mespesadoさんの議論が、新しい視野を開かせてくれました。

mesさんの議論の前提に、堺のおっさんの《ヘーゲル的に言えば、グローバリズムの止揚は単なる国家主義への回帰ではなく、まったく別のものへと変容していかざるを得ないだろうとの視点です。情報も、お金も一瞬で世界を駆け巡る。そんなグローバリズムなくしてグローバリズムの否定は起きえない。したがって、物質から精神へと言う内容では語りきれない変化を起こすと。それが何かがわかれば、簡単なのですが…まだまだ整理しきれていません。現状はそんなところです。》260)という問題提起に対して、亀さんが《小生は上掲の拙記事で、その変化を「霊性」と表現しました。霊性とは、単なる精神世界を意味するだけのものではなく、人類全体をも巻き込む、大きな大転換(脱皮)へと我々が向かうための、一種の〝エンジン〟とでも云うべきものです。この流れは、最早DSが現在行っている小細工(流れを止めようとする悪業)程度では、とてもではありませんが防ぎ止めようのない、巨大な流れになりつつあります。》261)と応じられた議論があります。mesさんはこの議論に触発されて発言します。そして、mesさんの疑問に凍帰行さんが応えます。この辺のやりとり、放知技板の醍醐味、ゾクゾクしました。そこから自分なりにたどり着いたのが、増田嗣郎という人のサイトです。http://www.gokanbunseki.com/index.php?%B8%EC%B4%B6%A4%CB%A4%C4%A4%A4%A4%C6%A1%A1%CA%E4%B9%D6 増田氏の関わる本への感想に対する返信なのですが、相手を意識した文章だけに、増田氏の考えがものすごくよく伝わりますので下に転載させていただきます。私にとって、ほんとうに重要な新しい視点です。気づいたら、筆者増田嗣郎氏の会社の社長が黒川伊保子という人。その著書『英雄の書』を読んで記事にしたことがありました。https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2018-05-04-2

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264:mespesado :2020/05/22 (Fri) 12:25:55
『英語化は愚民化』刊行記念 施 光恒さん×中野 剛志さんトークショー
https://youtu.be/Eb6JF3fjmaQ

 ↑5年前の動画。

 言語学者でなく政治学者が書いた言語の本の紹介イベントだが、実業や学問の世界でよく言われる「英語で書くだけじゃなくて英語で考えよ」という意見に対する批判から始まって、「ダジャレを言う外国人はいるけれど詩や文学まで日本語で書ける外国人はあまりいない」ことなどを挙げて、母語の大切さを訴える話。当時はまだグローバリズムが全盛期な時代でもあった。
 昨今のアンチ・グローバル化の流れと呼応する話で、「西洋かぶれ」離れの一環であるが、とにかく母国語の大切さを訴える話。
 あれから5年が経過し、かつてのようなグローバル化マンセーに同調する人たちもだいぶ少なくなり、そしてこのコロナ騒ぎで逆向きの流れが始まりつつある(それでもまだ大学の9月始まりとかで外国出羽守が息を吹き返したりしているが)。
 ところで、この対談では、汎言語的というか、一般的な「母国語の重要性」の話に限定されている(だから母国語を大事にするフランス人のことを褒めている)のだが、実はまさに我々の「日本語」が持つ「言霊性」の特殊さというものにも目を向ける必要があり、この5年間でようやく「英語マンセー」からの逆向きのベクトルが出てきたとうだけで終わらず、まさにこの「日本語の持つ霊性」にも目を向ける方向性が出てくるとよいのだが。
 世界の言語は、もともと「古層」ともいえる古代言語があり、その後「印欧祖語」のような、言語の「新勢力」が登場して、それまでの「古層」の言語が世界中で駆逐されてしまった。だから、世界中の大陸ではこの「新参者」の言語ばかりになってしまって、「古層」の言語は山奥とかにわずかに残るだけになった。ところが「日本語」は、まさにこの「古層」に属する言語の特徴を備えており、島国だったがゆえに「新参言語」に駆逐されることなく残った貴重な言語なのだ、という内容を詳細な分析で解説したサイトがあったはずなんだけど、どう検索したら再発見できるのかわからず、リンクを貼ることができない。クヤシイ!

268:凍帰行 :2020/05/22 (Fri) 16:06:15
>264 mespesadoさん の仰っておられるのは、
・・ところが「日本語」は、まさにこの「古層」に属する言語の特徴を備えており、島国だったがゆえに「新参言語」に駆逐されることなく残った貴重な言語なのだ・・・・、

http://theory.gokanbunseki.com/index.php?%BC%EA%BB%E6%A3%B3
 語感言語学 言語学試論 の 内容に近いかも。

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