mespesadoさん講義(117)「財政規律」派 vs「財政拡大」派 [mespesado理論]
7月14日の自民党政調全体会議では、「財政規律」派 vs「財政拡大」派の間で議論が交わされました。そこから浮かび上がった参加議員の色分けがあります。https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12611707950.html
◎「財政規律」派
・衆議院議員
稲田 朋美 (福井1区)石﨑 徹 (新潟1区/元財務官僚)井林 辰憲 (静岡2区)大岡 敏孝(滋賀1区) 岡下 昌平 (大阪17区)宗清 皇一 (大阪13区)
・参議院議員
滝波 宏文 (福井/元財務官僚)松川 るい (大阪)
◎「財政拡大」派
・衆議院議員
山本 幸三(福岡10区)城内 実(静岡7区)安藤 裕(京都6区)中村 裕之(北海道4区)石川 昭政 (茨城5区)藤丸 敏(福岡7区)
・参議院議員
舞立 昇治(鳥取)足立 敏之(全国比例)
・衆議院議員
稲田 朋美 (福井1区)石﨑 徹 (新潟1区/元財務官僚)井林 辰憲 (静岡2区)大岡 敏孝(滋賀1区) 岡下 昌平 (大阪17区)宗清 皇一 (大阪13区)
・参議院議員
滝波 宏文 (福井/元財務官僚)松川 るい (大阪)
◎「財政拡大」派
・衆議院議員
山本 幸三(福岡10区)城内 実(静岡7区)安藤 裕(京都6区)中村 裕之(北海道4区)石川 昭政 (茨城5区)藤丸 敏(福岡7区)
・参議院議員
舞立 昇治(鳥取)足立 敏之(全国比例)
「財政規律」派の代表格が安倍総理とも近い稲田朋美議員。8月3日稲田議員が首相執務室で総理に対して、基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の目標年次を 骨太の方針に明記しなかったのに不満を示したとの日経記事、そこからmespesadoさんは「緊縮財政の是非」についてのふたりの本音を診断します。日本の行く末を考える時の判断の分かれ目がここにあると私は考えます。「財政規律」派は日本を暗くし、「財政拡大」派が日本を明るくします。
* * * * *
702 名前:mespesado 2020/08/25 (Tue) 08:57:58
最長の先 陰る1強(2) 消えた「アベノミクス」 首相、会見で言及せず
「経済最優先」目算狂う
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62989550U0A820C2PP8000/
> 「そんなの無理だよ」。3日、安倍晋三首相は官邸の執務室を訪れた稲田
> 朋美幹事長代行に伝えた。
>
> 稲田氏は基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の目標年次を
> 骨太の方針に明記しなかったのに不満を示した。
>
> 首相が2年前に決めた2025年度の黒字達成の目算は新型コロナウイルスで
> 狂う。対策で国債の追加発行は100兆円に迫る。
>
> 「緊縮できない」
>
> 「いま緊縮財政はできない。理論的な正しさと政治的な選択は違う」…
↑この記事に対する例のリフレ女子さんのツイート↓
https://twitter.com/antitaxhike/status/1297997457544982528
リフレ女子@antitaxhike
> 安倍首相「いま緊縮財政はできない。理論的な正しさと政治的な選択は
> 違う」
>
> そもそも、デフレ下での緊縮財政は理論的にも正しくない。それなのに
> 未だPB黒字を重視する稲田朋美氏のような人は、国民の生活や国の将来
> を犠牲にして、いったい何を守ろうというのだろう。
確かにこの安倍首相の発言の中の「理論的には正しい」という部分は、リフレ女子さんの言うように学問的事実としては間違いなんだけど、この有料記事のわずかな無料部分からでもいろんなことがわかる。
まず、安倍さんが今まで観察したとおり、「理論はともかく現実にどういう影響があるか」の方を重んじるプラグマチスト(現実主義者)である、ということ。政治家、特に大臣以上、とりわけ首相レベルでは必須の条件だ。
それから稲田氏が緊縮財政を単にポジショントークで発言したのか、それとも「本気で正しいと思って」発言したのか。これは後者だと思われる。その証拠が安倍さんの「そんなの無理だよ」という発言。もし稲田発言がポジショントークだったら、それを受けた安倍さんの方は「意見は伺っておきます」的な冷静な対応になるはず。それが「脊髄反射」的な言い方で「そんなの~だよ」と返したのは、相手が本気でなければ生じない反応だからだ。
それからもう一つ。安倍さんが緊縮財政の非についてどこまで理解しているか。もし「税金は財源ではない」「国債は借金ではなく通貨発行」という理解をしているなら「理論的には正しい」という返し方はしないだろう。なぜならリフレ女子さんの言うように理論的に間違いだからだ。だが、それでは安倍さんが緊縮脳かと言えば、それは無い。でなきゃ、政権当初の異次元緩和や今回の10万円給付などしたはずがないからだ。これはやはり、高橋さんをブレーンに起用していたことからもわかるように、リフレ派的主張、つまりあくまで(実際は誤りな)「貨幣のプール論」に依拠したまま、デフレの時期には積極財政に転換した方が財政的に合理的だ、という考え方なのではないかと思われる。完全なMMT的考え方でないのは残念な気がするが、それでもポスト安倍候補の面々や筆頭野党の党首が全くの緊縮財政派であることに比べたら全然問題ないレベルであろう。
最長の先 陰る1強(2) 消えた「アベノミクス」 首相、会見で言及せず
「経済最優先」目算狂う
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO62989550U0A820C2PP8000/
> 「そんなの無理だよ」。3日、安倍晋三首相は官邸の執務室を訪れた稲田
> 朋美幹事長代行に伝えた。
>
> 稲田氏は基礎的財政収支(プライマリーバランス)黒字化の目標年次を
> 骨太の方針に明記しなかったのに不満を示した。
>
> 首相が2年前に決めた2025年度の黒字達成の目算は新型コロナウイルスで
> 狂う。対策で国債の追加発行は100兆円に迫る。
>
> 「緊縮できない」
>
> 「いま緊縮財政はできない。理論的な正しさと政治的な選択は違う」…
↑この記事に対する例のリフレ女子さんのツイート↓
https://twitter.com/antitaxhike/status/1297997457544982528
リフレ女子@antitaxhike
> 安倍首相「いま緊縮財政はできない。理論的な正しさと政治的な選択は
> 違う」
>
> そもそも、デフレ下での緊縮財政は理論的にも正しくない。それなのに
> 未だPB黒字を重視する稲田朋美氏のような人は、国民の生活や国の将来
> を犠牲にして、いったい何を守ろうというのだろう。
確かにこの安倍首相の発言の中の「理論的には正しい」という部分は、リフレ女子さんの言うように学問的事実としては間違いなんだけど、この有料記事のわずかな無料部分からでもいろんなことがわかる。
まず、安倍さんが今まで観察したとおり、「理論はともかく現実にどういう影響があるか」の方を重んじるプラグマチスト(現実主義者)である、ということ。政治家、特に大臣以上、とりわけ首相レベルでは必須の条件だ。
それから稲田氏が緊縮財政を単にポジショントークで発言したのか、それとも「本気で正しいと思って」発言したのか。これは後者だと思われる。その証拠が安倍さんの「そんなの無理だよ」という発言。もし稲田発言がポジショントークだったら、それを受けた安倍さんの方は「意見は伺っておきます」的な冷静な対応になるはず。それが「脊髄反射」的な言い方で「そんなの~だよ」と返したのは、相手が本気でなければ生じない反応だからだ。
それからもう一つ。安倍さんが緊縮財政の非についてどこまで理解しているか。もし「税金は財源ではない」「国債は借金ではなく通貨発行」という理解をしているなら「理論的には正しい」という返し方はしないだろう。なぜならリフレ女子さんの言うように理論的に間違いだからだ。だが、それでは安倍さんが緊縮脳かと言えば、それは無い。でなきゃ、政権当初の異次元緩和や今回の10万円給付などしたはずがないからだ。これはやはり、高橋さんをブレーンに起用していたことからもわかるように、リフレ派的主張、つまりあくまで(実際は誤りな)「貨幣のプール論」に依拠したまま、デフレの時期には積極財政に転換した方が財政的に合理的だ、という考え方なのではないかと思われる。完全なMMT的考え方でないのは残念な気がするが、それでもポスト安倍候補の面々や筆頭野党の党首が全くの緊縮財政派であることに比べたら全然問題ないレベルであろう。
704 名前:猿都瑠 2020/08/25 (Tue) 13:29:37
>>702
希望があるとすれば、記事になる事を想定して、「お金の仕組み」を理解していないフリをまだしなければならないの鴨と。
707 名前:mespesado 2020/08/25 (Tue) 18:05:22
>>704
可能性としては大いにありますね。この人ほど「敵を欺くためにはまずは味方から」を実践している人も他にいませんから。
>>702
希望があるとすれば、記事になる事を想定して、「お金の仕組み」を理解していないフリをまだしなければならないの鴨と。
707 名前:mespesado 2020/08/25 (Tue) 18:05:22
>>704
可能性としては大いにありますね。この人ほど「敵を欺くためにはまずは味方から」を実践している人も他にいませんから。
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