「財政規律という勘違いが殺人動機だった」という「相模原障害者施設殺傷事件」についての考察です。

植松被告が日本の財政赤字に対して重大な危機意識を抱いており、それが殺人に至らしめた理由であったとされることについて、mespesadoさんのリンク先に次のようにありました。植松被告の言い分として、日本は借金だらけ。(障がい者を殺せば)借金を減らすことは出来ると思います」などと主張。国が障がい者に支給する手当が、国の財政を圧迫しているという趣旨の持論を展開》日刊スポーツ「日本の借金だってこれ以上もう無理ですよ。これで大地震でも起きたら無茶苦茶になりますよ」「そもそも借金で何かをするということ自体、考えられないですよ」(植松被告の言葉)雨宮処凛)。植松被告は平成2年(1990)生れ。ロスジェネ世代以来の感覚を受け継いでいます。たとえばロスジェネ世代で『マンガ嫌韓流』の山野車輪(1971生)《「高齢者は自分たちの世代が働かずに豊かな生活を営むために...若者や将来世代から莫大な額の富を搾取しているのです!」「そして1億2171万円という数字は...政府の将来純債務を将来世代一人当たりが背負わされる金額です」「高齢者はこれまでに積み上げた大量の請求書を現在の若者や未来の子供たちに回し支払わせようともくろんでいますがそのような愚劣な考えは到底許されません」『「若者奴隷」時代』)雨宮処凛

mespesadoさんはそこに《「自分は社会から理不尽な不利益を被っている」という被害妄想から来るルサンチマン》を見てとります。常に「本質はすべて内面にある」んですよ。財務省の誤れる緊縮財政が殺人の真の原因だ、というのは実は本質を外している。植松被告にとって、「緊縮財政」は自らのルサンチマンを自分自身ではぐらかすためのダシとして使われているだけ》なのです。植松被告は決してその内面に意識を向けようとはしません。そこを突かれると「激昂」します。しかしそれはそれとして、財務省の「虚構」プロパガンダに自己のルサンチマンを仮託して、19人もの大量殺人事件を引き起こしてしまった。財務省を忖度して「虚構」を垂れ流すマスコミも同罪です。さらに言えば、そもそもロスジェネ世代の「ルサンチマン」を生み出したのが「緊縮財政」であったことを思えば、「緊縮財政」は二重の意味で罪なのだ。》というのが結論です。

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