昨日宮内七夕祭が斎行された。平成25年(2013)に始まったので今年が11回目。まだまだPR不足で十分に知られていない祭事だが、伝統に裏付けられた意義深い祭りとして永く継続してほしい。今回、北野宮司の御母堂が亡くなられていたので、斎主を蔵田権禰宜が務めた。その祝詞と神事終了後の挨拶にこの祭事の意義が語り尽くされていた。

・祝詞 2023_08_07_19_11_06.mp3

・挨拶 2023_08_07_19_29_30.mp3

この祭りによって、各家に眠ったままのお獅子達がハレの場に出る機会を得た。宮内には古来各家の獅子を旧暦7月6日の晩、みんなの目に触れる場でお祀りする七夕の行事があった。戦後は子供会単位で行われるようになっていたが、少子化とともに廃れてしまっていた。それを復活したのが宮内七夕祭だった。→「宮内七夕の復興(1) 北野猛著「熊野大社年中行事」」https://oshosina.blog.ss-blog.jp/2013-12-10

昨日上の寺のところで、87歳の平源助さんに声をかけられた。墓掃除だという。「ナヌカビ」であることに気づいた。古い人は昔からの伝えを守っている。今朝ゲートボールの練習日で、同僚議員に「ナヌカビの墓参りは?」と訊いたら、吉野や梨郷の議員は「当然」の風の答えだった。町場で忘れられていることがしっかりと地域に伝わっていることを知らされた。6日の晩の七夕祭りを終えると、吉野川に七夕の飾りを流す、そして夜が明けると墓参り、そしてお盆を迎えるというのが恒例だったのだ。そういう行事に関係ない勤め人が増えてしまってどんどん忘れられてゆく。宮内七夕祭は、そうしたことに歯止めをかける意義もある。