昨日の後編がアップなりました。転載させていただきます。


反緊縮派の人というのは、反緊縮の貨幣論という、常識を180度ひっくり返すような高い壁を克服しなければ理解できない理論を敢えて理解しようと努力した人たちであり、そのような努力を敢えてするためにはよほど強いインセンティブが必要で、憎きグローバリズムを理論的に批判し葬りたいという強烈な意思を持っていること自体がそのインセンティブになっている》。たしかにそうです。一方、大阪都構想の場合、地域ではタワーマンションの立ち並ぶ富裕層が住む地域、年代では30代から40代の年齢層で賛成が多く、米国大統領選では高所得者の多い大都市部でバイデン支持が多い、すなわち、TVも新聞も見ない・読まないで、ネットを駆使する若年層や富裕層にグローバリズム賛成者が多いのはなぜか。《低成長の“世知辛い”世の中になればなるほど、周りは生活が苦しい中、“努力して成功した”自分は彼らと違って豊かな生活ができている、というのは、それだけで自己の存在意識を十分に味わうことができる》世の中が進歩すれば進歩するほど、自分の存在意義を「他者に比べて如何に優れているか」という尺度で評価している人は、努力した自分達“だけ”が豊かにならないと気が済まなくなり、結果として、安価な商品ですら一般人にはなかなか手に入らないほど一般人の所得が少ないような、できるだけ“世知辛い世の中”の方を好むことになります》《世の中が進歩すれば進歩するほど、自分の存在意義を「他者に比べて如何に優れているか」という尺度で評価している人は、努力した自分達“だけ”が豊かにならないと気が済まなくなり、結果として、安価な商品ですら一般人にはなかなか手に入らないほど一般人の所得が少ないような、できるだけ“世知辛い世の中”の方を好むことになります》《世の中で自分を他者と比べて優位と考える人と劣位と考える人の割合もほぼゼロサムになるので、これに合わせて新自由主義者と反新自由主義者の割合もフィフティー・フィフティーのゼロサムになる・・・グローバリストと反グローバリスト、あるいは新自由主義者と反新自由主義者の対立は、世論がほぼ拮抗した情勢がこの先もずっと続く・・・今の人類が「自己の存在意義」を「他者との比較優位」に置く、いや、もっと一般化すると、「個々の人間が、他人の作った評価の中で優劣を競うという呪縛」が続く限り、この新自由主義者と反新自由主義者の拮抗した対立は未来永劫続くもの《「他者の作った価値観」で「優位」を掴むために「頑張る」から苦しいのであって、そんな他者の作った価値観から解放されて、どうせ頑張るなら自分が真に意味があると自分で感じ、納得したことのために頑張ればよい。/ そういうわけで、それぞれの国民がこのような政治の混乱の中でどのように行動するのがよいのか、ということは、それこそ個々人が政治情勢の変動に一喜一憂するのではなく、そのような意味での政治への依存を止め、自らの頭で考えて、価値があると自分で真に思えたことをするために生きればよい。》



mespesadoさんのいちばん大事なところです。以前の同じ趣旨の発言があります。→mespesadoさん講義(108)金言!https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2020-08-10 /mespesadoさん講義(73)〈対自性〉から〈即自性〉へhttps://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2020-06-13。実は私にとってもいちばん大事なところです。→「評価意識」からの解放https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2020-06-14


最後のところに挟まった次のフレーズも重要です。《そもそも反グローバリストとグローバリストが対立して、民主主義に基づく正式な手続きを経るとはいえ、一方が勝って他方を押さえこんで支配するということだから、これは国民の半数に残りの半数の価値観を押し付けて支配するということに他ならない。 結局は、ほとんどの国民が実は「他者の作った価値観に縛られて、その中で優劣を競っている」という呪いに縛られているということに気付いて目覚め、この意識から解放されない限り、無益な闘争が続く》


「支配する」は「ウシハク」です。それに対して日本古来の「シラス」があります。《「ウシハク」は、「国の主人となって領土領民を私的に支配すること」、つまり西洋や大陸のかつての王国で行われたことや、国家による他民族の奴隷的支配構造などにおける統治手法を示す言葉です。・・・世界中が19世紀までずっと「ウシハク」という統治形態しか知らなかった世界にあって、唯一日本では、はるか太古の昔から「シラス」国を築いて来たし、それが天照大神(あまてらすおおみかみ)様の御心であるということなのです。》(シラスとウシハク -シラスと日本人と天皇- なぜ天皇陛下は大切なのか?https://hologon.exblog.jp/22280742/)→北野達教授最終講義「古事記が目指したもの」(3) 本来日本の「政(まつりごと)」https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2018-03-08-1


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