田中進二郎著・副島隆彦監修『秀吉はキリシタン大名に毒殺された』(電波社 2020.10)を読んだ。

《歴史学において実証できなければ、事実とは認めない、という日本史学者が非常に多い。権力者たちが、自分たちの行う悪事をきちんと記録するとでも思っているのだろうか?彼らは、権力者たちの共同謀議(conspiracy コンススピラシー)というものが、どういうものなのか、思いも及ばないのであろう。》(108p)通説をひっくりかえす新鮮な議論をどんどん取り入れながら、いわゆるアカデミズムなどには一切顧慮することなく、自分で掴んだイメージをそのままに打ち出しているからだろう、(学者的配慮を時折チラつかせる副島氏より、もっと)気持ちがストレートに伝わって爽快。そして何より面白い。おのずと自分の中の歴史イメージの改変を迫られる。ただし、「すっと読み進めて一回で終わり」の本ではありません。そこで、じっくり肚に収めておきたいわが郷土史に関わる二つのテーマに絞って、蒲生氏郷と関ヶ原の戦いについてまとめておきたいと思います。