新聞小説はそんなに読む方ではないのだが、日経の「ミチクサ先生」はいつの間にかすっかり嵌ってしまっていた。昨日最終回だったのでメモしておきたくなった。

ずっと遠くにあった夏目漱石という人が生き返った。こうしてこの小説ができたんだ、というのがリアルタイムのように納得できた。小説世界とは別次元の夏目漱石の実像が私の中で定着した。挿絵も、最初の頃は「なんだかなあ」という感じだったのだが、とびきり美しく描かれた鏡子夫人登場から輝きだした。評判がよかったのだろう。女性の絵が多くなった。挿絵も楽しみになっていた。

作者が渾身の力を込めたと思われる回があった。この回が描きたくて書き始めたのではなかったかと、私には思われた。日経デジタル版からコピーさせていただきます ↓

*   *   *   *   *