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「ウクライナの政治体制は民主主義といえるのか」 [ロシア]

スプートニク記事。「野党メドベチュク党首、紛争の発端と予期する結末を語る」の全文。ウクライナ人政治家メドベチュクは、「野党プラットフォーム―生活党」の元党首。2022年4月12日、国家反逆罪の容疑でウクライナの治安当局に逮捕、その後、ウクライナとロシアが交わした捕虜交換でロシアに渡る。「ウクライナの政治体制は民主主義といえるのか」についての内部からの指摘として重く読んだ。


《冷戦の結末とは、西側による東側世界の吸収でもなく、ポスト・ソビエト圏は経済、法、文化的に従属させられたわけでもなかった。それは、政治、経済の新たな現実のために対等に協力し、これを共同で建設することを意味した。つまり、冷戦の終結には異なる2つのアプローチがあることがわかる。一方では勝者の勝利、他方では新たな世界と文明の建設。今後の展開もこの2つの異なるアプローチに立脚していくことになる。》

990年代以降、欧州で、そしてその境界線で、何百万人もの市民を巻き込んだ深刻な民族紛争や戦争が次々と勃発し始めた。これほど多くの民族間の争いは1991年の前にはなかった。このすべてがユーゴスラビアの崩壊、グルジア(ジョージア)、モルドバ、シリアの独自の統合力の喪失を招いた。欧州統一の規範からすれば、これは何も意味しない。なぜなら欧州統一の目的は欧州を多数の小国に分割することではなく、民族の別を超越する巨大な超国家的連合を作ることであり、これらの民族は互いを絶滅させることも、国境を増やすことも必要なく、共通の新世界を共に構築することを目指すからだ。それのどこが悪いのだ、ということになる。》

我々が目にしているのは2つの政治戦略だ。1つは互恵を最優先とする各国が経済的・政治的に統合される戦略、もう1つは、特定の国が他の諸国を吸収する戦略。その場合、吸収される側の国益は考慮されない。その場合にこれらの国自身がバラバラに分断されてしまったり、追放され、征服される恐れがある。/ロシア連邦は政治、経済の路線を劇的に変更し、危機から脱するに従い、ロシアを弱体化させ、蔑み、不利益な立場においやりたいという明確な欲求に直面している。経済的なポテンシャルは向上しているにもかかわらず、ロシアはならず者国家呼ばわりされる頻度が増えた。経済的潜在力が高まれば、国の影響力は強まり、これは欧米諸国では歓迎されるべきことだ。しかし、真逆のことが起きている。ロシアの影響力は歓迎されないばかりか、間違いで、犯罪的で腐敗していると決めつけられている。・・・そして今、私たちはNATO構想がロシアの欧州への統合を破壊しただけでなく、欧州の拡大と発展に終止符を打ったことを目の当たりにしている。つまり、先に挙げた2つの戦略アプローチのうち、1つがもう片方を明らかにねじ伏せたわけだ。

政治・経済の共通空間の創設という概念が、欧州からロシアを締め出すコンセプトにを前にした場合、いかに脆いかはウクライナの例に見事に表れている。2005年の第一次マイダン以降、ウクライナは冷戦時代の雛形に従い、国家イデオロギーのレベルで反ロシア政策を構築してきた。ウクライナにおける反ロシア政策は、西側や国際的なあらゆる種類の組織が支援する民主改革、前向きな変革を装い、社会・政治生活の全ての領域で推し進められてきた。しかし、その民主主義は民主的とは全く相容れない方法によって成立した。そして今日、果たしてウクライナの政治体制は民主主義といえるのかという問いは、かつてないほど重要性を帯びている。》

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今の世界がよくわかるプーチン演説「状況は、ある程度革命的」 [ロシア]

阿修羅板で、第19回バルダイ・クラブ年次総会でのプーチン演説についての記事を読んだ。→「状況は、ある程度革命的(耕助のブログ)」http://www.asyura2.com/22/kokusai32/msg/298.html

次のコメントがついていた。同意同感。《プーチンという人は、ソ連崩壊直後、一時期タクシーの運転手をしており、それから学究生活に入った。だからかれは庶民の生活を政治家のなかではよく知っているほうだとおもう。そのままならプーチンは高校や大学あたりの教師をしていたかもしれない。しかしエリツィンに才能を見出されてモスクワ市議会議員であるエリツィンの秘書のようなことをするようになった。エリツィンが出世するとプーチンも自動的に政界の階段を上がっていったが、かれは基本的に学者だ。そして柔道をすることでわが道が開けたとオリバー・ストーンの映画で語っているように大の日本通であり日本好きだ。こういう人物が哲学思想を縦横に駆使して世界を語ることはちっとも不思議ではない。わたしたちはプーチンという人物を西側のプロバガンダのせいでずいぶん誤解している。もっと真摯にかれのことばに耳を傾けるべきだ。1. 鼻タレ[192] lUCDXoOM 2022年11月06日 23:11:59

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「第3次世界大戦(世界戦争)になる」(佐藤優/副島隆彦) [ロシア]

《私自身は、ケルチ大橋の爆破のあった10月8日(日本時間午後0時7分。現地午前6時7分)から、緊張状態に在りました。この時、「もう、第3次世界大戦になる。プーチンは、それを覚悟した」と判断しました。それでも、自分の考えをすぐに発表するのを、少し待とうと、考えて、ぐだぐだとこの5日を過ごしました。/だが、私も、佐藤さんに、押される形で、「もう、世界戦争を、日本国民も覚悟せよ」と書いて公表します。》

世界中が、一気に、戦争体制、戦時経済(せんじけいざい war time economy  ウォー・タイム・エコノミー)に入ってゆくだろう。/各国で、食料の配給制度の検討が始まっている。 配給制度のことを rationing ラショニング と言う。国民一人一人に、配給カード ration card ラッション・カードが、配られる。 日本でも、すでに、政府が、着々と、準備をしていて、マイナンバーを、医療保険(社会福祉番号)と税金の徴収用に統一することと、配給制度 に活用するようだ。/それと、2024年に導入が決まっている、新札切り替え(福沢諭吉から渋沢栄一に代わる)と、その際に、redenomination リデノミネイション(通貨単位の変更)も、実施されるだろう。》

幸い、今度の世界大戦は、東アジアではなく、ヨーロッパが中心である。日本は、中国とうまく付き合って、上手に生きるべきだ。》

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ロシアが先に核兵器を使用することはない(承前) [ロシア]

ロシアは核兵器で誰も脅したりしていない」「西側はウクライナ危機における最悪のシナリオを恐れる必要はない」

核保有大国(露・米・イスラエル・英・仏・中)の、核使用に関するドクトリン(基本原則)が挙げられています。

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クリミア大橋爆破が意味すること(田中宇) [ロシア]

クリミア大橋爆破はロシアを本気モードにした。ロシアによる報復は容赦ない。ゼレンスキーも逃げるしかない。ウクライナ全土が、いつ飛んでくるかわからないミサイルの恐怖に慄いている。《10月11日の朝、「ウクライナ全土に航空警報が発令され」、火力発電所などの軍事インフラ施設に巡航ミサイルやミサイルランチャーの落下物が襲い掛かっている。》https://ameblo.jp/yamatokokoro500/entry-12768885708.html) 

ウクライナが折れて和平交渉に応じることができるかどうか。おそらくはできないというのが、マドモアゼル・愛さんの見立てだ。《今後の予想ですが、ハルマゲドンに至る可能性は残念なことにありますが、ここでウクライナが勝ち目なしとして和解に応じる流れがあってもよいと思われます。西側のすべてを戦乱に巻き込むよりもずっと良いことは確かです。/意地を張るのは悪人の特徴なので、最後まで争うべきとの考えは、欧州人民と西側諸国の人々の命を軽く見る良くない考えではないでしょうか。/ウクライナはすでに本日のミサイル攻撃で負けているのですから、早く終わらせた方が被害が少なくすみます。意地を張ると、全世界を巻き込まねばならなくなります。》https://www.youtube.com/watch?v=kLegcDGDFAI

今何が起ころうとしているのか、確と見守りたい。

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米英覇権を潰す闘いに入ったロシア [ロシア]

ウクライナ開戦は、ゼニカネ経済(金融中心経済)終焉の幕開けだった。《米国側の経済自滅は、戦後ずっと続いてきた米国覇権の世界体制を終わらせる。前回の有料記事に書いたように、すでに英国は金融崩壊し始めている。これから米国も金融危機になる。冷戦後(1985年の米英金融自由化後)の米英覇権は、債券化による金融バブルで支えられてきたが、その大黒柱が崩壊していく。ウクライナ戦争は、米国のQE終了と重なる時期に開始され、米英の金融崩壊に合わせる形で展開している。冷戦後の世界経済は、米英が主導する金融システムが上位にあり、ロシアやサウジアラビア、中国など、資源類と製造業など実体経済を担当する諸国は下位で、金融面から米英に支配されてきた。この状況は2月末のウクライナ開戦後、劇的に転換した。》

主戦場は「経済」だ。軍事的大戦争にはならない。ロシアが米英を潰そうとしている。そう書くと、その主戦場は「経済」でなく「軍事」になると思いがちだ。米露が戦争し、核戦争の世界大戦になる!!。大変なことになる!!!。セルビアの親露的なブチッチ大統領などは、そのような思考回路に沿って、9月20日の国連演説で「1-2か月以内に、第2次大戦のような世界規模の戦争になる」と述べたのだろう。だが、それから2週間経ったものの、事態はそっちの方向に進んでいない。軍事的に今の焦点は「世界大戦」でなく、ドネツク州の街クラスニイ・リマンがウクライナ軍に包囲されて取られてしまったという、従来どおりの小規模な一進一退の戦闘だ。おそらく今後も、軍事的な大戦争にはならない。米英覇権を潰そうとするロシアの闘いの主戦場は、軍事でなく経済である。これは軍事と経済の両面がある「複合戦争」で、軍事はウクライナ東部に限定されているが、経済はドルの威力(基軸性)から資源類の世界市場まで幅広い。軍事の戦闘を小規模にすることで、犠牲者を少なくして、効率よく「大戦相当」の覇権転換を引き起こそうとしている。》

国民ひとりひとりが戦いの意味を認識すること、そのための総動員体制。プーチンは今回、ロシア国民に総動員をかけたが、その本質は、米英が金融崩壊していくタイミングを狙って「プーチンと露国民が総動員で米英覇権と闘って勝つ」という構図を作り、ロシア人が戦勝感や達成感を得られるようにしている。これは政治闘争だ。実際に兵士として動員する人数は多くない。プーチンは、2月末に米英がQEをやめると同時にウクライナに侵攻して世界を金融vs資源の強い対立に転換し、今回また米英が金融崩壊を加速しそうなタイミングで4州併合と露国民動員、米英覇権潰しの闘いの宣言を発し、ウクライナの戦争を覇権転換の闘いに転換している。日本など米国側の軽信者たちは「マスコミは本当のことしか報じない」というウソに絡め取られ、米国側マスコミの戦争プロパガンダを信じてしまい、本質が全く見えなくなっている。日本などの左翼リベラルは本来なら、米英覇権の世界支配を壊すロシアの闘いに賛同・参加すべきなのに、間抜けにも米英マスコミのプロパガンダを軽信し、ロシアを敵視している。大馬鹿だ。》

ロシアには西側感覚(損得経済)を超えた思想がある。→「プーチンの思想的背景」https://oshosina2.blog.ss-blog.jp/2022-09-26-2

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プーチン大統領演説全文 [ロシア]

4州併合を宣言するプーチン大統領演説、いま世界で起きている「グローバリズムvs反グローバリズム」の根本構造がわかります。日本人は、奴隷のように黙ってこの野暮ったさを飲み込んでいる人》と皮肉られています。

《西洋は中世に植民地政策を開始し、その後、世界的な奴隷貿易、アメリカでのインディアン部族の虐殺、インドやアフリカの略奪、イギリスとフランスによる中国との戦争、アヘン貿易のための開港を強要したことを思い起こすとよいだろう。彼らがやっていたのは、民族全体を麻薬におぼれさせ、土地や資源のために民族全体を意図的に絶滅させ、人間を獣として狩るという本末転倒なことだったのだ。これは、人間の本性、真理、自由、正義に反する。
 そして私たちは、20世紀に反植民地運動を主導し、世界の多くの人々に発展の機会を与え、貧困と不平等を減らし、飢えと病気を克服したのがわが国であったことを誇りに思っている。
 このような欧米のエリートたちが、何世紀にもわたってロシア恐怖症に陥り、怒りを露わにしてきた背景には、まさに植民地支配の際に、ロシアが自らを奪われることなく、ヨーロッパ人たちに相互利益のための貿易を強いたからだということを強調したいのである。
 これは、ロシアに強力な中央集権国家を作り、正教、イスラム教、ユダヤ教、仏教の偉大な道徳的価値と、万人に開かれたロシアの文化やロシア語によって強化され、発展していったからである。
 ロシアへの介入計画が何度も立てられ、17世紀初頭の曖昧な時代と、1917年以降の衝撃の時代の両方を利用しようとしたことが知られているが、それは失敗している。
 結局、西側諸国は国家が滅んだ20世紀末にロシアの富を手に入れることに成功したのだ。当時は友人やパートナーと呼ばれていたが、実際は植民地として扱われ、さまざまなスキームで何兆円ものお金が吸い上げられた。私たちは皆、何もかも覚えていて、何も忘れてはいない。

 そしてこの数日、ドネツクとルハンスク、ケルソンとザポリージャの人々は、我々の歴史的な結束を回復するために声を上げた。ありがとうございました。(拍手)

今日に至るまで、ドイツ、日本、大韓民国などを占領し、対等な同盟国だと皮肉っている。聞け!どんな同盟なんだろう。これらの国の指導者がスパイされ、国家元首がオフィスだけでなく自宅まで盗聴されていることは全世界が知っている。本当に残念なことだ。それをする人も、奴隷のように黙ってこの野暮ったさを飲み込んでいる人も、恥ずかしくなる。》

西洋が20世紀初頭の矛盾から第一次世界大戦を経て出現したことを思い起こすに値する。第二次世界大戦の結果、アメリカは世界恐慌を克服し、世界最大の経済大国となり、世界の基軸通貨としてドルの力を地球上に印象づけることができたのである。西側諸国は、最後に崩壊し、バラバラになったソ連の遺産と資源を流用することで、1980年代の危機をほぼ克服し、危機は悪化したのである。それが事実である。
 今、矛盾のもつれから抜け出すためには、他人の富をさらに略奪し、その代償として穴を塞ぐために、主権的発展の道を選ぶロシアやその他の国家を、ぜひとも打ち砕く必要がある。もしそうならなければ、彼らはシステムを崩壊させ、すべてをそのせいにしようとするだろうし、最悪の場合、よく知られている「戦争がすべてを帳消しにする」という公式を使うことになるだろうと私は否定しない。
 ロシアは国際社会における自らの責任を理解しており、このような熱血漢を正気に戻すためにあらゆる手段を講じるつもりである。》

世界は革命的な変革期を迎えており、それは基本的なことだ。新しい開発拠点が形成されつつある。彼らはマジョリティを代表している。- 彼らは多極化の中に、自国の主権を強化する機会を見出し、それによって真の自由、歴史的展望、独立した創造的で独特な発展への権利、調和のとれたプロセスを獲得しようとする。
 欧米をはじめ、世界中に志を同じくする人たちがいて、その支持を実感している。一極集中の覇権主義に対する解放・反植民地運動が、さまざまな国や社会で展開されている。その主観は増すばかりである。この力こそが、今後の地政学的な現実を決定するのである。》

運命と歴史が我々を呼んだ戦場は、我々の民族、偉大なる歴史的ロシアのための戦場なのだ。(偉大な歴史的ロシアのために、未来の世代のために、私たちの子どもたち、孫たち、ひ孫たちのために。 私たちは彼らを奴隷化から、彼らの心と魂を不自由にしようとする怪しげな実験から守らなければならない。
 私たちは、ロシアが、私たちの民族が、私たちの言語が、私たちの文化が、歴史から消されることがないように、今日も戦っている。今日、私たちは社会全体の統合を必要としており、その統合は主権、自由、創造、正義に基づくものでなければならない。私たちの価値観は、人間性、慈悲、思いやりである。》

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プーチンの思想的背景 [ロシア]

速報!

ウクライナ投票結果.jpg












【↑ 9.28 11:30追記】

副島氏が《今回、トルコと、インドと、イランが、このSCO に正式に参加した。このことの意義は大きい。この首脳会議に、トルコのエルドアン首相が、突然、と言ってもいいぐらいに出現した。そして、がっしりとプーチンと、腕組みをして歩いている映像(動画)が、公表された。トルコのメディアで9月19日に。/これは物凄いことだ。この時、世界史が動いた、と言っても過言ではない「G7(西側同盟)対 エマージングG8 非西側)」の、大きな対立構造が、これで完成した。/ G7の側の西洋白人同盟( the West ザ・ウエスト、35カ国ぐらい。日本はこっち )の、人口と国土面積の合計は、地球全体の15%である。それに対して、貧乏“資源”大国の 非白人の、残りの85%の、人口と土地から成る、非西洋の 世界同盟が、9月17日に、サマルカンドで出来あがったのである。この事の意義は計り知れなく大きい。/西側のメディアは、今や、茫然として、コトバを失っている。日本では、このSCOのサマルカンド会議のことは、ほとんど報道しない。もう、コワくて出来ない。》「世界史が動いた。SCO に、何と、トルコ と インド と イラン が加わった。」)と書きました。

その前に猿都留さんの次の発言ありました。

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144:猿都瑠 :2022/09/20 (Tue) 16:45:55

ロシアはプーチンの頭脳である、アレクサンドル・ドゥーギンの考えによって動いている。

主張(以下wikiより)

自由民主主義、資本主義、個人主義、グローバリゼーションなど西側諸国のリベラルな価値や理念を強く批判・攻撃し、20世紀に衰退してしまった共産主義とファシズム、21世紀に標準化した自由主義に代わる第四の政治的理論としてネオ・ユーラシア主義を主張する。

ドゥーギンは有史以来の世界構造は海の秩序をコントロールする海洋国家と陸の秩序をコントロールする大陸国家に分けられるとし、ソ連崩壊後のアメリカ一極支配の世界においても地球規模の市場原理主義の下でグローバル化を主導するシーパワーのアメリカと、独裁や宗教を統治論理としたランドパワーのロシアの新冷戦構造により当てはまるとした。

ドゥーギンによると、北大西洋条約機構(NATO)のような欧米の「大西洋主義」政策は、ハートランドを奪うためのロシアの封じ込めとリベラルな価値観が支配する世界の構築を狙いとするものであり、これに対抗してロシアは地政学的な戦略に基づいてユーラシア大陸に多極体制を築く外交戦略を取るべきだという。

ユーラシア帝国をつくるためにもロシアは領土問題を避けるべきとし、まずNATO陣営のドイツにカリーニングラードを返還して中央ヨーロッパや東ヨーロッパに目を向けさせて欧州全体をフィンランド化させ、中東ではイランと同盟を組んでクルド人などイラン系民族を使って反露的でNATO陣営のトルコを揺さぶることで脅威度を減らし、アジアでは日本にクリル列島を譲渡して反米を煽動して日米同盟を解体させ、ロシア極東への脅威度を減らすためにベトナムを除くインドシナ半島に中国を南下南進するよう支援してフィリピンやオーストラリアなど米国の同盟国と対峙させるべきと主張している。中国についてはチベット・新疆・内モンゴル・満洲をロシアの勢力圏内に置き、中国分割論の主張をする一方、日本をロシアの極東におけるパートナーにすべきだと提唱している。また、上海協力機構(SCO)NATOと対決できる多極的なブロックとして重視している。

ちなみに天然ガスは前年度比221%、日本はロシアから輸入量が増加している。
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「露軍の撤退は戦略的撤退」(田中宇) [ロシア]

ウクライナが攻勢に転じたような報道しきり。しかし実相は、

ウクライナでは最近、ロシア軍がハリコフ周辺の地域から撤退して統治をウクライナ側に明け渡した。ウクライナ政府はこれを受けて「これからロシアに勝っていくんだ」と宣言し、米国側マスコミは「露軍の敗北。プーチンの窮地」を喧伝している。だがよく見ると、露軍の撤退は、伸びた戦線を短くして戦争の負担を減らすための戦略的撤退と考えることができる。2月の開戦以来、露軍が負けそうだという米国側の報道は毎回この手の歪曲話である。ウクライナにおける露軍の優勢が今後も続く。 》

露敵視で自滅の道を進むドイツ、それに対して放任温存される日本。

《米多極派が日本を自滅させずに温存している理由は、プーチンが東方経済フォーラムの演説で、多極型になるこれからの世界経済の中心は東アジアだとぶち上げたのと同じものだ。ロシアが欧州と断絶してアジアの国になり、中露印など非米諸国がアジアを発展させて世界経済の中心にしていく。日本や韓国など表向きは米国側の諸国もそこに参加して実質的な非米諸国として振る舞う。日本など米国側のマスコミはこうした流れを無視し、報道上の表向き(実は妄想)は米国覇権体制が続いているが、実体として世界は多極型に転換し、中露など非米化した東アジアが世界経済の牽引役になり、日韓もそこに参加する状況になる。豪州など、今は中露を本気で敵視する諸国も、そのうち態度を変えて参加する。》

そのような多極化のシナリオのために、米国の多極派は、ウクライナを使ってロシアを挑発して開戦させ、欧州を巻き込んで強烈な対露制裁をやって世界を二分して露中に非米側を主導させ、世界の非米化と多極化を推進した。彼らは同時に日本を放任して、日本が中露との関係を維持して、非米化する東アジアの経済発展に貢献するように仕向けている。ほとんどの人が気づかないうちに日本は米国の差し金で非米化している。 》

認知戦に騙されてはならない。

欧米日では世論のほとんどが親ウクライナ反露であるかのように見えるが、豪アデレード大学の学者が、世界のツイッター上の520万件の親ウクライナ反露の英語の書き込みを調べたところ、アカウントの特徴などから、60-80%が人間が書いたものでなくAIによって機械的に書かれた「ボット」であることが判明した。私のウクライナ関連記事を誹謗中傷してくるツイッターの書き込みの中にも、ボットと思われるものが多数ある。今や世の中で「世論」と言われるものの多くは、SNSのボットや、マスコミ権威筋がばらまくプロパガンダなどによるインチキな歪曲である。歪曲によって実際の現状がよく見えなくなっている中で、世界の覇権転換が進んでいる。》

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