「統一教会まるごと悪」は思想弾圧への常套 [安倍元総理暗殺]
私が敬愛するしっかりした社会的地位もある方が明らかに統一教会シンパだった。ご家族は「困った事だ」と思っておられるような雰囲気を私なりに感じ取っていた。私の中では「統一教会」と言うと、学生時代の禍々しいイメージの「原理研究会」を思い出す。親しく何でも話せる方だったが、統一教会そのものを話題にする事は私も避けていた。その方は女性なのだが、けっこう物事を理詰めで考える方だった。考えることにおいて真面目だった。真面目に迫られてどんどん袋小路に入り込んでしまった、そんな気がしていた。
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統一教会の幹部的地位にあるという人も知っている。真面目ないい人だ。ただ家の跡継ぎにと期待をかけていた家族が被らねばならなかったご苦労については、思うだに辛い。
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この際故人なので名前をあげれば、高橋正二先生は勝共連合として活動しておられた。それゆえ距離をおいたこともあったが、私にとってかけがえのない大事な方だった。→「訃報 高橋正二先生」https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2008-06-18 数日前「長井高校100周年記念誌」に登場しておられるのを見てうれしい思いをしたところだった。
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そんなこんなもあって、安倍元総理暗殺真相解明から目をそらさせるかのような統一教会バッシングに異様さを思うようになっていたところで、スプートニクの記事に出会った。統一教会の存在理由が理解できる。「統一教会まるごと悪」とする論調こそ危険極まりない。宗教弾圧、思想弾圧の常套だ。
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日本の統一教会 韓国の宗教学者の見解
2022年7月29日, 22:28 (更新: 2022年8月1日, 18:47)
安倍晋三元首相の悲劇的な死によって再び注目を集めた統一教会。この宗教団体の影響力が程度の差こそあれ、日本の権力層に及んでいるというニュースが日本国内で増えている。スプートニクは韓国の専門家に取材し、統一教会の戦略、権力層への潜入法、日本など近隣諸国での活動状況について尋ねた。
統一教会 いかに伸長したか
韓国の宗教の自由研究所のペ・ビョンチホル事務局長は、統一教会の文鮮明代表は朴正熙政権時に大統領との直接的な会談を行うことで政府との関係を構築し、朴大統領が切に実現を望んだプロジェクトに投資していたと語っている。
「文鮮明氏はキリスト教徒ではあったが、彼が関心を持ったのは抽象的な宗教ではなく、祖国の分断を克服し、統一を実現する実践的なキリスト教だった。このため、統一教会の主な原則として、信者には企業が国家統一の基盤を作るという理由で、企業設立の必要性を説いてきた」
文鮮明氏は多くの企業を設立。大方の社員は信者で、文氏はビジネスと宗教の両立は当然のことと考えていた。中には、統一教会の信者になれば、いい会社にすぐ就職できると考え、統一教会に入信する者もいたほど、統一教会の企業は大成功を収めている。
「最初はキリスト教の主な宗派は統一教会を偽の宗教団体ととらえ、根拠のない、侮辱的な噂を流した。『信者の女性は文鮮明と床を共にしなければならない』とは、最もよく聞かれた噂だった」
一般的には、統一教会の戦略は、韓国人社会全体に影響を与えることであり、これには海外に在住し、南北統一という共通の利害で結ばれている韓国人も含まれた。このため、北朝鮮寄りの同胞組織の「在日本朝鮮人総聯合会」と韓国の「在日本大韓民国民団(民団)」が共存する日本でも、自然に拡大を図った。その際、教会への忠誠を促す一つの方法として、集団結婚式が利用された。韓国人と日本人の数百組の若い信者らが結婚式を行い、その結婚生活のスタートを統一教会が経済的に援助して整えた。
日本の戦法は韓国には秘密
ペ氏は、日本に関して言うと、日韓両国民が公的行事で集団結婚を祝うことは両国の社会に大きな印象を与えたと指摘している。
「日韓関係に関するテーマを政治家らが内政の目的で悪用することに疲れを覚える韓国人と日本人が統一教会に入信し、婚姻を結び、国家の意見の相違を乗り越えて、共同生活を始めた。別の分野でも統一教会は、一種、日韓の軋轢を円滑にする役割を演じた」
日本では、統一教会が高官らに献金し、日本の政治に影響を与えていたことは、韓国ではほとんど知られていなかった。ペ氏も、教会の影響力が日本の政治体制に及んでいるというニュースにショックを受けたと語っている。
「韓国では国家プロジェクトの実現のための政治献金は先生的な権力を持ち、無条件で秘密順守を保障する大統領と直接にコンタクトをとって提供されてきた。個々の政治家へ献金を行う必要性は一切なかった。統一教会が、キリスト教が浸透することができなかった、数少ない国に数えられる東南アジアと日本に根を下ろすことができたのは、非常に驚くべきことだ。なぜなら日本の生活の中の宗教は大方が神道で、仏教に近いものだからだ」
教会とビジネス
ペ氏は、統一教会は韓国では信徒政策の一環として、重機製造、不動産開発、食品産業、メディアなどの分野で多くの事業を立ち上げ、経営には大企業があたっていると指摘する。
これらの企業は、韓国政府が推進する北朝鮮でのさまざまな(経済)プロジェクトで重要な役割を担っていた。北朝鮮の政権もそれをよく理解していた。米国籍を持つ文鮮明一家の家族が北朝鮮を訪問した際には、VIP待遇を受けたことが知られている。例えば、世界日報は地域社会から完全に独立したメディアとして発展してきたが、社会問題を執拗に取り上げるという強い伝統があり、今でも高い評価を受けている。創刊当初は、巨費を投じて報道陣の調査チームを立ち上げ、独占取材を重ねることで中央メディアからの信頼を得ていった。
「統一教会と関係する企業が宗教とは一切関係のない活動を行った。もちろん全ての構造の最高レベルは教会に非常に忠実な仕事に従事し、教会の共同体に利益をもたらす活動が行われてきたが、外見的には『統一教会と関連する企業』というイメージは全くなかった」
したがって、ペ氏は、ビジネスに焦点を据えた宗教団体というより、ビジネス活動を、現実の世界で宗教的生活を営む上で重要な基盤と考えるカルヴァン派的な宗教と言った方が正しいと語る。これらの企業は、統一に貢献する事業に惜しみない支援と投資を行っていると評価されており、韓国社会に特徴的な刻印を残している。そして、このことは、文鮮明会長が統一教会を設立した最大の理由と動機と密接に関係している。
「文鮮明の哲学が反映されたシステムとも言える。死後の世界に目標を定めた理想主義的な宗教ではない。日本の占領から解放後の生活が非常に困難だった時代に、大衆の救済を考えた文牧師の思惟から生まれた宗教だ。北朝鮮も同様で、北朝鮮は困難を味わっているから、同胞が率先して助けなければならない。そして、そのプロセスの最終地点が統一であるべきだというわけだ」
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