米誌タイム(電子版)は9日、岸田文雄首相を表紙とする5月22・29日号の内容を掲載した。同誌は表紙で「日本の選択」と題し「岸田氏は数十年にわたる平和主義を放棄し、日本を真の軍事大国にしたいと望んでいる」と指摘した。
岸田氏を特集した記事では、影響力を増す中国抑止を目指す米国の求めを受け、「世界第3位の経済大国を軍事力のある大国にしようとしている」と分析した。一方、日本の平和憲法や「核兵器のない世界」を目指す岸田氏の理念と、防衛力増強が相いれないという見方があることも紹介した。
米誌タイム(電子版)は9日、岸田文雄首相を表紙とする5月22・29日号の内容を掲載した。同誌は表紙で「日本の選択」と題し「岸田氏は数十年にわたる平和主義を放棄し、日本を真の軍事大国にしたいと望んでいる」と指摘した。
【ブリュッセル=辻隆史】北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は10日の米CNNのインタビューで、東京に連絡事務所を新設するために日本政府と協議していると明らかにした。中国への対応を念頭に、インド太平洋地域への関与を強める考えを示した。
日本とNATOは2024年中の事務所設置に向けて調整している。ストルテンベルグ氏は「日本はNATOにとって非常に緊密で重要なパートナーだ」と述べた。
日本に加え、韓国、オーストラリア、ニュージーランドとの連携を広げる重要性を改めて強調した。東京の事務所をその足がかりとする。
NATOは中国を「体制上の挑戦」と位置づける。NATO幹部は中国が近年、インターネット上のサイバー攻撃や偽情報の拡散に深く関わっていると危機感を強めている。地理的な制約のないサイバー攻撃などは、欧州を中心に部隊を展開する軍事同盟にも重大なリスクとなるとみる。
ストルテンベルグ氏は「安全保障はもはや地域的ではなくグローバルな問題だ」と訴えた。NATOは日本などの非加盟国と新たな協力計画をつくる作業を進めている。サイバーや偽情報、宇宙といった安全保障の新領域で具体的な協調策を練る。
同氏はウクライナ侵攻を続けるロシアと中国の協力関係にも警戒感をあらわにした。「ウクライナで何が起こるかは、中国が例えば台湾に関してめぐらせている算段に実際に重要だ」とも指摘した。ロシアが勝利した場合は、中国が台湾に対してより強硬な対応にでかねないと分析した。