私には田中宇氏の「国際ニュース解説」が最も信頼する情報源だ。この1ヶ月間は3日に2本の記事発信だからすごい。平常時は1週間に1本か2本だった。さっと読める記事ではないので、mespesadoさんの記事同様、いったんこのブログにコピぺしてじっくり読むことにしている。時間もかかるが、時にはゾクゾクするほどの展開もあって、記事の届くのが楽しみだ。飲み込みの悪い私には、ありがたい頭の訓練にもなっていると思う。今回は、マスコミ報道ではわからないウクライナにおける戦況が理解できた。あわせてこれからどうなるかも見えてくる。会員版でないので全文貼り付けた。


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《ロシア政府は、米国側の誤報に対してあまり反論しなくなっている。米国側のマスコミに好き放題にロシア敵視の誤報をさせ、ロシアを極悪だと歪曲報道させている。極悪なロシアを許すなという米国側の世論によって、過激な対露経済制裁が行われ続ける。しかし、石油ガスなど資源の輸入停止を中心とする対露経済制裁は、中長期的にロシアをあまり傷つけない半面、米国側、とくに欧州諸国の経済に大打撃を与え続ける。米国側の対露制裁は自滅的な超愚策である。情報戦争・プロパガンダ戦争としては、ロシアが惨敗、というか不戦敗している。しかしこの不戦敗は、米国側が自分たちの経済を自滅させる対露経済制裁をどんどん進めることにつながり、経済戦争や、米国側と非米側の地政学的な戦いにおけるロシアや非米側(中国やBRICS)の優勢や勝利をもたらす。》《そしてロシアは、軍事的な面でもウクライナにおける優勢が崩れない。米国側のマスコミはロシアの惨敗を描くが、実際のロシアは予定通りゆっくりと勝っている。ロシア国内でのプーチンの支持率も下がらない。この状態が長引くほど、経済面で米国側が崩壊していく。露軍はもっと早くウクライナでの作戦を完了できそうだが、それをやらない。戦争状態が長引くほど、米国側が過激な対露制裁によって経済的に自滅していってくれるからだ。経済の自滅が進むと米国の覇権が低下し、非米側の全体が相対的に優勢になっていく。露軍は、時間をかけた方がウクライナの諸都市の街区を破壊せず、住民を死なせずに作戦を進められる。露軍は予定通り、時間をかけて勝っていく。 》

米国側のいろんな権威筋が、ウクライナ戦争はこれから1-2年続くと予測している。彼らは自分たちの敗北までは明言していない。英国首相が「ロシアは勝ちうる」と発言したり、米国の財務長官が「対露制裁はロシアより欧州を打撃する」と言うなど、状況はわかっているようだが、自滅への道をやめる動きはない。》


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