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人口動態統計の死亡増の原因を探る② [mespesado理論]

2021、2022年のインフルエンザがほとんどゼロだった問題についての考察がありがたい。

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492 名前:mespesado 2022/11/06 (Sun) 11:41:07
https://bbs6.fc2.com//bbs/img/_409100/409098/full/409098_1667702467.png
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>>490
 超過死亡の割合を、年齢別と月別のクロス集計したものを、今度は月別に集計してみましょう。その結果が、添付画像の左半分の上段(男性)と下段(女性)の2つのグラフです。
 一目瞭然、5月と9月にキレイに山のあるグラフになっています。では、この5月と9月とは何ぞや、ということになるのですが、それを考えるために、添付画像の右半分に掲載したのが新型コロナの「感染者数」(上段)と新型コロナによる「死亡者数」(中段)と「重症者数」(下段)のグラフです。なお、感染者数だけ2021年に限定したのは、他と同じく2022年まで伸ばすと2021年の第③波~第⑤波までが相対的に低くなり過ぎて、見難くなってしまうからです(ちなみに中段と下段では、今問題にしている2021年の部分を赤の破線で囲っておきました)。
 この比較によってわかることは、超過死亡の5月と9月の山が、キレイに新型コロナの山である第④波と第⑤波に、それぞれ一致していることです。ということは、超過死亡率2%の原因はやはり新型コロナの蔓延だったのか、ということになりますし、結論を先回りして言えば結果的にそうなのですが、ここで2つの疑問点が浮上すると思います。その一つ目は、政府が新型コロナによる死者数として公表している数値(添付画像右側中段のグラフのもとになったデータですね)が、超過死亡率に人口を乗じて算出した超過死亡者数と比べて少なすぎること(具体的な数値の比較は後の議論で出て来ます)です。しかも政府発表のコロナ死者について、2020年6月18日に発出された厚労省の通達↓
https://www.mhlw.go.jp/content/000641629.pdf

によると、
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○ 新型コロナウイルス感染症を原死因とした死亡数については、人口動態
調査の「死亡票」を集計して死因別の死亡数を把握することになりますが、
死因選択や精査に一定の時間がかかります。

○ 厚生労働省としては、可能な範囲で速やかに死亡者数を把握する観点
ら、感染症法に基づく報告による新型コロナウイルス感染症の陽性者であっ
て、亡くなった方を集計して公表する取扱いとしています。

○ したがって、事務連絡中の「新型コロナウイルス感染症患者が死亡した
とき」については、厳密な死因を問いません。新型コロナウイルス感染症の
陽性者であって、入院中や療養中に亡くなった方については、都道府県等に
おいて公表するとともに、厚生労働省への報告を行うようお願いいたします。
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とのことなので、どんな死亡でもPCR検査をして陽性だったらコロナ死者として報告されている、例えば交通事故で死んでもPCR陽性ならコロナ死者にされてしまうんだ、だから政府発表のコロナ死者は水増しされて過大評価されているんだ、という疑惑まであるくらいですから、その過大評価された死亡者数すら大幅に上回る超過死亡が新型コロナによる死亡増だとは考えにくい、むしろ2020年には無く2021年にあるものと言えば、それはワ〇チ〇だ。だから、超過死亡者数のうち、新型コロナ死者を差し引いたものはワ〇チ〇の死者なんだ、というのが、いわゆる反ワ〇界隈の「定説」になっているわけですね。この問題については後で扱いますが、まず厚労省の通達に関しては、例によって推進派(?)からそれはデマだという意見が出ています。例えばこれ↓
https://news.yahoo.co.jp/byline/otsushuichi/20210528-00239905

 しかし、交通事故で明らかに関係ない場合はカウントされていないよ、とか故意にコロナが原因でないと知っててウソをつくのは罰せられるよ、というだけのことであり、このような通達が出ている以上、過大評価の方向にバイアスがかかってしまうことまで否定した論考であるとは読めませんでした。まあ、それはともかくとして、そもそも政府発表のコロナによる死亡は、建て付け上も「新型コロナによる直接死者数」です。これと超過死亡に乖離があったとして、その乖離部分が新型コロナと無関係(例えばワ〇チ〇死)だという反ワ〇界隈もこれまた極論で、「新型コロナを『間接』死因とする死亡者」のことを考慮に入れていないのは不合理です。
 第一の疑問点の論評が長くなってしまいましたのでこの辺で打ち止めとし、次の疑問点に移ることにします。その第2の疑問点とは、添付画像左側のグラフの「山」ではなくて「谷」の方についてです。確かに5月と9月の山は、新型コロナの第④波と第⑤波に対応していますが、それでは同じ2021年の年初にあった1~2月頃の第③波はどうなったのでしょうか。超過死亡のグラフで見ると、そこは山どころか、逆に谷になっています。しかも超過死亡ではなく、パーセンテージは100を切って、逆に過少死亡!なぜ、どうして?これが2番目の疑問点です。実は1番目の疑問点は2番目の疑問点を探る中でいろいろわかってくることもあるので、まず2番目の疑問点の方から考察してみることにしましょう。                              (続く)

494 名前:mespesado 2022/11/06 (Sun) 13:43:52
https://bbs6.fc2.com//bbs/img/_409100/409098/full/409098_1667709832.png
m494.jpg
>>492
 新型コロナの第③波にあたるはずの期間の超過死亡のマイナス。その期間というのは1月から3月、いわゆる風邪の季節です。そこで、このマイナスの謎を調べるため、人口動態統計の死亡統計の詳細版である死因別の統計を見てみることにしました。その結果を主な死因について月別にグラフにしたものが添付画像の左側上下のグラフです。
 グチャグチャ沢山の折れ線グラフが重なって見難いですが、特に謎の1月~3月のところに注目すると、全死因に対する超過死亡のマイナスと同じく1月~3月のところだけ超過死亡がマイナスになっている死因がいくつかあります。その一番顕著なもの、すなわち一番谷が深いのが「肺炎」です。次に顕著なのは「心不全」ですが、心臓と言えば、肺に囲まれている。つまり肺がやられたことによる副次的な死因と考えられますが、肺炎といえば、風邪をこじらせたもの、それも普通の風邪ではなく、インフルエンザではないか…、ということでインフルエンザについて、その流行状況を示す「インフルエンザの報告件数」を、過去10年分について週次でプロットした折れ線グラフを重ねたものが右側のグラフです。
 これを眺めると、確かにインフルの流行は冬に限定と言われるように、その報告件数は1月から3月にほぼ限定されています。そして、2018年と2019年に大きな流行があったことがわかります。そして、新型コロナの流行が始まった2020年は?ということで見ると、2018~2019年の流行の山の3分の1くらいのところに2020年のグラフがあります。そして、2021年は…と見ていくと、あれれ?見つからないよ?ということで次の2022年を見ると、何と!横軸にへばりついています!つまり完全にゼロ!そこで、この2022年のグラフを、この資料が公開された10月中旬の第41週のところまで追っ駆けていくと、そこで2022年のグラフは終わっていて、その右側には2021年のグラフが顔を出してきて、やはり横軸に張り付いています。そうなんです!2021年も、2022年と同様に横軸に張り付いていて、インフルエンザの流行は完全にゼロだったんですね。「完全にゼロなんて、そんなバカなことがあるかい!これはきっとコロナの大騒ぎで医者が、患者に熱があれば全部コロナだと報告してしまったせいで本当はインフルだったものがすべてコロナとしてカウントされ、インフルの報告だけが無くなってしまったんだろう」なんて書いている医者がいましたが、随分と他の医者をバカにした話です。インフルと言えば、毎年インフルを直接の死因とする死者が数千人だけれども重篤化して肺炎になってから死亡する「直接死因はインフルではないが、インフルを原因とする肺炎で死亡する人」が約1万人いると推計されていることが厚労省のQ&Aにも載っています↓
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/02.html
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Q10.通常の季節性インフルエンザでは、感染者数と死亡者数はどのくらいで
  すか。

例年のインフルエンザの感染者数は、国内で推定約1000万人いると言われて
います。
国内の2000年以降の死因別死亡者数では、年間でインフルエンザによる死亡
数は214(2001年)~1818(2005年)人です。
また、直接的及び間接的にインフルエンザの流行によって生じた死亡を推計
する超過死亡概念というものがあり、この推計によりインフルエンザによる
年間死亡者数は、世界で約25~50万人、日本で約1万人と推計されています。
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 そして、現実の厚労省の人口動態統計の死因統計でも、添付画像の左側のグラフで見たように、2021年は、実際に例年のインフルエンザ流行時の「肺炎」による死亡が激減しているのですから、やはり国立感染症研究所の統計どおり、インフルエンザの流行がほぼゼロになっているのは間違いないと思います。
 それでは、なぜインフルがこの2年間はゼロになってしまったのでしょうか?もちろんうがい手洗いの励行などの感染対策の徹底の効果もあるかもしれませんが、いくら日本人がルールを徹底して守る国民性があるからって、それだけでここまでキレイにゼロになるということは常識で考えられません。かわりに今のところ、最も納得できる理由となるのが、ウイルス学の世界で有名な「ウイルス干渉」という現象です↓
コロナとインフルエンザのウイルス干渉について
https://www.lireclinic.com/column/%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%81%A8%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%83%AB%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%81%AE%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E5%B9%B2%E6%B8%89%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/#:~:text=%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82-,%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E5%B9%B2%E6%B8%89%E3%81%A8%E3%81%AF,%E3%81%84%E3%82%8B%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
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ウイルス干渉とは、あるウイルスが流行すると他のウイルスが流行しないというものです。ウイルス同士で宿主の奪い合いをして勝ち負けが出ているような状況です。

ウイルス干渉のメカニズム

メカニズムとしては、あるウイルスに感染するとそれに対する免疫応答が起こり、他のウイルスに感染しづらくなる、とされています。
これが個人レベルで起こり、ヒトヒト感染により集団レベルでも起こります。
具体例として夏場にはRSウイルスが流行し、冬場になるとインフルエンザが流行します。
ウイルス干渉が起きて同時流行とはならない1例です。

ウイルス干渉の論文
ウイルス干渉に関する論文もあります。
Interference between rhinovirus and influenza A virus: a clinical
data analysis and experimental infection study

https://www.thelancet.com/journals/lanmic/article/PIIS2666-5247(20)30114-2/fulltext

風邪の人にPCRを行ってライノウイルスを同定するという中々壮大な研究です。
結果は、いわゆる風邪の原因のライノウイルスは年中流行しているけれど、
冬場に感染者数が減りその時期にインフルエンザが流行すると報告されてい
ます。
また重感染(ライノ+インフルエンザ)は理論値よりかなり低くウイルス干
渉を支持する結果になっています。
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 さて、ここでちょっと脱線気味になりますが、いわゆる「医クラ」として悪名高いワ〇チ〇推進派の忽那さんが、季節が日本と半年ずれるオーストラリアで今年の5月~6月の冬にインフルと新型コロナの同時流行が生じた事実をもとに、日本でも、今冬は今までの2年間のようなウイルス干渉が成立せず、新型コロナとインフルエンザのダブル流行があるかもしれない、と警告を鳴らしている記事を書いています↓

新型コロナとインフルエンザ
2つ同時に感染しうるのか?同時感染すれば重症化しやすいのか?
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20221029-00320655

 忽那さんは、この記事の中で、私の添付画像で貼り付けた日本のインフル報告数と同じようなオーストラリアにおけるインフルの報告者数のグラフを掲載して、次のように述べています↓
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今年の5月から6月にかけて南半球のオーストラリアで新型コロナ発生以降初
めてのインフルエンザの流行がみられました。

この時期、オーストラリアでは1日あたり2万~6万人の新型コロナの感染者
が報告されており、まさに同時流行が起こっています。

つまり、新型コロナとインフルエンザのウイルス干渉により同時流行は起こ
りにくい、という期待は現時点では楽観的すぎるかもしれません。

新型コロナが出現してからの数年間、ほとんどの地域でインフルエンザが全
く流行しなかったのは、新型コロナの感染対策が徹底して行われたこと、海
外からのウイルスの流入が激減したことなどが原因であり、感染対策も緩和
が進み、海外からの旅行者が急増している今シーズンは同時流行の可能性は
低くないと考えられます。
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 オーストラリアは南半球なので5月から6月は冬に当たりますが、今年の冬はインフルと新型コロナの同時流行が見られ、ウイルス干渉が機能しなかった、だから半年遅れで冬を迎える日本も、今冬はインフルと新型コロナが同時流行するかもよ、と言っているわけですね。しかし、上の引用箇所の最終段落が何か変です。つまり、今まで日本でもそうですが、新型コロナ流行時にインフルが流行らなかったのは、ウイルス干渉のおかげではなく、(うがい手洗いなどの)感染対策が奏功したからだ、と主張しています。しかし、上で私も書いたように、感染対策を徹底した程度でインフルエンザが完全にゼロになるということは常識では考え難く、それは忽那さんもわかっているのでしょう。この忽那さんの記事をよく読むと、ウイルス干渉のことを解説してはいますが、この記事のどこにも「新型コロナの流行時にインフルの感染が完全にゼロになっていた」という趣旨のことは書いていません。しかもそこに掲げているオーストラリアのインフル報告数のグラフを眺めてみて下さい。今年、2022年の冬5月~6月の流行が赤の太いグラフで目立つように書かれ、その右の方に淡い紫と緑の破線で過去のインフルの報告数のグラフが、少し山の位置がずれて2つ並んでいます。これをボーっと眺めると、何となく「過去にも今年と同じくインフルが流行した年があって、ウイルス干渉によっても完全にゼロにならなかったんだなぁ」なんて思ってしまいそうになりますが、このグラフをよ~く眺めると、淡い紫の破線は2019年、淡い緑の破線は2017年、そしてこれらより低いところにある淡いオレンジの破線が2018年のインフル報告数です。あれれ?どれも新型コロナの流行前じゃないか?新型コロナが流行した2020年と2021年のグラフはどこにあるのかな?と思って目を皿にしてよ~く見ると、グラフの横軸が何となく破線と実線が混ざったように見えるではないですか?そうなんです!このグラフでも2020年と2021年のグラフは横軸にへばりついているんです!そして、その痕跡が1月から3月のところにわずかに横軸から離れて見える2020年のグラフの一部なんですね。やはり、オーストラリアでも新型コロナが流行してからの2年間は、インフルの流行が完全にゼロになっていたんですね。ここにどうも忽那さんの「意図的なウイルス干渉の完全さを隠そうとする意志」を感じざるを得ません。忽那さんにとって、ウイルス干渉がこの2年間、完全に効いていた、という事実は「不都合な事実」なのではないでしょうか。なぜなら、ウイルス干渉がそこまで完全にインフルの駆逐に効果を挙げていたという事実がバレてしまうと、じゃあ2022年のオーストラリアでウイルス干渉が奏功しなかったのはなぜか、という疑問が人々の間に生じるからです。つまり「ワ○チ〇の打ち過ぎで(抗原原罪などのメカニズムによって)ウイルス干渉が効かなくなる程までに人間が持つ自然免疫が破壊されてしまった」という論理的にも必然の結果が導かれることがワ〇チ〇推進派にとって非常に不都合だからなのではないか、と勘繰れるわけです。
 ちょっと本連載の趣旨とは脱線してしまいましたが、忽那さんが掲げてくれたグラフのおかげで、新型コロナとのウイルス干渉によりインフルの流行が完全に抑えられたのは日本だけではなくオーストラリアも同じである。うがい手洗いの励行でインフルが抑えられたという日本人のルール順守の国民性に依存した説明は、このオーストラリアの例によっても無理があることがわかる(オーストラリア人には失礼な物言いかも知れませんが、日本人のような徹底したルール順守の国民性があるとは聞いたことが無いですよね)、というわけです。                             (続く)

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