イギリスの貴族党「トーリー党」に対抗した経営者や商人たちの「ホイッグ党」が掲げた、リベラルの思想です。
「リベラル(Liberal )」というのは、個人の権利と自由な経済活動、王権や政府からの権力介入に徹底して対抗する、巨大な政府権力による専制、貴族や官僚機構の強権的な政策、全体主義や国家統制を否定する、「クラシカル・リベラル」の伝統を継ぐ政治思想です。

これに対峙するのが、「グローバリズム」(覇権主義、地球支配主義)です。アメリカが世界中に出ていって、アメリカの価値(ソフトパワー)と世界の警察(ハードパワー)で世界を管理しようと訴える。民主党のヒラリー・クリントンたち狂信的な好戦的「グローバリスト」(世界支配主義者)である「ネオ・リベラル」の左翼たちと、共和党の「ネオ・コン」(ネオ・コンサヴァティヴ)の新保守の勢力です。ここと、大きく対立します。

だから、民主党にとっても、第3政党にも、非常に重要な活動家であり、リベラル派のなかでも貴重な存在です。そして、このように、右派(保守)と左派(リベラル)が同じ主張を唱える部分で、「リバータリアン(Libertarian)」という、第3の政治勢力が生まれた、ということが分かります。

副島先生が30年も前から、アメリカの政治思想研究で書かれてきたとおりです。『世界覇権国アメリカを動かす政治家と知識人たち』(講談社α文庫、1999年間刊)などで暴き出したとおりです。アメリカの民主党・リベラル勢力は、「グローバリスト」の政治家や巨大企業に乗っ取られています。

民主党の左翼・リベラル派の中にありながら、アメリカの企業支配と軍事力によるグローバルパワーで、世界を救済して助けるフリをして、その上で管理しておくべきだ、と考える。これが、「グローバリスト」(地球支配主義者)の勢力です。彼らを、アメリカ政府のなかの「帝国主義者」(インペリアリスト)であると、ロバート・ケネディJrは批判しています。
これが、共和党のなかの「ネオ・コン」(ネオ・コンサヴァティヴ、新保守)勢力とも結びついています。好戦派のヒラリー・クリントンを頂点とする狂った民主党内の「ディープ・ステイト」勢力のことです。

これに対して、本来の、「伝統的なリベラル」(Traditional Liberal)、あるいは「南部民主党」(サザン・デモクラッツ)などの、「庶民派、民衆主義=ポピュリズム」の、元来のリベラル派たちが、ボビー・ケネディJrを、草の根で支えている。
アメリカの世界支配・帝国主義の政治・経済政策や、外国での干渉戦争で、アメリカの一般国民が犠牲(ぎせい)になることに、徹底して反対します。これが、左派の「リバータリアン(Libertarian)」にもつながっています。

それでも、ロバート・ケネディJrも、いっときは、ヒラリー・クリントンやオバマの政治活動で、一緒に動いていました。ここに至る経緯は、2000年に、あの『不都合な真実』というドキュメンタリーや著作を2006年に出して、世界的にヒットしたアル・ゴア(1948年~、75歳)の、2000年の大統領選出馬をサポートしたことが発端です。

アル・ゴアとヒラリー・クリントン

このときに、長年共闘してきた師匠(ししょう)の、環境・消費者保護の社会活動家ラルフ・ネイダーは、民主党ではなくて、第三政党の「緑の党(グリーン・パーティ)」から、アル・ゴアから対抗して出馬しました。このときに、アル・ゴアを支援する側に立ったロバート・ケネディJrは、ラルフ・ネイダーから引き離されています。
しかし、アル・ゴアやヒラリー、オバマたちの実態(本性)を知って、袂(たもと)を分かっています。彼らこそが、まさに巨大企業や軍産複合体と癒着して動いていた。そのための好戦的なタカ派の政策を強行している「張本人」たちだ。だから、近年は、ロバート・ケネディJrは、またラルフ・ネイダーとは仲直りして、良好な関係を維持しています。

ラルフ・ネイダーは、1960年代から、アメリカの大企業たちを相手取って、たくさんの訴訟を仕掛け続けてきた。アメリカの消費者保護運動を、たった一人ではじめた活動家です。
その端緒が、GM(ゼネラル・モータース)でした。1960年から販売したシボレー・コルヴェア(Chevrolet Corvair)という自動車の設計で、安全性に大きな欠陥があることを、百件以上の実際の事故の事例を調査して、GM社に対して、製造・販売の中止と被害者(購入者、消費者)への賠償を求めた。

その時、ラルフ・ネイダーが書いた自著、『Unsafe at Any Speed(「どんなスピードでも自動車は危険だ」、邦訳無し)』(1965年刊行)が、全米でベストセラーになりました。ラルフ・ネイダーは、同書でそのGM車の危険性を具体的で詳細に訴え、全米の注目を集めました。これがその後の、GMによる同車の製造を中止にまで追いやり、アメリカ政府による自動車メーカーへの安全性基準の制定へと動かしました。

こうした、政党や政治家の派閥を飛び越えた、市民、消費者を保護する活動家として、ラルフ・ネイダーは、全米に知られる消費者・環境者保護活動家として、アメリカの戦後時代を、一世風靡(いっせいふうび)しました。だから、ラルフ・ネイダーは、これまでにも、民主党や第3党(ザ・サードパーティ)の新党から、大統領選挙に出馬するよう歎願(たんがん)され、実際に4回、立候補しています。

2000年の共和党のジョージ・W・ブッシュと民主党のアル・ゴアとの大統領選挙対決のときには、民主党候補のアル・ゴアを助けるべきと言われているところを構わず、第3政党から出馬しました。民主党の支持層のなかのアル・ゴアへ行くべき票を、第三党のラルフ・ネイダーが奪い取ってしまった。それで、民主党内から、同志であるはずのアル・ゴアの当選をさまたげた、と批判を受けた。

しかし実際は、ラルフ・ネイダーは、アル・ゴアの環境保護活動が、大企業やNYの金融資本のヒモ付きであるあることを知っていて、嫌っていた。

ラルフ・ネイダーは、このように、アメリカのリベラルの庶民派活動家の、大御所(おおごしょ)の存在です。いまでも、89歳で現役で活動しています。ネイダーの後を継ぐロバート・ケネディJrは、ケネディ家のブランドもあり、米国内では、いまでも根強い人気があります。大物政治家や巨大企業などの既存の権力者に立ち向かい、一般国民を守るポピュリスト(民衆主義者)の活動家として、多くの支持を集めています。

だから、政敵であるはずの共和党のドナルド・トランプが、大統領に当選した2016に、ロバート・ケネディJrは、何と、トランプ政権の「ワクチン安全性特別委員会」(Vaccine Safety Task Force)の議長候補として、トランプから声をかけられています。
実際、2017年の1月10日には、ロバート・ケネディJrはトランプ大統領と会って話しています。そして、一旦は、この役職への就任を引き受けています。ここから、トランプ大統領とのつながりが始まっています。

しかし、反トランプを掲げるハリウッド俳優のロバート・デニーロが、慌てて、翌月の2月に、ロバート・ケネディJrに会っています。そして、反ワクチンのキャンペーンを一緒にやろうと誘い込んだ。ロバート・ケネディJrをトランプから引き離そうと動きました。このため、ロバート・ケネディJrのトランプ政権入りは、実現されていません。

極めつけは、ロバート・ケネディJrが2021年に出版した、『アンソニー・ファウチの真実:ビル・ゲイツ、大手製薬会社、そして民主政治と公衆衛生を巡る世界戦争』(原題:“The Real Anthony Fauci: Bill Gates, Big Pharma, and the Global War on Democracy and Public Health.”、邦訳無し)という衝撃の著作です。

(アマゾンのページ)
https://www.amazon.co.jp/Real-Anthony-Fauci-Democracy-Children’s/dp/1510766804/ref=sr_1_1?adgrpid=134195036145&hvadid=658652248053&hvdev=c&hvqmt=e&hvtargid=kwd-1377028983979&hydadcr=24980_13674066&jp-ad-ap=0&keywords=real+anthony+fauci&qid=1685560604&sr=8-1


この本は、アメリカ本土では、決して陰謀論あつかいはされず、ベストセラーになっています。その緻密で科学的な分析と実態を暴き出したことで、あらゆる方面から、高い評価を受けています。
元FBIの捜査官や、映画『JFK』(1991年)のオリバー・ストーン監督など、多数の有力な人物から、レビュー(review、書評、日本で言えば本の帯の推薦文)を集めています。ニューヨーク・タイムズ紙やウォール・ストリートジャーナル紙、アマゾンでも、ベストセラー書籍となっています。

コロナワクチンの安全性への激しい攻撃と、その裏側にいたアンソニー・ファウチと、ビル・ゲイツを中心とするCDC(米疾病予防管理センター)やダボス会議(世界経済フォーラム)の組織的なワクチン薬害問題を暴いたこのロバート・ケネディJrの本が、はたして、日本で邦訳されて出版されるか。

(前編ここまで)

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