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李登輝氏について [日記、雑感]

昨日1日の熊野大社月例祭での北野宮司の5分講話も李登輝台湾元総統についての興味深いお話でした(録音アップしたいのですが、うまくゆかないので後ほど)。放知技板でも李登輝氏の実像に迫る多面的な議論が展開されています。亀さん紹介の台湾の民主化進めた巨人・李登輝氏の日本人への遺言も李登輝という人が生き生きと伝わっていい記事でした。1923年、日本統治時代の台湾に生まれ、母語同然に日本語を話す李氏は、日本語によるインタビューにも丁寧な言葉遣いで応じるのが通常だが、ときに核心をつかれ、思わず本音が漏れる際は、「オレ」「お前」と、まるで旧制高校生に戻ったかのような口調になる。》《台湾においては、李氏の政治姿勢の変遷に不信感を持つ層も確かに存在する。しかし、そこに陰湿な印象が生じなかったのは、『街道をゆく 台湾紀行』で作家、司馬遼太郎が触れたように、李氏の精神の核には旧制高校生のような純粋さがあり、それが言動の下敷きとなっていたためだと実感している。》自分の中であらためて李登輝さんが生きづいてきます。自身の大学進学の際、最終的に京都帝国大学(現京大)農学部で農業経済を学んだものの、当初は岡山医科大(現岡山大)で医学の道を志すつもりだった》というのもはじめて知った。

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635:mespesado :2020/08/01 (Sat) 10:53:45
>>631
 私も李さんのインタビュー記事を読ませてもらいましたが、suyapさんとは別のところですごく気になる箇所がありました。
 (上)の方にある次の部分↓

> 中国は、民主主義や自由といった価値から遠く離れている。

の冒頭の「中国」とは何を意味するか。
 トランプが、悪いのは中国の政府である中国共産党で、国民は悪くないという趣旨の発言をしていたと思ったが、本当に「中国共産党」が悪なので退治しなければならないということなのかと思うと、どうもさにあらず。
 (下)の方で李登輝氏は次のように述べている↓

>  47年、台湾では二・二八事件が起きた。大陸から敗走してきた国民党
> の統治下で、治安は乱れ、汚職事件が度重なり、台湾人の不満が爆発
> た事件だ。庶民の声に対し、国民党は機銃掃射による虐殺で弾圧した。
> そして統治には強権が必要と考え、白色テロと呼ばれる知識人狩りや言
> 論弾圧をより一層強化した。

>  現在の香港で起こっていることも、おそらく似ているのではないだろ
> うか。戦後に台湾を統治した国民党の中華民国も、現在香港を統治して
> いる中華人民共和国も、歴史上脈々と続いてきた中華帝国体制の延長で
> ある。

 つまり戦後直後の大陸中国は共産主義でない「国民党」なので、「共産党」は関係ない。現に、ここで李氏は「中華帝国体制」と言っている。
 そもそも戦前に日本が対峙した中国だって中華人民共和国ではない。いや、日清戦争のときは中華民国(国民党)ですらなく、清皇帝のいる「帝国」だった。
 そういえば、米ソ冷戦で米国はソ連を「共産主義陣営」だから対立していたのかと思いきや、ソ連が崩壊しても、ロシアを敵視する政策を変えていない。これは単純に「惰性」とか「わざと敵を作って外に目を向けさせる政策」と割り切ることもできない。なぜなら、ロシアは確かに「全体主義」的な体質があるし、これまた戦前の日本を引き合いに指すなら、日露戦争前夜で、ロシアが膨張的な帝国主義だったのを日本は脅威に感じ、また忌み嫌っていたわけだが、これも「共産主義」と直接関係ない。
 米国は、とにかく国是として共産主義を悪の権化として忌み嫌うから、米国が共産主義を目の敵にするとき、それが本当に「共産主義であることが真の理由」であるかどうかは、このバイアスを差し引いて見なければならない。そして、上に述べた中国やロシアの「脅威」の本質が、もし共産主義そのものにあるのではないとしたら、真の本質は、「民族の体質」によるものなのか、「大陸の大国というものはそもそもそうなり易い」からなのか、それともはたまたDSが彼らの体質を利用してそそのかした結果でしかないのか、本当の理由は私にはよくわからないが、おそらく1個の単純な理由なわけではなく、複合的な要因が絡んでいるのではないだろうか。
638 名前:suyap 2020/08/01 (Sat) 23:10:18
mespesadoさん


>>635

台湾出身の李登輝氏から見れば中華民国も中華人民共和国も「大陸から来た傀儡」です。そして両「国」の成立には、米国(を通した国際マネー)が莫大に絡んでいます。だから同じ穴の狢です。中でも中国共産党を作らせた連中(のお仲間)が、戦後いつのまにか米国民主党に潜り込んだ。だからトランプ政権が「新」対中国路線を打ち出した底流には、米国内と「同じ敵」を睨んでいるのです。でもそれをあからさまに言ったら米国内で同意を勝ち取れないから、とりあえず中国共産党を敵として、反中共活動支援を打ち出したものと考えます。その状況は台湾も同じで、「デモクラシー」をノーテンキに「信じる」人たちは米国の新路線を単純に「わ~い」と受け入れているでしょうが、深く考える人たちは、本当の「敵」を静かに見つめていると思います。
639:名無しの権兵衛 :2020/08/02 (Sun) 01:39:22
李登輝氏への追悼・礼賛が多い。ここの掲示板でも散見されるけど、一昔以上前に、電気・電子産業で糊口を凌いだ者としては、とても賛成できない。
特に、氏が、何故、2001年に日本に押しかけて来なければならなかったのか? 本当に、医療目的であったのか?
その少し前に、シャープが液晶の特許で、抗議声をあげだした事に大きな関係があったのではないのか?
氏は、台湾の産業の将来・期待を一身に背負って、何の無理を押しても日本に来て、実力者の方々へ男芸者をしてでも、取引をする必要があったのではないか?
日本のマスゴミには、一行どころか、一言も乗らなかったけど、、、商社(大手~中小まで)はじめ業界の心ある人々は、固唾をのんで、その行方を見守っていた
そして、何も起きなかった。更に、2004年に、その返礼の一件かどうかは知らないけど、マンガのコスプレをしてみたり、、、(そういえば、大統領別荘で、歌手の物まねをした方も、、、)
シャープ・三洋電機は、液晶に限らず、その技術力(特許)をおカネに出来ず、干し上げられてしまった
つづく

640:名無しの権兵衛 :2020/08/02 (Sun) 01:51:32
(つづき)
今になれば判る。2000前後は、日本という国が一番厳しい局面を迎えていて、青い目・黒い目の極悪人に毟られまくり、何とか打開しなければならず、苦しいどころか身を売ってでも生き残らなければいけなかった。氷河期世代が出現したのも、その一つの結果で当然の話。
過去に、日本の帝国大学に在籍して日本語ペラペラ。敗戦という大失敗で、国民の多くが、物理的に体を売ってでも食い繋ぐ事を検討するような状態になった過去の傷を舐めてくれるからといって、褒め称えるのは如何なものか?
冷静に、氏の業績を振り返ることが、日本の明日に繋がると思ふ。
氏の業績は、有名すぎる台湾の工業 (TSMC等)の振興、自ら日本のオカゲと宣伝している土木・治水・地方自治、凍頂烏龍などの高付加価値農産品ブランドの勃興にも氏の影が見え隠れする。(というか、この農業政策が本当の氏の業績か?)
日本がやらなければならなかった戦略・対策を、台湾で適格かつ確実に実施・実行していたことに示されている。

政治・経済は表裏一体であり車の両輪。政治がこれだけ追い詰められれば、経済の方も追い詰められるのもこれまた当然。
市井の人の命など、蝋燭の炎より弱くはかないもの。何も出来ないけど、日本の本物の指導者の方の戦いを(心の中だけでも)応援します。

641:名無しの権兵衛 :2020/08/02 (Sun) 02:11:55
禁止ワードの表示が出るので、疑わしい単語を直しつつ投稿したら、誤字脱字だらけ。大変に失礼を致しました。ご容赦願います。
言いたい事は、良い事ばかりではなく、日本に対し害も相応にあった方に対する批判なき礼賛は危険ということ。
更に、今、もがいている日本の指導者の方に対する、応援(言葉だけですが)です。

642:亀さん:2020/08/02 (Sun) 05:14:50
>>639
名無しの権兵衛さん、初めまして。読み応えのある投稿、有り難うございました。
__________
李登輝氏への追悼・礼賛が多い。ここの掲示板でも散見されるけど、
一昔以上前に、電気・電子産業で糊口を凌いだ者としては、とても
賛成できない。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
とても貴重な指摘だと思います。

ところで、「一昔以上前」ということは、既に還暦を過ぎ、現在は悠々自適の定年生活を送っておられるわけですね。小生も同様に還暦を過ぎましたが、未だに次男坊の学費を稼ぐため、日々仕事に汗水を垂らしている毎日ですwww

「電気・電子産業」業界に従事されていたとのことですが、具体的にどのような御仕事だったのでしょうか? 小生の場合、半導体製造関連のベンチャー企業に二年弱(海外営業)、一部上場の半導体・電子機器メーカーに十一年ほど(海外営業・経営企画・調達・電子機器製造)勤務していました。半導体と云ってもディスクリートでしたが、多分、名無しの権兵衛さんの会社とも取引していた可能性大です。

さて、ご存じの通り、李登輝は大東亜戦争終了時は日本国籍でした。その後は台湾に戻り、農学博士を目指していたわけですが、1971年8月に蒋経国の知遇を得、同年10月に国民党に入党、その後は政事家の道を長年歩んできた人物です。その間、李登輝は台湾人としてのアイデンティティを揺るぎのないものにし、マキャベリズムを解する政事家(statesman)として大成した人物だと小生は思います。

その李登輝が2001年に訪日したのは、単なる治療目的だけではなかったという、名無しの権兵衛さんの推測は、当時の日本と台湾を取り巻く世界情勢を顧みるに、多分当たっていると思います。小生も過去に台湾あるいは李登輝に関する書籍を多少は読んできたし、なかには李登輝の裏の顔を書いた本もありました。

ともあれ、農学博士から政事家に転身した李登輝、恐らくは孤独の歩みだったと思います。斯様に一国のトップを務めることは大変だし、そのあたりはJBpressの最新記事の冒頭にあった、李登輝の言葉によく顕れています。
__________
私は死に物狂いだったよ。お前、死に物狂いになったことがあるか」
台湾の民主化進めた巨人・李登輝氏の日本人への遺言
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/61529
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
当時の李登輝の心情、政事と経営という違いはあるにせよ、リーダーを務めた体験を持つ故飯山一郎さんや堺のおっさんなら、上掲の李登輝の言葉の真の意味をくみ取れることでせう。

大部横道にそれてしまいましたが、以下の名無しの権兵衛さんの言葉・・・
__________
特に、氏が、何故、2001年に日本に押しかけて来なければならな
かったのか? 本当に、医療目的であったのか?

その少し前に、シャープが液晶の特許で、抗議声をあげだした事に
大きな関係があったのではないのか?

氏は、台湾の産業の将来・期待を一身に背負って、何の無理を押しても
日本に来て、実力者の方々へ男芸者をしてでも、取引をする必要
があったのではないか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
御意。「医療目的」というのは表向きの口実で、李登輝は元総統という立場にあったことを念頭に置きつつ、当時の日本と台湾を取り巻く国際環境を思えば、来日の裏の狙いの一つが、シャープの液晶特許の件であった可能性があります。

尤も、2013年にシャープは鴻海に買収されたわけですが、ここで注目すべきは鴻海と中国本土の結び付きでしょう。
シャープを欲しがる台湾の鴻海ってどんな会社?
https://ironna.jp/article/2872

本土にそのルーツを持つ外省人である鴻海のトップ郭によるシャープ買収劇について、内省人だった李登輝はどのような思いでいたのか・・・。李登輝の心の内を覗いてみたくなります。尤も、李登輝の一族は古くから台湾に住みついてた、客家であったことを念頭に置くべきかと思います。そう言えば、鄧小平のルーツも客家でした。

まとまりのない投稿になりましたが、現在は仕事に追われていますので、このあたりで切り上げます。

亀さん@人生は冥土までの暇潰し

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