◎In Deep メルマガ 第187号(2021年3月25日)より
普通に考えれば、私なども含めた世界情勢に詳しくない人たちが、「戦争が起きてどっちが正しい、正しくない」
などわかるわけがない。しかし、みんな「わかったように」ロシアを非難しています。それでも、この経済戦争としての行方はもうある程度決着はついているようで、つまり「ロシアが困る部分がいまだに見当たらない」のです。
先日、ロシアの報道は、「外国の航空機をロシア国内の登録簿に移行した」
と報じていました。
(報道) 航空会社は約800機の航空機をロシアの登録簿に移した (2022/03/22) https://nofia.net/?p=4423航空機一機がどれほどの価格かは知らないですが、「ただで手に入っている」。あるいは、ロシア制裁で没落させようとしたロシア市場と金融も、ロシアが、「天然ガス代金をルーブルで支払う必要がある」と述べたと共に、ルーブルは上昇し、ロシアの株式市場も上昇し、侵攻前の価格に近づいています。 (報道) ロシアが「敵対国」にガス代金をルーブルで支払うことを要求する (2022/03/23) https://nofia.net/?p=4399 (報道) ロシアルーブルが続伸、取引再開のロシア株式市場は大半が上昇 (2022/03/24) https://nofia.net/?p=4415確かに、先ほどのエスキモーの女性の言ったように、「ロシアは共産主義に戻ります」という道は辿っていなくはないです。食料品と日常品の価格高騰に対して、「固定価格を導入」という提案が出されています。 (報道) ロシアは、固定価格で国の小売チェーンを作ることを提案している (2022/03/24) https://nofia.net/?p=4407ロシアが「ソ連に戻りつつある」ということは確かなのかもしれません。しかし、それは、旧ソ連時代とは比較にならない経済的優位性と、資源、食糧、エネルギーの優位性を持つ新ソ連です。今日の報道を見ていましたら、 「ロシアの金準備も標的 「制裁逃れ」阻止へ - 日米欧」 https://bit.ly/3Nlh7ZZというのがありました。 > 先進7カ国(G7)と欧州連合(EU)は24日、 > ウクライナに侵攻したロシアへの経済制裁として、 > ロシア中央銀行が保有する金準備に関連した取引を禁止すると表明した。 > ロシアが通貨ルーブルを買い支えるために金を売却する「抜け道」を封じる。この「効果」に関しては、先日の以下のブログ記事に書いたダグ・ケイシーさんのサイトの記事から、少し抜粋するだけでわかります。 [記事] 金融と覇者交代の大地震が近い…のかも (2022/03/23) https://bit.ly/3ur0MdM > 米国の制裁から身を守るための戦略の一環として、 > ロシアは 2,300トン以上の金を蓄積してきた。 > > その金のすべてはロシア国内で保有されている。 > つまり、米国は軍事的侵略がなければそれに触れることはできない。あるいは、 > 中国、インド、イラン、トルコは、米ドルではなく > 現地通貨でロシアと取引を行うことを発表したか、すでに行っている。 > これらの国々の人口は 30億人を超える人々の市場であり……ということがあり、つまり「金」も西側で取り引きする必要なんてまったくないのです。ロシアは微塵もダメージを受けていないと思われます。そして、西側には「ブーメランだけ」が返ってきています。こんなことを書いているのは、別にロシアがどうとか、ウクライナがどうとかいう話ではありません。私は政治的には、ロシアも中国も好きではないですし、(どっちも学問と料理は好きですが)それにロシアとウクライナの関係なんて歴史がありすぎて、私のような素人にはまるでわかりません。そうではなく、こういうことを書いているのは、「私たちの日本は、正式にロシアの敵対国になっている」ということからです。戦争だ、侵略だ云々以前に、 「ロシアからの食糧が入らない」「ロシアからのエネルギーが入らない」「ロシアからの肥料が入らない」わけで、そして、前回のメルマガでも書きましたけれど、今後どうやっても回避できない「食糧危機」がやってきます。今日、以下の記事で、大豆の生産量が世界第6位の南米パラグアイが、過去にない大豆の不作に陥っていることを書かせていただきました。 [記事] 大豆生産量世界第6位の南米パラグアイが、記録的な大豆の不作により 「同国史上初の輸入」をせざるを得ないという異常な状況に (2022/03/25) https://bit.ly/3tCe5IWそこでブラジル日報の特報記事をご紹介していますが、以下のようにありました。 > 今年半ばまでは、大豆業界は加工用の原材料のストックを有しているが、 > それ以降、パラグアイはアルゼンチンなどの地域から > 史上初めて大豆を輸入しなければならならず…とあり、「今年半ばまでは」というようにありますが、この期間は国によって異なるでしょうけれど、日本などでも、大豆のストックが「切れる日」がいつかは来ます。世界第1位の大豆生産国であるアルゼンチンが大豆の輸出を停止している中で、https://bit.ly/380ELLg仮に海外からの大豆の輸入がほぼなくなった場合、国内生産でまかなうしかないわけですが、日本の大豆の自給率は22%です。単純に「価格が5倍にならないと見合わない」ことになり、それに加えて、農業には「肥料」と「エネルギー」が必要です。肥料価格と燃料価格の状況が厳しい中では、5倍の価格では農家の方がもたない。もっと上昇しても不思議ではないということかもしれません。それが10倍か20倍かはわからないですが、小麦も含めて、自給率の低い作物に関しては絶望的な状況になると見られます。先ほどの、> 今年半ばまではという記述によるならば、夏以降に穀物価格がカオス化する可能性があります。そういう意味では、今はロシアだウクライナだとヒステリックになっている暇はないと思われます。……最近はいろいろな具体的な面から見て、これほど「終末」を感じる日々はありません。戦争程度で済むのならともかく、「人類史上最大規模の餓死」が地球単位で起きる可能性が出ているとさえ思います。先日、米国の大統領でさえ「食糧危機は現実となるだろう」と、また失言なのか認知症戦なのかしらないですが、述べていました。 (報道) 米バイデン大統領が「食糧不足は現実となるだろう」と発言 https://nofia.net/?p=4420私も含めまして、個人にできることは少ないですが、今後「何もしない」という状況で立ち向かえるかどうかはわかりません。順番として、どれが先かはわからないですが、・株式市場の崩壊・商品市場の崩壊・食糧危機がセットになってやって来るようにも思います。