↑2023年3月10日の米国の銀行株の値動きの一部 


↑ウェルズ・ファーゴの「オンラインの銀行サービスの停止」の状況。3月10日午前から、サービスの停止が急激に増加 

ウクライナ戦争と、始まったかもしれない史上最悪の金融危機は関係ないように見えるかもしれないですが、関係はあります。・・・「すべては突然始まったように見えるけれど、そうではない」・・・多くの専門家たちが、ずいぶん以前から、「次の金融危機は起きる」と言い続けていたものが、単に起きたということかもしれないですが、その規模は想定以上のもののようにも感じます。》https://indeep.jp/which-ones-next/

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【追記 3.12 17:30】In Deep続報です。

「地球規模のシステミック・メルトダウン」https://indeep.jp/global-systemic-meltdown/ 投稿日:

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ギャリー・タン氏のツイートより Garry Tan

これはスタートアップ企業にとっては「絶滅レベル」のイベントであり、スタートアップとイノベーションを 10年以上後退させることになる。

ビックテックはこのようなことは気にしない。彼らは他の場所に現金を持っている。

しかし、次世代の Google や Facebook になるはずだった企業など、すべての小さなスタートアップは、解決策が見つからなければ消滅してしまう。


緊急: 今すぐ嘆願書に署名してください。「何千何万というスタートアップ企業がリスクにさらされています」Urgent: Sign the petition now


(嘆願書より)


> シリコンバレー銀行には 37,000を超える中小企業があり、預金額は、どの企業も 250,000ドルを超えています。FDIC のウェブサイトによると、これらの残高は現在利用できず、さらなる介入がなければ、数か月から数年は預金にアクセスできない可能性があります。


劇的な救済でもない限り、雪崩のように新興企業の崩壊が起きていく可能性も強まっています。日本の企業でも、企業名は書かないですが、シリコンバレー銀行を通じて、スタートアップに多額の資金供与していた会社もありますし、日本にも波状に影響が広がる可能性もありそうです。




アメリカの金融専門家 グレゴリー・マナリノ:《SVB の崩壊は、中央銀行が意図的に助長している現在の世界経済の急落の兆候にすぎない。・・・今日、世界経済は加速する自由落下の中にあり、ナイフの刃で、新しいシステムを発行するためだけに既存のシステムをまとめて粉砕しようとしている中央銀行によって、意図的に金融の崖から押し出されている。・・・失業したばかりの人々が多数発生するのは言うまでもないが、最大の脅威は、小規模銀行/地方銀行の崩壊により、メガバンクが権力を統合することができることだ。・・・現実のチェックとして、理解しておいてほしいが、連邦準備制度理事会も米国財務省も、ここに至るのを見ていなかったはずはない。・・・今回の崩壊は、この崩壊から資産をわずかな金額で手に入れることができる大きな機会を彼らメガバンクに与えているからだ。さらにいえば、大銀行は、地方銀行の破綻が増えるにつれてさらに大きくなり、より多くの特売での買い物を可能する。SVB の一夜の崩壊に続いて、小規模/地方銀行の破綻が続くことを私は完全に予想している。銀行システム全体の統合が加速し、力が増し、ウォール街のスーパーバンクに集中する資産が増えようとしている。地方銀行、小規模銀行の破綻に関する(シリコンバレー銀行の破綻からの)「伝染」は、Too Big To Fail (大きすぎて潰せない)機関がさらに大きくなるのを可能にする。》


日本への影響はわかりようがないですが、週明けから何の波乱もないかもしれないですし、影響がやや見えてくるということもあるのかもしれませんが、やはりそれはわかりません。


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【追記 3,12 19:50】田中宇 国際ニュース解説 会員版より「シリコンバレー銀行破綻の影響 」https://tanakanews.com/230312bank.php


《今回のSVBの破綻は、金融システム全体の破綻につながりうる。だから3月9日、SVBの破綻を受けて、高リスクと思われている民間の債券や預金から資金が流出して代わりに低リスクと思われている米国債が買われ、10年もの米国債が高騰(金利急落)した。米国の覇権やドルの力の根幹にあるのは債券化された金融システムの資金力であり、SVBの破綻は米金融システムと覇権やドルの崩壊につながりうる。だから3月9日にドルの為替が急落し、それまで日銀のQE継続を受けて円安ドル高傾向だったのが反転して円高ドル安になった。ドルの究極のライバルである金地金の相場が、SVB破綻を受けて上昇した。SVBの破綻は例外的な事象でなく、金融システムを根幹から破壊しうる話だから、これらのことが起きた。》

ここ数年、人々の生活はスマホやテレワークなどインターネットへの依存をますます強めている。ふつうならネット企業の儲けは増え、業容が拡大して従業員も増えるはずだ。だが実際は逆で、昨年からネット企業は儲からなくなり、人員削減を続けている。考えてみるとおかしい。謎だ。この謎を解くカギが、上に書いたような、金融の儲けを本業に付け替えて成長神話を演出する詐欺手法だ。企業会計を監督する当局も、金融を拡大するために詐欺を容認している。昨年から金利が上昇してネット企業は金融の儲けを出せなくなり、利益の付け替え詐欺が不能になり、人員削減などリストラを迫られている。/ネット企業だけでなく、新興企業全体でこの手の詐欺が行われてきた感じだ。シェール石油産業などもそうだろう。これからひどくなっていく米国の金融危機は、実業界をも破綻させていく。米国の覇権崩壊も引き起こす。プーチンやメドベージェフがニヤニヤしながらこの展開を眺めている。》

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↓ 新興企業の「大量絶滅イベント」予想と、生き残るための心構え。 In Deep岡氏の訳とその原文訳。



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