田中宇氏の最近記事(会員版)は「★消えゆく米銀行界」。《今や銀行は、主な預金者である中産階級も、融資先である中小企業も失いつつある。銀行は時代遅れの産業になっている。QEのせいで預金金利はゼロだ。人々が銀行に金を預ける意味が失われている。資金は中産階級による預金でなく、巨額のQEを続ける米連銀からくる。コロナによる経済難の長期化で、融資先の企業がいつ潰れるかわからないので、融資のリスクも増大している。高リスクは融資の際の高金利になるが、その一方でQEによる債券市場全体の金利低下を受けて社債金利が下がっている。それらの矛盾が激化し、銀行は本業をやっていけなくなっている。投資の顧問をするだけなら、巨大な銀行の組織や設備は要らない。銀行のもうひとつの業務として、社会で流通する現金(紙幣や貨幣)の管理があるが、その分野も世界的に現金廃止・通貨のデジタル化の進展が予測されている。銀行は全面的に「要らない産業」になっている。》 日本の銀行については《日本など他の先進諸国の事態は、そこまでひどくない。日本の銀行界は、戦後一貫して事実上政府傘下の機関であり、純粋な民間企業でなかった。日本政府は、銀行に合併や統廃合、合理化を進めさせるものの、米国のように銀行を業界ごと見放したりはしない。日本政府は、現金廃止・通貨デジタル化の動きも進めたがらない。通貨をデジタル化すると政府が全国民の日々の通貨の使用を把握できてしまい、それが自民党など政治家による独裁強化に使われかねない。日本の権力を隠然と独裁してきた官僚機構は、政治家の側に権力を奪われたくないので、通貨デジタル化もマイナンバーシステムの強化もやらないようにしている。》のであり、三橋貴明氏が警鐘を鳴らす「銀行法『改悪』」も銀行救済の一環だ。(「新・mespesadoさん講義(42)銀行こそ「ゾンビ企業」?」https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2021-05-16-2)しかしいずれ、《銀行は全面的に「要らない産業」になっている》ことはまちがいない。
それにしても、今あらためて読んだmespesadoさんの言葉は深い。以下再掲。
* * * * *