副島隆彦氏が18日こう書いた。《ウクライナ戦争は、ロシアとプーチンにとっての泥沼の戦争になりつつある。 停戦(シース・ファイア cease - fire )の 協定成立が、このあと一週間後にある、としても、それは、そのまま和平交渉(わへいこうしょう。peace talks  ピーストークス)にはならない。ウクライナ戦争は泥沼の戦争になった。/プーチンはアメリカ(西側)の策に嵌(はま)ったようだ。どうもそうらしい。ウクライナ侵攻のその日(2月24日)から、ロシア軍は、電子戦争(サイバー・ウォー)と情報戦争(インフォメイション・ウォー)で負けている。これでは緒戦(開戦)からのプーチンの負けとなる。/ 侵攻後の3週間でロシア軍が受けた打撃はあまりに大きい。/ おそらく1万人のロシア兵が死んでいる。戦車と戦闘車両が、500台撃破さている。兵員輸送車はその倍が破壊された。戦闘機も武装ヘリも80機以上が撃墜されている。/ ほとんどが実際の戦争を知らないロシア兵たちの間に、厭戦気分(えんせんきぶん)が広がり、士気が低下している、というのは本当だろう。ウクライナ軍のドローンや、対(たい)戦車ミサイルの餌食ならないで、戦闘車両と共に、火だるまとなって、瞬時で死んだ者たちを除いて、逃げ出して、うまく捕虜になった若いロシア兵たちの愁訴と哀願が、スマホを通して、世界中に伝わった。》副島氏は副島氏なりの具体的戦況分析に基づく判断であり、耳を傾けざるを得なかった。そんな中、今読んだ田中宇氏の見方。米共和党系の軍事専門家ダグラス・マクレガーに依るもので、副島氏の論とは対置される。私には田中氏の論の方が腑に落ちる。副島氏は見方を変えるべきと思う。

《米共和党系の軍事専門家ダグラス・マクレガー(Douglas Macgregor)が、ウクライナでロシア軍が作戦をゆっくり展開しているのは、ウクライナの市民や都市を破壊しないようにしつつ、露軍を攻撃してくる敵方の極右民兵団(ウクライナ内務省傘下のアゾフ大隊など。ネオナチ)だけを潰せるようにしているからだ、と指摘している。それなのに欧米のマスコミ権威筋は、「露軍がウクライナで苦戦し負けている」と勝手に間違った妄想を展開・喧伝し続け、「ロシアが負けているのだから米欧NATOがウクライナの領空を露軍から奪還して飛行禁止区域を設定できるはずだ」と勘違いしている、とマクレガーは言う。》《マクレガーによると、プーチンは開戦時から露軍に対し、ウクライナで市民を殺したり市街を破壊することをできるだけ避けつつ任務を遂行せよと命じてきた。米欧のマスコミ側の人々は「マクレガーはロシアのウソのプロパガンダを軽信しているだけだ」と言っているが、実のところ、マスコミ側の人々の方が間違っている。ロシア人にとってウクライナ人は同じ民族に近い半同胞であり、ウクライナにはロシア系も多いので、ロシア軍ができるだけウクライナの市民や街区を破壊せずに任務を遂行したいの当然だ。》

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