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mespesadoさん講義(92)「倹約脳」の呪縛 [mespesado理論]

「何が必要か」の前に自ずと働く「倹約脳」、どこでどう身についたものか、それが日本全体に浸みわたっている。世の中の”勢い”を削ぐデフレ体質。今朝の山形新聞直言、藤井聡京大大学院教授の「ダムがあれば 救えた命」を、7/9の「mespesadoさん講義(88)財務省変化の兆」に追記してきたところですが、再掲しておきます。

山新直言2.7.14.jpg

《人吉市を中心とした球磨川沿岸域の人々の命と財産を守るために、1966年から40年以上の歳月をかけて7割方進捗していた川辺川ダム事業が、当時の「ダムは無駄だ」という空気に押されて破棄されるに至ったのである。・・・そもそも川辺川ダムは、2008年に中止されていなければ、(1100奥円の予算で)2017年には完成していたはずだった。一方で、放水路は8200奥円の予算と45年もの年月がかかると試算されている。遊水池に至っては、1.2兆円の予算と100年以上の歳月がかかるだろうと予期されている。》

*   *   *   *   *

553 名前:mespesado 2020/07/13 (Mon) 23:11:50
 西浦教授の予測が過大だったということで各方面から避難されているようで、新潮でも↓
“8割おじさん”西浦教授またも扇動? 感染1日100人超、99%大流行…本人に聞く
https://news.yahoo.co.jp/articles/b86acbe0899a199e9e88097b88a827d550e6774e

のような揶揄記事が出てくる始末。
 ところで、武田先生の当初の主張の根拠が最もよくわかるのは以下の動画でしょう↓

【武田邦彦】新型コロナウイルスはインフルエンザの約10倍の死亡率があ
ります。新型コロナウイルスを警戒する場合、死亡率の10倍と新型という
事で10倍の安全率を掛けて総合100倍注意すると良いでしょう。
https://www.youtube.com/watch?v=NvVG7qDp0Po

 さて、亀さんが紹介してくれた、武田先生の動画で言及されていた毎日新聞の記事とはコレ↓
「対策何もしないと重篤患者85万人」北大教授試算 「対策で流行止められる」
https://mainichi.jp/articles/20200415/k00/00m/040/087000c

 ところで、この西浦教授を巡る今までの経緯がWikiに書かれています↓
西浦博
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A5%BF%E6%B5%A6%E5%8D%9A#cite_note-26

 これによると、西浦教授が政府の委員会に招かれたの理由は、当初北海道で感染が広がり、それを西浦教授の計算に基づく独自施策で効果を上げたと中央政府が評価したからのようです。で、その西浦教授自身がどういう数理モデルで計算したのかを解説した記事がこれ↓
【特別寄稿】「8割おじさん」の数理モデルとその根拠──西浦博・北大教授
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2020/06/8-39_1.php

 非常に単純化された常微分方程式の数理モデルに、日本でのデータが無いところはドイツのデータを使うなどして計算したモデルであり、その具体的な式(プログラム)はこれ↓
https://github.com/contactmodel/COVID19-Japan-Reff/blob/master/BerkleyMadonna_May2020.txt

 これは別に西浦教授が発明したモデルではなく、この分野では既に常識となっている数理モデルの一つのようで、特にこの考え方それ自体がおかしい、ということはないように見えます。ただ、結果が大ハズレだったことが非難の主たる原因のように見えます。


 さて、私の感想。
 4月当初、世界で感染が爆発しているとき、日本政府は日本での感染を恐れて「最悪の事態」を回避する方向で検討していたであろうことは間違いありません。そこで、北海道の感染拡大を防ぐことに成果があったとされる西浦教授にその数理的予測を任せた。そして任せられた西浦教授も、もし過小評価すれば大ごとになると判断して、過大評価になる可能性を覚悟のうえで40万人死亡の予測を弾いた、という事のように見えます。
 じゃあ、本当に悪いのは誰だ!
 武田先生が
コロナ考え直し番外編:北大教授の計算
https://www.youtube.com/watch?v=Oy1mUP9Fj_A
の動画で述べていたような、「西浦先生の主張は根拠が無い」というのは言い過ぎだと思います。実際、上にリンクを貼った本人の解説を読めばわかるように、「根拠はある」のです。
 問題は、コロナのパンデミックを防ぐための「自粛対策」が経済を破壊するというジレンマがあり、どちらに偏り過ぎても世間の批判を浴びるということであり、神ならぬ人間には、そんな偏り過ぎない予測をピタリと出せるわけもありません。一見すると、私が冒頭でリンクを貼った武田先生のように、インフル等で長年行ってきた基準に従って淡々と警戒態勢を敷く、というようにしていればよかったように思うかもしれませんが、それは後出しジャンケンというもの。世界でこれだけ猛威を振るっていることや、何よりも治療方法が無いとか、酸欠になっても自覚症状が出ないで突然呼吸困難で死ぬとか言われている中で、いくら今まで実績があっても、それと同じ警戒方法に従って、もしとんでもない結果になったら…、と政府が恐怖にかられたとしても無理はありません
 となると、真に悪かったのは誰か?
 私がこの問いを発していることから、ある程度察しが付くと思いますが、私の考えでは、一番悪いのは…
■■■■■■■■■■■■■
 財 務 省 で す !
■■■■■■■■■■■■■
 早めに外国からの人の流入を完全にストップし、徹底的な3密の禁止!
 これができなかったのは、要するに観光業をはじめとする業界の「休業補償」に財務省がカネを十分出さないからです。財務省の抵抗さえなければ、休業による損失は政府が完全に保証することで、無理して観光業のために外国人を受け入れたりする必要は無かったし、人と濃厚接触したり人が密集する必要がある業種を休業させることに対する抵抗ははるかに少なかったはずです。そして早期に感染を収束させるまでこの経済活動禁止を続け、その分を政府がカネを刷って満額保証すればよかったのです。
 結局、一番悪いのは、つまらぬ貨幣の勘違い理論でカネを出し渋った財務省(と小林慶一郎やら小黒一正やらと言った御用緊縮バ〇学者ども)だった。単にモデルに従って試算した科学者にすべての責任を押しつけてんじゃねえ!と私は思います。

554 名前:mespesado 2020/07/13 (Mon) 23:24:44
>>553
 記事を投稿したあとで、この内容が亀さんやハリー今村さんの主張に異議を唱えているようにも読めてしまうことに気が付いたんですが、そういうつもりで投稿したのではありませんのでご容赦ください。
 この投稿の趣旨は、カネを出さない財務省がいかに国民に危害を与えているかということを改めて周知したかったことと、科学者同士で見解の違いで争わせて、財務省はその様子を見てニンマリしている、というのが悪賢いヤツラのいつもの常套手段で非常に腹立たしかったので、「皆さん、くれぐれも真の敵を見誤らないようにしましょうね」という趣旨での投稿ですので、ご了解ください。


【追記 2.7.15】

555:亀さん:2020/07/14 (Tue) 04:38:07
>>553、>>554

mespesadoさん、レス有難うございました。無論、「金を出さない財務省が最終的に悪い」という、mespesadoさんの主張は十分に理解できるし、同意致します。

ただ、ここで振り返るに、どうも>>551での小生の書き方も拙かったようです。

小生は投稿(>>551)の最後に、「このセンセーの学者生命、終わりだな…」と書きました。これでは西浦博士の発言、「重篤患者85万人」発言が結果的に間違っていたため、小生が斯様に書き、以下の動画を紹介したのだなと受け止められても仕方がないwww
コロナ考え直し番外編:北大教授の計算
https://www.youtube.com/watch?v=Oy1mUP9Fj_A

本当は以下の武田氏の動画を紹介したかったのですが、>>551を投稿した段階では、件の動画が見つからなかったので、上掲の動画の紹介となったわけで、後で漸く見つけた、小生が引用したかった武田氏の動画は以下でした。
【武田邦彦】専門家会議の西浦教授は なぜ「重篤85万人予測」と煽ったのか?その陰で背筋も凍る恐ろしい計画が…
https://www.youtube.com/watch?v=IjwkbX2pwdM

上掲の動画では西浦博士の計算式が、正しい間違っているという問題以前に、武田氏は「学問の自由」あるいは「科学とは何か」という視座から、学者としてとるべき姿勢について言及しているわけですが、武田氏同様、小生が云いたかったのは、「学問の自由」という道から西浦博士が外れている、だから「このセンセーの学者生命、終わりだな…」と書いた次第です。このあたりは、武田氏も上掲の動画の最後で、「この先生(西浦博)には、学問の自由は最早無い」とズバリ斬り捨てていました。

どうもお騒がせして申し訳ない。

亀さん@人生は冥土までの暇潰し

【追報】
武漢ウイルスって、単なる「風邪じゃん」と笑い飛ばす、不動産屋のおっちゃんの動画www
「人手不足」から一気に「人材余剰」になっているらしき世間の様子 by榊淳司
https://www.youtube.com/watch?v=u2h0lXc73Dw 

556:mespesado :2020/07/14 (Tue) 07:11:46
>>555
 武田さんの言う、学問の自由とは内的精神的自由のことだ、という主張。
 それはそうだが、今回の西浦先生のケースがそれに当たるのか?どうもそんなことは無いんじゃないかとしか思えませんでした。
 武田先生も、理論、というか「機序」がはっきりしなくても、「経験にもとづく考え方」を重んじる、という特定の立場で述べているだけのような感想を持ちました。やはり「機序」が解明されないうちは、より慎重になるべきではないのかなぁ。
 つまり、今回の件は、単なる科学者同士の「見解の違い」、というか「立場の違い」に過ぎないのではないか、と思った次第です。
 武田先生は「貨幣の理屈」がよくわかっていない(ただしこれは西浦教授も実は同じだと思いますが)。だから、過剰な自粛の方が社会に大きな影響を与えて罪だ、という考え方になると思うんですが、実際は日本のような供給力がとてつもなくある国の政府が貨幣を必要なだけ供給することで、過剰(だったかどうかは結果が出てからしかわからない、実際は神のみぞ知る)な対応と経済的損失を出さないことは両立するわけだから、もしそれがわかっていたら、主張もまた違ってきたのではないのか、と思ったわけです。
 さて、蛇足ですが、冒頭の主張。これ、経済学者にも当然当てはまりますよね。小林、小黒等の超非学問的な御用学者。彼らの方こそ社会にとてつもない害悪を与え、しかも自分の保身のために「わかっててあえてウソを付い」ているようにすら思える。糾弾するとしたら、単なる立場の違いによる同業者の科学者の方じゃなくて、コイツラのようなクズ学者の方ですよ、武田さん(怒!

557:mespesado :2020/07/14 (Tue) 08:21:44
>>556
特番『科学的に考える、専門家は事実を述べよ!』
ゲスト:工学博士 武田邦彦氏
https://www.youtube.com/watch?v=nxrLBks7JIQ

 武田先生がコロナに関して「経験に基づく考え方」が出ている私が一番感心した例が、この動画の7:30くらいから出している「対数」グラフ。
 武田先生は、これでデータは揃ったから「未知は過ぎて既知になった」と主張するけれど、日本が世界の例と明らかに違って低いことがより浮き彫りになったのも事実であり、グラフを見ると、日本は「なぜか」最初から「対策を打ち出した後の外国のレベルと同じ」なのだが、その理由(≒機序)は相変わらずわかっていないわけで、これは「機序」をベースにした議論ではないわけです。

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めい

亀さんとmespesadoさんのやりとり【追記】しました。
by めい (2020-07-15 05:12) 

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