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梅津伊兵衛さんのこと [弔辞]

梅津伊兵衛さん.jpeg梅津伊兵衛さん訃報山新.jpeg昨日梅津伊兵衛さんの訃報を知った。その後「お知らせ」が届いた。いま、西尾幹二先生講演会後の懇親会で「新しい歴史教科書をつくる会」山形県支部の梅津会長が挨拶する写真を見つけた。平成11年11月21日、山形の国際ホテルが会場だった。分厚い『国民の歴史』(10/1発売)がベストセラー街道驀進中の開催で、会場は満席だった。西尾先生講演会.jpegわれわれの運動最高潮の時だった。(運動前半の経緯については→「追悼 菅 弘先生 (元山形県高教組委員長)」https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2013-10-11。思えば、16年続くこのブログ、私にとっての「つくる会」運動の顛末を記すことがそもそもの動機だった。→「日本人にとって共通意思は可能か」https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2006-03-12

「従軍慰安婦」産経記事2.jpg
産経新聞全国版に掲載されたこの記事から、高橋正二先生はじめ多くの出会いが生まれた。梅津さんとの出会いもそうだった。この記事から、平成10年3月22日、南陽市議会有志と山形県教職員組合協議会の共催で公開討論会が開催された。この時の出席メンバーが中心となって「新しい歴史教科書をつくる会」山形県支部が立ち上がった。梅津さんに会長を頼みに行ったら「あんたが事務局長やるなら引き受ける」と言われて逃げられなくなった。当時、梅津さん67歳か、私もあの年齢をとうに過ぎている。毎週水曜日、県議の沢渡さんが主人の山形の千歳館に通った。梅津会長はじめいつも20人近くのメンバーが集まった。軍人上がりもいて、私がいちばん若い方だった。いつも実のある話し合いだった。今でも「同志」といえる懐かしい人たちだ。
梅津さんの存在は大きかった。多くの山形の経済人を引き込むことになった。あの勢いが全国で展開されれば、つくる会の運動は違うものになっていたはずだ。一口で言えば、社会運動であるべきが、政治運動に矮小化されてしまった。対立のみが表面化した。いろいろもがいたが、結局運動はしぼんでいった。
高梨勝さん.jpgその後しばらく経った10数年前、梅津さんともうひとり、高梨勝さんの話が聞きたくて、1ヶ月に一回ぐらい米沢でわれわれ世代3人と食事しながらの会を続けたことがあった。お二人とも楽しみにしておられたのに、私の体調のせいでいつのまにか立ち消えになったのも今思えば悔やまれる。Sくんがビデオに記録してくれているはずだ。高梨さんは、生涯平巡査で終えられたが、皇族が米沢においでになるといつもいちばんお側近くで仕えられた。戦前特務教育を受けられた方だった。米沢の施設におられ、昨年3月お会いした。コロナによる面会制限になるギリギリで間に合った。
梅津さんとお会いした最後は、4年前山栄酒造の遠藤孝蔵さんんの葬儀の時だった。(→https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2017-05-29耳はだいぶ遠くなっておられたが、言葉を交わすことができた。今年の春、桜まつりの開園式で息子さんから「元気です」とお聞きした。米沢日報に連載の自伝的エッセー「ベートーヴェン物語」の要約版を今読んだ。→http://www.yonezawa-np.jp/html/serialization/beethoven/essay01.html 体は年相応になっても、心はいつも弾んでおられた。私にとっての一時代、ともに並走していただいたかけがえのない人だった。
【追記 2021.7.20】
梅津伊兵衛さん告別式城.jpg梅津伊兵衛さん告別式.jpeg儀に参列してきた。参列者用の椅子は50ぐらいなのに、ものすごい数の献花だった。弔詞は総代を務められた菩提寺の和尚さんだけだった。コロナ前の葬儀だったら、いろんな方の弔詞が聴けたのにと残念に思ったのだが、息子陽一郎氏の喪主挨拶がそれを補って余りあった。梅津さんが生き生きと眼前に甦った。陽一郎氏がスポ少で剣道をやっていた時の話。ある大会で、到底勝てない相手に負けるべくして負けた。相手が相手だからとみんなに慰められた。父親にもその言葉を期待した。しかしその時返ってきた言葉、「おまえさ、そんな風にまわりの雰囲気に流されていたら、勝てる相手にも勝てなくなるよ。自分で状況や結果を本気で変えようと思って努力すれば、いくらでも変えれるものなんだ。」その言葉が深く心に刻み込まれて、その相手と再戦の機会を得た陽一郎氏、必死で勝つための工夫をめぐらして辛くも勝利、その番狂わせが周りを驚かしたという。以来これまで、父親の言葉はずっと陽一郎氏のバックボーンでありつづけた。・・・喪主挨拶で息子にそう語らせる父親はすごいと思いつつ、この話、どうしても書き留めておきたかった。ご冥福をお祈り申し上げます。日本の行く末、どうかお見守りください。

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めい

2021.7.20 葬儀に参列してきました。その記事追記しました。

by めい (2021-07-20 21:21) 

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