『習近平独裁は欧米白人(カバール)を本気で打ち倒す』が届いて一気に読まされた。今から16年前、まだ日本中が中国を見下していた時代の渾身の訳書『次の超大国は中国だとロックフェラーが決めた』以来、中国ウォッチャーとしての副島氏の分析は他の追随を許さない。《今の中国のトップたちの間で、何が起きているのか。その分析と解明は、欧米白人の中国研究者(チャイナ・ウォッチャー)たちにはできない。なぜなら、彼らの情報提供者(informant)である中国人知識人たちが、言葉を失って、何が起きているかを考えることができなくなっているからだ。/・・・私は、自分の知恵の限りを尽くして、今回の中国トップたちの動きを解明する。》(61p)情報の多寡ではない。事態の背景にある「内的必然性」を読み解くこと。その意味で、私には次の一文が重かった。


《中国は日本に対して「台湾問題で口を出すな」「台湾に手を出すな」とはっきり言っている。台湾は中国の領土であって、日本があれこれ自国の防衛問題として論議するなど許さない、ということだ。/先に私の結論を言っておくが、台湾情勢ではこれ以上、何も起きない。だから、何も心配いらない。/中国は大人だから、台湾とワシントンのMoonie(統一教会。法輪功も)勢力の扇動、挑発(provocation)になど乗らない。騙されない。/「台湾に中国軍が攻めて来る。侵略だ!」とさんざん何年も書いて、扇動してきたのは、まさしく統一教会Moonieたちだ。日本のメディアにも潜り込んでいる。統一教会系のジャーナリスト、言論人を気取っている連中がやっているのだ。/台湾は、これから5年後には、平和的に中国の24番目の省である「台湾省」になっているだろう。何の問題もない。》(116p)