一昨日(21日)届いていた田中宇氏の「大リセットで欧米人の怒りを扇動しポピュリズムを勃興、覇権を壊す」、力作です。

副島重掲板http://www.snsi.jp/bbs/page/1/で「群馬のゆみこ」さんが、「[2916]これは第三次世界大戦で、今、最後の仕上げに、大衆=わたしたちを目覚めさせる大芝居をしているのか!?」の題でトランプさんたちのターゲットは、今や、起きていてもぼんやりとして眠っている大衆=わたしたちなのではないか》と喝破しています。世界の動きを他人事でなく、直接我が身に関わることとして受け止める、たしかにそのことを教えてもらっているように思います。行き着くところ、ひとりひとりの「覚悟」が問われます。

以下、田中氏論考の要処抜き出してみました。

◆「大リセット(グレート・リセット)」で見えてくるもの

・「コロナ危機」の先→中国の台頭

《大リセットは、世界の人々に対し、コロナなどを口実に、事態が悪い方向に不可逆に大転換していくことを覚悟せよとうながす流れを作り出している。》

都市閉鎖は新型コロナの対策として効果がとても薄く、経済を破壊し人々の生活を破滅させるだけの超愚策であることがすでに確定している。・・・愚策と知りつつ今後もずっと続けられる都市閉鎖は、コロナ解決以外の隠れた目的を達成するための故意の失策である。》《国連は、世界経済を潰すために都市閉鎖を各国にやらせている》

日本人が自由に外出できているのは、菅の自民党や官僚機構が、国連からの圧力をかわしているからだ。日本の上層部は、間違ったコロナ対策を言われたとおりにやって経済や政体を潰されるより中国の傀儡になった方が良いと考えている》《大リセットの一要素であるコロナ危機は、米英・米欧の覇権勢力を自滅させて中国を台頭させる多極化の策として行われている。》

・「温暖化対策」の先→中国の台頭

そもそも(地球温暖化)人為説は英米のインチキな専門家がコンピュータのシミュレーションを細工して捏造した(コロナ危機に似た)「詐欺」であり、人類が2酸化炭素の排出を減らしても気候変動にほとんど影響がない。・・・カリフォルニアは、他州から電力を売ってもらえなくなる可能性・・・英国は、無意味な温暖化対策で国家の安全保障を危うくしている・・・中国は、温暖化対策のいいとこ取りだけをやっており、経済自滅策をやっていない。しかも中国は「発展途上国」のふりをし続け、他の途上諸国を率いて、先進諸国に対し、温暖化対策の支援金をよこせと言い続けている。温暖化対策もコロナ危機と同様、米欧を経済自滅させ、中国を台頭させている。・・・菅政権はコロナと同様、やったふり

・左翼が進める「抑圧強化」

大リセットは、左翼のもうひとつの顔である「共産党独裁」的な側面を欧米で露呈・・・大リセットの第1段階である「抑圧強化」は、特に米国において、左翼がリベラル主義を捨てて共産党独裁的な側面を露呈する流れとして具現化している。米国の左翼は中国共産党みたいになっている。

UBIは政府財政に大きな負担をかけ、その負担はすべて中銀群のQEの資金で賄われ、最終的な超インフレやドル崩壊を前倒しする。・・・ドル崩壊などで米国覇権が崩壊すると、大リセットは第2段階に入り、米欧は世界的な支配力が低下するとともに右派的なポピュリズムが台頭し、左翼の軍産エスタブが退潮する。この間、中国はずっと共産党独裁で、日本の権力移動も少ないだろう。》

◆ネット大企業が「公」になる?

ネット大企業が政治権力を持とうとする動きは、ひょっとすると米国だけでない。中国のアリババのジャック・マーあたりも、共産党独裁政権を押しのけるパワーを、とくに経済面や通貨面で持とうとしている可能性がある。アリババがグーグルやアマゾンなど米国勢と結託して「ネット枢軸同盟」を作って世界支配を狙ったらどうなるか??。かつて日独伊が米英を押しのけて覇権をとろうとした動きを彷彿とさせる。それは許さないということで、習近平はアリババに独禁法違反の濡れ衣をかけ、業態を強制的に縮小させたのだろう。近年の習近平の中共は、何でも動きが早い。米国でネット大企業の権力保持が露呈している最中の今の段階で、すでに習近平はジャック・マーを服従させ、許されたマーが3か月ぶりに1月20日に姿を見せた。》《今のコモディティの値上がりが超インフレになり、ドル崩壊に至るが、その過程で農産物の価格が高騰し、それを統制するために農地が公有化される。それを先取りして、MSのビル・ゲイツが米国各地で広大な農地を買い集め、全米最大の農地保有者になっているという。公有地の「公」は政府でなくネット大企業の経営者》

◆バノンに注目、トランプの別働隊?ートランプ戦略を読む

トランプは最近、戦略立案担当だった元側近のスティーブ・バノンと定期的に連絡をとり続けていると報じられている。バノンは17年夏にトランプ政権を離れた後、欧州に拠点を設け、右派のポピュリズム政治活動家たちとのネットワークを強化し、欧州の右派を扇動する動きを続けてきた。バノンは、右派ポピュリストが強いイタリアなどのエスタブ層から警戒され、イタリアで作った運動体を潰されたりしている。このバノンの動きと、大リセットで展開しそうな欧州のポピュリズムの勃興、トランプが下野して草の根のポピュリズム運動家になっていきそうな今後の流れを重ねて考えると興味深い。バノンは米政権離脱とともにトランプを批判し、マスコミではトランプとバノンが仲たがいしたと報じられたが、これは目くらましのニセ演技だった可能性がある。バノンは政権離脱後もトランプの仲間で、トランプと連絡をとり続け、別働隊として動いてきたのでないか。》

ディストピアかユートピアか?人類の分岐点

《大リセットはジョージ・オーウェルのディストピア小説「1984」から多くのアイデアをもらっている。「1984」は米国アマゾンでベストセラーになっている。米国だけでなく日本でもベストセラー1位だ。この現象自体が1984的だ。人々は、大リセットが人類を苦しめて欧米文明を壊滅させるディストピアへの道であることを、すでに知っている。》

*   *   *   *   *